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魔術師のお弟子さん ⑤
しおりを挟む葉っぱを浮かせることが出来るようになると、次は蝋燭の火を消す修行に入った。
全身に魔力を行きわたらせることが出来るようになったので、最近とても身体が軽く感じる、朝の訓練にも身が入り、ハンスから一本取れる日も多くなってきた。
暫く火を消す訓練をした後に、ジャノメはテストをするわよ。と言って魔術の基礎に関する質問を僕に問いかけて、それに僕が答えて行くということを行った。そして葉を空に浮かべ、ジャノメが起こした大きめの火を素早く消せたことで、「うん、基礎は覚えたわね!」と褒められて、師匠からネズミ色をしたローブを貰った。
「このローブは魔術師見習いになった証よ。貴方は今ようやくスタート地点に立てたという訳、これから本格的に魔術を学ぶことになる、魔術師の道に終わりはない、私もまだまだ、魔術を極めたなんて言えないくらいに遠い道のり、それでも何かを成す為に貴方はこの道を選んだ、その強さを認めこのローブを貴方に贈ります。」
そして、いつか、真っ白いローブを羽織った貴方を渡しに見せて頂戴ね。
優しく見つめられ、僕は目の前の師匠が羽織っている眩しいくらいに白いローブを目標にすることを誓うのだった。
見習いになったことで、僕は一つグラデウスにしてあげられることが増えた。ジャノメが定期的に治療をし彼が作った薬を飲んでいる事によって肩に受けた、傷と呪いは抑えられてはいるのだが、時々グラデウスは夜中に魘されベッドから落ちる時がある。
僕の部屋は彼と同じ階にある、真夜中にドサリと音がしたら、寝間着のままグラデウスの寝室のドアを開け、彼の上着を脱がせ傷口の部分に手を当てて、僕の魔力を一気に注ぎ込むことにしている。
これは火を消すときの要領で、一度体の中で魔力を溜め、一度に手のひらから魔力を出すことで火を消すことが出来、それを応用すると魔力が蝕まれ、治癒能力が落ちてしまうグラデウスに力を与えることで、彼の傷も呪いも温和出来るとジャノメに教えて貰っていたのだ。
「グラデウス様もう大丈夫ですわよ。」
そういって彼の髪を梳けば、呼吸を落ち着かせたグラデウスは少しだけ目を開け、声は出さずに有難うと呟いた。
いつまでも彼を床に寝かせておくわけには行かないので、ハンスにベッドに戻して貰い、僕は彼のベッドに上がってグラデウスの隣に潜り込んだ。
一度魘された日は、一日付いていてあげないと、また魘される事があるのだ、それを知った僕は、彼の許可を取る前にベッドに入ることにしてる。
再び眠り始めた彼の腕をそっと掴み、ゆっくりと魔力を流し込む。
大丈夫。貴方を苦しめるものは居ないから。
そうすると、彼は飛び起きる事も無く、朝まで優しい顔で眠ってくれるのだった。
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