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第二章.婚約編
10.飛沫*
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こんなのは、想定外、だった。
最も当てはまる言葉を述べるなら、「感極まってしまった」だろうか。
この世で最も大切で、愛している女性体の、最も秘めたる部分――。
男性体なら、何度も想像して然ることなのかもしれないが、ヴェルドライトは彼女の身体を想像したことはなかった。 正確に言うのであれば、想像できた試しがなかった。
全く、想像がつかなかったのだ。
そして、目にした彼女の素肌は、とてもきれいで。
自身を、彼女の秘裂にそってあてがってみれば、あまりの感覚に震えが治まらなくなった。
彼女自身の零す蜜にまみれて、とろとろに濡れそぼった秘花の、あたたかさと心地よさと言ったら、腰が蕩けそうなほどで。
彼女の温かく濡れて、やわらかい花弁は、まるで、ヴェルドライト自身を包み込み、吸いつくようでもある。
こんなの、耐えられるわけが、ない。
でも、挿入もせず、動きもせず、あてがってじっとしているだけで達する、なんて、男性体としての矜持を保つためには、絶対に避けたいところだ。
奥歯を食いしばって、なんとかその衝動をやり過ごそうとする。
段々と、呼吸が落ち着いて、震えが治まってきて、ヴェルドライトは、深く、長く、息を吐いた。
リーファのやさしい声が、ヴェルドライトを案じてくれる。
「もう、大丈夫?」
「大丈夫、落ち着いたよ。 …ありがとう」
僕のことを案じてくれたことも、僕の矜持と尊厳を守ってくれたことも。
ああ、やっぱり、好きだ。 何よりも。 誰よりも。
「ア」
ヴェルドライトは、リーファの耳朶を吸い、首筋に口づけながら、尋ねる。
「脚、ぎゅって閉じられる?」
「…こう…?」
おずおずと、緩慢な動きで、リーファは左右の脚を合わせて、閉じる。
ヴェルドライト自身が、リーファの脚の間と左右の脚に挟まれた。
「上手。 …気持ち、いいね…」
何気ない風を装って、微笑んではみる、けれど。
本当に、これだけで気持ちが良くて、屹立した自身が張り詰めてしまって、つらい。
もう、これは、一刻の猶予もないだろう。
そう判断して、ヴェルドライトはゆっくりと、腰を引いた。
リーファの脚の間に自身を滑らせる。
そして、そのまま、ゆっくりと腰を遣い始めた。
そのリズムに合わせて、ゆっくりと、小さく、ベッドが軋む。
「あっ…?」
リーファは、目を見開くと同時に、背を反らせる。
ヴェルドライト自身は、リーファのなかに押し入ろうとしなかったし、押し入ってもいない。
リーファの敏感な部分と、ヴェルドライトの強直が、擦り合わされているだけ。
それでも、ヴェルドライトはこれほどの快感を享受しているし、リーファも恐らく、そうだったのだろう。
ヴェルドライトが動くたびに、くち、くちゅ、と淫らな粘性の水音がする。
互いが零す体液が、潤滑剤になってのことと察するのは、容易かった。
「ぁ、ヴェル」
「…リーファ、すごい、これ…。 …気持ち、い…」
ヴェルドライトは、十分、気持ちいい、けれど。
時折小さく震えるリーファも、気持ちいい、と思ってくれていると、いい。
彼女の奥へと続く秘孔から、とろとろと零れる、あたたかい蜜。
ひくひくと震える、やわらかな花弁。
その少し上で、愛らしく膨らんだ、小さな蕾。
それらのすべてと、ヴェルドライトが接触している。
もっともっと、彼女と密着していたくて、ヴェルドライトはリーファの膝に手を置いて、腰を揺らした。
「あ…」
目を閉じたリーファは、眉根を寄せて、頬を染め、震えている。
「リーファ、気持ちい…?」
「うん…、きもち、い…」
のろのろと、リーファは瞼を持ち上げる。
彼女のとろんとした瞳が、ヴェルドライトに向けられ、ゾワリとして一度、震える。
やっぱりもう、自分の方が、持たなさそうだ。
本当は、リーファが弱い、耳や二の腕の内側、胸の先に触れて、リーファをもっともっと気持ちよくしたい。
けれど、今の体位を維持したままでは、リーファの耳に口づけるのは、リーファの身体が痛いだろう。
二の腕の内側や、胸の先に触れるのは、難しい。
とすると、今触れ合っているところで、リーファを導けるよう、努力しなければならないだろう。
そう判断して、ヴェルドライトは、少しだけ腰の動きを速めた。
ぎし、ぎし、と先程よりも速いテンポと音で、ベッドが軋む。
「ぁ、ヴェル、すき」
「うん、僕もすき」
リーファが目を閉じて、震えながら、喘ぐように言うから、ヴェルドライトは微笑む。
けれど、なぜか、リーファは小さく首を横に振った。
「ん、そうじゃ、なくて」
「うん?」
ヴェルドライトは動きを止めないままに、先を促す。
リーファは耳まで真っ赤にして、瞳を揺らした後で、口を開く。
「きもちよく、なりそう」
その言葉に、ヴェルドライトはほっとした。
ヴェルドライトも、もう、限界だったからだ。
「ん…いいよ…。 僕も、気持ちよくなりそう。 …いい?」
「うん、いっしょが、いい…」
リーファの微笑みに、ヴェルドライトの心臓が、ドクンと大きく跳ねる。
ヴェルドライトだって、リーファと一緒に、気持ちよくなりたい。
「このままだと…リーファ、お腹の辺り、気持ち悪いかも…。 どう、する…?」
「気持ちい、よ…? …っ…このままで、いいから…」
リーファの返答から、微妙にかみ合っていないことには気づいていた。
けれど、言質は取ったから、いいはずだ、とヴェルドライトは自分を納得させて、腰を揺らし続ける。
「んっ…ヴェルっ…。 わたし、またっ…」
リーファが身じろぎしながら、腰を逃がそうとしたけれど、叶わなかった。
ヴェルドライトがリーファの膝を押さえていたし、ヴェルドライトの脚がリーファの下半身を固定していたからだ。
「ぁ、や、っ…!!」
甘く喘ぎながら、リーファが大きく数度、身体を跳ねさせた。
全身に力を入れて、震えながらリーファは達したようだ。
それを確認すれば、張り詰めていた緊張の糸が、切れたのだと思う。
爆発しそうな自身を、もう、無理に押さえつける必要はないのだ、と。
「…、ぅ、…っ」
食いしばった歯の間から、声が漏れてしまった。
リーファの上で、ヴェルドライトは大きく二・三度身体を震わせる。
それに、呼応するように、ヴェルドライトの屹立も反応し、熱い飛沫が吐き出されたのだった。
最も当てはまる言葉を述べるなら、「感極まってしまった」だろうか。
この世で最も大切で、愛している女性体の、最も秘めたる部分――。
男性体なら、何度も想像して然ることなのかもしれないが、ヴェルドライトは彼女の身体を想像したことはなかった。 正確に言うのであれば、想像できた試しがなかった。
全く、想像がつかなかったのだ。
そして、目にした彼女の素肌は、とてもきれいで。
自身を、彼女の秘裂にそってあてがってみれば、あまりの感覚に震えが治まらなくなった。
彼女自身の零す蜜にまみれて、とろとろに濡れそぼった秘花の、あたたかさと心地よさと言ったら、腰が蕩けそうなほどで。
彼女の温かく濡れて、やわらかい花弁は、まるで、ヴェルドライト自身を包み込み、吸いつくようでもある。
こんなの、耐えられるわけが、ない。
でも、挿入もせず、動きもせず、あてがってじっとしているだけで達する、なんて、男性体としての矜持を保つためには、絶対に避けたいところだ。
奥歯を食いしばって、なんとかその衝動をやり過ごそうとする。
段々と、呼吸が落ち着いて、震えが治まってきて、ヴェルドライトは、深く、長く、息を吐いた。
リーファのやさしい声が、ヴェルドライトを案じてくれる。
「もう、大丈夫?」
「大丈夫、落ち着いたよ。 …ありがとう」
僕のことを案じてくれたことも、僕の矜持と尊厳を守ってくれたことも。
ああ、やっぱり、好きだ。 何よりも。 誰よりも。
「ア」
ヴェルドライトは、リーファの耳朶を吸い、首筋に口づけながら、尋ねる。
「脚、ぎゅって閉じられる?」
「…こう…?」
おずおずと、緩慢な動きで、リーファは左右の脚を合わせて、閉じる。
ヴェルドライト自身が、リーファの脚の間と左右の脚に挟まれた。
「上手。 …気持ち、いいね…」
何気ない風を装って、微笑んではみる、けれど。
本当に、これだけで気持ちが良くて、屹立した自身が張り詰めてしまって、つらい。
もう、これは、一刻の猶予もないだろう。
そう判断して、ヴェルドライトはゆっくりと、腰を引いた。
リーファの脚の間に自身を滑らせる。
そして、そのまま、ゆっくりと腰を遣い始めた。
そのリズムに合わせて、ゆっくりと、小さく、ベッドが軋む。
「あっ…?」
リーファは、目を見開くと同時に、背を反らせる。
ヴェルドライト自身は、リーファのなかに押し入ろうとしなかったし、押し入ってもいない。
リーファの敏感な部分と、ヴェルドライトの強直が、擦り合わされているだけ。
それでも、ヴェルドライトはこれほどの快感を享受しているし、リーファも恐らく、そうだったのだろう。
ヴェルドライトが動くたびに、くち、くちゅ、と淫らな粘性の水音がする。
互いが零す体液が、潤滑剤になってのことと察するのは、容易かった。
「ぁ、ヴェル」
「…リーファ、すごい、これ…。 …気持ち、い…」
ヴェルドライトは、十分、気持ちいい、けれど。
時折小さく震えるリーファも、気持ちいい、と思ってくれていると、いい。
彼女の奥へと続く秘孔から、とろとろと零れる、あたたかい蜜。
ひくひくと震える、やわらかな花弁。
その少し上で、愛らしく膨らんだ、小さな蕾。
それらのすべてと、ヴェルドライトが接触している。
もっともっと、彼女と密着していたくて、ヴェルドライトはリーファの膝に手を置いて、腰を揺らした。
「あ…」
目を閉じたリーファは、眉根を寄せて、頬を染め、震えている。
「リーファ、気持ちい…?」
「うん…、きもち、い…」
のろのろと、リーファは瞼を持ち上げる。
彼女のとろんとした瞳が、ヴェルドライトに向けられ、ゾワリとして一度、震える。
やっぱりもう、自分の方が、持たなさそうだ。
本当は、リーファが弱い、耳や二の腕の内側、胸の先に触れて、リーファをもっともっと気持ちよくしたい。
けれど、今の体位を維持したままでは、リーファの耳に口づけるのは、リーファの身体が痛いだろう。
二の腕の内側や、胸の先に触れるのは、難しい。
とすると、今触れ合っているところで、リーファを導けるよう、努力しなければならないだろう。
そう判断して、ヴェルドライトは、少しだけ腰の動きを速めた。
ぎし、ぎし、と先程よりも速いテンポと音で、ベッドが軋む。
「ぁ、ヴェル、すき」
「うん、僕もすき」
リーファが目を閉じて、震えながら、喘ぐように言うから、ヴェルドライトは微笑む。
けれど、なぜか、リーファは小さく首を横に振った。
「ん、そうじゃ、なくて」
「うん?」
ヴェルドライトは動きを止めないままに、先を促す。
リーファは耳まで真っ赤にして、瞳を揺らした後で、口を開く。
「きもちよく、なりそう」
その言葉に、ヴェルドライトはほっとした。
ヴェルドライトも、もう、限界だったからだ。
「ん…いいよ…。 僕も、気持ちよくなりそう。 …いい?」
「うん、いっしょが、いい…」
リーファの微笑みに、ヴェルドライトの心臓が、ドクンと大きく跳ねる。
ヴェルドライトだって、リーファと一緒に、気持ちよくなりたい。
「このままだと…リーファ、お腹の辺り、気持ち悪いかも…。 どう、する…?」
「気持ちい、よ…? …っ…このままで、いいから…」
リーファの返答から、微妙にかみ合っていないことには気づいていた。
けれど、言質は取ったから、いいはずだ、とヴェルドライトは自分を納得させて、腰を揺らし続ける。
「んっ…ヴェルっ…。 わたし、またっ…」
リーファが身じろぎしながら、腰を逃がそうとしたけれど、叶わなかった。
ヴェルドライトがリーファの膝を押さえていたし、ヴェルドライトの脚がリーファの下半身を固定していたからだ。
「ぁ、や、っ…!!」
甘く喘ぎながら、リーファが大きく数度、身体を跳ねさせた。
全身に力を入れて、震えながらリーファは達したようだ。
それを確認すれば、張り詰めていた緊張の糸が、切れたのだと思う。
爆発しそうな自身を、もう、無理に押さえつける必要はないのだ、と。
「…、ぅ、…っ」
食いしばった歯の間から、声が漏れてしまった。
リーファの上で、ヴェルドライトは大きく二・三度身体を震わせる。
それに、呼応するように、ヴェルドライトの屹立も反応し、熱い飛沫が吐き出されたのだった。
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