魔娘 ―Daughter of the Golden Witch―

こりどらす

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第5章 魔女と奇術師

5-5 失われし記憶

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白く包まれた世界の中で、澪とエリカの脳裏に鮮明な映像が流れ込んできた。





周囲を深い緑の森に囲まれた池のほとり。
もともとは風光明媚な眺めであったと思われるその場所は、木々が荒々しく薙ぎ倒され、地面はごっそりとえぐられ、見るも無残な光景となっていた。

その倒れた木々の間に人影があった。
両腕で自身を抱き締めるようにして怯える少女と、彼女を守るがごとく並び立つ一組の男女。
ローブを着た彼らの左手の薬指には同じ指輪がきらりと光る。

「いい加減に諦めろ。俺達と貴様の実力はほぼ互角、このままだと相打ちになる。仮に俺達を倒せたとして、その時は貴様の命もないぞ。」
「そうよ。この子を、澪を守るためなら私の命なんて惜しくはないのだから。」

既に満身創痍、傷だらけの夫婦は同時に杖を構えた。
彼らが睨むその先では、漆黒のローブで身を包んだ、白髪交じりの初老の女が膝をついていた。

「おぬしらの言う通り、この辺が潮時かの。しかしただで帰るわけにはいかぬ。ほれ、わしからの置き土産さ!」

初老の女は黒ずんだ朽ち木のような杖を地面に突き刺す。
すると、傍らの池の水が巨大な水球となって高く浮かび上がり、徐々に球は濁ってどす黒く変色。
三人家族の頭上で破裂し、真っ黒な水が滝のごとく降り注いだ。

「きゃーーーーっ!」

黒い水が彼らの全身を容赦なく濡らし続け、少女が苦しげな悲鳴を上げる。

「くそっ、油断した。うっ、何だ……!?」
「熱い、体の内側がとても熱いわ!」

黒球の水が全て降りかかった後、夫婦は自分達の体に起きた異変を感じ取った。
体の表面から内側へと、不快な熱が染み渡ってゆく。

その様子を眺めていた初老の魔女は満足そうに笑みをこぼす。

「安心なされ、すぐに熱は引くはずだからの。しかし、これでおぬしらの全身を流れる魔力に不治の猛毒が染み込んだわい。ゆっくりゆっくりおぬしらの体を蝕み、やがて死に至るだろう。すなわち、この戦いはわしの勝ちということさね。ほっほっほ。」
「そんな!なんてこと……」

希望を打ち砕かれた若い女は、絶望に満ちた表情でその場に崩れ落ちた。

「貴様ああああっ!!許さん!!」

男が怒声を上げて杖を振りかざすと、数多の氷の槍が空中に出現。
面前の敵を貫かんとして一斉に放たれるが、

「最期の時までに残された時間、せいぜい悔いのないように過ごしておくれ。それではの。」

捨て台詞を残した初老の魔女を覆い隠すように黒い霧が発生した。
霧に向かって次々に飛び込んでゆく氷槍は、どれも手応えなくそのまま通り過ぎる。
次第に霧が薄まり晴れてゆくと、そこにはもう女の姿はなかった。

「ちくしょう、最悪だ!」

男は毒の効力で熱くなった胸を押さえつつ、悔しさを露わにして何度も拳で地面を叩く。

「うえーん、ひっぐ。ママ、熱いよ、痛いよぉ。」
「大丈夫よ、ママがそばにいるからね。」

その隣には、泣きじゃくる我が子を抱き締める母の姿があった。





続いて映像の場面は変わり、薄暗い部屋の中。
大きなベッドには先程の少女が毛布を被ってすやすやと寝息を立てている。
部屋の隅では暖炉の炎が煌々と燃え、静かな室内をほのかに照らす。
その炎を囲うようにして椅子に座る夫婦が、深刻な顔つきで話し合っていた。

「俺達に残された時間はもう長くはない。そのことは、分かっているよな。」
「ええ。あの魔女に仕込まれた猛毒が、全身を巡る魔力と混ざり合い、私を内側から蝕んでいるのを感じるわ。このままではいずれ体中が毒に侵されて死ぬでしょうね。」

女はくすんで血色が悪くなった腕を悲しげに見つめながら答えた。

「くそっ、何とかならないのか!」
「色々な手段を試してみたけれど、私達にかけられた毒魔法はあまりにも強力で、解毒することは無理そうだわ。多分あの魔女は裏・五大元素の一つ、毒元素のエキスパートだったんでしょうね。」

ゆらゆらと揺れる暖炉の炎が二人の顔を照らし出す。
歯がゆさと悔しさに満ちた表情の男と、物悲しげな表情の女。

「この際、俺の命はどうだっていい。せめて澪だけでも助かる方法はないのか……」

男は潤んだ目から涙がこぼれないように天を仰いだ。
すると男の腕に、女の細い手が優しく触れる。

「澪だけならどうにか助けられるかもしれないわ。」
「何か手立てがあるのか!?」

男は大きく目を見開いて女の両肩を掴んだ。

「この毒は体内の魔力と一体化している。つまり、全ての魔力を体外に排出してしまえば毒を無力化できるはずだわ。」
「いいか、俺達の魔力は全身をくまなく巡っている。言うなれば血液と似たようなものだ。それを全部取り出してしまえば、肉体も精神も崩壊してしまうぞ。おそらくまともな人間ではなくなってしまう。毒を無力化できてもそれでは意味がないんだ!」

悲壮感に満ちた声で男はまくしたてると、女の肩を揺さぶった。
それでもなお動じることなく女は説明を続ける。

「でも、澪に限って言えば事情が違うわ。あの子はまだ5歳。体の中の魔力量はとても少ないし、まだ肉体に馴染んでもいない。だから魔力を全部取り出したとしても、体と心に致命的な影響はないはずよ。」

女の言葉を聞いて落ち着きを取り戻したのか、男は肩を掴んでいた手を離すと大きく息を吐いた。

「なるほど、お前の言うことは理解できる。だが、人体の魔力と毒を丸ごと取り出すなんて、そんなことが本当に可能なのか?机上の空論じゃないのか。」
「大丈夫よ。確か……」

女はふいに立ち上がると、壁際に備え付けられた本棚の前へと向かう。
棚の中から一冊の古めかしい本を取りしてパラパラとめくり、とある箇所で手を止めた。
そのページを開いたまま男にも見えるように差し出す。

「うん、あった。この歴史書に、幼い魔女を普通の子供に変化させられるかどうか、実験を行って調べたという記録があるわ。何とも酷い話だけれどね……。結果は、『赤い糸』の魔法を使って魔力を全部吸い出すことで、無事に成功したそうよ。書かれている方法を見た感じ、私の全力を費やせばきっとできると思う。ただ……」
「ただ?」
「その子供の体にはとてつもない激痛が生じたと書いてある。そして、体と脳にかかる負担があまりにも大きすぎて、記憶を全て失ってしまったそうよ。」
「記憶を全て失う、だと?そんな魔法を使わないといけないのか……」

女から渡された本を苦渋の表情で見つめる男。
しばらく無言で悩んでいたが、やがて意を決したように立ち上がった。

「澪を生かすためにはその方法しかないのなら、迷っている暇はないな。」
「そうね。しかもよく考えてみれば、記憶を失うのはある意味丁度良かったのかもしれないわ。私達の命はもう長くないから、あなたの親戚に澪を預けましょう。そして魔力も持たず、魔女としての記憶もなく、ウィッチハンターに狙われることもなく、ごく普通の女の子として生きてもらうの。きっとそれが澪にとっての幸せなのよ。この目で成長を見届けられないのは残念だけど……」

暖炉の中で爆ぜる炎を静かに眺めていた女は男の方に振り向いた。
そしてはっと驚く。
男は静かな決意を秘めた顔つきで仁王立ちしていた。

「だが、お前は本当にそれでいいのか。」
「どういうこと?」
「確かにこれで澪は何も不自由することなく、平和な一生を送ることができるかもしれない。だが俺達二人はタナトスという悪の組織を、ウィッチハンターという非道の輩を倒すために長い間戦い続けてきたんだぞ。その遺志を誰にも継がせることなく、ここで潰えさせてしまってもいいのか。澪が自分の真実を知ることなく生きるのは、本当に正しいことなのか。魔女が恐怖で怯えることなく平穏に生きられる世界の実現を、お前は諦めるのか。」
「だからといって、じゃあどうすればいいのよ!」

女は声を荒げて男ににじり寄る。

「この本、お前が見ていた箇所の次のページに、魔力を失ってしまった魔女を再生させる方法の記述がある。『青い糸』の魔法と呼ぶらしい。この魔法をかけられた者は、近くにいる別の魔女が持つ魔力を少しずつ、本当に少しずつ吸収してゆき、長い時間の後に魔女として復活できるそうだ。これを利用すれば、解毒の代償として魔力と記憶を失うことになる澪も、大人になった頃に再び魔女へと戻れるはず。そして俺達の遺志を継ぎ、ウィッチハンター共との戦いに決着をつけてもらうのさ。」
「澪を元に戻すために他の魔女の魔力を奪うというの?そんなのあまりに自分勝手だわ。」

納得できない女は強く反論するが、男は頑として首を横に振った。

「よく考えてみろ。現代を生きている魔女はどいつもこいつもウィッチハンターと戦う気概をなくし、ただただ怯えて逃げ回っている腑抜けばかりだ。そんな奴らの魔力を少し分けてもらう程度、きっと許されるんじゃないか。そして何より、澪の魔女としての類まれなる素質はお前も良く知っているだろう。俺は、それを忘れてただの人間としての生を送るのは、この子にとって本当の幸せではないと思う。」

男は固く拳を握って自分の考えを力説した。
その声に宿っているのは、彼なりに娘のことを想う気持ちと、並々ならぬ強い信念。

「あなたが言っているのは、私達が願った世界の実現を、澪に託すということかしら。」
「そうだ。澪はとても出来の良い子だから、きっと俺達の考えを理解してくれるさ。」
「……分かったわ。あなたの言う通りにしましょう。」

女はゆっくり頷くと、ベッドの上で安らかな顔で眠っている少女の元へと歩を進めた。
その後を追うようにして男が続く。

「私の可愛い可愛い澪。今日でママとパパとはお別れなの。ごめんね、ずっと一緒にいてあげられなくて……。パパの親戚のお家で、元気にいい子で過ごしてね。」

女は名残惜しそうに声をかけ、少女の頬に優しく手を添えた。
少女は相変わらず安心しきった顔で小さな寝息を立てている。
涙をこらえながらしばらく無言でその純真無垢な寝顔を見つめた後、

「それじゃあ、始めましょうか。」

覚悟を決めた女は男に意思を伝えた。

「お前は澪の体内の魔力と混ざった毒を吸い出す『赤い糸』の魔法を唱えてくれ。同時に俺は、近くの魔女の魔力を取り込む体質になる『青い糸』の魔法を澪にかける。それでいいな。」
「分かったわ。」

手順を確認した二人はベッドを挟んで左右に分かれ、眠る少女の頭上で杖を掲げ合う。
そして同時に対となる呪文を詠唱した。

「― 赤き糸よ、魔の源を悉く吸い上げよ! ―」
「― 青き糸よ、魔の源を吸い寄せる力をその身に宿せ! ―」

ベッドの片側で、女の杖先から出た赤い糸の束が、少女の左手を包み込む。
その反対側で、男の杖先から放たれた青い糸が、少女の右手に絡みつく。

そして赤い糸束はポンプのように脈動を始めた。
一定間隔、規則正しく膨張と収縮を繰り返し、少女を蝕んでいる毒を吸い出しているように見える。
糸束の色が次第に赤黒く変化し始めたところで、突然少女の瞼が開いた。

「痛い!痛い!痛いよ痛いよ痛いよぉ!!」

歴史書に載っていた記述の通り、とてつもない激痛が容赦なく少女を襲う。
魔力を全て摘出することの負担はそれほどまでに大きいようだ。
全身に電撃が走るような痛みで身を悶えさせるその最中、少女の目が杖を掲げる両親の姿を捉えた。

「ママ……パパ……?何をしてるの!?」
「澪、ごめんね。苦しいよね。でもどうか、こんな母親を許してちょうだい。」

やっとの思いで言葉を紡ぐ女の顔は、流れ落ちる涙でぐしゃぐしゃになっていた。
目をつむり、口を真一文字に結んで杖を握る腕に力を込める。

「痛いよ、苦しいよ!ああっ!いやあああああああああっ!!」

少女はより一層もがき苦しんでベッドの上をのたうち回る。
なおも糸束の脈動は続き、女の瞳からこぼれ落ちた涙粒が額に触れた瞬間――少女は意識を失った。
そして、少女の左手を包んでいた赤黒い糸束がほどけて宙に浮かぶ。
バラバラになった糸は空中で再度凝集して黒光りした球体へと変化。

「はあっ!」

女が杖先を接触させると球体は吸い込まれ、杖から腕を経由して体内に毒の奔流が流れ込む。
毒を取り込み、苦痛に顔を歪めた女はその場に膝をついた。

「これで澪の命は助かるはず。きっと……この選択で良かったのよ。」

一方その横では、男が掲げた杖の先端から青い糸が一本また一本と伸び、少女の右手に次々と絡みついてゆく。
これ以上糸が出なくなったところで男が杖を大きく横に振ると、青い糸束は肉体と一体化するかのように、少女の腕の中へと沈み込んでいった。
強力な魔法を行使した疲れで呼吸を荒げる男が一人つぶやく。

「はあ、はあ……これで俺達にできることは全てやり切ったぞ。いつになるかは分からないが、きっと将来、澪は魔女として復活できるはずだ。」

男はベッドに横たわる少女の頭を優しく撫でると、その耳元で囁いた。

「澪、志半ばで力尽きる両親の分まで生きてくれ。託したぞ、俺達が目指した世界の実現を……」
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