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閑話.微妙な関係の2人
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レオハーヴェン達と別れたランドとライラはテントに戻って簡単な朝食を摂っていた。
「しかし…あいつら何者だ?本当にただの冒険者か?」
同じく食事の最中である目立つ一画を見ながら呟くランド。
「エヴァントさんもキラさんも、スノウちゃんまで一撃でワイバーンを倒しましたよ。それに、倒した魔物は全てキラさんのインベントリに入ったんです。驚きました」
「そうか…確かにキラさんは魔力が高そうだな。その上2頭のスレイプニルと契約だろ?スレイプニルはおれも初めて見た。…レオハーヴェンも凄かったぞ?たぶんおれより強い。それにいくら夫婦でも、契約獣があそこまで主以外の人間に従うなんてそうそう無い…とは思うが…滅茶苦茶仲良いしな…はぁ…」
「…」
最後の方はもう完全に独り言である。羨ましそうな視線を送り、溜息を吐く。そんなランドをライラが複雑そうな表情で見つめているが、彼は全く気が付かなかった。
一昨日彼らと食事をした時は努めて冷静を装ったライラだったが、内心とても驚いていた。
しっかりとした作りの広いタープテントに綺麗な木製のテーブルとイス。夜はオシャレなランプが灯り、作りたてのように温かい食事がたくさん並ぶ。南大陸では手に入りにくい食材をふんだんに使ってある料理は、どれも一流レストランに引けを取らない美味しさだった。
そして珍しい一妻多夫の彼らはとても仲が良く、契約獣も家族の一員として大切にされている。それぞれの行動や言葉は愛に溢れていて羨望の気持ちを持たずにはいられない。上級ランクのパーティーだと言っていたが、Bランクパーティーの自分たちより強いのは明白。キラの若さなどを考慮するととんでもないスピード出世だ。更には稀にスリップホースから進化するスレイプニル、考えてみても正体の分からないスノウ、とにかく全てが桁違いのパーティーである。
ランドとて当然その凄さには気が付いている。
冒険者というのはやはり荒くれものが多い。今回のような場合でも、褒賞金を独り占めしたいがために他パーティーを妨害して自分たちだけで攻めてしまったりする。成功すればまだ良いが、多数のトランス状態の魔物に圧されて失敗したりするから始末に負えない。
レオハーヴェン達がそういうパーティーだったなら脅威となるが、違った。話してみて、共に戦ってみて、彼らの人柄が寛大で秀逸だという事が分かった。だから驚きはしても落ち着いていられるのだ。
ただ…スキンシップが多い。それも他人に見せつけるような類ではなく、ものすご~く自然だからこそ余計に照れる。見てる方が照れてしまう。
今もコーヒーを飲みながら2人がキラの髪に触れたり、手を握ったり、頬にキスしたり。彼女もそれをごく自然に受け止めている。自分たちも南大陸では数少ない男女のパーティーなので視線を集める事は屡々あるが、彼らがそれ以上に注目を浴びて目立っているであろうというのは容易に想像がついた。
いつの間にか無言でジッとレオハーヴェン達を見ていたことに気が付いたランドとライラ。2人して慌てて視線を逸らし、ふと目が合って互いに少しばかり赤くなたのだった。
ちなみに採掘師の2人はというと、戦いが終わってすぐ逃げるように岩山を降りていった。
「しかし…あいつら何者だ?本当にただの冒険者か?」
同じく食事の最中である目立つ一画を見ながら呟くランド。
「エヴァントさんもキラさんも、スノウちゃんまで一撃でワイバーンを倒しましたよ。それに、倒した魔物は全てキラさんのインベントリに入ったんです。驚きました」
「そうか…確かにキラさんは魔力が高そうだな。その上2頭のスレイプニルと契約だろ?スレイプニルはおれも初めて見た。…レオハーヴェンも凄かったぞ?たぶんおれより強い。それにいくら夫婦でも、契約獣があそこまで主以外の人間に従うなんてそうそう無い…とは思うが…滅茶苦茶仲良いしな…はぁ…」
「…」
最後の方はもう完全に独り言である。羨ましそうな視線を送り、溜息を吐く。そんなランドをライラが複雑そうな表情で見つめているが、彼は全く気が付かなかった。
一昨日彼らと食事をした時は努めて冷静を装ったライラだったが、内心とても驚いていた。
しっかりとした作りの広いタープテントに綺麗な木製のテーブルとイス。夜はオシャレなランプが灯り、作りたてのように温かい食事がたくさん並ぶ。南大陸では手に入りにくい食材をふんだんに使ってある料理は、どれも一流レストランに引けを取らない美味しさだった。
そして珍しい一妻多夫の彼らはとても仲が良く、契約獣も家族の一員として大切にされている。それぞれの行動や言葉は愛に溢れていて羨望の気持ちを持たずにはいられない。上級ランクのパーティーだと言っていたが、Bランクパーティーの自分たちより強いのは明白。キラの若さなどを考慮するととんでもないスピード出世だ。更には稀にスリップホースから進化するスレイプニル、考えてみても正体の分からないスノウ、とにかく全てが桁違いのパーティーである。
ランドとて当然その凄さには気が付いている。
冒険者というのはやはり荒くれものが多い。今回のような場合でも、褒賞金を独り占めしたいがために他パーティーを妨害して自分たちだけで攻めてしまったりする。成功すればまだ良いが、多数のトランス状態の魔物に圧されて失敗したりするから始末に負えない。
レオハーヴェン達がそういうパーティーだったなら脅威となるが、違った。話してみて、共に戦ってみて、彼らの人柄が寛大で秀逸だという事が分かった。だから驚きはしても落ち着いていられるのだ。
ただ…スキンシップが多い。それも他人に見せつけるような類ではなく、ものすご~く自然だからこそ余計に照れる。見てる方が照れてしまう。
今もコーヒーを飲みながら2人がキラの髪に触れたり、手を握ったり、頬にキスしたり。彼女もそれをごく自然に受け止めている。自分たちも南大陸では数少ない男女のパーティーなので視線を集める事は屡々あるが、彼らがそれ以上に注目を浴びて目立っているであろうというのは容易に想像がついた。
いつの間にか無言でジッとレオハーヴェン達を見ていたことに気が付いたランドとライラ。2人して慌てて視線を逸らし、ふと目が合って互いに少しばかり赤くなたのだった。
ちなみに採掘師の2人はというと、戦いが終わってすぐ逃げるように岩山を降りていった。
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