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第2章
035.ざわめく心
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「ありがとうございます前坂さん! おかげで必要な物は一通り確保できました!」
雑貨店。
会計前のレジ待ち列にて、彼女のテンションが上がった声が聞こえてくる。
それは随分と堪能したようで満ち足りた表情。 それもそうだろう。もう店に入って1時間半、ずっと俺たちは店内をあっちこっち行ったり着たりしていて随分と歩き回った。
この店限定だが、ジャンルくらいは場所を見ずとも言えそうだ。それほど吟味する彼女に付き合ったから足が痛い。
「必要なものって……パーティグッズだったんですね」
俺は手にしているカゴに視線を落として中に入っているものを確認する。
そこには銀テープやバルーン、ガーランド等、パーティグッズが殆どを占めていた。
俺の役目はあまりにもファンシーになりすぎないよう客観的な意見が欲しかったらしい。
なんでもエレナらとだとヒートアップしちゃうとか。前科ありか
「はい。夏になって仕事も少し落ち着いてきて、関係者でお食事会でもしようかと思いまして」
お食事会か。
いいね。あの時食べた江嶋さんの手料理は絶品だった。
その後のリオ関連で印象が全部吹き飛んでしまったが、今思い返すと相当貴重かつ素晴らしい体験だった。
「いいですね。 料理は江嶋さんが?」
「私と……あと二人ともですね」
「え゛っ…………」
つい、その回答に変な声が出てしまった。
いやだって、エレナはほら……ねぇ。
「あっ、大丈夫ですよっ! 私達も付き合い長いのでエレナの担当範囲もちゃんと失敗しないよう決めてますから!」
「そ……そうですよね……。変なことにはなりません、よね……」
ついつい以前の惨劇を思い出し、それが回避された事を心の底から安堵する。
そうだよね。俺よりも付き合い長いってことは色々な目に遭っているというわけで、俺が考えつくことを彼女が考えないわけないもんね。
「それにしても羨ましいです。江嶋さんの手料理を食べられる二人が」
「そうでしょうか?」
「もちろん。誕生日会で食べた料理はどれも美味しかったですから。俺も何度あの味を恋しいと思ったことか」
「そう言っていただけて作ったかいがありました。あの二人ってば最近、食べ慣れたせいか全然そんなこと言ってくれませんし……」
ぶぅ、とほんの少し頬を膨らます彼女に俺は苦笑する。
きっと二人は日常的に食べているのだろう。あのアイドルの、江嶋さんの手料理なんて何千何万倍の価値がつくというのに……!!
「もったいないですね。俺なら毎日泣いてお礼をいいますのに」
「ふふっ、また調子の良いことを……。でも、そこに前坂さんをお呼びするのは難しいですが……また日を改めて小さなお食事会でもします?」
「えっ! いいんですか!?」
半分冗談ながら出した軽い言葉。しかし返事は驚くべきものだった。
再びの食事会というまさかの提案。
思いもよらぬ言葉に俺の目は一気に輝かしいものへと変貌する
「もちろんです。日付が決まったらまた連絡しますね」
「ありがとうございます!」
俺は彼女の方を向き頭を思い切り下げる。
誕生日会で食べた彼女の料理はどれも絶品だった。
またあの料理が食べられるとなるとお金を多分に払ってでも行く価値がある。10万か!?100万か!?流石にその額はムリだけれど出世払いでどうにか……!
「――――すみません、ちょっと通りますね」
「あっ、こちらこそすみません」
彼女からの喜ばしい提案に心の内で感涙の洪水を引き起こしていると、後方からふとかけられる声に現実に戻ってきた。
つられて謝罪すればすぐ後ろを女性が通る。腕が背中に触れてくるあたり随分と詰めているようだ。
「なんだか思ったより……」
「混んできましたね……」
食事会の話題から一転して現実に戻り、辺りを見渡せばスムーズに買い物ができていた先ほどとは違い、気づけば人で溢れかえっていた。
人、人、人――――
初めて来た店ではあるものの、この多さは明らかに普通ではない。
しかも大半は女性客。見渡した感じ男性客は居らず、俺一人なら絶対に近づけないレベルだ。
なんか人が混む要素あったっけ……あ、そういえば……
「そういえばこの時間からネットでバズったキャラのフェアが始まるとか入口に貼ってましたね」
「それが原因なんですね。前坂さんは興味あります?」
「いえ、あまり……。江嶋さんは?」
「私もあんまり…………」
どうやらどちらも興味はないようだ。
木を隠すなら森。江嶋さんにとって人が多いことは隠れるメリットがあるが、同時にバレやすくなるデメリットもある。
彼女自身もそれは重々理解しているようで無言で向かい合い、互いに頷く。
頷き合った俺達が同時に足を向けるのは出口方面。
こんな人の多いところに長く居られるか!一刻も早く店から出てやる!!
――――その目論見は正しい。しかし、そう簡単にはいかなかった。
「あっ、前坂さん。少し左に詰められます――――キャッ!!」
「――――!! アイさん!!」
前を歩く彼女が振り返りつつ小さなお願いをした、その時だった。
気づけば人が増えているということは、流出より流入が増えているということ。出口に繋がる道はあっという間に入ってくる人で溢れており、その合間を縫って出口に向かう。そんな作戦だった。
彼女は人を避けるために俺にそう言ってくれたのだろう。しかし振り返った瞬間、雪崩のように入ってくる人の肩が江嶋さんの肩と接触し、押し負かされる形になった彼女が倒れてくる。
咄嗟のことだった。
尻もちをつくように倒れていく江嶋さん。そして結果的ではあるがその方向で待ち構えている俺。
避ける?ううん、倒れること自体はさして怪我もないかもしれない。けれど今は人で溢れかえっている。何が起こるか想像がつかない。
倒れて踏まれるかもしれないし、ウィッグが外れて正体がバレて更にパニックになるかもしれない。
どう考えても倒れることは避けなければならない。
――――となれば、やるべきことは1つだ。
ほんの数瞬で取捨選択をした俺は袋を放り、一歩距離を詰めてその肩を受け止めるために手を伸ばした。
非難や怯えは自らの過ちとして受け取ろう。グッと伸ばした手は難なく両肩に到達してその柔らかい肌を受け止める。
「っ…………!………痛く……ない?」
「だ、大丈夫ですか……?」
「慎也……さん?」
彼女の無事を確認しながら、先程ぶつかってきた女性がこちらに謝って来るのを適当に相手する。
よかった。転けて大惨事は回避できた。見た感じ怪我も無いだろう。それにしても焦った……
「あの……前坂さん……その……」
「へ……? あぁ!すみません!」
何か言い淀むようなその声で気づいたのは俺と彼女との距離。
彼女は肩を支えられながらスッポリと俺の胸元に収まっていた。
背中を向けられているせいで表情までは見えない。
そういえばこんなに近くに居続けることは失敗したと、慌てて後ずさりし先程までの距離を保つ。
「すみません………怖かったですよね。あんなに近づかれて」
「……いいえ、助けてくれてありがとう、ございます」
背中を向けられてのお礼に俺は顔を伏せる。
失敗した。すぐに離れれば良かったものの数十秒も同じ体勢で居続けてしまった。
彼女が恐怖症になった理由は以前聞いている。
すぐ離れなかったのは間違いなく悪手だろう。現に離れた今も目を合わせようとしてくれないし。
「いえ、その……嬉しかったです。咄嗟に抱きしめてもらえて……それに、怖かったわけでは……」
「へ? それって――――」
「な……何でもありません! ほら、道も空きましたしまた押される前に行きますよ!」
「えっ!?ちょっと……!!」
まるでこの話題を打ち切るように前を向く彼女はそのまま突き進むようにポッカリ空いた出口までの道を先導する。
俺は呆気にとられたまま、そんな彼女の背中を小走りで追いかけるのであった。
雑貨店。
会計前のレジ待ち列にて、彼女のテンションが上がった声が聞こえてくる。
それは随分と堪能したようで満ち足りた表情。 それもそうだろう。もう店に入って1時間半、ずっと俺たちは店内をあっちこっち行ったり着たりしていて随分と歩き回った。
この店限定だが、ジャンルくらいは場所を見ずとも言えそうだ。それほど吟味する彼女に付き合ったから足が痛い。
「必要なものって……パーティグッズだったんですね」
俺は手にしているカゴに視線を落として中に入っているものを確認する。
そこには銀テープやバルーン、ガーランド等、パーティグッズが殆どを占めていた。
俺の役目はあまりにもファンシーになりすぎないよう客観的な意見が欲しかったらしい。
なんでもエレナらとだとヒートアップしちゃうとか。前科ありか
「はい。夏になって仕事も少し落ち着いてきて、関係者でお食事会でもしようかと思いまして」
お食事会か。
いいね。あの時食べた江嶋さんの手料理は絶品だった。
その後のリオ関連で印象が全部吹き飛んでしまったが、今思い返すと相当貴重かつ素晴らしい体験だった。
「いいですね。 料理は江嶋さんが?」
「私と……あと二人ともですね」
「え゛っ…………」
つい、その回答に変な声が出てしまった。
いやだって、エレナはほら……ねぇ。
「あっ、大丈夫ですよっ! 私達も付き合い長いのでエレナの担当範囲もちゃんと失敗しないよう決めてますから!」
「そ……そうですよね……。変なことにはなりません、よね……」
ついつい以前の惨劇を思い出し、それが回避された事を心の底から安堵する。
そうだよね。俺よりも付き合い長いってことは色々な目に遭っているというわけで、俺が考えつくことを彼女が考えないわけないもんね。
「それにしても羨ましいです。江嶋さんの手料理を食べられる二人が」
「そうでしょうか?」
「もちろん。誕生日会で食べた料理はどれも美味しかったですから。俺も何度あの味を恋しいと思ったことか」
「そう言っていただけて作ったかいがありました。あの二人ってば最近、食べ慣れたせいか全然そんなこと言ってくれませんし……」
ぶぅ、とほんの少し頬を膨らます彼女に俺は苦笑する。
きっと二人は日常的に食べているのだろう。あのアイドルの、江嶋さんの手料理なんて何千何万倍の価値がつくというのに……!!
「もったいないですね。俺なら毎日泣いてお礼をいいますのに」
「ふふっ、また調子の良いことを……。でも、そこに前坂さんをお呼びするのは難しいですが……また日を改めて小さなお食事会でもします?」
「えっ! いいんですか!?」
半分冗談ながら出した軽い言葉。しかし返事は驚くべきものだった。
再びの食事会というまさかの提案。
思いもよらぬ言葉に俺の目は一気に輝かしいものへと変貌する
「もちろんです。日付が決まったらまた連絡しますね」
「ありがとうございます!」
俺は彼女の方を向き頭を思い切り下げる。
誕生日会で食べた彼女の料理はどれも絶品だった。
またあの料理が食べられるとなるとお金を多分に払ってでも行く価値がある。10万か!?100万か!?流石にその額はムリだけれど出世払いでどうにか……!
「――――すみません、ちょっと通りますね」
「あっ、こちらこそすみません」
彼女からの喜ばしい提案に心の内で感涙の洪水を引き起こしていると、後方からふとかけられる声に現実に戻ってきた。
つられて謝罪すればすぐ後ろを女性が通る。腕が背中に触れてくるあたり随分と詰めているようだ。
「なんだか思ったより……」
「混んできましたね……」
食事会の話題から一転して現実に戻り、辺りを見渡せばスムーズに買い物ができていた先ほどとは違い、気づけば人で溢れかえっていた。
人、人、人――――
初めて来た店ではあるものの、この多さは明らかに普通ではない。
しかも大半は女性客。見渡した感じ男性客は居らず、俺一人なら絶対に近づけないレベルだ。
なんか人が混む要素あったっけ……あ、そういえば……
「そういえばこの時間からネットでバズったキャラのフェアが始まるとか入口に貼ってましたね」
「それが原因なんですね。前坂さんは興味あります?」
「いえ、あまり……。江嶋さんは?」
「私もあんまり…………」
どうやらどちらも興味はないようだ。
木を隠すなら森。江嶋さんにとって人が多いことは隠れるメリットがあるが、同時にバレやすくなるデメリットもある。
彼女自身もそれは重々理解しているようで無言で向かい合い、互いに頷く。
頷き合った俺達が同時に足を向けるのは出口方面。
こんな人の多いところに長く居られるか!一刻も早く店から出てやる!!
――――その目論見は正しい。しかし、そう簡単にはいかなかった。
「あっ、前坂さん。少し左に詰められます――――キャッ!!」
「――――!! アイさん!!」
前を歩く彼女が振り返りつつ小さなお願いをした、その時だった。
気づけば人が増えているということは、流出より流入が増えているということ。出口に繋がる道はあっという間に入ってくる人で溢れており、その合間を縫って出口に向かう。そんな作戦だった。
彼女は人を避けるために俺にそう言ってくれたのだろう。しかし振り返った瞬間、雪崩のように入ってくる人の肩が江嶋さんの肩と接触し、押し負かされる形になった彼女が倒れてくる。
咄嗟のことだった。
尻もちをつくように倒れていく江嶋さん。そして結果的ではあるがその方向で待ち構えている俺。
避ける?ううん、倒れること自体はさして怪我もないかもしれない。けれど今は人で溢れかえっている。何が起こるか想像がつかない。
倒れて踏まれるかもしれないし、ウィッグが外れて正体がバレて更にパニックになるかもしれない。
どう考えても倒れることは避けなければならない。
――――となれば、やるべきことは1つだ。
ほんの数瞬で取捨選択をした俺は袋を放り、一歩距離を詰めてその肩を受け止めるために手を伸ばした。
非難や怯えは自らの過ちとして受け取ろう。グッと伸ばした手は難なく両肩に到達してその柔らかい肌を受け止める。
「っ…………!………痛く……ない?」
「だ、大丈夫ですか……?」
「慎也……さん?」
彼女の無事を確認しながら、先程ぶつかってきた女性がこちらに謝って来るのを適当に相手する。
よかった。転けて大惨事は回避できた。見た感じ怪我も無いだろう。それにしても焦った……
「あの……前坂さん……その……」
「へ……? あぁ!すみません!」
何か言い淀むようなその声で気づいたのは俺と彼女との距離。
彼女は肩を支えられながらスッポリと俺の胸元に収まっていた。
背中を向けられているせいで表情までは見えない。
そういえばこんなに近くに居続けることは失敗したと、慌てて後ずさりし先程までの距離を保つ。
「すみません………怖かったですよね。あんなに近づかれて」
「……いいえ、助けてくれてありがとう、ございます」
背中を向けられてのお礼に俺は顔を伏せる。
失敗した。すぐに離れれば良かったものの数十秒も同じ体勢で居続けてしまった。
彼女が恐怖症になった理由は以前聞いている。
すぐ離れなかったのは間違いなく悪手だろう。現に離れた今も目を合わせようとしてくれないし。
「いえ、その……嬉しかったです。咄嗟に抱きしめてもらえて……それに、怖かったわけでは……」
「へ? それって――――」
「な……何でもありません! ほら、道も空きましたしまた押される前に行きますよ!」
「えっ!?ちょっと……!!」
まるでこの話題を打ち切るように前を向く彼女はそのまま突き進むようにポッカリ空いた出口までの道を先導する。
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