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キラキラとしたパーティー会場の中私ことカレン・ディアス公爵令嬢は目の前の人達から厳しい目を向けられていた。
目の前にはカレンの婚約者のノエル第1王子、平民だが素晴らしい魔法の才能でこの学園に入学してきたアリア・リベラ、そしてノエルを将来支えるため入学してきた眉目秀麗の友人達。
その内の1人が前に出てカレンに問いかける。
「ディアス嬢、あなたはリベラ嬢に嫌がらせをしていたとの情報が入っている!それは事実だろうか!」
問いかけながらもカレンが犯人だと言っているような口調。
とうとう来た、とカレンは喉を鳴らした。思えばここまでの道のりは長いものだったが、それが今報われると思えばこんなに嬉しいことはない。後はカレンが同意し婚約破棄になれば、貴族社会には戻れないが自由になれるはずだ。
「ええ、私は──」
「ちょっとお待ちください!!」
「え?」
彼女との計画通りさっさと肯定してしまおうとすると、後ろにいたはずのアリアがカレンを庇うように立っていた。
「私はカレン様に嫌がらせなどされていません!」
「え、ちょっと何を──」
「カレン様は全くの無実です!と、いうことで後は殿下と2人でゆっくりと誤解を解いてください」
さあどうぞ、とカレンの背中を押してくるアリアに動揺しつつも言い返す。
「いやいやいや話が違うでしょう!?」
「話?」
「あっ違うんです、殿下。私はもうそれはそれは口にするのもおぞましいほど彼女を虐めましたとも!きっと、彼女は恐ろしくて言い出せなくなってしまったのです!そう、きっとそう !なので婚約破棄しましょう!」
「なっ!違います殿下!私は何もされておりません!なのでどうぞこのままお二人ともお幸せに!」
「あなたねぇ……」
思わずアリアを引っ張り小声で確認する。
「どういう事なのよ?話と違うじゃない!」
「私こそ聞きたいわよ!殿下とは上手くいってないって話だったでしょ?」
「ええ、好感度どころかむしろ嫌われるような事ばかりしてたから殿下は私に興味無いはずよ?」
「それが好感度が上がってたのよ!」
「ええ?」
カレンは改めて自分の行動を思い返すが、引かれることはあれど好感を持ってもらえるような行動ををとった覚えはない。思わずもう一度問いただそうとするも、卒業パーティーのイベント真っ最中だった事を思い出す。急な裏切りに今すぐにでも問い詰めたいがこんな人が集まっている前では迂闊な事は言えない。
「2人の話は終わったかな?」
黙り込んだカレンを横目に見ながらノエルは微笑んだ。さすが攻略キャラと言わんばかりの顔面だが、カレンも今はそんな事を考えている余裕がない。このままではスローライフはもとより、無事に婚約破棄されるかどうかも怪しくなってしまう。
「で、殿下!」
「なんだい、カレン」
「少しアリアさんと話し合ってもいいでしょうか?」
いろいろと聞きたいことはあるが、とりあえずどうして急にアリアが急に虐めを否定してきたのかを知りたい。それに、ストーリー通りのイベントが進んでない今、このまま話を進めるのは主にカレンにとって危険だ。
「話し合い?どうして?」
「ど、どうしてってそれは、あの、今回の状況と彼女との間に誤解があるようなので……」
「誤解も何も、君は彼女を虐めてないし、彼女も虐められてないと言っている。どこにも食い違いはないように思えるけど?」
「いえ、私は彼女を──」
「虐めてないよね?」
うん、圧が凄い。一言で言おう、圧が凄い。
何故だかノエルが怒っているような気がするが気のせいだろうか。アリアはノエルは自分に好意はないと言っていたが、やはりヒロインなのだから無意識にノエルの好感度を上げてしまったのでは……。それで、今回彼女が大勢の前でこんな事に巻き込まれてしまったから穏便に済ませたいとか?婚約破棄もこういった形でなくきちんと順序を踏んで行いたいとかであれば、カレンの方も喜んで受けるのだが……。
カレンの返答がないのを肯定とみなしたのか、ノエルは1度周りを見渡し話し出した。
「さて、せっかくのパーティーなのに騒がせて申し訳ない。再開したいところだが、今のままでは落ち着かないだろう。そのため、パーティーはまた明日に再度開催することとする!」
「えっ!」
考えてもいなかった展開に思わず声が出る。
パーティーの延期?そんなのアリアから聞いた話ではゲームの中にはなかった。大体事実はどうであれ、ここまで事が大きくなったのだ、周りの貴族達だって納得するはずがない。そもそもこの場でアリアの虐めの話を出したのは、他でもないノエルの友人達なのだから。
だから、きっとこんな中途半端な終わり方では納得せず抗議するだろうと思っていたのだが──
「……?」
キョロキョロと周りを見渡すも、誰の声も上がらない……。それどころかさっきまで厳しい顔をしていたノエルの友人達や周りの人達も何故か晴れ晴れとした顔をしている。
一体何が起きているのだろうか?チラッとアリアの様子も確認するが彼女は何故か遠い目をして微笑んでいるし、ノエルはさっきからカレンに対しての圧が凄い。
「皆もそれで大丈夫なようだね。それでは申し訳ないが本日のパーティーはこれにて終了とし、明日また行うとしよう」
そう言ってノエルはまるでカレンの戸惑いなど気づいてないかのようにパーティーを終わらせてしまった。
目の前にはカレンの婚約者のノエル第1王子、平民だが素晴らしい魔法の才能でこの学園に入学してきたアリア・リベラ、そしてノエルを将来支えるため入学してきた眉目秀麗の友人達。
その内の1人が前に出てカレンに問いかける。
「ディアス嬢、あなたはリベラ嬢に嫌がらせをしていたとの情報が入っている!それは事実だろうか!」
問いかけながらもカレンが犯人だと言っているような口調。
とうとう来た、とカレンは喉を鳴らした。思えばここまでの道のりは長いものだったが、それが今報われると思えばこんなに嬉しいことはない。後はカレンが同意し婚約破棄になれば、貴族社会には戻れないが自由になれるはずだ。
「ええ、私は──」
「ちょっとお待ちください!!」
「え?」
彼女との計画通りさっさと肯定してしまおうとすると、後ろにいたはずのアリアがカレンを庇うように立っていた。
「私はカレン様に嫌がらせなどされていません!」
「え、ちょっと何を──」
「カレン様は全くの無実です!と、いうことで後は殿下と2人でゆっくりと誤解を解いてください」
さあどうぞ、とカレンの背中を押してくるアリアに動揺しつつも言い返す。
「いやいやいや話が違うでしょう!?」
「話?」
「あっ違うんです、殿下。私はもうそれはそれは口にするのもおぞましいほど彼女を虐めましたとも!きっと、彼女は恐ろしくて言い出せなくなってしまったのです!そう、きっとそう !なので婚約破棄しましょう!」
「なっ!違います殿下!私は何もされておりません!なのでどうぞこのままお二人ともお幸せに!」
「あなたねぇ……」
思わずアリアを引っ張り小声で確認する。
「どういう事なのよ?話と違うじゃない!」
「私こそ聞きたいわよ!殿下とは上手くいってないって話だったでしょ?」
「ええ、好感度どころかむしろ嫌われるような事ばかりしてたから殿下は私に興味無いはずよ?」
「それが好感度が上がってたのよ!」
「ええ?」
カレンは改めて自分の行動を思い返すが、引かれることはあれど好感を持ってもらえるような行動ををとった覚えはない。思わずもう一度問いただそうとするも、卒業パーティーのイベント真っ最中だった事を思い出す。急な裏切りに今すぐにでも問い詰めたいがこんな人が集まっている前では迂闊な事は言えない。
「2人の話は終わったかな?」
黙り込んだカレンを横目に見ながらノエルは微笑んだ。さすが攻略キャラと言わんばかりの顔面だが、カレンも今はそんな事を考えている余裕がない。このままではスローライフはもとより、無事に婚約破棄されるかどうかも怪しくなってしまう。
「で、殿下!」
「なんだい、カレン」
「少しアリアさんと話し合ってもいいでしょうか?」
いろいろと聞きたいことはあるが、とりあえずどうして急にアリアが急に虐めを否定してきたのかを知りたい。それに、ストーリー通りのイベントが進んでない今、このまま話を進めるのは主にカレンにとって危険だ。
「話し合い?どうして?」
「ど、どうしてってそれは、あの、今回の状況と彼女との間に誤解があるようなので……」
「誤解も何も、君は彼女を虐めてないし、彼女も虐められてないと言っている。どこにも食い違いはないように思えるけど?」
「いえ、私は彼女を──」
「虐めてないよね?」
うん、圧が凄い。一言で言おう、圧が凄い。
何故だかノエルが怒っているような気がするが気のせいだろうか。アリアはノエルは自分に好意はないと言っていたが、やはりヒロインなのだから無意識にノエルの好感度を上げてしまったのでは……。それで、今回彼女が大勢の前でこんな事に巻き込まれてしまったから穏便に済ませたいとか?婚約破棄もこういった形でなくきちんと順序を踏んで行いたいとかであれば、カレンの方も喜んで受けるのだが……。
カレンの返答がないのを肯定とみなしたのか、ノエルは1度周りを見渡し話し出した。
「さて、せっかくのパーティーなのに騒がせて申し訳ない。再開したいところだが、今のままでは落ち着かないだろう。そのため、パーティーはまた明日に再度開催することとする!」
「えっ!」
考えてもいなかった展開に思わず声が出る。
パーティーの延期?そんなのアリアから聞いた話ではゲームの中にはなかった。大体事実はどうであれ、ここまで事が大きくなったのだ、周りの貴族達だって納得するはずがない。そもそもこの場でアリアの虐めの話を出したのは、他でもないノエルの友人達なのだから。
だから、きっとこんな中途半端な終わり方では納得せず抗議するだろうと思っていたのだが──
「……?」
キョロキョロと周りを見渡すも、誰の声も上がらない……。それどころかさっきまで厳しい顔をしていたノエルの友人達や周りの人達も何故か晴れ晴れとした顔をしている。
一体何が起きているのだろうか?チラッとアリアの様子も確認するが彼女は何故か遠い目をして微笑んでいるし、ノエルはさっきからカレンに対しての圧が凄い。
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