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34.目撃(★)
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フェルディナントが沈んだ気分で自分の寝室に戻ると、ヨハンが瞼を腫らして寝台に横たわっていた。その姿を見たフェルディナントは、レオポルティーナに対する罪悪感を一気に忘れ、ヨハンに申し訳なく切なくなった。
フェルディナントは、ヨハンが起きないようにそっと彼の隣に身体を横たえた。するとヨハンが充血した目をパチリと開け、寝台の上で彼と視線を合わせた。
「ヨハン、起きてたのか?」
「うん…フェルがティーナを抱いてると思うと、気が狂いそうで眠れなかった」
「安心して。今日も駄目だったから、ティーナはまだ処女だよ」
「そっか。でも初夜がまだ済んでいないって閣下に分かったらやばいよ」
「そうだね。なんとかしないとなぁ…でも今はもうそのことは考えたくない。疲れたから寝るよ」
「ねえ、フェル。俺も朝まで一緒にいてもいい?」
フェルディナントとヨハンは、以前は自分達の関係がばれないようにかなり注意していた。だがフェルディナントの結婚後、ヨハンは嫉妬に駆られて次第に大胆に振舞うようになっていた。
「え?やばいよ。今夜は閨の日だから寝室の前に不寝番がいないけど、その分朝番が早く来るから、ヨハンが僕の寝室から出る所を見られちゃうよ」
「その前に帰るから…ね、いいでしょ?お願い。愛してる」
そう言ったヨハンにキスをされると、フェルディナントの表情は蕩けて嫌と言えなくなり、2人は抱き合ってそのまま眠り込んだ。
2人はお互いの体温が心地良過ぎて長く眠り過ぎてしまったようだった。いつの間にか日は昇り、鳥のさえずりが聞こえていた。
「あっ?!今、何時だ?!ヨハン、ヨハン!起きて!」
「ん…?!えっ?!やばい!」
ヨハンは急いで床に脱ぎ散らかしていた服を着てフェルディナントの寝室から出て行った。
それ以降、閨の日にはいつもヨハンがフェルディナントの寝室に泊まり、寝坊してしまうことも多々あった。ヨハンはフェルディナントの侍従ではあるが、早朝、主人の寝室から何度も出て行く姿を見られてしまうと、流石に不自然で言い訳がしづらい。しかも同性愛は教会に禁じられていたものの、実はそういう秘密の関係も少なくないので、人々にとっても同性愛の関係が想像もできないという訳ではない。
そうなると、使用人達が囁き合う噂がフェルディナントの父やレオポルティーナの耳に入るのも時間の問題だった。レオポルティーナはその噂を初めて聞いた時は信じられなかったが、夫の閨での振舞いを考えると、噂は嘘ではないような気がした。
それからレオポルティーナは、フェルディナントとヨハンの行動を注意深く観察することにした。でも脳内お花畑の2人は、レオポルティーナが注視しているのに気が付かなかった。
レオポルティーナがよく観察してみると、フェルディナントとヨハンが目配せをしている場面に何度も出くわした。それも2人の間に流れる雰囲気は、事務的な主人と使用人とか、ただの幼馴染とか友人同士の間のものではなく、お互い愛しそうに視線をこっそり交し合う恋人の雰囲気のように思えた。
それでも2人は、自分達は昼間よく我慢していると思っていた。だが、ある日、どうしても今すぐに触れ合いたくなってしまって、ヨハンは中庭の柱の影にフェルディナントを呼んだ。
「フェル、もう夜まで我慢できないよ。ちょっと来て」
フェルディナントもいけないと思いつつ、ヨハンに応えて抱き合ってキスをした。
「ああ…ヨハン…愛してるよ…」
「フェル…俺も愛してる…」
2人の唇は重なりあって、愛おしそうにチュッチュッと何度も啄むように離れてはくっついて、また離れてはくっついて、それを繰り返した。そして仕舞いにお互いの唇に強く吸い付いて舌を口の中に差し込み、絡め合った。その音と水音は中庭に意外に響いたが、夢中になっている2人は気が付かない。お互いに背中に回した手は愛し気に身体を撫でている。ヨハンは、片手をフェルディナントの背中から前へ動かし、彼のちょこんと盛り上がったトラウザーズの中心を擦った。
「ああっ…ヨハン、駄目っ、そんなに擦らないで。出ちゃうよ…」
「いいよ、俺の手でイって…」
「駄目だよ、こんな所で危ないよ…もう止めなきゃ…」
「フェルのここ、もうこんなになってる…我慢できないでしょ?」
ヨハンはフェルディナントの局部をトラウザーズの上からすりすりと愛撫し続けた。
「あっ、あっ、あっ、駄目っ!で、で、出ちゃう、出ちゃうよ!」
「出していいよ…」
「だ、駄目だよ!あっ、あっ、あっ、出るっ、出るっ、出るっ!ああああっ、うううっ!」
フェルディナントが顔を真っ赤にして唸ると同時に、彼のトラウザーズの中心がじわじわと濡れていった。
「ひ、酷いよ!トラウザーズが濡れちゃったじゃないか」
「僕のもこんなになっちゃったよ。責任とって?」
ヨハンはフェルディナントの手をトラウザーズの上から自分の局部に導いた。ヨハンのトラウザーズは大きくテントを張ってテントの頂点に小さな染みができていた。
その時、中庭でパキッと枝を踏んだ音がし、2人はビクッとして身体を離した。フェルディナントは慌ててジャケットを脱いで腰に巻き、濡れたトラウザーズの前を隠そうとした。だが、濡れが大きく、完全には隠せない。
その音を聞いてヨハンの勃起はすっかり鎮まってしまった。彼のトラウザーズの前は平らになってちょこっと染みが見えるだけだ。
2人はキョロキョロと辺りを見回したが、誰も見当たらない。フェルディナントは猫背になってヨハンと共に素早く自室へ戻って行った。
2人が中庭から去った後、反対側の柱に寄りかかったレオポルティーナはずるずると崩れ落ち、啜り泣いた。
別の柱の陰でその様子をある男がこっそり見てほくそ笑んでいた。彼はレオポルティーナだけでなく、フェルディナントとヨハンの痴態もしっかり目に焼き付けた。レオポルティーナは元より、フェルディナントもヨハンもそのことに気が付いていなかった。
フェルディナントは、ヨハンが起きないようにそっと彼の隣に身体を横たえた。するとヨハンが充血した目をパチリと開け、寝台の上で彼と視線を合わせた。
「ヨハン、起きてたのか?」
「うん…フェルがティーナを抱いてると思うと、気が狂いそうで眠れなかった」
「安心して。今日も駄目だったから、ティーナはまだ処女だよ」
「そっか。でも初夜がまだ済んでいないって閣下に分かったらやばいよ」
「そうだね。なんとかしないとなぁ…でも今はもうそのことは考えたくない。疲れたから寝るよ」
「ねえ、フェル。俺も朝まで一緒にいてもいい?」
フェルディナントとヨハンは、以前は自分達の関係がばれないようにかなり注意していた。だがフェルディナントの結婚後、ヨハンは嫉妬に駆られて次第に大胆に振舞うようになっていた。
「え?やばいよ。今夜は閨の日だから寝室の前に不寝番がいないけど、その分朝番が早く来るから、ヨハンが僕の寝室から出る所を見られちゃうよ」
「その前に帰るから…ね、いいでしょ?お願い。愛してる」
そう言ったヨハンにキスをされると、フェルディナントの表情は蕩けて嫌と言えなくなり、2人は抱き合ってそのまま眠り込んだ。
2人はお互いの体温が心地良過ぎて長く眠り過ぎてしまったようだった。いつの間にか日は昇り、鳥のさえずりが聞こえていた。
「あっ?!今、何時だ?!ヨハン、ヨハン!起きて!」
「ん…?!えっ?!やばい!」
ヨハンは急いで床に脱ぎ散らかしていた服を着てフェルディナントの寝室から出て行った。
それ以降、閨の日にはいつもヨハンがフェルディナントの寝室に泊まり、寝坊してしまうことも多々あった。ヨハンはフェルディナントの侍従ではあるが、早朝、主人の寝室から何度も出て行く姿を見られてしまうと、流石に不自然で言い訳がしづらい。しかも同性愛は教会に禁じられていたものの、実はそういう秘密の関係も少なくないので、人々にとっても同性愛の関係が想像もできないという訳ではない。
そうなると、使用人達が囁き合う噂がフェルディナントの父やレオポルティーナの耳に入るのも時間の問題だった。レオポルティーナはその噂を初めて聞いた時は信じられなかったが、夫の閨での振舞いを考えると、噂は嘘ではないような気がした。
それからレオポルティーナは、フェルディナントとヨハンの行動を注意深く観察することにした。でも脳内お花畑の2人は、レオポルティーナが注視しているのに気が付かなかった。
レオポルティーナがよく観察してみると、フェルディナントとヨハンが目配せをしている場面に何度も出くわした。それも2人の間に流れる雰囲気は、事務的な主人と使用人とか、ただの幼馴染とか友人同士の間のものではなく、お互い愛しそうに視線をこっそり交し合う恋人の雰囲気のように思えた。
それでも2人は、自分達は昼間よく我慢していると思っていた。だが、ある日、どうしても今すぐに触れ合いたくなってしまって、ヨハンは中庭の柱の影にフェルディナントを呼んだ。
「フェル、もう夜まで我慢できないよ。ちょっと来て」
フェルディナントもいけないと思いつつ、ヨハンに応えて抱き合ってキスをした。
「ああ…ヨハン…愛してるよ…」
「フェル…俺も愛してる…」
2人の唇は重なりあって、愛おしそうにチュッチュッと何度も啄むように離れてはくっついて、また離れてはくっついて、それを繰り返した。そして仕舞いにお互いの唇に強く吸い付いて舌を口の中に差し込み、絡め合った。その音と水音は中庭に意外に響いたが、夢中になっている2人は気が付かない。お互いに背中に回した手は愛し気に身体を撫でている。ヨハンは、片手をフェルディナントの背中から前へ動かし、彼のちょこんと盛り上がったトラウザーズの中心を擦った。
「ああっ…ヨハン、駄目っ、そんなに擦らないで。出ちゃうよ…」
「いいよ、俺の手でイって…」
「駄目だよ、こんな所で危ないよ…もう止めなきゃ…」
「フェルのここ、もうこんなになってる…我慢できないでしょ?」
ヨハンはフェルディナントの局部をトラウザーズの上からすりすりと愛撫し続けた。
「あっ、あっ、あっ、駄目っ!で、で、出ちゃう、出ちゃうよ!」
「出していいよ…」
「だ、駄目だよ!あっ、あっ、あっ、出るっ、出るっ、出るっ!ああああっ、うううっ!」
フェルディナントが顔を真っ赤にして唸ると同時に、彼のトラウザーズの中心がじわじわと濡れていった。
「ひ、酷いよ!トラウザーズが濡れちゃったじゃないか」
「僕のもこんなになっちゃったよ。責任とって?」
ヨハンはフェルディナントの手をトラウザーズの上から自分の局部に導いた。ヨハンのトラウザーズは大きくテントを張ってテントの頂点に小さな染みができていた。
その時、中庭でパキッと枝を踏んだ音がし、2人はビクッとして身体を離した。フェルディナントは慌ててジャケットを脱いで腰に巻き、濡れたトラウザーズの前を隠そうとした。だが、濡れが大きく、完全には隠せない。
その音を聞いてヨハンの勃起はすっかり鎮まってしまった。彼のトラウザーズの前は平らになってちょこっと染みが見えるだけだ。
2人はキョロキョロと辺りを見回したが、誰も見当たらない。フェルディナントは猫背になってヨハンと共に素早く自室へ戻って行った。
2人が中庭から去った後、反対側の柱に寄りかかったレオポルティーナはずるずると崩れ落ち、啜り泣いた。
別の柱の陰でその様子をある男がこっそり見てほくそ笑んでいた。彼はレオポルティーナだけでなく、フェルディナントとヨハンの痴態もしっかり目に焼き付けた。レオポルティーナは元より、フェルディナントもヨハンもそのことに気が付いていなかった。
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