47 / 72
決着のビーチバレーとありきたりな水着シーン
しおりを挟む
「はぁー…………くっそー負けたかぁ」
「結構惜しかったと思うんだけどねー」
「わたしがもっと…………頑張れれば…………」
チーム負け組が顔を突き合わせ肩を落としているその横では、所長秘書チームの二人はハイタッチなんかを交わしている。
「やりましたね所長! 所長の作戦のおかげです!」
そう言ってはしゃぐ璃亜は歳相応(見た目だけで言えば)の姿に見える。
「作戦なんて大したもんじゃねぇよ。ただ…………」
チラと氷柱の方を見やる相一。ツインテールの雪女がムスっとした表情を返してくるが、そちらには渾身のドヤ顔向けて
「前半、できるだけ氷柱の体力を消耗させるために守備に重点を置いて一ゲームを長引かせて、攻撃の要の氷柱を無力化した後は――――」
「探偵さんって勝つためなら割りとえげつない手段も気にしない質ですよね」
詩織の言に当然だと言わんばかりにキリリとした表情を作る大人げない相一。
「当たり前だろ。勝負というからには全力を尽くして勝ちにいく、それが俺の生きざ――――あッびャァアアアアアアア!?」
キリリとした表情(自分ではそのつもり)は二秒と保たなかった。
理由は単純で。
水着ということで普段より圧倒的に露出の多い雪女が、同じく海パン一丁で防御力など皆無の彼の背中に飛びついたからで。
とは言え別に水着姿の少女に抱きつかれたから、という理由で取り乱す程女性に対して免疫が無いというわけでもなくて。
まあ一言で言えば海パン一丁の奴の背中に氷みたいに冷たいモノ押し当てたらそりゃあビックリするわけで。
「バっおまッ、冷て! 寒い冷たいいい加減降りろォォォおおお!」
その光景を一歩引いて眺めていた他の三人はというと
「氷柱ちゃんも所長さんも…………仲良しです…………」
「何だかんだ探偵さんと一番イチャコラしてるの氷柱ちゃんだと思うんですけど、放っといていいんですか? …………秘書さん的には」
「同じ事務所のお二人が仲睦まじいのは良いことじゃないですか?」
詩織の質問の意図を理解してかしないでか璃亜の反応はいつも通り落ち着いたものだった。
「――――これが正妻の余裕というやつかッ!!」
「んブフッ!?」
そろそろクール系美女の看板を下ろすことを考えなければいけないかもしれない、そんな分かりやすい反応を見せてくれる。
「な、何の話ですか何のっ!? まったくもうあなたといい安曇野さんといい、どうして私と所長を…………そ、そういう関係にしたがるんですか」
「えーだって年頃の若い二人がですよ? 毎日同じ屋根の下で生活していて何にも無いわけ無いじゃないですかッ!!」
両手をグーにして力説する女子高生。友達は少なくてもこういう話に目を輝かせるのはやはり女子高生という種族の特徴なのか。
「同じ屋根の下とは言いますが、別にふたりきりというわけでもないですし…………」
「ほほう、それはふたりきりならば何か――――いやいや、ナニかしてしまいたいと考えているという事ですか!?」
「もう…………揚げ足とるような事言わないでください」
「すいませーん。秘書さんの反応が面白くてつい」
そんな所でその話題は終わったわけだが詩織の顔に、今日はこの辺にしといてやるけど続きはまた今度な!! という笑いが張り付いていたのを璃亜は見逃さなかった。
そんなこんなで昼下がり。泳ぎはもちろんの事スイカ割りからビーチフラッグまでおよそ海水浴場でできうる遊びを端から遊び倒した事務所の一同は、一休みも兼ねて海の家で昼食を取る事にした。
その海の家こそ安曇野の言っていた観光協会の人が経営している店であり、元々連絡しておいたこの時間までみんなではしゃいで時間を潰していたという訳だ。
「こんにちはー、天柳探偵事務所でーす」
海辺に面した建てられたその店は、良く言えば王道悪く言えばありきたり、そんな評価がしっくり来る見た目をしていた。
テーブル席と座敷、どちらも相当な数が用意されているが今いる客は事務所の面々を合わせても四グループ程だ。
「これはどうも、わざわざ遠い所から…………、警察の方から話は聞いています。私が断波観光協会会長、前橋です。どうぞよろしくお願いします」
前橋さんはねじり鉢巻を頭に巻いたいかにも海の家の親父といった風体をしていた。
ただその声には張りが無い。ここ最近の事故続きで海水浴場への客足が遠のいているのが原因か。
「じゃあ早速詳しい話を…………と言いたいところなんだけど、――――――――先に昼飯食わしてもらっていいですか?」
「結構惜しかったと思うんだけどねー」
「わたしがもっと…………頑張れれば…………」
チーム負け組が顔を突き合わせ肩を落としているその横では、所長秘書チームの二人はハイタッチなんかを交わしている。
「やりましたね所長! 所長の作戦のおかげです!」
そう言ってはしゃぐ璃亜は歳相応(見た目だけで言えば)の姿に見える。
「作戦なんて大したもんじゃねぇよ。ただ…………」
チラと氷柱の方を見やる相一。ツインテールの雪女がムスっとした表情を返してくるが、そちらには渾身のドヤ顔向けて
「前半、できるだけ氷柱の体力を消耗させるために守備に重点を置いて一ゲームを長引かせて、攻撃の要の氷柱を無力化した後は――――」
「探偵さんって勝つためなら割りとえげつない手段も気にしない質ですよね」
詩織の言に当然だと言わんばかりにキリリとした表情を作る大人げない相一。
「当たり前だろ。勝負というからには全力を尽くして勝ちにいく、それが俺の生きざ――――あッびャァアアアアアアア!?」
キリリとした表情(自分ではそのつもり)は二秒と保たなかった。
理由は単純で。
水着ということで普段より圧倒的に露出の多い雪女が、同じく海パン一丁で防御力など皆無の彼の背中に飛びついたからで。
とは言え別に水着姿の少女に抱きつかれたから、という理由で取り乱す程女性に対して免疫が無いというわけでもなくて。
まあ一言で言えば海パン一丁の奴の背中に氷みたいに冷たいモノ押し当てたらそりゃあビックリするわけで。
「バっおまッ、冷て! 寒い冷たいいい加減降りろォォォおおお!」
その光景を一歩引いて眺めていた他の三人はというと
「氷柱ちゃんも所長さんも…………仲良しです…………」
「何だかんだ探偵さんと一番イチャコラしてるの氷柱ちゃんだと思うんですけど、放っといていいんですか? …………秘書さん的には」
「同じ事務所のお二人が仲睦まじいのは良いことじゃないですか?」
詩織の質問の意図を理解してかしないでか璃亜の反応はいつも通り落ち着いたものだった。
「――――これが正妻の余裕というやつかッ!!」
「んブフッ!?」
そろそろクール系美女の看板を下ろすことを考えなければいけないかもしれない、そんな分かりやすい反応を見せてくれる。
「な、何の話ですか何のっ!? まったくもうあなたといい安曇野さんといい、どうして私と所長を…………そ、そういう関係にしたがるんですか」
「えーだって年頃の若い二人がですよ? 毎日同じ屋根の下で生活していて何にも無いわけ無いじゃないですかッ!!」
両手をグーにして力説する女子高生。友達は少なくてもこういう話に目を輝かせるのはやはり女子高生という種族の特徴なのか。
「同じ屋根の下とは言いますが、別にふたりきりというわけでもないですし…………」
「ほほう、それはふたりきりならば何か――――いやいや、ナニかしてしまいたいと考えているという事ですか!?」
「もう…………揚げ足とるような事言わないでください」
「すいませーん。秘書さんの反応が面白くてつい」
そんな所でその話題は終わったわけだが詩織の顔に、今日はこの辺にしといてやるけど続きはまた今度な!! という笑いが張り付いていたのを璃亜は見逃さなかった。
そんなこんなで昼下がり。泳ぎはもちろんの事スイカ割りからビーチフラッグまでおよそ海水浴場でできうる遊びを端から遊び倒した事務所の一同は、一休みも兼ねて海の家で昼食を取る事にした。
その海の家こそ安曇野の言っていた観光協会の人が経営している店であり、元々連絡しておいたこの時間までみんなではしゃいで時間を潰していたという訳だ。
「こんにちはー、天柳探偵事務所でーす」
海辺に面した建てられたその店は、良く言えば王道悪く言えばありきたり、そんな評価がしっくり来る見た目をしていた。
テーブル席と座敷、どちらも相当な数が用意されているが今いる客は事務所の面々を合わせても四グループ程だ。
「これはどうも、わざわざ遠い所から…………、警察の方から話は聞いています。私が断波観光協会会長、前橋です。どうぞよろしくお願いします」
前橋さんはねじり鉢巻を頭に巻いたいかにも海の家の親父といった風体をしていた。
ただその声には張りが無い。ここ最近の事故続きで海水浴場への客足が遠のいているのが原因か。
「じゃあ早速詳しい話を…………と言いたいところなんだけど、――――――――先に昼飯食わしてもらっていいですか?」
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる