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生まれ
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「私はこの世界ともう二つの世界を同じ容姿で繰り返し転生しつづけている。なんで、こうなのかは私にもわからない。何かの呪いだとは思うけど」
「へー。他の世界ってどんなとこ?」
こんな、突拍子もない話を信じているのか。ただ話を合わせてくれているのか。
ルーカスさんは私の目をじっと見ていた。
「一つはこちらと少し雰囲気が似ているけど、魔法の発達が進んでいる、ストゥーレイと言う世界
もう一つが魔法は空想上のもので使えず、その代わり科学が発展している地球という世界」
「【カガク】とはなんですか?」
「科学は…そう、火に薪をくべると燃える。だけど、なぜ薪は燃えたのか。火はどうやって薪を燃やし、暖かさをもたらすのか。それを細かく分析していく考え方のようなものね」
「とても難しいですね…そんなこと気にしたことがありませんでした」
「そしてこの世界リューデェルトは、私が最初に生まれた場所」
転生は三つの世界を順番に転生していくのではなく、ランダム。連続で同じ世界になったこともあった。
☆
父と母は人族だった。当然私も人族のはず。
なのに私は黒の髪に赤い目。まさに魔族だった。
村外れに三人で暮らし、見つからないようにしていた。けれど、私が七歳の頃、誰かが私の姿を見たらしく、噂が広まった。
いつしか村中魔族が攻めてきているなどと、ありもしない噂が広まるようになり、私たちは家を捨て、様々な場所を巡っていった。
二年間なんとか逃れ続けたが、その頃には国全土に噂は広まり、もう逃げ場などなかった。私たちは王国軍に捕まり、両親は目の前で殺され、私は魔族について尋問を受け続けた。
知らない。わからない。
そんな言葉は魔族をかばっているとしか聞こえなかったのだろう。尋問は何日も行われ、薬や魔法も使われた。
なんでこんな目に遇わなきゃいけないの!?なんでお母さん、お父さんを殺したの!?
憎い。コイツらが憎い。殺してやる…殺してやる!!
私を尋問する奴等に向けて叫ぶと、胸にじわりと熱さが広がり意識が途絶えた。
こうして一度目の人生を終え、二度目の人生が始まった。
☆
「二度目の人生はストゥーレイと言う世界だった。容姿が同じで、魔族と疑われたけど、そこには魔族かどうかを判断する魔法があって、私はれっきとした人族であることがわかった。って言っても信じるか信じないかは貴女達次第」
「「「………」」」
だいぶ気分を落ちさせてしまったようだ。
「受け取り方は自由。さぁ話はここまで。寝ましょう。
ルーカスさんとシンハルさんは申し訳ないけど、リビングで。ラフィさんは客室があるからそこのベッドを使って」
無理やり話を区切り、私はお風呂へと足を運んだ。
お風呂から上がり、紅茶を呑んでいると客室から呻き声が聞こえる。それはだんだん大きくなり泣き声も聞こえてきた。
「へー。他の世界ってどんなとこ?」
こんな、突拍子もない話を信じているのか。ただ話を合わせてくれているのか。
ルーカスさんは私の目をじっと見ていた。
「一つはこちらと少し雰囲気が似ているけど、魔法の発達が進んでいる、ストゥーレイと言う世界
もう一つが魔法は空想上のもので使えず、その代わり科学が発展している地球という世界」
「【カガク】とはなんですか?」
「科学は…そう、火に薪をくべると燃える。だけど、なぜ薪は燃えたのか。火はどうやって薪を燃やし、暖かさをもたらすのか。それを細かく分析していく考え方のようなものね」
「とても難しいですね…そんなこと気にしたことがありませんでした」
「そしてこの世界リューデェルトは、私が最初に生まれた場所」
転生は三つの世界を順番に転生していくのではなく、ランダム。連続で同じ世界になったこともあった。
☆
父と母は人族だった。当然私も人族のはず。
なのに私は黒の髪に赤い目。まさに魔族だった。
村外れに三人で暮らし、見つからないようにしていた。けれど、私が七歳の頃、誰かが私の姿を見たらしく、噂が広まった。
いつしか村中魔族が攻めてきているなどと、ありもしない噂が広まるようになり、私たちは家を捨て、様々な場所を巡っていった。
二年間なんとか逃れ続けたが、その頃には国全土に噂は広まり、もう逃げ場などなかった。私たちは王国軍に捕まり、両親は目の前で殺され、私は魔族について尋問を受け続けた。
知らない。わからない。
そんな言葉は魔族をかばっているとしか聞こえなかったのだろう。尋問は何日も行われ、薬や魔法も使われた。
なんでこんな目に遇わなきゃいけないの!?なんでお母さん、お父さんを殺したの!?
憎い。コイツらが憎い。殺してやる…殺してやる!!
私を尋問する奴等に向けて叫ぶと、胸にじわりと熱さが広がり意識が途絶えた。
こうして一度目の人生を終え、二度目の人生が始まった。
☆
「二度目の人生はストゥーレイと言う世界だった。容姿が同じで、魔族と疑われたけど、そこには魔族かどうかを判断する魔法があって、私はれっきとした人族であることがわかった。って言っても信じるか信じないかは貴女達次第」
「「「………」」」
だいぶ気分を落ちさせてしまったようだ。
「受け取り方は自由。さぁ話はここまで。寝ましょう。
ルーカスさんとシンハルさんは申し訳ないけど、リビングで。ラフィさんは客室があるからそこのベッドを使って」
無理やり話を区切り、私はお風呂へと足を運んだ。
お風呂から上がり、紅茶を呑んでいると客室から呻き声が聞こえる。それはだんだん大きくなり泣き声も聞こえてきた。
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