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第1話 【はじまり 其の1】
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せかへい 外伝24
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第1話
【はじまり 其の1】
カナル様の命令により、ヤマブキはこの世界にやってきた。しかし、彼の意思はなく、ただ命令に従うということしか頭にない。
頭がぼーっとする。そして何も考えられない。ただ夢のような意識の中、身体が勝手に動いている。
この世界に降り立った時、そこは山の中だった。
日は山から顔を出している。朝だ。
カナル様の命令はこの先にある村に住むパトという少年に会うこと。そしてその少年と共に行動をし、彼を守るというもの。
ヤマブキはまず、そのパトという少年を探す必要があった。
ヤマブキは山の中を歩く。
今は自分が誰なのかもわからない。ただ目的のためだけに進む。
深い森を進んでいると、何かに呼ばれている気がした。
「…………お……い………………こ…………おい」
どこから声が聞こえるのか。ヤマブキには分からなかった。だが、身体が勝手に動いた。
後ろを振り向くと、そこには金髪の少年がいた。ヤマブキよりも少し歳下だろう。身長は一回り低く、全身が隠れるくらいの大きな黒いマントを羽織っている。金髪の髪は目にかかるくらい長い。
「おい、そこの青いの、聞こえてるか」
やっと何を言っているのか聞こえた。そしてヤマブキが振り向くと、少年はヤマブキのことを睨みつけてきた。
「ッチ、聞こえてるならさっさとこっちを向きやがれ」
ヤマブキは謝ろうとするが声が出ない。そして自分の意思とは別に声が出た。
「何ノヨウデスカ」
それは自分の声だ。しかし、喋ろうとしていた言葉も違う。自分であって自分でない存在が身体を動かしているようだ。
少年は回り込むように歩くと、ヤマブキが向かっていた方向を塞いだ。
「それはこっちのセリフだ。この先に何のようだ」
少年はヤマブキを警戒しているようだ。少年の問いにヤマブキは答える。
「パト・エイダー、トイウ少年ヲ探シテイマス」
それを聞いた少年は身体をビクッとさせた。何かを知っているようだ。
「パト……だと……あいつに何のようだ?」
「彼ヲ守護シニ来マシタ」
「守護……だと?」
ヤマブキの回答に少年は興味を持つ。
そしてヤマブキも自分から出た言葉に驚いていた。
自分がなぜここにいるのかも分からない。その少年も知らない。そのはずなのになぜそんなことを言ったのか?
そして記憶の中にはしっかりと、そのパトという少年の顔が浮かぶ。知らないはずなのに知っている。何だか気持ち悪い感覚だった。
「ほぅ、少し話を聞かせてもらいたいな」
少年はそう言った。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第1話
【はじまり 其の1】
カナル様の命令により、ヤマブキはこの世界にやってきた。しかし、彼の意思はなく、ただ命令に従うということしか頭にない。
頭がぼーっとする。そして何も考えられない。ただ夢のような意識の中、身体が勝手に動いている。
この世界に降り立った時、そこは山の中だった。
日は山から顔を出している。朝だ。
カナル様の命令はこの先にある村に住むパトという少年に会うこと。そしてその少年と共に行動をし、彼を守るというもの。
ヤマブキはまず、そのパトという少年を探す必要があった。
ヤマブキは山の中を歩く。
今は自分が誰なのかもわからない。ただ目的のためだけに進む。
深い森を進んでいると、何かに呼ばれている気がした。
「…………お……い………………こ…………おい」
どこから声が聞こえるのか。ヤマブキには分からなかった。だが、身体が勝手に動いた。
後ろを振り向くと、そこには金髪の少年がいた。ヤマブキよりも少し歳下だろう。身長は一回り低く、全身が隠れるくらいの大きな黒いマントを羽織っている。金髪の髪は目にかかるくらい長い。
「おい、そこの青いの、聞こえてるか」
やっと何を言っているのか聞こえた。そしてヤマブキが振り向くと、少年はヤマブキのことを睨みつけてきた。
「ッチ、聞こえてるならさっさとこっちを向きやがれ」
ヤマブキは謝ろうとするが声が出ない。そして自分の意思とは別に声が出た。
「何ノヨウデスカ」
それは自分の声だ。しかし、喋ろうとしていた言葉も違う。自分であって自分でない存在が身体を動かしているようだ。
少年は回り込むように歩くと、ヤマブキが向かっていた方向を塞いだ。
「それはこっちのセリフだ。この先に何のようだ」
少年はヤマブキを警戒しているようだ。少年の問いにヤマブキは答える。
「パト・エイダー、トイウ少年ヲ探シテイマス」
それを聞いた少年は身体をビクッとさせた。何かを知っているようだ。
「パト……だと……あいつに何のようだ?」
「彼ヲ守護シニ来マシタ」
「守護……だと?」
ヤマブキの回答に少年は興味を持つ。
そしてヤマブキも自分から出た言葉に驚いていた。
自分がなぜここにいるのかも分からない。その少年も知らない。そのはずなのになぜそんなことを言ったのか?
そして記憶の中にはしっかりと、そのパトという少年の顔が浮かぶ。知らないはずなのに知っている。何だか気持ち悪い感覚だった。
「ほぅ、少し話を聞かせてもらいたいな」
少年はそう言った。
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