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rainbows
clear blue sky④*
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「あ、ぁん」
思わずといったように、漏れた声にぞくぞくして、凌士は天音の首筋に顔を埋め、その首筋から耳までを舐め上げる。
「何度しても、慣れないね。 可愛い」
「ふぁっ…、あ」
弱い耳を舐められ、そこで囁かれて、天音は感じたのだろう。 びくびくっと身体が震え、くくっと指に圧がかかった。
軽くいったかな、と凌士は思う。
でも、天音はもっと気持ちよくなれるのだから、そうしてあげないと、と思い、凌士は熱く柔らかくなった天音の体内…その内壁をゆっくりと擦り上げる。
「あ、なか」
天音は、あからさまに息を乱して、凌士の腕に縋り付く。
真っ赤になって、震える天音が可愛くて、凌士はゆっくりと指を動かしてあげながら天音のこめかみに口づけた。
「女の子は、ゆっくりされるのでも、気持ちいいのにね」
自分も、こういう甘い雰囲気で相手がとろとろになって自分を求めてくるセックスが好きなので、きっとそういうDVDは肌に合わないのだろう。 男向けのそういうDVDは、男ががんがんに女性を攻めて、女性は本当に気持ちいいのだろうか、と不思議になるような代物も多い。
同時に、気持ちよさそうな表情もせずに、あんあん喘いで「いい」と叫ぶ女性に辟易もする。
結果的に、あんなものでは全く性的興奮を催さないので、凌士はそういうものを見ないし読まないようになったのだ。
「ん、ふ」
天音の、呼吸が乱れていて、色っぽい。 凌士の指を呑み込んでいる、天音のなかが反応している。
天音は、感じやすくて、可愛い。
「あ、ぁ、凌士、さっ…」
堪らなくなったように、天音が声を上げた。 我慢ができなくなって、自分の名前を呼ぶのが、いきそうなときだとか、凌士が欲しくて堪らないときだというのは、知っている。
天音はこういうとき、言葉は少ないが、身体が言葉以上に素直だ。
今回は、達しそうだという訴えだったらしい。 凌士の指を呑み込んだなかが、凌士の指にぴったりと吸いつくようになって、きゅむきゅむしているので、凌士は天音が達したことを知る。
実際に、そのような可愛い音がするのだ。
達して、ふっと脱力したあとも、なかの収縮が続き、時折身体が跳ねている。
天音は、いくいくと大袈裟に主張しないところが可愛いと思う。 大袈裟に主張しないのに、身体は口以上に素直なところが可愛い。
恥ずかしくて、「いく」とか「気持ちいい」とかなかなか言えないくせに、自分が、「気持ちいいね?」と問えば、「…はい…」と消え入りそうな声で言うのが可愛い。
凌士の初体験は、そんなに早いほうではなかったと思う。
学生時代は絶対に恋人を作らなかった。
母の兄――凌士にとっては伯父が医者で、「責任が取れない尻の青いガキのうちからガキを作るような真似をするな」と言っていたので、慎重になっていたのだと思う。
社会人になってから、初めて付き合ったのは兄の友人で、まあ手慣れた女性だったのだと思う。
色々と教えてもらったし、勉強になった。 それが今、天音を悦くさせるのに役立っているのだから、何がどこでどうためになるのかわからない。
父がそれなりの会社の社長で、それなりの学校にも出させてもらった。
周囲には必ず自分の出自を知っている人間がいて、自分に近寄る女は皆、自分をアクセサリーのように考えている節があった。 彼女たちは、凌士が恋人であることで、何かしらの賞賛を受けたいのだ。
だが、天音はそうではなかった。
凌士といられることを喜び、幸せに感じてくれている。
ただ、若干心配しているのは、天音が天音のことを、凌士に相応しくないと考えていそうなところだ。 そこを、凌士の両親も見抜いて、心配し、「早く結婚してしまいなさい」と急かしているのだと思う。
思わずといったように、漏れた声にぞくぞくして、凌士は天音の首筋に顔を埋め、その首筋から耳までを舐め上げる。
「何度しても、慣れないね。 可愛い」
「ふぁっ…、あ」
弱い耳を舐められ、そこで囁かれて、天音は感じたのだろう。 びくびくっと身体が震え、くくっと指に圧がかかった。
軽くいったかな、と凌士は思う。
でも、天音はもっと気持ちよくなれるのだから、そうしてあげないと、と思い、凌士は熱く柔らかくなった天音の体内…その内壁をゆっくりと擦り上げる。
「あ、なか」
天音は、あからさまに息を乱して、凌士の腕に縋り付く。
真っ赤になって、震える天音が可愛くて、凌士はゆっくりと指を動かしてあげながら天音のこめかみに口づけた。
「女の子は、ゆっくりされるのでも、気持ちいいのにね」
自分も、こういう甘い雰囲気で相手がとろとろになって自分を求めてくるセックスが好きなので、きっとそういうDVDは肌に合わないのだろう。 男向けのそういうDVDは、男ががんがんに女性を攻めて、女性は本当に気持ちいいのだろうか、と不思議になるような代物も多い。
同時に、気持ちよさそうな表情もせずに、あんあん喘いで「いい」と叫ぶ女性に辟易もする。
結果的に、あんなものでは全く性的興奮を催さないので、凌士はそういうものを見ないし読まないようになったのだ。
「ん、ふ」
天音の、呼吸が乱れていて、色っぽい。 凌士の指を呑み込んでいる、天音のなかが反応している。
天音は、感じやすくて、可愛い。
「あ、ぁ、凌士、さっ…」
堪らなくなったように、天音が声を上げた。 我慢ができなくなって、自分の名前を呼ぶのが、いきそうなときだとか、凌士が欲しくて堪らないときだというのは、知っている。
天音はこういうとき、言葉は少ないが、身体が言葉以上に素直だ。
今回は、達しそうだという訴えだったらしい。 凌士の指を呑み込んだなかが、凌士の指にぴったりと吸いつくようになって、きゅむきゅむしているので、凌士は天音が達したことを知る。
実際に、そのような可愛い音がするのだ。
達して、ふっと脱力したあとも、なかの収縮が続き、時折身体が跳ねている。
天音は、いくいくと大袈裟に主張しないところが可愛いと思う。 大袈裟に主張しないのに、身体は口以上に素直なところが可愛い。
恥ずかしくて、「いく」とか「気持ちいい」とかなかなか言えないくせに、自分が、「気持ちいいね?」と問えば、「…はい…」と消え入りそうな声で言うのが可愛い。
凌士の初体験は、そんなに早いほうではなかったと思う。
学生時代は絶対に恋人を作らなかった。
母の兄――凌士にとっては伯父が医者で、「責任が取れない尻の青いガキのうちからガキを作るような真似をするな」と言っていたので、慎重になっていたのだと思う。
社会人になってから、初めて付き合ったのは兄の友人で、まあ手慣れた女性だったのだと思う。
色々と教えてもらったし、勉強になった。 それが今、天音を悦くさせるのに役立っているのだから、何がどこでどうためになるのかわからない。
父がそれなりの会社の社長で、それなりの学校にも出させてもらった。
周囲には必ず自分の出自を知っている人間がいて、自分に近寄る女は皆、自分をアクセサリーのように考えている節があった。 彼女たちは、凌士が恋人であることで、何かしらの賞賛を受けたいのだ。
だが、天音はそうではなかった。
凌士といられることを喜び、幸せに感じてくれている。
ただ、若干心配しているのは、天音が天音のことを、凌士に相応しくないと考えていそうなところだ。 そこを、凌士の両親も見抜いて、心配し、「早く結婚してしまいなさい」と急かしているのだと思う。
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