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Яainy, Rainy
Яing
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間宮天音は、ごく普通のOLだ。 人並みに仕事をし、人並みに恋愛をし、ごく普通の毎日を送っている。 ここ最近で特に変わったことと言えば、合コンで意気投合してつきあい始めた成田麗人と二年目の記念日を迎え、プロポーズをされたことだろうか。 当然のように天音は麗人を婚約者だと思っていたし、結婚して、ごく普通の幸せを手にするつもりでいた、というのに。
今、なんと言ったのだろう、この男は?
天音は、目の前の、彼氏で、婚約者だった男を凝視する。
婚約者だった。 そう、過去形だ。 なぜならば。
「そういうわけで、仕方ないんだよ、天音。 終わりにしよう」
何が、そういうわけで、なのか。
へらへらと困ったように笑う麗人が、信じられない。
どうして、笑っていられるのだろう。
それで、天音が許すとでも、思っているのだろうか。
悔しくて、苦しくて、悲しくて、辛くて、どうしようもなくなった。 ふっと視線を逸らすと、自分の左手の薬指に、鈍く光を弾く指輪が目に留まった。
その瞬間、ないまぜになった思いが腹の奥からせり上がってきて、その衝動のままに天音は左手の薬指から指輪を抜き取る。
そうしよう、と思ったわけではない。
けれど、気がついたら抜き取った指輪を、麗人に向けて投げつけていた。
「っ!」
麗人は庇うように顔の前に腕をかざしたが、天音の投げつけた指輪は麗人には当たらず、麗人が背にする玄関の扉にぶつかって石の床に落ち、鈍い音を立てる。
恨み言でも、呪いの言葉でも、吐いてやりたかった。
けれど、何を言っていいのかわからないくらいに、混乱している。
「っ…さよなら!」
それだけ言って、天音は踵を返して、麗人の家…成田家の敷地内から、飛び出す。
家の中にすら入れてもらえなかったのだ。
脇目も振らずに、ずんずんと天音は進んだ。 天音が通り越していくひとたちの目が、自分に向いているのがわかる。 けれど、気にする余裕なんて、天音にはなかった。
最悪。 最悪! 最悪!!
最低。 最低! 最低!!
そんな言葉ばかりが、頭の中で巡る。 そして、その勢いのままに、天音は進む。
本当は、わかっている。
最悪なのも、最低なのも、自分だ。
自分の、男を見る目がなかっただけ。
だから、惨めで、情けなくて、堪らない。
今まで、何度も別れようと思った。 けれど、麗人が謝るから。 改めるって言うから、あと少しだけ信じてみようと思って、来た。
結婚したら、変わってくれるかもしれないと思っていた。
好きなだけでは、結婚はできないと思っていたから。
できるだけ、同じものを見て、同じように喜べるひとといるのがいいのだと考えた。 刺激のない、ぬるま湯のような関係、それをきっと平穏と呼び、心乱されることなく、過ごせるのだろうと。
けれど、それは大きな間違いだったのだ。
惨めで、情けなくて、けれど、泣くわけにはいかなくて、口を引き結んで我慢をし、歩く。
せめて、自分の家に着くまでは。
ふと、頬に冷たいものが当たって気がして、天音は足を止めた。
顔を上げる。
ぽつ、ぽつ、と落ちる雨雫。
ああ、そういえば、雨の予報が出ていたかもしれないと、天音はぼんやりと考えた。
考えているうちに、雨が次から次へと落ちてくる。
道行く人が傘を広げ始める。 足早に、歩き出す。
その中で、天音は立ち止まったままでいた。 雨に打たれ、全身に雨を浴びる。
雨は嫌いだった。
誰が、六月の花嫁は幸せになれるなどと言ったのだろう。 何が、ジューン・ブライドだ。
髪は纏まらないし、足下は濡れるし、服も濡れるし、じめっとした空気が肌に纏わり付くし、雨の時季は本当にいいことがない。
今だって、冷たい雨に打たれた天音は、頭からずぶ濡れでひどい状態だ。
張り付く髪が鬱陶しい。
纏わり付いてくる濡れて冷たい衣類に、じわじわと体温が奪われていくのがわかる。
ぶつかって、追い越していく人がちらりと振り返って、天音を迷惑そうに見る。
前から歩いて来るひとだって、天音に不審げな目を向けてくる。
けれど、何もかも、どうでもいい。
考えるのが、億劫だ。
このまま、雨に溶けて流れてしまえたら、色々と、考えずに、済むのに。
そう、思っていたときだった。
ぽん、と肩に手が置かれた。
肩越しに振り返ろうとすれば、同じく肩越しに覗き込んで来たその顔と、間近に目が合う。
一瞬、雨が止まった気がした。
止んだわけではない。
その瞬間が切り取られたような気がしたのだ。
「間宮さん?」
「…榊、課長?」
天音を覗き込んで来たのは、同じ会社に勤める、営業部営業二課の課長・榊凌士だった。
天音の勤める会社の営業は、顔採用ではないかという噂があるほど、顔面が整ったひとたちばかりで、天音などは少しばかり腰が引けてしまう部署だ。 アイドル系、モデル系、爽やか系…色々なジャンルのイケメン・イケジョの宝庫なのである。
営業というと、自分に絶対の自信があって、堂々としていてガツガツしている、そんな肉食系のリア充・意識高い系を想像していた天音だったが、榊課長は不思議とそんな感じではなかった。
落ち着いた声に、落ち着いた容姿…けれど、決して地味な訳ではない。 人目を引く顔立ちだと思うのだが、甘さと堅さが絶妙なのか、大人の男の色気がじんわりと滲む程度。 それがまたいいと、女性社員たちの密かな人気を集めている。
密かな人気、というのは語弊があるだろうか。
榊課長は、人気がある。
けれど、大っぴらに榊課長に近づく者がいないのには、理由がある。
天音の肩に置かれた、榊課長の左手――その薬指で、光を弾く指輪を見ながら、ぼんやりと考えていた天音は、傘が雨を弾く音に気づく。
雨が止まった、と思ったのは、どうやら間違いではなかったらしい。
天音には、雨が落ちてこない。
榊課長の差し出してくれている大きな傘に、護られているからだ。
「濡れるよ、おいで。 風邪を引いたら大変だろう」
不思議と、榊課長の声が耳に触れると、雨の音が薄れる気がする。
榊課長の手が優しく天音の肩に触れた。 そこで、天音はハッと気づく。
天音に傘を差しだしているばかりに、榊課長の上等なスーツ、その左肩が濡れてしまっている。
「でも、課長が」
慌てて天音は、榊課長の差し出してくれている腕を戻そうとして、その腕に触れる。
その、天音の手に、榊課長が目を留めた。
驚いたような表情をした榊課長に、天音もきょとんとしてしまった。
「…あれ、指輪は?」
問う声に、思わず、びくりとした。
問われるとは、思わなかった。 そして、天音は気づく。
榊課長は、たまたまそれを口にするひとだったというだけのことだ。
問わずとも、皆、天音の左手の薬指に指輪がないことに気づくし、疑問に思うだろう。
少なくとも、天音はそのように、周囲を見てきた。
あんなもの、身につけておかなければよかった。
婚約を、破棄にしたのか、破談にしたのか。
どのみち、幸せの絶頂で、その幸せを失った女だと、言って回るようなものだ。
左手の薬指の、指輪ひとつで。
じわり、と視界が滲む。
この、優しい傘がなければ、この涙も雨のせいにできたのに。
天音は、ぎゅっと唇を噛む。
「…間宮、さん?」
榊課長が、天音のことを呼んだ。
天音は、榊課長の容姿も人柄も物腰も好みだが、何より、声が好きだった。
優しく、問われて、涙腺が決壊した。
泣かれても、困るだけなのはわかっている。
泣くつもりなんて、なかったのに。 溢れ出したら止まらなかった。
この、止まない雨のように。
全部、雨とともに落ちて、流れてしまえばいいのに。
今、なんと言ったのだろう、この男は?
天音は、目の前の、彼氏で、婚約者だった男を凝視する。
婚約者だった。 そう、過去形だ。 なぜならば。
「そういうわけで、仕方ないんだよ、天音。 終わりにしよう」
何が、そういうわけで、なのか。
へらへらと困ったように笑う麗人が、信じられない。
どうして、笑っていられるのだろう。
それで、天音が許すとでも、思っているのだろうか。
悔しくて、苦しくて、悲しくて、辛くて、どうしようもなくなった。 ふっと視線を逸らすと、自分の左手の薬指に、鈍く光を弾く指輪が目に留まった。
その瞬間、ないまぜになった思いが腹の奥からせり上がってきて、その衝動のままに天音は左手の薬指から指輪を抜き取る。
そうしよう、と思ったわけではない。
けれど、気がついたら抜き取った指輪を、麗人に向けて投げつけていた。
「っ!」
麗人は庇うように顔の前に腕をかざしたが、天音の投げつけた指輪は麗人には当たらず、麗人が背にする玄関の扉にぶつかって石の床に落ち、鈍い音を立てる。
恨み言でも、呪いの言葉でも、吐いてやりたかった。
けれど、何を言っていいのかわからないくらいに、混乱している。
「っ…さよなら!」
それだけ言って、天音は踵を返して、麗人の家…成田家の敷地内から、飛び出す。
家の中にすら入れてもらえなかったのだ。
脇目も振らずに、ずんずんと天音は進んだ。 天音が通り越していくひとたちの目が、自分に向いているのがわかる。 けれど、気にする余裕なんて、天音にはなかった。
最悪。 最悪! 最悪!!
最低。 最低! 最低!!
そんな言葉ばかりが、頭の中で巡る。 そして、その勢いのままに、天音は進む。
本当は、わかっている。
最悪なのも、最低なのも、自分だ。
自分の、男を見る目がなかっただけ。
だから、惨めで、情けなくて、堪らない。
今まで、何度も別れようと思った。 けれど、麗人が謝るから。 改めるって言うから、あと少しだけ信じてみようと思って、来た。
結婚したら、変わってくれるかもしれないと思っていた。
好きなだけでは、結婚はできないと思っていたから。
できるだけ、同じものを見て、同じように喜べるひとといるのがいいのだと考えた。 刺激のない、ぬるま湯のような関係、それをきっと平穏と呼び、心乱されることなく、過ごせるのだろうと。
けれど、それは大きな間違いだったのだ。
惨めで、情けなくて、けれど、泣くわけにはいかなくて、口を引き結んで我慢をし、歩く。
せめて、自分の家に着くまでは。
ふと、頬に冷たいものが当たって気がして、天音は足を止めた。
顔を上げる。
ぽつ、ぽつ、と落ちる雨雫。
ああ、そういえば、雨の予報が出ていたかもしれないと、天音はぼんやりと考えた。
考えているうちに、雨が次から次へと落ちてくる。
道行く人が傘を広げ始める。 足早に、歩き出す。
その中で、天音は立ち止まったままでいた。 雨に打たれ、全身に雨を浴びる。
雨は嫌いだった。
誰が、六月の花嫁は幸せになれるなどと言ったのだろう。 何が、ジューン・ブライドだ。
髪は纏まらないし、足下は濡れるし、服も濡れるし、じめっとした空気が肌に纏わり付くし、雨の時季は本当にいいことがない。
今だって、冷たい雨に打たれた天音は、頭からずぶ濡れでひどい状態だ。
張り付く髪が鬱陶しい。
纏わり付いてくる濡れて冷たい衣類に、じわじわと体温が奪われていくのがわかる。
ぶつかって、追い越していく人がちらりと振り返って、天音を迷惑そうに見る。
前から歩いて来るひとだって、天音に不審げな目を向けてくる。
けれど、何もかも、どうでもいい。
考えるのが、億劫だ。
このまま、雨に溶けて流れてしまえたら、色々と、考えずに、済むのに。
そう、思っていたときだった。
ぽん、と肩に手が置かれた。
肩越しに振り返ろうとすれば、同じく肩越しに覗き込んで来たその顔と、間近に目が合う。
一瞬、雨が止まった気がした。
止んだわけではない。
その瞬間が切り取られたような気がしたのだ。
「間宮さん?」
「…榊、課長?」
天音を覗き込んで来たのは、同じ会社に勤める、営業部営業二課の課長・榊凌士だった。
天音の勤める会社の営業は、顔採用ではないかという噂があるほど、顔面が整ったひとたちばかりで、天音などは少しばかり腰が引けてしまう部署だ。 アイドル系、モデル系、爽やか系…色々なジャンルのイケメン・イケジョの宝庫なのである。
営業というと、自分に絶対の自信があって、堂々としていてガツガツしている、そんな肉食系のリア充・意識高い系を想像していた天音だったが、榊課長は不思議とそんな感じではなかった。
落ち着いた声に、落ち着いた容姿…けれど、決して地味な訳ではない。 人目を引く顔立ちだと思うのだが、甘さと堅さが絶妙なのか、大人の男の色気がじんわりと滲む程度。 それがまたいいと、女性社員たちの密かな人気を集めている。
密かな人気、というのは語弊があるだろうか。
榊課長は、人気がある。
けれど、大っぴらに榊課長に近づく者がいないのには、理由がある。
天音の肩に置かれた、榊課長の左手――その薬指で、光を弾く指輪を見ながら、ぼんやりと考えていた天音は、傘が雨を弾く音に気づく。
雨が止まった、と思ったのは、どうやら間違いではなかったらしい。
天音には、雨が落ちてこない。
榊課長の差し出してくれている大きな傘に、護られているからだ。
「濡れるよ、おいで。 風邪を引いたら大変だろう」
不思議と、榊課長の声が耳に触れると、雨の音が薄れる気がする。
榊課長の手が優しく天音の肩に触れた。 そこで、天音はハッと気づく。
天音に傘を差しだしているばかりに、榊課長の上等なスーツ、その左肩が濡れてしまっている。
「でも、課長が」
慌てて天音は、榊課長の差し出してくれている腕を戻そうとして、その腕に触れる。
その、天音の手に、榊課長が目を留めた。
驚いたような表情をした榊課長に、天音もきょとんとしてしまった。
「…あれ、指輪は?」
問う声に、思わず、びくりとした。
問われるとは、思わなかった。 そして、天音は気づく。
榊課長は、たまたまそれを口にするひとだったというだけのことだ。
問わずとも、皆、天音の左手の薬指に指輪がないことに気づくし、疑問に思うだろう。
少なくとも、天音はそのように、周囲を見てきた。
あんなもの、身につけておかなければよかった。
婚約を、破棄にしたのか、破談にしたのか。
どのみち、幸せの絶頂で、その幸せを失った女だと、言って回るようなものだ。
左手の薬指の、指輪ひとつで。
じわり、と視界が滲む。
この、優しい傘がなければ、この涙も雨のせいにできたのに。
天音は、ぎゅっと唇を噛む。
「…間宮、さん?」
榊課長が、天音のことを呼んだ。
天音は、榊課長の容姿も人柄も物腰も好みだが、何より、声が好きだった。
優しく、問われて、涙腺が決壊した。
泣かれても、困るだけなのはわかっている。
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