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王家の秘め事 ③
しおりを挟む次の日には漸くグラデウスの熱も下がりベッドから起き上がれるようになった。しかし書類が溜まっているので片付けたいと起きて早々書斎に籠ろうとしたので、ガシッと腕を掴み朝食が用意されているであろう広間まで引きずってゆく、大の大人だろうが、病み上がりの人間に負ける僕では無いのだ、ブツブツ文句を言う婚約者を席につかせ、軽くパンとスープを食べてから、グラデウスが仕事をしている間は走り込みや剣の腕を磨くべきだと思ったので、駄目で元々と考えながらも提案してみるとあっさりと許可が降りた。
彼曰く、ベイレード家の人間は剣に命を捧げてるので、それを妨げることは死を意味すると、世間一般ではそう伝えられているとのこと。
それ、どんな言い伝え。確かに僕たち鍛錬好きですけどね。よその領地にまでそんな悪評が伝わっているとか信じたくないんですけど。
でもまぁ、婚約者の家でまで剣の腕を鍛えたいと宣言する令嬢とか確かに正気か!って思われても仕方ないかも。
取りあえず許可を貰えたことに感謝しよう。あと、しばらくはグラデウスの様子もちょくちょく見に行きたいから、ステラには動きやすいドレスを選んでもらわなきゃ。幾ら護衛が居るからって、安心していたらいつ襲撃に会うかは分からないんだから、気を引き締めておかなければ。
でもご令嬢が剣を常に下げているのは変だよねどうしたものかと、護衛のハンスに相談してみたら。
「そんなら、お嬢が使っていた扇子を持っていればいいんですよ。あれ一つ5キロある鉄扇ですので、弱い奴なら殴って気絶させられます。職人が丹精込めて作った良い武器ですよ。」
あの扇武器だったのかよ。妹が扇子で口元を隠しながら、「お兄様この仕草は乙女の嗜みですのよ。」と微笑んでいたのを思い出してぞっとした。
乙女の嗜み怖!
でも確かに短剣とかよりも持ち運びやすいし、今度グラデウスに同伴して社交パティーに向かい、不審な企みをしえいる貴族が居ないか探りたいとも思っているから。
助かると言えばそうなんだけど、ハンスから差し出された扇子の重みが腕にのしかかるのを感じて、僕はもっと鍛錬しないとなぁとため息を付くのだった。
なんか婚約者というより、グラデウスの影の護衛と化しているぞ大丈夫か僕、いや別に婚約者らしいことがしたいとかそういうのではないんだけれど、このまま最終的に妹と結婚して貰っても、結局友情に厚い夫婦になりそうで何だかな、
箱入りの僕には恋心は難しい、僕に惚れて貰っては困るけど、僕に似た妹には惚れて欲しいこのジレンマ。
このモヤモヤが解決する日は来るのだろうか。
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