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1.義兄の依頼
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時は、昨日までさかのぼる。
セラフは、お茶とお茶請けを楽しみながら、目の前で微妙な表情をして口を動かしている義兄を観察した。
何か言いたいことがあるけれど、どのように切り出したらいいのかわからないのだろう。
きっと考え事のせいで、今口にしている、ワッフルの味だってよくわかっていないはずだ。
彼は、セラフの義兄。
もっと正確に言うのであれば、セラフの夫の兄であった。
過去形なのは、セラフの夫が、もうこの世にはいないからだ。
出会いは、セラフが14のとき。
夫――サンダルフォンは、ホワイトクロス侯爵家の次男だった。
ホワイトクロス侯爵家御用達の仕立て屋だったマダム・アイリスに師事していたセラフは、採寸のためにマダムと共に訪れたホワイトクロス侯爵家で、20のサンダルフォンと出会った。
光の加減で緑がかっても見える金髪に、瑠璃の瞳。
一目見た瞬間に、セラフは天使像を思い浮かべたのだけれど、セラフを目に留めた彼は「天使みたいだ」と言ったのだ。
ホワイトクロス侯爵家の次男が、数多の女性と浮名を流しているのは知っていた。
だから当初、彼が告げる言葉のほとんどを、セラフは聞き流していた。
彼と自分では、身分が違いすぎるし、きっと一過性の、遊びなのだ。
貴族ではない町娘が珍しくて、ちょっかいを出している。
本気にして、痛い目に合うのは、御免だ。
そう思っていたが、一年経っても彼の愛の言葉は止まなかったし、贈り物攻撃も続いた。
そして、その間セラフが、彼の女性関係の噂を聞くことはなかったのである。
ついにセラフは彼の気持ちを信じ、受け止め、一年の交際期間を経て、彼と夫婦になった。
それから、四年間、セラフはサンダルフォンを愛し、愛され、幸せに暮らしていた。
彼が従軍し、帰らぬひととなるまでは。
あれから、五年。
セラフは夫の兄である、ホワイトクロス侯爵・メタトロンの庇護化で、侯爵家の敷地にある離れで暮らしていた。
それが、夫であるサンダルフォンの、遺言だったからだ。
彼の最後の願いを、義兄は、律儀に守ってくれている。
ホワイトクロス侯爵である義兄は、世間では厳格でありながら掴みどころのない、謎めいた人物として語られている。
だが、その実が非常に誠実で慈悲深く、細やかで考えすぎる性質のひとだと、セラフは知っている。
これは経験上の話であるが、義兄が、セラフのいる離れを世間話で訪れたことなど、一度もない。
きっと、何か、のっぴきならない事情があるはずなのだ。
だからセラフは、口を開いた。
「お義兄様、何か、御用があっていらっしゃったのでは? また、ご衣裳を仕立てられますか?」
ついひと月ほど前に、衣裳を仕立てたところなので、それはありえないと思いながらも、セラフは口にした。
「ああ、それは、またの機会に」
会話のきっかけをもらったことに安堵したのか、幾分穏やかな表情で、義兄はティーカップに口をつける。
一口嚥下したあとで、義兄は深い吐息と共に吐き出した。
「実は、…息子の…、ラファエルの、ことなんだ」
ラファエル。
その名前に、セラフは目を瞬かせてしまった。
義兄の息子であるラファエルは、セラフの夫だったサンダルフォンにとっては甥にあたり、つまりはセラフにとっては義甥にあたる。
実は、セラフとサンダルフォンの出逢いの場に、ラファエルも居合わせていた。
ラファエルは、サンダルフォンに手を繋がれた、可愛い男の子だったが、あまりサンダルフォンには似ていなかった。
サンダルフォンと健全なお付き合いを始めてから知ったのだが、サンダルフォンとメタトロンは、異母兄弟だったらしい。
メタトロンが病死した前妻の子で、サンダルフォンが後妻の子。
メタトロンとサンダルフォンは、十以上も年が離れていた。
そして、メタトロンは前妻似であり、サンダルフォンは後妻似。
更に、メタトロンの子であるラファエルも、母親に似たとのことで、ホワイトクロス侯爵家の男たちは互いにあまり似ていない。
皆、瑠璃のきれいな瞳をしている、という一点を除いては。
ラファエルは、サンダルフォンのことも慕っていたし、セラフとも姉弟のように親しく接してくれていた。
サンダルフォンの葬儀の日までは。
伴侶を喪った悲しみで途方に暮れるセラフを、ラファエルは一生懸命慰めてくれた。
きっと、悲しみのあまり、満足に立ち居振舞うこともできないセラフに、嫌気が差したのだろう。
ラファエルは、それから、セラフを避けるようになった。
あれから、彼には会っていないけれど、立派な青年に育ったと耳にして、セラフは誇らしい気分だった。
だから、正直戸惑った。
義兄は、ラファエルについて、何をそんなに悩ましく思っているのだろう。
「彼が、どうかしたのですか?」
「昔から、君には懐いているだろう? だから、それとなく、聞いてほしいんだ」
義兄は、両手で包むように持ったティーカップに視線を落としたままで、まだ、核心に触れない。
それだけ、口にしづらいことなのだろう。
だから、セラフは微笑んで、的外れな問いを投げることにする。
「…誕生日の、プレゼントでも?」
義兄は目を丸くした後で、笑ってくれた。
そのことにセラフはほっとしたのだが、すぐに義兄は眉を下げる。
「だったら、よかったのだが…。 ………あの子は、女性に興味が、ないのだろうか」
ぽつり、と零すように続いた言葉に、セラフはすべて察したような気分になった。
セラフの耳に入ってくる、ラファエルの噂は、どれも素晴らしいものばかりだ。
だが、その中に、女性関係の話は、皆無。
「女性に対して誠実なのは、とてもいいことなのだが、…数多ある縁談に見向きもしないとなれば、…やはり、考えずにはいられなくて」
溜息交じりに零した義兄に、セラフは納得する。
確か、ラファエルももうすぐ二十歳を迎える。
セラフが出会った、サンダルフォンと同じ年だ。
サンダルフォンについては、セラフは師から直接「気をつけなさい」と念を押されるほどのプレイボーイだった。
それはそれで考え物だと思うが、女性関係の噂が全くないというのも、義兄にとっては気がかりなのだろう。
ホワイトクロス侯爵家の数少ない人間しか知らないことだが、ホワイトクロス侯爵メタトロンは、異性に興味がない。
サンダルフォンは、ラファエルが生まれたことは、奇跡だと言っていた。
そして、ラファエルの母親が、メタトロンに愛想を尽かしてほかの男と駆け落ちをしたことも、避けられないことだったと。
セラフは、異性愛者だから、義兄の苦悩はわからないけれど。
例えばセラフが、家のためだからと、好きでもない女性と子を為さなければならない状況に追い込まれたら、つらくて堪らない。
それを、義兄は耐えたのだ。
それだけで、セラフは義兄を立派だと思う。
そしてきっと、義兄は、ラファエルがもし、義兄と同じだったら、同じ選択をせずに済むようにしたい、と考えているのだろう。
本当に、細やかで、慈悲深い方だ。
そして、セラフは、現在進行形で、義兄に恩がある。
メタトロンは、緊張したような、硬い表情のままで、真直ぐにセラフを見つめる。
夫と同じ、きれいな瑠璃の瞳で。
「頼めるだろうか。 私のために、一肌脱いでほしい」
「…努力します」
セラフは、そう、答えた。
安易に請け負ったわけではない。
だが、それほど深く考えて決めたわけでもなかった。
きっと、それがいけなかったのだろう。
本当に、一肌脱ぐことになろうとは、この時のセラフは想像すらしなかったのである。
セラフは、お茶とお茶請けを楽しみながら、目の前で微妙な表情をして口を動かしている義兄を観察した。
何か言いたいことがあるけれど、どのように切り出したらいいのかわからないのだろう。
きっと考え事のせいで、今口にしている、ワッフルの味だってよくわかっていないはずだ。
彼は、セラフの義兄。
もっと正確に言うのであれば、セラフの夫の兄であった。
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夫――サンダルフォンは、ホワイトクロス侯爵家の次男だった。
ホワイトクロス侯爵家御用達の仕立て屋だったマダム・アイリスに師事していたセラフは、採寸のためにマダムと共に訪れたホワイトクロス侯爵家で、20のサンダルフォンと出会った。
光の加減で緑がかっても見える金髪に、瑠璃の瞳。
一目見た瞬間に、セラフは天使像を思い浮かべたのだけれど、セラフを目に留めた彼は「天使みたいだ」と言ったのだ。
ホワイトクロス侯爵家の次男が、数多の女性と浮名を流しているのは知っていた。
だから当初、彼が告げる言葉のほとんどを、セラフは聞き流していた。
彼と自分では、身分が違いすぎるし、きっと一過性の、遊びなのだ。
貴族ではない町娘が珍しくて、ちょっかいを出している。
本気にして、痛い目に合うのは、御免だ。
そう思っていたが、一年経っても彼の愛の言葉は止まなかったし、贈り物攻撃も続いた。
そして、その間セラフが、彼の女性関係の噂を聞くことはなかったのである。
ついにセラフは彼の気持ちを信じ、受け止め、一年の交際期間を経て、彼と夫婦になった。
それから、四年間、セラフはサンダルフォンを愛し、愛され、幸せに暮らしていた。
彼が従軍し、帰らぬひととなるまでは。
あれから、五年。
セラフは夫の兄である、ホワイトクロス侯爵・メタトロンの庇護化で、侯爵家の敷地にある離れで暮らしていた。
それが、夫であるサンダルフォンの、遺言だったからだ。
彼の最後の願いを、義兄は、律儀に守ってくれている。
ホワイトクロス侯爵である義兄は、世間では厳格でありながら掴みどころのない、謎めいた人物として語られている。
だが、その実が非常に誠実で慈悲深く、細やかで考えすぎる性質のひとだと、セラフは知っている。
これは経験上の話であるが、義兄が、セラフのいる離れを世間話で訪れたことなど、一度もない。
きっと、何か、のっぴきならない事情があるはずなのだ。
だからセラフは、口を開いた。
「お義兄様、何か、御用があっていらっしゃったのでは? また、ご衣裳を仕立てられますか?」
ついひと月ほど前に、衣裳を仕立てたところなので、それはありえないと思いながらも、セラフは口にした。
「ああ、それは、またの機会に」
会話のきっかけをもらったことに安堵したのか、幾分穏やかな表情で、義兄はティーカップに口をつける。
一口嚥下したあとで、義兄は深い吐息と共に吐き出した。
「実は、…息子の…、ラファエルの、ことなんだ」
ラファエル。
その名前に、セラフは目を瞬かせてしまった。
義兄の息子であるラファエルは、セラフの夫だったサンダルフォンにとっては甥にあたり、つまりはセラフにとっては義甥にあたる。
実は、セラフとサンダルフォンの出逢いの場に、ラファエルも居合わせていた。
ラファエルは、サンダルフォンに手を繋がれた、可愛い男の子だったが、あまりサンダルフォンには似ていなかった。
サンダルフォンと健全なお付き合いを始めてから知ったのだが、サンダルフォンとメタトロンは、異母兄弟だったらしい。
メタトロンが病死した前妻の子で、サンダルフォンが後妻の子。
メタトロンとサンダルフォンは、十以上も年が離れていた。
そして、メタトロンは前妻似であり、サンダルフォンは後妻似。
更に、メタトロンの子であるラファエルも、母親に似たとのことで、ホワイトクロス侯爵家の男たちは互いにあまり似ていない。
皆、瑠璃のきれいな瞳をしている、という一点を除いては。
ラファエルは、サンダルフォンのことも慕っていたし、セラフとも姉弟のように親しく接してくれていた。
サンダルフォンの葬儀の日までは。
伴侶を喪った悲しみで途方に暮れるセラフを、ラファエルは一生懸命慰めてくれた。
きっと、悲しみのあまり、満足に立ち居振舞うこともできないセラフに、嫌気が差したのだろう。
ラファエルは、それから、セラフを避けるようになった。
あれから、彼には会っていないけれど、立派な青年に育ったと耳にして、セラフは誇らしい気分だった。
だから、正直戸惑った。
義兄は、ラファエルについて、何をそんなに悩ましく思っているのだろう。
「彼が、どうかしたのですか?」
「昔から、君には懐いているだろう? だから、それとなく、聞いてほしいんだ」
義兄は、両手で包むように持ったティーカップに視線を落としたままで、まだ、核心に触れない。
それだけ、口にしづらいことなのだろう。
だから、セラフは微笑んで、的外れな問いを投げることにする。
「…誕生日の、プレゼントでも?」
義兄は目を丸くした後で、笑ってくれた。
そのことにセラフはほっとしたのだが、すぐに義兄は眉を下げる。
「だったら、よかったのだが…。 ………あの子は、女性に興味が、ないのだろうか」
ぽつり、と零すように続いた言葉に、セラフはすべて察したような気分になった。
セラフの耳に入ってくる、ラファエルの噂は、どれも素晴らしいものばかりだ。
だが、その中に、女性関係の話は、皆無。
「女性に対して誠実なのは、とてもいいことなのだが、…数多ある縁談に見向きもしないとなれば、…やはり、考えずにはいられなくて」
溜息交じりに零した義兄に、セラフは納得する。
確か、ラファエルももうすぐ二十歳を迎える。
セラフが出会った、サンダルフォンと同じ年だ。
サンダルフォンについては、セラフは師から直接「気をつけなさい」と念を押されるほどのプレイボーイだった。
それはそれで考え物だと思うが、女性関係の噂が全くないというのも、義兄にとっては気がかりなのだろう。
ホワイトクロス侯爵家の数少ない人間しか知らないことだが、ホワイトクロス侯爵メタトロンは、異性に興味がない。
サンダルフォンは、ラファエルが生まれたことは、奇跡だと言っていた。
そして、ラファエルの母親が、メタトロンに愛想を尽かしてほかの男と駆け落ちをしたことも、避けられないことだったと。
セラフは、異性愛者だから、義兄の苦悩はわからないけれど。
例えばセラフが、家のためだからと、好きでもない女性と子を為さなければならない状況に追い込まれたら、つらくて堪らない。
それを、義兄は耐えたのだ。
それだけで、セラフは義兄を立派だと思う。
そしてきっと、義兄は、ラファエルがもし、義兄と同じだったら、同じ選択をせずに済むようにしたい、と考えているのだろう。
本当に、細やかで、慈悲深い方だ。
そして、セラフは、現在進行形で、義兄に恩がある。
メタトロンは、緊張したような、硬い表情のままで、真直ぐにセラフを見つめる。
夫と同じ、きれいな瑠璃の瞳で。
「頼めるだろうか。 私のために、一肌脱いでほしい」
「…努力します」
セラフは、そう、答えた。
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