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第17話 【BLACK EDGE 其の17 消えた子供達】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第17話
【BLACK EDGE 其の17 消えた子供達】
フェアはトラウマの部屋から出て、震える身体を押さえながら先に進む。
フェアがしばらく進むと、ついに子供達がいる部屋に近づいていた。
そこは施設の渡り廊下を通過した先にある場所。その先に鉄の扉があり、そこに子供達の暮らすエリアがある。
渡り廊下は二階にあり、一階からはその施設には入れない。すでに二階に上がっていたフェアはその渡り廊下についた。
窓で見渡しの良い場所だ。この先にあるエリアが子供達のいるエリアであり、子供達はそのエリアから出ることは基本的に許されていない。
出ることができるのは緊急時や検査の時だけだ。
渡り廊下の先を見ると、鉄扉の前に二つの椅子が置かれている。普段ならあそこに警備員がいて、見張りをしている。
しかし、今回は見張りがいない。
これがブラッドの影響なのか、それとも別なのかわからない。しかし、今がチャンスだと判断したフェアは急いで扉へと向かった。
扉はパスワードで開く扉だ。そのパスワードはフェアには教えられている。それは組織の仕事を手伝っていたため、いろんなエリアの移動を許可されていたからだ。
扉を開ける。騒ぎを聞きつけていれば、扉の前にいると思っていた。しかし、扉が開いてもその先には誰もいなかった。
そこは広い空間。入り口は広場になっており、テーブルやソファーの置かれた休憩スペースなのだが、誰もいない。
もしかしたら奥にいるのかもしれないと、奥の小部屋や食堂にも向かってみるが、誰一人見つからない。
「どうして……」
フェアは子供達を助けるためにここに戻ってきた。しかし、誰もいないのだ。
先に逃げたのかもしれない。
そう考えたフェアはそのエリアから出て、施設の中を走り回る。ブラッドが騒ぎを起こしていることで、こんなに走り回っても警備員には簡単には見つからなかった。
そんな中、さっき入った部屋を思い出す。フェアが白龍の力を得た部屋。そして多くの者が死んだ部屋。しかし、あそこで実験が行われた痕跡はなかった。なのにフェアは想像してしまう。
フェアが絶望感に押し潰されそうになっている時、
「何者だ」
一人の警備員に見つかった。ブラッドの方へ向かおうとしていた警備員だろう。しかし、その途中でフェアを見つけたのだ。
フェアはブラッドからもらった剣を抜いた。
「っ!」
それを見た警備員も銃を手にする。
「侵入者か……」
警備員が近づいてくる。このままでは……。その時、
「待ちなさい……」
警備員の後ろから女の人の声がした。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第17話
【BLACK EDGE 其の17 消えた子供達】
フェアはトラウマの部屋から出て、震える身体を押さえながら先に進む。
フェアがしばらく進むと、ついに子供達がいる部屋に近づいていた。
そこは施設の渡り廊下を通過した先にある場所。その先に鉄の扉があり、そこに子供達の暮らすエリアがある。
渡り廊下は二階にあり、一階からはその施設には入れない。すでに二階に上がっていたフェアはその渡り廊下についた。
窓で見渡しの良い場所だ。この先にあるエリアが子供達のいるエリアであり、子供達はそのエリアから出ることは基本的に許されていない。
出ることができるのは緊急時や検査の時だけだ。
渡り廊下の先を見ると、鉄扉の前に二つの椅子が置かれている。普段ならあそこに警備員がいて、見張りをしている。
しかし、今回は見張りがいない。
これがブラッドの影響なのか、それとも別なのかわからない。しかし、今がチャンスだと判断したフェアは急いで扉へと向かった。
扉はパスワードで開く扉だ。そのパスワードはフェアには教えられている。それは組織の仕事を手伝っていたため、いろんなエリアの移動を許可されていたからだ。
扉を開ける。騒ぎを聞きつけていれば、扉の前にいると思っていた。しかし、扉が開いてもその先には誰もいなかった。
そこは広い空間。入り口は広場になっており、テーブルやソファーの置かれた休憩スペースなのだが、誰もいない。
もしかしたら奥にいるのかもしれないと、奥の小部屋や食堂にも向かってみるが、誰一人見つからない。
「どうして……」
フェアは子供達を助けるためにここに戻ってきた。しかし、誰もいないのだ。
先に逃げたのかもしれない。
そう考えたフェアはそのエリアから出て、施設の中を走り回る。ブラッドが騒ぎを起こしていることで、こんなに走り回っても警備員には簡単には見つからなかった。
そんな中、さっき入った部屋を思い出す。フェアが白龍の力を得た部屋。そして多くの者が死んだ部屋。しかし、あそこで実験が行われた痕跡はなかった。なのにフェアは想像してしまう。
フェアが絶望感に押し潰されそうになっている時、
「何者だ」
一人の警備員に見つかった。ブラッドの方へ向かおうとしていた警備員だろう。しかし、その途中でフェアを見つけたのだ。
フェアはブラッドからもらった剣を抜いた。
「っ!」
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「侵入者か……」
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「待ちなさい……」
警備員の後ろから女の人の声がした。
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