傀儡妃は幼馴染の王太子をひたすら愛する

田鶴

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第2章 傀儡の王太子妃

39.劣情*

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 ここ数年来、アントンは耐性をつけたはずの媚薬の影響で、たまに性欲が我慢できなくなる衝動に駆られる。媚薬を始めとした薬剤や毒に耐性を持てるように、アントンや配下の影は訓練をしているが、人によって何ともないこともあれば、中毒や依存などの副作用が出ることもあり、毒や薬に関しては、まだまだ分からない事だらけだ。

 アントンは、ペトラと香の耐性訓練をしたルイトポルトに偉そうな事を言ったものの、香の影響を受けて身体の異変を感じていた。ルイトポルトの執務室を出た時点でトラウザーズの前はもっこりと盛り上がり、全身が火照りだして息が荒くなって我慢できなくなって近くの客室へ飛び込んだ。

 その客室はルイトポルトとアントンが秘密の報告を受けたり、伝言をしたりする時によく使う部屋であった。変装道具や携帯用の武器も置いてあり、ルイトポルトとアントンの他、彼らの配下の影も出入りしている。

「んんん……ああ……」

 アントンが部屋に入って来た時、ペトラが部屋のソファの上で大股を開いて花芯を一心不乱に擦って自慰をしていた。彼女は張り型を蜜壺に突っ込んで時々出し入れして膣壁への刺激でも快感を拾って喘いでいた。

 ペトラもアントンと同じように、時々性欲への衝動が抑えられなくなってきて、最近は任務で媚薬を使った後は性交相手を見つけらなければ、必ずと言っていい程、自慰をしていた。

 ペトラは相手がいなければ自慰で我慢していたが、アントンは相手に困らない事もあって、適当に相手を見繕って身体を繋げて性欲衝動を発散させる。全くと言っていい程、アントンはその行為が妻に申し訳ないとか、不道徳だとか思っていなかった。

 アントンはツカツカと自慰中のペトラに近づき、いきなり張り型を蜜壺から抜き取って投げ捨てた。

「あん! アントン様、酷い!」
「こんなモノよりもっといいモノを挿入してやるよ」

 アントンはペトラをソファに押し倒し、慌ただしくトラウザーズを下穿きごと膝上までずり下げると、怒張で彼女を一気に貫いた。激しい律動の度に陰嚢がペトラの陰部を叩き、その音と水音、彼女の嬌声が部屋に響く。

「あん、あん、あん、あん!」

 アントンはペトラのお仕着せの前を引きちぎった。するとブチブチと千切れたボタンがソファの周りに飛んでいく。アントンは、お仕着せからこぼれ出たペトラの乳房に噛みつき、白い肌に赤い歯型がそこかしこに散らばった。

「ん! ん! ん! イくぞ!」
「ああっ! あん、あん、あん……」
「ん! ん! ん! ぐうっ!」

 アントンは細かく腰を打ち付けてブルブルと震え、欲望をペトラの中に放った。2人が身体を離すと、蜜口からどろりと白い体液が垂れ、濡れた陰茎の先端から白い雫が落ちそうになっていた。

「アントン様、今日は乱暴だったわね。またお仕着せが駄目になっちゃった」
「ここには着替えがあるんだ。いいだろ? それよりいつもの奴、忘れずに毎日飲んでるか?」
「ええ、飲んでるわよ」

 影として働いている間は、ハニートラップで情報収集することもあるので、男女関係なく避妊薬を飲むことになっている。ただ、今の医療水準では避妊薬を長期間摂取すると、特に女性は不妊になる可能性が高い。だが貧民街で育ったペトラは子供を欲しいと思えないので、13歳で初潮が来てから10年以上ずっと避妊薬を飲んでいる。

「一瞬でも高貴なブツを入れてもらえて嬉しかったか?」
「あら、嫉妬しているの? ええ、精液まで絞り取ろうと思ったのにとんだ邪魔が入ったわ」
「殿下の高貴な子種はお前などにばら撒くものじゃない」
「酷いわね。性欲の前に高貴も下賤もないわよ」
「いや、殿下のは高貴な性欲さ」

 ペトラは、貧民街で出会ったヤン少年がルイトポルト王太子だった事にとっくに気が付いている。あの頃の純粋な白馬の王子様への憧憬は既にない。人の好意を逆手に取って騙して情報を得る歳月が彼女を変えた。それにルイトポルトが妃となったパトリツィアを溺愛して政敵の娘である彼女を切る決断ができない優柔不断と甘さに呆れてもいる。

「まあ、こんな話はどうでもいい。引き続き、エロ親父どもの切り崩し工作を頼む」
「ええ、任せておいて。エレナさんはどこまで成功したのかしら?」
「失敗したよ。彼女はもう正気に戻らなくて修道院に入っている。酷い薬を使われたようだ。お前も気を付けるように」

 ペトラが15歳と嘘をついて12歳でアントンの実家マンダーシャイド伯爵家に雇われた時、侍女のエレナが読み書きや侍女や諜報の仕事など色々と教えてくれた。彼女は当時、アントンの愛人で様々な諜報活動を請け負っていた。

 エレナが今はアントンの側に既にいないのは確かだが、それが本当に宰相派の貴族に酷い薬を盛られたせいなのかペトラには確信が持てない。エレナは最初こそ親切だったものの、アントンとペトラの関係を邪推して嫉妬して――当時は肉体関係がなかったので完全に邪推だった――態度が変わり、辛く当たられるようになったので、彼女を探し出して助けようとまではペトラには思えなかった。

「私は殿下の執務室に戻る。お前はこれから殿下付きの侍女となるから、表向きは侍女の仕事をするように。時々、あの香の耐性テストをして殿下を香に慣らさせるのも忘れるな」
「じゃあ、今日みたいな役得もまだ期待できるのね」
「そうならないようにするのが練習の目的だからな」

 アントンはスッキリした顔で客室を去り、後にはペトラだけが残された。
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