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第1章 忌まわしき力
1-2 雨中の依頼人
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降りしきる雨の中で立っていたのは、傘を差した一人の女性。
「えと、あの、ここが解決屋さんの事務所で合っていますか?」
「はい。昨日連絡をくれた依頼人の方ですね?雨も降っていますし、さあ、中へどうぞ。」
エリカが依頼人の女性を家の中に招き入れると、
「あ、ありがとうございます。」
彼女は傘を閉じ、おずおずとした様子で家の中に入ってゆく。
リビングに着いたところで、エリカは依頼人をソファに座るよう促した。
「コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」
「えと、紅茶でお願いします。できればミルクもいただけるとありがたいです。」
「紅茶とミルクですね。わかりました。」
エリカは一旦台所に移動し、暖かい紅茶とミルク、それと自分用のコーヒーを用意してから、依頼人の正面のソファに腰を下ろした。
二人の間にあるローテーブルに飲み物を置く。
そして、やや緊張した面持ちで足を揃えて座っている、依頼人へと視線を移す。
年齢はエリカよりも少し上、おそらく20代半ばくらい。
髪はダークブラウンのショートカット。
薄手の白いブラウスに、ベージュのパンツ。
控えめで大人しそうな印象の女性である。
「私はこの工房で解決屋をやっている、白羽根エリカといいます。ここに来たなら既にご存じだと思いますが、私はいわゆる『魔女』です。……なんていきなり言われても信じられないですよね。ということで、まずはちょっと見ていてください。」
エリカはローテーブルの上に置いてあったメモ用紙を一枚切り取り、掌の上に乗せ、
【― 焔の種よ、熱く芽吹け ―】
厳かな声で詠唱すると、メモ用紙は突如として燃え上がり、一瞬で灰となった。
「す、すごいです!これが魔法ですか……」
予想だにしなかった光景を目の当たりにし、依頼人はキラキラと目を輝かせている。
「そうです。とりあえずこれで、私が魔女だと信じてもらえましたか?」
「は、はい!」
パフォーマンスが成功したことに胸をなで下ろしつつ、エリカは話を続ける。
「それではご依頼の話に入りたいと思いますが、最初にお名前を伺ってもいいですか?」
「は、はい。赤桐萌といいます。」
「赤桐さんですね。ご職業は?」
「えと、会社員で、事務をやっています。」
「なるほど、ありがとうございます。ちなみに、この解決屋のことはどのようにして知ったのですか?」
「じ、実はわたし、雛塚さんと知り合いなんです。彼女に悩みを相談したら、この解決屋のことを教えてくれました。」
「雛塚の紹介ですか。なら納得です。」
雛塚澪。
エリカの高校時代の同級生にして友人の一人。
魔女というエリカの正体を知っている、数少ない人物でもある。
「では早速、今回の依頼内容について説明してもらえますか?」
エリカが促すと、依頼人の萌は緊張で顔をこわばらせる。
そして紅茶を一口飲み、深呼吸をしてからゆっくりと話し始めた。
「あ、あの、実は……、ストーカーに付きまとわれていまして……。」
「ストーカーですか。相手に心当たりはありますか?」
「は、はい。わたしの元カレなんですけど……、仕事の帰り道に待ち伏せをしていて、復縁を迫ってくるんです。そのたびに何度も断っていたら、『そろそろ実力行使するぞ。』と言い始めたので、怖くなって……。この間は腕を強くつかまれてしまい、何とか振り払って逃げたくらいです。」
エリカは手を口元に当てて目を細め、同情の気持ちを示す。
「それはとても怖いですね……。引っ越しはしてみましたか?」
「い、一度引っ越したのですが、なぜか新しい通勤ルートを把握しているみたいで、やっぱり待ち伏せされてしまいました。」
「警察への相談は?」
「い、いえ、『警察に言ったらどうなるか分かってるんだろうな。痛い目に遭いたくなけりゃ余計なことはするな。』と脅されているので、それはできません。」
「なるほど、それで私の所に来たという訳ですね。」
(随分とひどい男だなあ。かわいそうに。)
内心憤りを感じながら、エリカは萌から目線を外し、ふと横を見る。
アレイスターは窓のそばに止まり、外の雨を眺めている。
依頼内容に興味がないのか、考え事をしているのか、傍から見ただけでは判別できない。
エリカは再び話を戻す。
「事情はよく分かりました。それでは、私はどのような形でご協力しましょうか?お話を聞いた限りでは、話し合いで解決できそうな感じでもなさそうですが……。」
「か、彼を捕まえて、警察に引き渡してもらうことはできますか?白羽根さんは色々な魔法が使えると雛塚さんから聞いていますので、大丈夫ですよね?」
「はい、普通の男性であれば問題ないでしょう。そこは安心してください。」
まだまだ半人前とはいえ、エリカが魔女であることには変わりない。
一般人の男性を捕まえることくらい造作もないのである。
と、エリカはここで、ふと気になったことを依頼人に尋ねた。
「ちなみに、その元カレの方が復縁を迫るようになったきっかけは何でしょうか?」
「えと、もともと彼はギャンブルで遊んでばかりで職を転々としていて、それが別れた理由でもあるんですけど、最近定職に就いたようなんです。ただ……」
「ただ?」
「そ、その仕事というのが、どうも普通じゃない怪しい仕事のようで……。何やら、社会にとって有害な人間を捕まえたら大金がもらえるんだとか、ちょっとおかしなことを言っていました。」
萌がそこまで話したところで、
「ほほう、それは聞き捨てならねーな。」
窓際にいたはずのアレイスターが勢いよく飛んできて、ローテーブルの上に止まった。
「……えっ、ええええええ!?む、虫がしゃべった~!?」
「赤桐さん、落ち着いて!」
エリカが慌てて落ち着かせようとするが、萌が大きく取り乱すのも無理はない。
人間の言葉を話す蛾が目の前にいるのだから。
「ふぅ。さ、先程はすみませんでした。」
萌が紅茶を飲んで落ち着いたところで、アレイスターが申し訳なさそうに謝罪する。
「いや~スマンスマン、そんなに驚くとは思わなかったぜ。」
「び、びっくりしました……」
エリカも続けてフォローする。
「驚かせてしまってごめんなさい。この緑色の蛾はアレイスターといって、私の使い魔なんです。」
「おう、アレイスターだ。よろしくな。」
「つ、使い魔ですか。魔女さんはそんなこともできるんですね。」
萌は心底興味深そうな、感心したような顔でアレイスターを見つめている。
一方のアレイスターは振り返り、鋭い目線を向けた。
「だがエリカ、今の話を聞いて、そのストーカー野郎がやり始めたとかいう仕事、思い当たるフシがあるんじゃねーか?」
「うん、あくまで推測の域でしかないけど、嫌な予感がするわ。これは油断せずに、しっかりと準備しておいた方がいいかもしれないわね。」
自分の前で交わされる不穏な話を聞き、萌は不安そうな表情を浮かべた。
「い、一体どういうことでしょうか?」
「いえいえ、こちらの話です。気にしなくて大丈夫ですよ。」
「は、はあ……」
(もし私の予想が当たっていれば、この依頼はちょっと厄介なことになるかもしれない。そうでないことを祈りたいけど。)
エリカは心の中で思案する。
そして一旦会話が途切れ、しばらく続いた沈黙の時間を、
「なあ、そもそも何でそんなロクでもねぇ奴と付き合ってたんだ?」
アレイスターが不躾な話題で破った。
エリカは慌ててフォローしようと試みる。
「ちょっと!そんな言い方はないでしょ。」
「た、確かに傍から見たらダメ男なのかもしれませんけど、それが母性本能をくすぐるというか、ねっ、分かりますよね?」
「ハハハハハ…………」
萌に同意を求められたものの、エリカにはその気持ちが分からず、苦笑いをすることしかできない。
(うーん、彼氏なんてできたことないしなぁ……)
一方のアレイスターは、
「ハッハッハ!そうかそうか。でも、そんな奴よりオレの方が100倍イイ男だぜ。どうだい?」
まるでナルシストのようなセリフを投げかけ、萌を困惑させる。
「えっ!?えと、あの、その……」
「はいはい、アレイスター。アンタは黙っててちょうだいね。」
エリカはアレイスターに釘を刺してから、話を元に戻す。
「コホン、話が逸れてしまいましたが、方針としては赤桐さんの仕事の帰り道に、私が陰からこっそり尾行する。そして、ストーカーの男性が現れたところで割って入り、彼を捕まえる。という流れで良いでしょうか?」
「そ、そうですね。そんな感じでお願いします。」
「今日は日曜日なので、早速明日、月曜日の夜に決行したいと思いますが、問題ないですか?」
「は、はい。大丈夫です。ありがとうございます。」
一通りの方針がまとまり、依頼に関する会話は終わった。
エリカのティーカップは既に空になり、萌も紅茶の最後の一口を飲み終えた。
「で、では、わたしはこれで失礼します。」
二人で玄関に向かい、扉を開けるといつの間にか雨は止んでいた。
赤橙色の夕日の眩しい光が差し込む。
「えと、今日は本当にありがとうございました。明日もよろしくお願いします。」
萌は玄関先で振り向き、深々と一礼した。
「はい、安心して私達に任せてくださいね。」
「ストーカー野郎に痛~いお仕置きをしてやるからな、期待しててくれよ。」
エリカとアレイスターは笑顔で依頼人を見送り、玄関の扉を閉めた。
部屋に戻ってティーカップを片付けながら、エリカは話し出す。
「さ、今のうちに準備しておかなくっちゃ。赤桐さんを不安にさせないよう、余裕そうな雰囲気を出したけど、もしあの組織の人間なら、そんな簡単に捕まえられるとも思えないしね。」
「ああ。どんな野郎かは分かんねえが、一筋縄ではいかねぇ可能性が高いぞ。」
とは言うものの、実際のところ、エリカ達はそこまで深刻には考えていなかった。
だがこの時、彼女らは知る由もなかった。
明日の夜、壮絶な戦いが待ち受けていることを。
「えと、あの、ここが解決屋さんの事務所で合っていますか?」
「はい。昨日連絡をくれた依頼人の方ですね?雨も降っていますし、さあ、中へどうぞ。」
エリカが依頼人の女性を家の中に招き入れると、
「あ、ありがとうございます。」
彼女は傘を閉じ、おずおずとした様子で家の中に入ってゆく。
リビングに着いたところで、エリカは依頼人をソファに座るよう促した。
「コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」
「えと、紅茶でお願いします。できればミルクもいただけるとありがたいです。」
「紅茶とミルクですね。わかりました。」
エリカは一旦台所に移動し、暖かい紅茶とミルク、それと自分用のコーヒーを用意してから、依頼人の正面のソファに腰を下ろした。
二人の間にあるローテーブルに飲み物を置く。
そして、やや緊張した面持ちで足を揃えて座っている、依頼人へと視線を移す。
年齢はエリカよりも少し上、おそらく20代半ばくらい。
髪はダークブラウンのショートカット。
薄手の白いブラウスに、ベージュのパンツ。
控えめで大人しそうな印象の女性である。
「私はこの工房で解決屋をやっている、白羽根エリカといいます。ここに来たなら既にご存じだと思いますが、私はいわゆる『魔女』です。……なんていきなり言われても信じられないですよね。ということで、まずはちょっと見ていてください。」
エリカはローテーブルの上に置いてあったメモ用紙を一枚切り取り、掌の上に乗せ、
【― 焔の種よ、熱く芽吹け ―】
厳かな声で詠唱すると、メモ用紙は突如として燃え上がり、一瞬で灰となった。
「す、すごいです!これが魔法ですか……」
予想だにしなかった光景を目の当たりにし、依頼人はキラキラと目を輝かせている。
「そうです。とりあえずこれで、私が魔女だと信じてもらえましたか?」
「は、はい!」
パフォーマンスが成功したことに胸をなで下ろしつつ、エリカは話を続ける。
「それではご依頼の話に入りたいと思いますが、最初にお名前を伺ってもいいですか?」
「は、はい。赤桐萌といいます。」
「赤桐さんですね。ご職業は?」
「えと、会社員で、事務をやっています。」
「なるほど、ありがとうございます。ちなみに、この解決屋のことはどのようにして知ったのですか?」
「じ、実はわたし、雛塚さんと知り合いなんです。彼女に悩みを相談したら、この解決屋のことを教えてくれました。」
「雛塚の紹介ですか。なら納得です。」
雛塚澪。
エリカの高校時代の同級生にして友人の一人。
魔女というエリカの正体を知っている、数少ない人物でもある。
「では早速、今回の依頼内容について説明してもらえますか?」
エリカが促すと、依頼人の萌は緊張で顔をこわばらせる。
そして紅茶を一口飲み、深呼吸をしてからゆっくりと話し始めた。
「あ、あの、実は……、ストーカーに付きまとわれていまして……。」
「ストーカーですか。相手に心当たりはありますか?」
「は、はい。わたしの元カレなんですけど……、仕事の帰り道に待ち伏せをしていて、復縁を迫ってくるんです。そのたびに何度も断っていたら、『そろそろ実力行使するぞ。』と言い始めたので、怖くなって……。この間は腕を強くつかまれてしまい、何とか振り払って逃げたくらいです。」
エリカは手を口元に当てて目を細め、同情の気持ちを示す。
「それはとても怖いですね……。引っ越しはしてみましたか?」
「い、一度引っ越したのですが、なぜか新しい通勤ルートを把握しているみたいで、やっぱり待ち伏せされてしまいました。」
「警察への相談は?」
「い、いえ、『警察に言ったらどうなるか分かってるんだろうな。痛い目に遭いたくなけりゃ余計なことはするな。』と脅されているので、それはできません。」
「なるほど、それで私の所に来たという訳ですね。」
(随分とひどい男だなあ。かわいそうに。)
内心憤りを感じながら、エリカは萌から目線を外し、ふと横を見る。
アレイスターは窓のそばに止まり、外の雨を眺めている。
依頼内容に興味がないのか、考え事をしているのか、傍から見ただけでは判別できない。
エリカは再び話を戻す。
「事情はよく分かりました。それでは、私はどのような形でご協力しましょうか?お話を聞いた限りでは、話し合いで解決できそうな感じでもなさそうですが……。」
「か、彼を捕まえて、警察に引き渡してもらうことはできますか?白羽根さんは色々な魔法が使えると雛塚さんから聞いていますので、大丈夫ですよね?」
「はい、普通の男性であれば問題ないでしょう。そこは安心してください。」
まだまだ半人前とはいえ、エリカが魔女であることには変わりない。
一般人の男性を捕まえることくらい造作もないのである。
と、エリカはここで、ふと気になったことを依頼人に尋ねた。
「ちなみに、その元カレの方が復縁を迫るようになったきっかけは何でしょうか?」
「えと、もともと彼はギャンブルで遊んでばかりで職を転々としていて、それが別れた理由でもあるんですけど、最近定職に就いたようなんです。ただ……」
「ただ?」
「そ、その仕事というのが、どうも普通じゃない怪しい仕事のようで……。何やら、社会にとって有害な人間を捕まえたら大金がもらえるんだとか、ちょっとおかしなことを言っていました。」
萌がそこまで話したところで、
「ほほう、それは聞き捨てならねーな。」
窓際にいたはずのアレイスターが勢いよく飛んできて、ローテーブルの上に止まった。
「……えっ、ええええええ!?む、虫がしゃべった~!?」
「赤桐さん、落ち着いて!」
エリカが慌てて落ち着かせようとするが、萌が大きく取り乱すのも無理はない。
人間の言葉を話す蛾が目の前にいるのだから。
「ふぅ。さ、先程はすみませんでした。」
萌が紅茶を飲んで落ち着いたところで、アレイスターが申し訳なさそうに謝罪する。
「いや~スマンスマン、そんなに驚くとは思わなかったぜ。」
「び、びっくりしました……」
エリカも続けてフォローする。
「驚かせてしまってごめんなさい。この緑色の蛾はアレイスターといって、私の使い魔なんです。」
「おう、アレイスターだ。よろしくな。」
「つ、使い魔ですか。魔女さんはそんなこともできるんですね。」
萌は心底興味深そうな、感心したような顔でアレイスターを見つめている。
一方のアレイスターは振り返り、鋭い目線を向けた。
「だがエリカ、今の話を聞いて、そのストーカー野郎がやり始めたとかいう仕事、思い当たるフシがあるんじゃねーか?」
「うん、あくまで推測の域でしかないけど、嫌な予感がするわ。これは油断せずに、しっかりと準備しておいた方がいいかもしれないわね。」
自分の前で交わされる不穏な話を聞き、萌は不安そうな表情を浮かべた。
「い、一体どういうことでしょうか?」
「いえいえ、こちらの話です。気にしなくて大丈夫ですよ。」
「は、はあ……」
(もし私の予想が当たっていれば、この依頼はちょっと厄介なことになるかもしれない。そうでないことを祈りたいけど。)
エリカは心の中で思案する。
そして一旦会話が途切れ、しばらく続いた沈黙の時間を、
「なあ、そもそも何でそんなロクでもねぇ奴と付き合ってたんだ?」
アレイスターが不躾な話題で破った。
エリカは慌ててフォローしようと試みる。
「ちょっと!そんな言い方はないでしょ。」
「た、確かに傍から見たらダメ男なのかもしれませんけど、それが母性本能をくすぐるというか、ねっ、分かりますよね?」
「ハハハハハ…………」
萌に同意を求められたものの、エリカにはその気持ちが分からず、苦笑いをすることしかできない。
(うーん、彼氏なんてできたことないしなぁ……)
一方のアレイスターは、
「ハッハッハ!そうかそうか。でも、そんな奴よりオレの方が100倍イイ男だぜ。どうだい?」
まるでナルシストのようなセリフを投げかけ、萌を困惑させる。
「えっ!?えと、あの、その……」
「はいはい、アレイスター。アンタは黙っててちょうだいね。」
エリカはアレイスターに釘を刺してから、話を元に戻す。
「コホン、話が逸れてしまいましたが、方針としては赤桐さんの仕事の帰り道に、私が陰からこっそり尾行する。そして、ストーカーの男性が現れたところで割って入り、彼を捕まえる。という流れで良いでしょうか?」
「そ、そうですね。そんな感じでお願いします。」
「今日は日曜日なので、早速明日、月曜日の夜に決行したいと思いますが、問題ないですか?」
「は、はい。大丈夫です。ありがとうございます。」
一通りの方針がまとまり、依頼に関する会話は終わった。
エリカのティーカップは既に空になり、萌も紅茶の最後の一口を飲み終えた。
「で、では、わたしはこれで失礼します。」
二人で玄関に向かい、扉を開けるといつの間にか雨は止んでいた。
赤橙色の夕日の眩しい光が差し込む。
「えと、今日は本当にありがとうございました。明日もよろしくお願いします。」
萌は玄関先で振り向き、深々と一礼した。
「はい、安心して私達に任せてくださいね。」
「ストーカー野郎に痛~いお仕置きをしてやるからな、期待しててくれよ。」
エリカとアレイスターは笑顔で依頼人を見送り、玄関の扉を閉めた。
部屋に戻ってティーカップを片付けながら、エリカは話し出す。
「さ、今のうちに準備しておかなくっちゃ。赤桐さんを不安にさせないよう、余裕そうな雰囲気を出したけど、もしあの組織の人間なら、そんな簡単に捕まえられるとも思えないしね。」
「ああ。どんな野郎かは分かんねえが、一筋縄ではいかねぇ可能性が高いぞ。」
とは言うものの、実際のところ、エリカ達はそこまで深刻には考えていなかった。
だがこの時、彼女らは知る由もなかった。
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