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15 ちえりと麗華とSクラスの男子たち
その後の麗華
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「おはよう、有梨香さん」
「あ、おはようございます、麗華さん」
いつもの朝の生徒玄関前、麗華は他の生徒会メンバーの女生徒たちと、登校してくる生徒たちに明るく声をかけている。普段と変わらない、朝の挨拶運動の風景だ。
ちえりと並んで登校してきたわたしも、麗華に声をかけられて、挨拶を返した。相変わらず人形のように美しい麗華は、知的な美貌を保っている。だが、最近では少しその美しさにも変化が現れていた。それまでは、一種近寄りがたい高貴な雰囲気を纏った美しさで、それが彼女のカリスマ性にも繋がっていたのだが、今はどこか柔らかく華やかな、花のような美に変化しているのだ。
彼女の内面の変化によるものであるのは、明らかだったが、その理由を知っているのは、麗華本人と、理事長、そしてわたしくらいのものだろう。
にこやかな笑顔で挨拶を交わして、通り過ぎてから、生徒玄関の下駄箱の前まで来た時、制服のポケットに入れていた携帯電話が鳴った。近くで靴を履き替えているちえりに気づかれないように、こっそり手に取って画面を眺めてみると、1件の着信が入っている。
それは、麗華からの連絡だった。短く一言だけ、『今日の昼休み、いつもの場所で待ってます』とだけ書かれたメッセージが届いている。
(麗華さん・・・)
わたしはそっと携帯をポケットに戻し、何事もなかったかのように上靴に履き替えた。わずかに胸の鼓動が高鳴るのを感じながら。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
午前の授業が終わって昼休みになり、わたしは生徒会室の重い鉄製の扉の前に来ていた。ドアノブを捻って扉を開ける。
「失礼します・・・」
鍵はかかっていなかったが、生徒会室の中にはまだ誰もいなかった。いつもなら、先に麗華が来ていてわたしを待っていることが殆どだ。わたしは一瞬、麗華との待ち合わせ場所を間違ったかと思ったが、彼女と学校内で会う時に、他の場所を使ったことなどない。
(あれから、麗華さん・・・理事長とは上手くいってるのかな・・・?)
思い返してみれば、今朝挨拶を交わした時の麗華は、元気そうではあったが、少し疲れているようでもあった。父親である理事長と、禁断とも言える愛を確かめ合ったのは、まだほんの数日前のことだ。それまで何年間も我慢し続けてきた想いが、結ばれた途端に急に変わってしまうとは考えにくいが、決して大っぴらにはできない関係だけに、何かあったとしても不思議ではない。
(大丈夫だよね・・・?でも、やっぱり父娘だと、いろいろ障害はあるし・・・)
麗華がやってこない間、わたしは1人でつい物思いに耽ってしまう。父と娘では、どんなに愛し合っていても当然結婚などできない。麗華には、理由は分からないが母親もいないので、その点は好都合なのかもしれないが、もし子供ができたりしても、父親不明にするしかないだろう。どう考えても、普通の女の子の幸せは得られなさそうだ。
その上、理事長には学園の経営を隠れ蓑にして、わたしやちえりのような、性奴隷を飼ってきたという過去まである。
(理事長がしてきたことを考えたら、麗華さんもいい気持ちはしないのかも・・・)
娘の麗華に手を出してしまわない為という理由は、一応はあったにしろ、わたし以前にも大勢の少女たちを手籠にし、玩具のように犯してきたのは確かなのだ。その事実を知ったら、いくら父親を愛していると言っても、麗華はどう思うだろうか。
「まあ、わたしが心配しても、仕方のないことだけれど・・・」
そう呟いて窓の外の景色に目を向けていると、背後で生徒会室の入口の扉が開く音が聞こえた。振り返ると、慌てて駆けて来たのだろう。少し息を弾ませた麗華が、扉の前に立っていた。
「ごめんなさい、有梨香さん!先生に頼まれた仕事をしてたら、思いの外時間がかかってしまって・・・」
「あ、ううん。全然大丈夫です・・・」
長く艶やかな黒髪も少し乱れているのを、指で整えながら、麗華はわたしの側までやって来た。裏では人に言えないような禁断の愛を育んでいる彼女も、表向きは相変わらず成績も優秀で先生からの受けも良い模範的な生徒会長をこなしているのだ。
「いつも忙しそうですね、麗華さん」
「ええ、本当に・・・昼休みは用があるので、って言ったのに、急いで放課後の打ち合わせで使う資料を用意しなきゃならないから、って先生に言われて・・・参ったわ」
「でも、それをちゃんとこなして、わたしにも会いに来てくれるんだから、さすが麗華さんですよ」
麗華はため息をつきつつも、褒められたのが嬉しかったのか、照れ笑いのような微笑みを浮かべる。
「有梨香さんとの時間は、何より大切にしたいのよ・・・私」
「そんなこと・・・今は、もう理事長が1番じゃないんですか?」
麗華は少し考えるような素振りを見せてから、わたしをじっと見つめる。
「そうよ、お父さまは私が世界中で1番愛してる男性・・・でも、有梨香のことを好きだと言った気持ちも、それとは別に本当なのよ」
麗華の意図がよく読み込めず、わたしは小首を傾げる。
「もう常識とか世間体とかで、自分の気持ちに蓋をして、誤魔化すのは止めたの。私は、有梨香さんのことも好き・・・だって、お父さまに告白したからと言って、有梨香さんを嫌わなきゃいけないことはないでしょう?」
「それは・・・そうですけど」
「私は、友人としても、それ以上の仲としても、有梨香さんと親しくしたいの。私が、自分の気持ちを素直に言えるようにしてくれたのは、貴女のおかげなのよ?」
麗華は、頬を赤らめて恥ずかしそうにしてはいたが、視線だけはまっすぐにわたしを見つめていた。どうやら父親に想いを打ち明けて結ばれたことは、彼女の心に前向きな変化を与えただけに留まらなかったらしい。
麗華はわたしとの距離を詰め、お互いの息がかかりそうな程まで近づいた。硝子細工のように細い指が、わたしの頬を優しく撫でる。
「麗華さん・・・?」
「これからも、私とお付き合いしてくれるわよね?有梨香さん・・・」
ルージュの唇が、わたしの淡いピンク色の唇に重なる。潤った唇の柔らかで暖かい感触が、わたしの唇に伝わってくる。さらに、麗華の体を包む薔薇の花のような芳香が、わたしを蕩けさせた。
「んっ、ちゅっ・・・んん・・・」
「んん・・・やっぱり綺麗よ、有梨香さん。大好き・・・」
しばしの間、唇を重ね合わせた後、わたしは頬をピンク色に染めて麗華を見つめた。落ち着いた様子で、艶かしい微笑みを浮かべる麗華に対して、わたしの方がドキドキと心臓が高鳴ってしまっている。
動揺していないと言えば嘘になる。父親一筋になるかと思っていた麗華が、わたしにも変わらず交際を求めてくるとは、予想していなかったのだ。
だが、麗華は元々、生徒会メンバーにお気に入りの少女たちを集めて、女の園のようなものを作っていたような人物なのだ。父親の理事長譲りの、性的なことには奔放な気質が備わっているのかもしれない。
(麗華さんが、わたしを想ってくれるのは嫌ではないけど・・・でも、わたしは・・・)
麗華に求められること自体に、嫌な気持ちはしない。むしろ、以前にも増してストレートに気持ちを伝えてくれる彼女に、好感すら抱いていた。
でも、もし仮に彼女と交際するとしても、わたしの側の問題もあった。そんなわたしの杞憂を見透かしたかのように、麗華の方が先に口を開いた。
「有梨香さん、実はね・・・私、有梨香さんのこと、お父さまから全部聞いたの・・・」
「えっ・・・」
わたしの背に両腕を回して抱きしめると、麗華は耳元で囁いた。考えてみれば当然のことだった。麗華の自宅を訪れた時、わたしは自ら理事長との関係を暴露したのだ。わたしの口から具体的に説明することはなかったが、その後麗華が、理事長にわたしのことを詳細に訊ねたとしても、何ら不思議ではないだろう。
「有梨香さんって、その・・・性奴隷なのよね?この学園に、そんなものがあるなんて驚きだけど・・・そこで、お父さま以外にも、大勢の男の人たちに・・・犯されたり、奉仕させられているって・・・」
そう言って顔を赤らめる麗華の方が、どこか気恥ずかしそうにしていた。
「でも、有梨香さんは、自分から望んで性奴隷になったって、お父さまは言っていたわ・・・そうなんでしょう?」
「・・・はい・・・そうです」
わたしも、麗華に応えるように彼女の背に腕を伸ばして抱きしめると、素直に頷く。
「汚いって思いますよね、わたしのこと・・・」
「ええ、その話を聞いた時はね・・・でも、それを言ったら私も同じ。私だって、自分の満たされない想いを満たそうとして、生徒会の娘たちに手を出して・・・その上、有梨香さんまで犯してしまったんだから」
「麗華さん・・・」
わたしを見つめる麗華の目には、蔑むような気配はなかった。むしろ、可愛らしくて仕方のないものを愛でるような、うっとりした視線だった。
「それにね、有梨香さんのことを、羨ましいとも思ったの。だって、そこまで自分の欲望に正直に生きているんだもの・・・」
確かに麗華の言う通りかもしれない。考え方によっては、わたしはここまで自分の淫らな欲望のままに、そして、周りの男の人たちに求められるがままに、貪欲に快楽を貪り、溺れてきたのだ。今、仮にでも女子高生としていられるのも、奇跡的なことなのだ。
わたしは理事長との愛を確かめ合った麗華を羨ましいと思ったが、麗華もまた、自分の淫乱さをありのままにして生きる少女の姿に感じ入るところがあったのだろう。
「だから私も、自分を隠さないことに決めたの。そりゃあ、表沙汰にできないこともあるけれど・・・でも、もっと有梨香さんみたいに、自分の欲求に、思いにもっと素直になろうって」
そう言って、麗華は悪戯っぽく微笑んでみせる。
「だから・・・ね。有梨香さんのことも、諦めないわよ」
「ああん・・・麗華さんっ・・・」
わたしと麗華は互いの胸を押し付けるように抱き合ったまま、その後も何度か甘い口づけを交わすのだった。
「あ、おはようございます、麗華さん」
いつもの朝の生徒玄関前、麗華は他の生徒会メンバーの女生徒たちと、登校してくる生徒たちに明るく声をかけている。普段と変わらない、朝の挨拶運動の風景だ。
ちえりと並んで登校してきたわたしも、麗華に声をかけられて、挨拶を返した。相変わらず人形のように美しい麗華は、知的な美貌を保っている。だが、最近では少しその美しさにも変化が現れていた。それまでは、一種近寄りがたい高貴な雰囲気を纏った美しさで、それが彼女のカリスマ性にも繋がっていたのだが、今はどこか柔らかく華やかな、花のような美に変化しているのだ。
彼女の内面の変化によるものであるのは、明らかだったが、その理由を知っているのは、麗華本人と、理事長、そしてわたしくらいのものだろう。
にこやかな笑顔で挨拶を交わして、通り過ぎてから、生徒玄関の下駄箱の前まで来た時、制服のポケットに入れていた携帯電話が鳴った。近くで靴を履き替えているちえりに気づかれないように、こっそり手に取って画面を眺めてみると、1件の着信が入っている。
それは、麗華からの連絡だった。短く一言だけ、『今日の昼休み、いつもの場所で待ってます』とだけ書かれたメッセージが届いている。
(麗華さん・・・)
わたしはそっと携帯をポケットに戻し、何事もなかったかのように上靴に履き替えた。わずかに胸の鼓動が高鳴るのを感じながら。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
午前の授業が終わって昼休みになり、わたしは生徒会室の重い鉄製の扉の前に来ていた。ドアノブを捻って扉を開ける。
「失礼します・・・」
鍵はかかっていなかったが、生徒会室の中にはまだ誰もいなかった。いつもなら、先に麗華が来ていてわたしを待っていることが殆どだ。わたしは一瞬、麗華との待ち合わせ場所を間違ったかと思ったが、彼女と学校内で会う時に、他の場所を使ったことなどない。
(あれから、麗華さん・・・理事長とは上手くいってるのかな・・・?)
思い返してみれば、今朝挨拶を交わした時の麗華は、元気そうではあったが、少し疲れているようでもあった。父親である理事長と、禁断とも言える愛を確かめ合ったのは、まだほんの数日前のことだ。それまで何年間も我慢し続けてきた想いが、結ばれた途端に急に変わってしまうとは考えにくいが、決して大っぴらにはできない関係だけに、何かあったとしても不思議ではない。
(大丈夫だよね・・・?でも、やっぱり父娘だと、いろいろ障害はあるし・・・)
麗華がやってこない間、わたしは1人でつい物思いに耽ってしまう。父と娘では、どんなに愛し合っていても当然結婚などできない。麗華には、理由は分からないが母親もいないので、その点は好都合なのかもしれないが、もし子供ができたりしても、父親不明にするしかないだろう。どう考えても、普通の女の子の幸せは得られなさそうだ。
その上、理事長には学園の経営を隠れ蓑にして、わたしやちえりのような、性奴隷を飼ってきたという過去まである。
(理事長がしてきたことを考えたら、麗華さんもいい気持ちはしないのかも・・・)
娘の麗華に手を出してしまわない為という理由は、一応はあったにしろ、わたし以前にも大勢の少女たちを手籠にし、玩具のように犯してきたのは確かなのだ。その事実を知ったら、いくら父親を愛していると言っても、麗華はどう思うだろうか。
「まあ、わたしが心配しても、仕方のないことだけれど・・・」
そう呟いて窓の外の景色に目を向けていると、背後で生徒会室の入口の扉が開く音が聞こえた。振り返ると、慌てて駆けて来たのだろう。少し息を弾ませた麗華が、扉の前に立っていた。
「ごめんなさい、有梨香さん!先生に頼まれた仕事をしてたら、思いの外時間がかかってしまって・・・」
「あ、ううん。全然大丈夫です・・・」
長く艶やかな黒髪も少し乱れているのを、指で整えながら、麗華はわたしの側までやって来た。裏では人に言えないような禁断の愛を育んでいる彼女も、表向きは相変わらず成績も優秀で先生からの受けも良い模範的な生徒会長をこなしているのだ。
「いつも忙しそうですね、麗華さん」
「ええ、本当に・・・昼休みは用があるので、って言ったのに、急いで放課後の打ち合わせで使う資料を用意しなきゃならないから、って先生に言われて・・・参ったわ」
「でも、それをちゃんとこなして、わたしにも会いに来てくれるんだから、さすが麗華さんですよ」
麗華はため息をつきつつも、褒められたのが嬉しかったのか、照れ笑いのような微笑みを浮かべる。
「有梨香さんとの時間は、何より大切にしたいのよ・・・私」
「そんなこと・・・今は、もう理事長が1番じゃないんですか?」
麗華は少し考えるような素振りを見せてから、わたしをじっと見つめる。
「そうよ、お父さまは私が世界中で1番愛してる男性・・・でも、有梨香のことを好きだと言った気持ちも、それとは別に本当なのよ」
麗華の意図がよく読み込めず、わたしは小首を傾げる。
「もう常識とか世間体とかで、自分の気持ちに蓋をして、誤魔化すのは止めたの。私は、有梨香さんのことも好き・・・だって、お父さまに告白したからと言って、有梨香さんを嫌わなきゃいけないことはないでしょう?」
「それは・・・そうですけど」
「私は、友人としても、それ以上の仲としても、有梨香さんと親しくしたいの。私が、自分の気持ちを素直に言えるようにしてくれたのは、貴女のおかげなのよ?」
麗華は、頬を赤らめて恥ずかしそうにしてはいたが、視線だけはまっすぐにわたしを見つめていた。どうやら父親に想いを打ち明けて結ばれたことは、彼女の心に前向きな変化を与えただけに留まらなかったらしい。
麗華はわたしとの距離を詰め、お互いの息がかかりそうな程まで近づいた。硝子細工のように細い指が、わたしの頬を優しく撫でる。
「麗華さん・・・?」
「これからも、私とお付き合いしてくれるわよね?有梨香さん・・・」
ルージュの唇が、わたしの淡いピンク色の唇に重なる。潤った唇の柔らかで暖かい感触が、わたしの唇に伝わってくる。さらに、麗華の体を包む薔薇の花のような芳香が、わたしを蕩けさせた。
「んっ、ちゅっ・・・んん・・・」
「んん・・・やっぱり綺麗よ、有梨香さん。大好き・・・」
しばしの間、唇を重ね合わせた後、わたしは頬をピンク色に染めて麗華を見つめた。落ち着いた様子で、艶かしい微笑みを浮かべる麗華に対して、わたしの方がドキドキと心臓が高鳴ってしまっている。
動揺していないと言えば嘘になる。父親一筋になるかと思っていた麗華が、わたしにも変わらず交際を求めてくるとは、予想していなかったのだ。
だが、麗華は元々、生徒会メンバーにお気に入りの少女たちを集めて、女の園のようなものを作っていたような人物なのだ。父親の理事長譲りの、性的なことには奔放な気質が備わっているのかもしれない。
(麗華さんが、わたしを想ってくれるのは嫌ではないけど・・・でも、わたしは・・・)
麗華に求められること自体に、嫌な気持ちはしない。むしろ、以前にも増してストレートに気持ちを伝えてくれる彼女に、好感すら抱いていた。
でも、もし仮に彼女と交際するとしても、わたしの側の問題もあった。そんなわたしの杞憂を見透かしたかのように、麗華の方が先に口を開いた。
「有梨香さん、実はね・・・私、有梨香さんのこと、お父さまから全部聞いたの・・・」
「えっ・・・」
わたしの背に両腕を回して抱きしめると、麗華は耳元で囁いた。考えてみれば当然のことだった。麗華の自宅を訪れた時、わたしは自ら理事長との関係を暴露したのだ。わたしの口から具体的に説明することはなかったが、その後麗華が、理事長にわたしのことを詳細に訊ねたとしても、何ら不思議ではないだろう。
「有梨香さんって、その・・・性奴隷なのよね?この学園に、そんなものがあるなんて驚きだけど・・・そこで、お父さま以外にも、大勢の男の人たちに・・・犯されたり、奉仕させられているって・・・」
そう言って顔を赤らめる麗華の方が、どこか気恥ずかしそうにしていた。
「でも、有梨香さんは、自分から望んで性奴隷になったって、お父さまは言っていたわ・・・そうなんでしょう?」
「・・・はい・・・そうです」
わたしも、麗華に応えるように彼女の背に腕を伸ばして抱きしめると、素直に頷く。
「汚いって思いますよね、わたしのこと・・・」
「ええ、その話を聞いた時はね・・・でも、それを言ったら私も同じ。私だって、自分の満たされない想いを満たそうとして、生徒会の娘たちに手を出して・・・その上、有梨香さんまで犯してしまったんだから」
「麗華さん・・・」
わたしを見つめる麗華の目には、蔑むような気配はなかった。むしろ、可愛らしくて仕方のないものを愛でるような、うっとりした視線だった。
「それにね、有梨香さんのことを、羨ましいとも思ったの。だって、そこまで自分の欲望に正直に生きているんだもの・・・」
確かに麗華の言う通りかもしれない。考え方によっては、わたしはここまで自分の淫らな欲望のままに、そして、周りの男の人たちに求められるがままに、貪欲に快楽を貪り、溺れてきたのだ。今、仮にでも女子高生としていられるのも、奇跡的なことなのだ。
わたしは理事長との愛を確かめ合った麗華を羨ましいと思ったが、麗華もまた、自分の淫乱さをありのままにして生きる少女の姿に感じ入るところがあったのだろう。
「だから私も、自分を隠さないことに決めたの。そりゃあ、表沙汰にできないこともあるけれど・・・でも、もっと有梨香さんみたいに、自分の欲求に、思いにもっと素直になろうって」
そう言って、麗華は悪戯っぽく微笑んでみせる。
「だから・・・ね。有梨香さんのことも、諦めないわよ」
「ああん・・・麗華さんっ・・・」
わたしと麗華は互いの胸を押し付けるように抱き合ったまま、その後も何度か甘い口づけを交わすのだった。
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