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魔術師のお弟子さん ④
しおりを挟む次の日から始まった魔術の指導は、先ず自分の魔力を体中に循環させることから始まった。僕の場合魔力の流れが悪いせいで、体調不良を起こし更なる悪循環を引き起こしているの事。
「最初は、葉っぱを浮かせることから始めるの。さぁ、魔力が血液の様に体中を流れるのを意識しなさい。手は葉っぱの横に置いて、目を閉じてイメージするの、手のひらから魔力を出して、ふわりと緑の葉を浮かせられた自分のことをね。」
言われた通りにやってみたものの、葉っぱはピクリとも動かなかった。しょんぼりする僕にジャノメは言う「最初は皆そんなもんよ、魔術はコントロールが鍵になるから、大抵の魔術の家系は最初にこの修行をさせるけど、一発で出来た子供は少ないわね。」
まぁ、あたしは出来たけど。
そう茶化しながらも、ジャノメは「こうよ。」と葉っぱの上に人差し指を乗せ一撫でするだけで、葉を自在に動かせて見せた。
「ここまでできれば、応用は簡単になるの、何事も初め肝心よ、時間はいくらでもかけていいから、コツを覚えてモノにするまで、毎日この練習から始めることにするわね。」
そう、修行は実践だけでなく、魔術論理も覚えなければいけない、何故、魔術は何の為にあるのか、どう使いこなしていくことが重要なのか
頭と体で理解して初めて魔術を会得したとなるのだとか。うーん、奥が深い。
結局僕が葉っぱを3センチ浮かせるようになるまで一月を費やしたけれど、浮いたときの喜びは計り知れないものだった。
本当に僕に魔力を使いこなせる力があったんだ!それだけでも人間として少し成長をした気になった。
グラデウスも、僕の魔術修行には協力的で、修行の時間が終わると迎えに来てくれたり、そのまま教会で勉強をしたり、ジャノメの家で僕が作ったご飯を一緒に食べてくれたりと、かなり仲良くなれたような。
因みにジャノメは相変わらず、料理も掃除も出来ない困った師匠なので、僕は毎日ジャノメを叩き起こし、朝食を作るついでに昼食も作り、軽く部屋を片付けて、寝ぼけている師匠を引きずりながら、教会に行って魔術を教えて貰っている。
この教会は前任が居た頃は頻繁に、村の人がお祈りに来ていたらしいけれど、ジャノメが就任してからは週一で決められた祈りの日以外に来ることは無いらしい、ちなみに祈りの日は、体と心を休める日として、七日に一度週の終わりの日に行われている。その日は僕の修行もお休みだ。
その日のジャノメは、魔術師ではなく、神に仕える神父となるので。
この国が崇めている神は、初代国王の事を差している。
武力に優れ、魔術師の才も持ち合わせていた彼は、その能力を十分に発揮させ、何もない唯の荒れた土地だったこの場所を開拓し、一代で見事な王国を作り上げたと言われている。もちろん神話に出てくるくらい昔の話であるけれど、僕たちは初代国王を尊敬し神として、永遠に語り継ぐことを決めたのだ。
教会には必ず、国王の姿絵と、彼が持っていたと言われる十字の杖、そして彼が生涯愛した百合の花がシンボルとして飾られている。
因みに、椿は医療魔術師だった王妃が好きだった花だそうで。
その為 王宮騎士団は百合の花を、王宮魔術師椿をそれぞれのシンボルマークにしているという。
これは王家の歴史を学んで勉強した、グラデウスに教えて貰って少しずつだけど、王宮の事も理解してきたかも。
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