【R18】サンドリヨンの秘密

環名

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第1章 サンドリヨンが王子様に捕まるまで

25.王子様にも秘密があるようです。

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 あれから、十余年。
 自分の体調を維持するために、必死で勉強し、研究し、魔法式を開発した。
 身体を鍛えた。
 健康面の問題さえクリアすれば、クレイディオは文句なしの、理想的な王太子だったのだ。

 法を変えるために、国王になろうと思った。
 君の、暮らしやすい国を作るために、国王になろうと思った。

 そんな国王が、国王失格だということも、知っている。
 けれど、君一人すら守れず、君一人すら幸せに出来ず、どうして国民全てにとって暮らしやすい国を作ることができるだろう。
 君を守り、君を幸せに出来たら、いい国が出来上がっていると思うんだ。


 君が、どこの誰かなんて、初めから知っていた。


 ただ、きっかけがほしかっただけなんだ。
 公の席に全く出てこなくなった君を、引きずり出すためのきっかけが。

 縁談を断り続けたから、舞踏会が催されることになった。
 両親も、周囲も、相手が誰でもいいから、とりあえず結婚だけはしてくれと言っている。

 こうでもしないと、周囲の者は納得しなかっただろう。
 こういうきっかけでなければ、認めなかっただろう。


 君を私の生涯の伴侶とするためには、必要だったのだ。
 劇的で、物語のような筋書きが。
 だから自分は筋を書き、登場人物を踊らせた。


 ドレスも、手袋も、髪飾りも、もちろんガラスの靴も、君のためだけに用意させたもの。
 けれど、それらの全てを身につけていなくても、君という存在を見つけただろう。


 君という存在は変わらない。


 オリヴィエの目眩ましの魔法など、意味がなかった。
 あの空間の中で、君だけが、まるで異なる空気を纏っていたのだ。
 遠い昔、幼い頃、君を見つけたときを思い出した。
 君の周りだけ、空気が清らかで、きれいで、静かで、惹かれずには、おれない。


 長い、長い時間をかけて、整えた舞台に、クレイディオは足を踏み出し、跪く。


 ガラスの靴などより、君の纏う光の方が目映く、美しい。
 緊張しながらも、それが出ないように、悟られないようにと最大限、優雅に、優美に微笑む。


「お相手願えますか? 雲英雪の妖精」


 さて、ここからが本番だ。
 劇的で、物語のような、ひとときを。


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