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第1章
016.乾杯
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神鳥 璃穏――――
現在業界の中では知らない者は居ないほどの躍進を見せているアイドルユニット"ストロベリーリキッド"のセンターであり、リーダーを務めている少女。
ネット情報によると、彼女は3人の中ではおろか、業界を見渡しても歌も踊りも卓越しており、ソロでも十二分にやっていける実力があるらしい。
たしかに動画で見た限りだと彼女は笑顔を振りまいてエレナや江嶋さん以上に輝いていたのが印象深い。
だが実際に会って話してみると眠そうな表情や儚げな雰囲気が全面に押し出されていて、動画の彼女とは別人だと思える程のギャップを感じられた。
それが彼女の素だというのならそういうものなのだろう。仕事とプライベートは完全に分けるタイプなんぞ珍しくもないし、それが悪いことなんて一切思っていない。
けれど一つだけ、たった一つだけ俺ですら看過できない問題があった。
――――それは今現在の彼女の格好。
彼女は身体をすっぽり覆い隠すようなタオルケットを軽く肩に掛けていて頭が左右にユラユラと揺れていた。
けれど問題はここから先。しゃがんでいる時はわからなかったが、タオルケットの下には薄い水色のキャミソールに同じ色のタップパンツ。彼女の真っ白な肌と汚れ一つない首周りが大胆に晒されていた。
そして更に奥に見えるは俺と同じ高1なら平均か、それ以上に大きいであろう二つの膨らみ。その強調されている部分に俺の瞳は吸い込まれるように――――
「ふぐッ!!」
「な~にリオに目を奪われているのよ!!」
突然視界が真っ暗闇に襲われた。
ボーッとしていた俺の顔面にぶつけるよう押し付けられたのは柔らかい布状のもの……おそらくクッションだろう。
その衝撃と共にエレナの咎めるような言葉が俺を襲う。
「そっ……そうですよ! 前坂くんはデレデレしないでくださいっ!」
「えぇ! グループの他メンバーにそんな視線を送るのは…………んっ?」
それから繰り出されるはまさかの2人からの猛追だった。
口調から怒っていることはわかるが視界が暗闇に囚われていてまったく様子がわからない。
「――――ねぇ、アイ。今、慎也のことなんて呼んだ?」
「さ……さぁ!リオも参加するのは構わないけれどもっとちゃんとした服に着替えてきて!」
エレナの質問を逃れるように、話の方向を無理矢理シフトしていく江嶋さんの声が聞こえる。
その間にもクッションは俺を襲って相変わらず闇の中。段々呼吸も苦しくなってきた。
「……仕方ないなぁ。エレナに免じて着替えてくるから、まだ開催しないでねぇ~。これはリーダー命令だからぁ」
「わかったから!進めないから早く着替えてきて!」
「ねぇ、アイ? さっきなんて呼んで……」
なんだかとんでもない状況になってきた気がする。
2人の慌てるような声がしばらく聞こえ、扉が閉まる音と同時に顔面に加わっていた圧力が減少していく。
ようやく開放されたと思って目を開けると既に神鳥さんの姿はなく、エレナと江嶋さんは疲労困憊といった様子だった。
「はぁ……はぁ……。今週姿が見えなかったから油断してたわ。いつ戻ってきたのかしら……」
「ふぅ……私も……。プレゼントが見つからなかったからまさかと思って……」
「えっと、おつかれさま?」
なんて声をかけようか悩み、ひとまず無難な言葉をかけると2人の息切れの音が同時に止まり、揃ってこちらへ目を向けられる。
その表情は無……というよりもその奥に恨みやら怒りやら、なんだか負の感情を向けられているような気が……。
「えっ……2人とも……なんだか怖いよ?」
「キミがあんなモノに目を奪われるのが悪いのよ! スレンダーのほうが踊りやすいじゃない!」
「リオよりも私のほうがおっきいし…………って何言ってるの私! お、男の子だから仕方ないかもしれませんが、あ……アレは看過できませんよ!」
2人の猛追になんだか肩身が狭くなる。
江嶋さん、最初のほう聞こえなかったけどなんて言ってたの?
「えっと……ごめん?」
「まったく、わかればいいのよ」
「そ、そうですね……。それと私からも、あの子がごめんなさい。リオについてはご存知ですか?」
江嶋さんの言葉に黙って頷く。
知ってはいたが、俺の知っている彼女とはギャップがかなりあった。本人なのか疑わしいほどに。
「でも、なんだか印象が……」
「リオは素がだいぶ自由だからね」
「はい、自由なんですよ……すでに実感したかと思われますが…………」
2人して諦めの境地に達したような息を吐くと同時にリビングの扉が開かれる。
きっと着替え終わって戻ってきたのだろう。今度はちゃんとした服を来ていることを祈りながら視線を移動させると、カーディガンの制服姿となっていることに俺達3人はホッとする。
「やふ~。ちゃぁんと着替えてきたぜ~」
「えぇ。思った以上にマトモでな服でビックリしたわ」
エレナが近寄ると同時に彼女は手を広げて肩をすくめる。
その姿はオーバーにヤレヤレといった様子で。
「私だって男の子が居るとは知らなかったから油断してただけ。それで、この人は?」
その言葉と同時に茶色の半開きになった瞳が俺へと注がれる。
ようやく出番かと、一歩前に出ようと思ったら隣に居た江嶋さんが割り込んできた。
「リオ、この人はエレナの弟さんである前坂 慎也さん。今日は誕生日会に来てもらったの」
まるで庇うように俺を隠すようにして紹介する江嶋さん。
しかし神鳥さんはそんな事気にすることもなく江嶋さんの隙間から俺の様子を伺い、ずっと無表情だった口元が大きく半月状に開かれる。
「ふぅ~ん……ってことは私の一個上かぁ~。よろしくねぇ、し・ん・や?」
まるで語尾にハートマークが付きそうなほどの甘い声。
下から覗き込む彼女にゴクリと生唾を呑む。
途端――――
彼女が俺の名を呼んだと同時に部屋の気温が氷点下へと一気に下がったような悪寒を覚えた。
いや……エレナも江嶋さんも笑顔だしきっと気のせいだろう。うん、そうに違いない!
「よ……よろしく……神鳥さん……」
「なんだよ~他人行儀~。リオでいいんだよ~?」
「それじゃあ、リオさんで……」
なんとなく、2人が自由って言うのがわかってきた気がする。
「なるほどぉ。エレナと慎也クンが姉弟ねぇ……」
「なによ? なにか問題でも?」
腕を組んで構えるエレナに俺と彼女を見比べるリオさん。
偽の関係だって……バレてないよね?
「いやまったく。そうそう、私もエレナに渡すものがあったんだ。……はいこれ!」
「…………なにこれ?」
今思いついたかのようにリオさんはどこかから取り出したソレをエレナに手渡す。
彼女は渡された、ラッピングもされていないソレを受け取り、様々な方向から眺めだす。
「なにって、プレゼントよ。 ちょっと北に行って彫ってきた!」
「北って……北海道!? ここから何時間かかると思ってるのよ!?それに一人で!?」
ソレ―――木彫りの熊をテーブルに置いたエレナは目を丸くする。
北海道って……飛行機でも数時間かかる距離では……?わざわざそんなところまで?
「もちろん一人旅さ~。 北海道のいくらは最高だったよ~」
「はぁ……相変わらずリオってば……。プレゼントありがとね。嬉しいわ」
もはや追求することを諦めた彼女は苦笑いで話を終わらす。
なるほど、これが自由。参考に……ならないな。
「えっと……前坂さんは? プレゼント……わ、渡さないんですか?」
そんな2人の掛け合いを見ているとそっと江嶋さんが声を掛けてきた。そうだった。彼女にも説明しないと。
「すみません、さっき江嶋さんがプレゼント取りに行ってる間に渡しちゃってて」
「あっ……そうなんですね……すみません。戻るのが遅くて……」
「いっいえっ! 俺こそ江嶋さんを待つことができずに……」
「いいえ、私の方こそ――――」
「ちょっと~、2人は何話してるの~?」
互いに謝り合戦が始まるかと思ったがエレナからのナイスアシストが。
その言葉を皮切りに江嶋さんは俺に一礼し、エレナの元まで行って包みを差し出す。
「ごめん、エレナ。はい、誕生日おめでとう」
「アイも毎年ありがとね…………これは……ウィッグ?」
エレナが包みから出したのは1つのウィッグ。
あの日、俺と街で買ったものは茶色のミディアムフルウィッグだった。
なんでも江嶋さんは髪型の好みを俺に聞きたかったらしく、自らそれを被って実演してくれていてすごく可愛かった。また見たい。
「いつも私達って帽子ばっかり被ってるから……。 ほら、私とお揃いだよ?今度一緒に被って出かけようね?」
「……ありがとう。 すっごく嬉しいわ」
エレナはウィッグを抱きしめ、その胸元へと額を乗せると同時に江嶋さんはその手を回してエレナを抱きしめる。
うん。俺と違って自然な流れだし、この構図も見ていて幸せだ。 この光景を見れただけでも十分来たかいがあった。
「……さて、みんなプレゼントありがとね。 早く食べないと折角の料理がもったいないわ」
2人が抱きしめていたのも束の間、エレナは切り替えるように江嶋さんから離れて料理の置かれたテーブルへと向かって行く。
少しドライのようにも感じられたが、これ以上江嶋さんが作ってくれた料理が冷めていくのは黙って見ていられない。
そんな彼女につられるようにして俺たち3人も適当な椅子に座っていった。
「それじゃあ、今日は楽しみましょう! 乾杯!」
「「「かんぱ~い!!」」」
事前に全員の手元に置かれていたオレンジジュースを手にとって4人で乾杯する。
なんだか随分と苦労した気もするが、今日はまだ始まったばかりだ。 まずは江嶋さんの料理を堪能することから始めよう――――
現在業界の中では知らない者は居ないほどの躍進を見せているアイドルユニット"ストロベリーリキッド"のセンターであり、リーダーを務めている少女。
ネット情報によると、彼女は3人の中ではおろか、業界を見渡しても歌も踊りも卓越しており、ソロでも十二分にやっていける実力があるらしい。
たしかに動画で見た限りだと彼女は笑顔を振りまいてエレナや江嶋さん以上に輝いていたのが印象深い。
だが実際に会って話してみると眠そうな表情や儚げな雰囲気が全面に押し出されていて、動画の彼女とは別人だと思える程のギャップを感じられた。
それが彼女の素だというのならそういうものなのだろう。仕事とプライベートは完全に分けるタイプなんぞ珍しくもないし、それが悪いことなんて一切思っていない。
けれど一つだけ、たった一つだけ俺ですら看過できない問題があった。
――――それは今現在の彼女の格好。
彼女は身体をすっぽり覆い隠すようなタオルケットを軽く肩に掛けていて頭が左右にユラユラと揺れていた。
けれど問題はここから先。しゃがんでいる時はわからなかったが、タオルケットの下には薄い水色のキャミソールに同じ色のタップパンツ。彼女の真っ白な肌と汚れ一つない首周りが大胆に晒されていた。
そして更に奥に見えるは俺と同じ高1なら平均か、それ以上に大きいであろう二つの膨らみ。その強調されている部分に俺の瞳は吸い込まれるように――――
「ふぐッ!!」
「な~にリオに目を奪われているのよ!!」
突然視界が真っ暗闇に襲われた。
ボーッとしていた俺の顔面にぶつけるよう押し付けられたのは柔らかい布状のもの……おそらくクッションだろう。
その衝撃と共にエレナの咎めるような言葉が俺を襲う。
「そっ……そうですよ! 前坂くんはデレデレしないでくださいっ!」
「えぇ! グループの他メンバーにそんな視線を送るのは…………んっ?」
それから繰り出されるはまさかの2人からの猛追だった。
口調から怒っていることはわかるが視界が暗闇に囚われていてまったく様子がわからない。
「――――ねぇ、アイ。今、慎也のことなんて呼んだ?」
「さ……さぁ!リオも参加するのは構わないけれどもっとちゃんとした服に着替えてきて!」
エレナの質問を逃れるように、話の方向を無理矢理シフトしていく江嶋さんの声が聞こえる。
その間にもクッションは俺を襲って相変わらず闇の中。段々呼吸も苦しくなってきた。
「……仕方ないなぁ。エレナに免じて着替えてくるから、まだ開催しないでねぇ~。これはリーダー命令だからぁ」
「わかったから!進めないから早く着替えてきて!」
「ねぇ、アイ? さっきなんて呼んで……」
なんだかとんでもない状況になってきた気がする。
2人の慌てるような声がしばらく聞こえ、扉が閉まる音と同時に顔面に加わっていた圧力が減少していく。
ようやく開放されたと思って目を開けると既に神鳥さんの姿はなく、エレナと江嶋さんは疲労困憊といった様子だった。
「はぁ……はぁ……。今週姿が見えなかったから油断してたわ。いつ戻ってきたのかしら……」
「ふぅ……私も……。プレゼントが見つからなかったからまさかと思って……」
「えっと、おつかれさま?」
なんて声をかけようか悩み、ひとまず無難な言葉をかけると2人の息切れの音が同時に止まり、揃ってこちらへ目を向けられる。
その表情は無……というよりもその奥に恨みやら怒りやら、なんだか負の感情を向けられているような気が……。
「えっ……2人とも……なんだか怖いよ?」
「キミがあんなモノに目を奪われるのが悪いのよ! スレンダーのほうが踊りやすいじゃない!」
「リオよりも私のほうがおっきいし…………って何言ってるの私! お、男の子だから仕方ないかもしれませんが、あ……アレは看過できませんよ!」
2人の猛追になんだか肩身が狭くなる。
江嶋さん、最初のほう聞こえなかったけどなんて言ってたの?
「えっと……ごめん?」
「まったく、わかればいいのよ」
「そ、そうですね……。それと私からも、あの子がごめんなさい。リオについてはご存知ですか?」
江嶋さんの言葉に黙って頷く。
知ってはいたが、俺の知っている彼女とはギャップがかなりあった。本人なのか疑わしいほどに。
「でも、なんだか印象が……」
「リオは素がだいぶ自由だからね」
「はい、自由なんですよ……すでに実感したかと思われますが…………」
2人して諦めの境地に達したような息を吐くと同時にリビングの扉が開かれる。
きっと着替え終わって戻ってきたのだろう。今度はちゃんとした服を来ていることを祈りながら視線を移動させると、カーディガンの制服姿となっていることに俺達3人はホッとする。
「やふ~。ちゃぁんと着替えてきたぜ~」
「えぇ。思った以上にマトモでな服でビックリしたわ」
エレナが近寄ると同時に彼女は手を広げて肩をすくめる。
その姿はオーバーにヤレヤレといった様子で。
「私だって男の子が居るとは知らなかったから油断してただけ。それで、この人は?」
その言葉と同時に茶色の半開きになった瞳が俺へと注がれる。
ようやく出番かと、一歩前に出ようと思ったら隣に居た江嶋さんが割り込んできた。
「リオ、この人はエレナの弟さんである前坂 慎也さん。今日は誕生日会に来てもらったの」
まるで庇うように俺を隠すようにして紹介する江嶋さん。
しかし神鳥さんはそんな事気にすることもなく江嶋さんの隙間から俺の様子を伺い、ずっと無表情だった口元が大きく半月状に開かれる。
「ふぅ~ん……ってことは私の一個上かぁ~。よろしくねぇ、し・ん・や?」
まるで語尾にハートマークが付きそうなほどの甘い声。
下から覗き込む彼女にゴクリと生唾を呑む。
途端――――
彼女が俺の名を呼んだと同時に部屋の気温が氷点下へと一気に下がったような悪寒を覚えた。
いや……エレナも江嶋さんも笑顔だしきっと気のせいだろう。うん、そうに違いない!
「よ……よろしく……神鳥さん……」
「なんだよ~他人行儀~。リオでいいんだよ~?」
「それじゃあ、リオさんで……」
なんとなく、2人が自由って言うのがわかってきた気がする。
「なるほどぉ。エレナと慎也クンが姉弟ねぇ……」
「なによ? なにか問題でも?」
腕を組んで構えるエレナに俺と彼女を見比べるリオさん。
偽の関係だって……バレてないよね?
「いやまったく。そうそう、私もエレナに渡すものがあったんだ。……はいこれ!」
「…………なにこれ?」
今思いついたかのようにリオさんはどこかから取り出したソレをエレナに手渡す。
彼女は渡された、ラッピングもされていないソレを受け取り、様々な方向から眺めだす。
「なにって、プレゼントよ。 ちょっと北に行って彫ってきた!」
「北って……北海道!? ここから何時間かかると思ってるのよ!?それに一人で!?」
ソレ―――木彫りの熊をテーブルに置いたエレナは目を丸くする。
北海道って……飛行機でも数時間かかる距離では……?わざわざそんなところまで?
「もちろん一人旅さ~。 北海道のいくらは最高だったよ~」
「はぁ……相変わらずリオってば……。プレゼントありがとね。嬉しいわ」
もはや追求することを諦めた彼女は苦笑いで話を終わらす。
なるほど、これが自由。参考に……ならないな。
「えっと……前坂さんは? プレゼント……わ、渡さないんですか?」
そんな2人の掛け合いを見ているとそっと江嶋さんが声を掛けてきた。そうだった。彼女にも説明しないと。
「すみません、さっき江嶋さんがプレゼント取りに行ってる間に渡しちゃってて」
「あっ……そうなんですね……すみません。戻るのが遅くて……」
「いっいえっ! 俺こそ江嶋さんを待つことができずに……」
「いいえ、私の方こそ――――」
「ちょっと~、2人は何話してるの~?」
互いに謝り合戦が始まるかと思ったがエレナからのナイスアシストが。
その言葉を皮切りに江嶋さんは俺に一礼し、エレナの元まで行って包みを差し出す。
「ごめん、エレナ。はい、誕生日おめでとう」
「アイも毎年ありがとね…………これは……ウィッグ?」
エレナが包みから出したのは1つのウィッグ。
あの日、俺と街で買ったものは茶色のミディアムフルウィッグだった。
なんでも江嶋さんは髪型の好みを俺に聞きたかったらしく、自らそれを被って実演してくれていてすごく可愛かった。また見たい。
「いつも私達って帽子ばっかり被ってるから……。 ほら、私とお揃いだよ?今度一緒に被って出かけようね?」
「……ありがとう。 すっごく嬉しいわ」
エレナはウィッグを抱きしめ、その胸元へと額を乗せると同時に江嶋さんはその手を回してエレナを抱きしめる。
うん。俺と違って自然な流れだし、この構図も見ていて幸せだ。 この光景を見れただけでも十分来たかいがあった。
「……さて、みんなプレゼントありがとね。 早く食べないと折角の料理がもったいないわ」
2人が抱きしめていたのも束の間、エレナは切り替えるように江嶋さんから離れて料理の置かれたテーブルへと向かって行く。
少しドライのようにも感じられたが、これ以上江嶋さんが作ってくれた料理が冷めていくのは黙って見ていられない。
そんな彼女につられるようにして俺たち3人も適当な椅子に座っていった。
「それじゃあ、今日は楽しみましょう! 乾杯!」
「「「かんぱ~い!!」」」
事前に全員の手元に置かれていたオレンジジュースを手にとって4人で乾杯する。
なんだか随分と苦労した気もするが、今日はまだ始まったばかりだ。 まずは江嶋さんの料理を堪能することから始めよう――――
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