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Primrose

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チェックメイト

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 予知の映像を元に、俺たちは街中を走り回る。
 彼らが来ない場所、見ていない場所を的確に選んで逃げる。
「でも、逃げるだけじゃ意味がないぞ。その内捕まる」
「そうだけど、彼らだって大々的に探索するのは無理だよ。その内引き上げるよ」
 確かにそうかもしれないが、奴らがその気になれば、手下の精神干渉系能力者を使って街を封鎖することも可能ではある。奴らに捕らえられた能力者の一部は、生き残るために自ら彼らの手下になる事があるのだ。
 奴らが能力者まで使い始めたら、ついに逃げられなくなる。
「で、次はどっち?」
 香崎さんの質問に、俺は顔をしかめる。
 道が分からない。というのも・・・
「予知はここで途切れてる。もしかしたら・・・」
「私たちはここで死ぬかも、って事?」
 俺と同じ考えに至った香崎さんも、同じく暗い顔をした。
 予知を信じるなら、俺たちは何らかの要因で死ぬ、もしくは彼らに捕まってしまうという結末を辿ることになる。そうでなくとも予知がない以上、自力で逃げるしか無い訳だが・・・
「何の音?」
 突然香崎さんが言った。
 そう言われて俺も耳をすませると、ファンの様な音が聞こえてきた。
「あれは・・・テレビ局のヘリ?」
 上を見ると、ヘリが空中に浮いていた。
 どうやら音はあれから出ているらしい。それにしてもなんだか近い気が・・・
 少しヘリに違和感を感じていると、ヘリで何か小さな物が―――スコープが光った。
「っ‼ 伏せろ‼」
 俺が香崎さんの手を引いて横にそれると、さっきまで香崎さんがいた場所に何かが刺さった。
 それは彼らは使っている麻酔銃の弾だった。
「走って‼」
 香崎さんの手を掴んで全力で走る。なるべく遮蔽物がある場所を優先して走る。
「やあ、透くん」
 何度か角を曲がると、俺たちの目の前に女性が現れた。
 その女性は、数年前に俺を捕らえた本人だった。
「なんで貴女が・・・」
「まあ、君を担当したのは私だからね。君を一番を知ってるのも私だ」
 そう、彼女は俺が一度捕まった時に俺の能力測定担当した人でもあった。
「さてと、そろそろ捕まってもらおうか」
 彼女はそう言って指を鳴らす。
 それに一瞬違和感を覚えたが、その答えは香崎さんが教えてくれた。
 彼女は俺の肩を掴むと、そのまま足を蹴って引き倒した。
「なっ・・・‼」
「正直、ここまで気づかなかったのが本当に疑問です」
 彼女は冷たい目で俺を見下した。
 そうか。予知は。ヘリの辺りから余地が途切れたのも、彼女に当てようとしたんじゃなく俺に当てようとして、それが当たって終わる未来が見えたからあそこで途切れたのだ。
 というか、最初から気付くべきだった。口調も違ったし、正直ただの空き教室に隠れられていたのも今更ながら違和感を抱くべきだった。
「じゃあ、捕縛して本部に・・・」
 彼女が周りに指示する中、俺は再び視界がブレる。
「透くん、残念ながら今回は君の負けだよ。チェックメイトだ」
「・・・」
「ショックかい? 未来が見えるのに負けて」
「・・・いいえ。チェックメイトは俺の物ですよ」
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