傀儡妃は幼馴染の王太子をひたすら愛する

田鶴

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第1章 疑似兄妹

23.優しい夫の裏の顔*

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 アントンはでリーゼロッテに挿入しなかったので、まだ衝動が収まらず、股間の象徴はガチガチの硬さを保っていた。今度こそ男根を蜜壺の奥まで突いて中出ししたい。興奮ではち切れそうな頭でもリーゼロッテでそれをやっては駄目だという理性は保っていた。でも彼女が気を失っていたので、いつもの媚薬・避妊薬入り睡眠薬を飲ませていなかったのがアントンの頭からすっかり抜け落ちていた。

 アントンが駄目元で配下を呼ぶ秘密のベルを鳴らすと、まもなくノックの音が聞こえた。部下のうちの誰かが帰って来ていたようだった。リーゼロッテとの情交は気持ちよかったが、挿入できなかっただけに性欲が収まるどころか、尚更昂ってしまい、来たのが男の配下でも後孔で発散してもいいとまで思うぐらいだった。

 元々、アントンは任務のために男性相手にも肉体関係を結ぶ訓練を受けている。実践でも、何度も男性の調査対象と寝た事や、任務後の昂った気持ちを男の配下と発散し合った事もあり、受け攻めどちらでもいけるが、今はとにかく前でも後ろでも男根を挿入して射精したい。

 アントンは勃起した陰茎を隠しもせずに扉を開けて部下を迎え入れた。扉の向こうに立っていたのは、ペトラだった。

「ペトラ、壁に手をつけろ」
「旦那様、隣の部屋に行った方がいいのでは?」
「いつも通り、彼女は気を失ってるから大丈夫だ」

 ペトラが寝台から一番離れている壁へ向かおうとすると、アントンは腕を引っ張って寝台の横に連れてきた。

「ここでやろう」
「でも奥様のすぐ横ですよ」
「彼女の顔を見ながらお前の中に出したい」
「相変わらず、旦那様は鬼畜ですねぇ」
「いいから早く尻を突き出せ」

 アントンはペトラのお仕着せのスカートをまくり、下着を乱暴に引き下げて陰茎を蜜口に押し当てた。ペトラの蜜壺は既にしっぽりと濡れており、難なくアントンの巨根をずぶずぶと飲み込んだ。

「何だ、お前、もうびちゃびちゃに濡れてるじゃないか。そんなに俺のモノが欲しかったのか」
「ああん! 任務中も旦那様のモノが欲しくてココを濡らしてたのぉ……もっと、もっと奥に突いてぇ!」
「よし、奥まで突いてやる!」
「あん! あん! 激しいっ! ああっ!」
「ああ! ロッティ、ロッティ……」
「旦那さまぁ……ヒドイ、私はペトラよぉ……」
「ごめん、ペトラ……気持ちいいよ、もうイきそうだ……ああっ」

 アントンは一層律動を速めた。陰嚢がペトラの尻たぶをぺちぺちと打ち、2人の性器が擦れ合う度に愛液とカウパー液の混ざった体液がぷしゅぷしゅと周囲に飛び散った。その雫が一滴、すぐ横で気を失っていたリーゼロッテの頬にぴちゃっと飛び掛かり、取り戻しつつあった彼女の意識を浮上させた。でも達し過ぎたリーゼロッテの身体は言う事を利かず、瞼が重くて開けられない。だが、耳は利くので、信じがたい声と音――あられもない夫と部下のペトラの嬌声と水音――が耳に入ってきた。奥手なリーゼロッテだって夫に散々愛撫されて自分の膣からどんな音がしていたのか知っている。それに加えて何か打ちつける音も聞こえる。リーゼロッテは、怖いもの見たさに重たい瞼を必死に開け、薄目で隣を見た。

 すると夫が夢中になってペトラに後ろから腰を打ち付けているのが見えてしまい、リーゼロッテは慌てて目を瞑って気を失った振りを続けた。義母アウグスタからアントンの爛れた男女交遊の話は聞いていたが、聞くのと見るのとでは衝撃の度合いが違った。無理矢理閉じた瞼からは、いつの間にか涙が頬まで溢れてきていた。

 実は、その少し前からリーゼロッテは、閨の前に例のお茶を飲んでも、目が覚めるまでの時間が徐々に短くなっていた。でも彼女が目を覚ました時にはアントンは夫婦の寝室にいないので、アントンはその事に気付いていなかった。

 それから後日、しばらくしてアントンがすぐ横で他の部下の女性と性交している最中にとうとうリーゼロッテは目覚めてしまった。だが、初めて夫とペトラの性交を見た時と同じように、リーゼロッテは胸が痛くなる気持ちを抑えて必死に寝た振りを続けた。

 また別の日には、アントンが別の部下の女性とリネン室に入って行ったのをリーゼロッテは偶然見かけてしまった。以前ならそんなに疑問に思わなかっただろうが、もう2度も夫の不貞を見てしまった以上、アントンが女性の部下と2人きりでリネン室に何の用があるのか疑念しか湧かなかった。

 リーゼロッテが鍵穴から様子をこっそり伺うと、アントンとその女性のあられもない声が聞こえたが、鍵穴からは2人の姿が見えず、もどかしくて扉を薄く開けた。すると、アントンが女性の背中を壁に押し付け、彼女の片足を肩に掛けて腰を女性の股間に押し上げているのが見えた。リーゼロッテは情事に夢中になっている2人には気付かれなかったと思ったが、実はアントンは薄く開いた扉をちらりと見ていた。

 その後もリーゼロッテが注意して噂話を聞いたり、観察したりしてみると、アントンは様々な女性と関係を持っていると分かり、胸が張り裂けそうになった。

 それから閨の時に必死に正気でいられるように我慢してみると、リーゼロッテが気を失う前にアントンが挿入していないのにも気付いた。他の女性には簡単に挿入して精液をばら撒いているのに、妾腹の下賤な出自の自分とは子供を作りたくないのだろうかとリーゼロッテは悲しくなった。

 でもアントンは時々――特に閨で――意地悪な事を言う以外、表面上はリーゼロッテには優しかったし、何より初めて会った時の気遣いが忘れられなかった。彼は実家で虐げられていたリーゼロッテを救ってくれた王子様だったのだ。実際問題、離縁しようにも、彼女には虐げられていた実家に戻る当てはなく、外で自活できる術もないし、貴族女性が修道院に入るのには寄付金が必要だ。

 だからリーゼロッテは夫の不貞に胸を痛めながらも知らない振りを続ける事を選択した。アントンも表面上、以前と全く変わらず、妻が不貞を知っているのに気付いているようには見えなかった。
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