28 / 354
第27話 【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第27話
【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
唐突な提案であった。マルクは仮面の集団について聞き出そうとしていると思っていたので予想外のことだった。
「弟子……? …………ですか?」
マルクが聞き直すと、メテオラは目を逸らして、
「そ、そうだ。弟子だ。弟子!」
なぜかメテオラは顔を赤くして恥ずかしがっている。何が恥ずかしいのかはわからないが、動揺しているようだ。
マルクは何がしたいのかわからず首を傾げる。そんなマルクにメテオラは、
「君は本当にあれが仮面の集団による襲撃だと思っているのか?」
そう聞いてきた。さっきまでの動揺している感じとは違い、凛々しい真面目な雰囲気だ。
「違うんですか?」
「ああ、違う。己の胸に手を当てて思い出してみろ」
マルクは言われるがまま、あの時のことを思い出す。
村が騒ぎになっていて、村に行くと村は崩壊していて、そこで仮面の集団が現れる。
どうにか逃げて家に帰ったら、家も…………。
いや、
俺は騒ぎになる前の村にいた。そしてみんな俺から逃げていくんだ。
俺は小さな家を潰して、逃げゆく村人を…………。
何かがマルクの奥から湧き上がってくる。思い出そうとした途端、底から這い上がってこようとする。
突然、マルクは倒れて両手を地面につける。
それを見ていたメテオラは立ち上がる。
「俺は…………俺は!!」
塔の外では騎士達がクロエの指揮のもと剣の稽古をしていた。
剣を振り、素振りをするものや、組み手をするものといろんなもの達がいる。
そんな中、突然塔の中間くらいにある部屋の窓が割れ、ガラスと共に少年が降ってきた。
高さ的には三回くらいの高さだろう。そんな高さから少年が降ってきて下にいたもの達はびっくりする。
だが、それだけの高さから落ちたというのに、少年はほぼ無傷だった。
そして少年はうつ伏せになると、地面を見つめたまま、
「おれは……俺は……!!」
周りの騎士達が訳が分からず見守る中、塔の中からメテオラが出てきた。
メテオラは手を叩いて埃を払う。
「逃げるな! 現実を受け止めろ! それがお前だ、お前が全てやったんだ」
そしてメテオラはうつ伏せになっている少年を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた少年は地面を転がり、少し先で止まった。
「立て、少年!! お前が何者か、自分で示して見せろ!! 人間か、それとも黒龍か!!」
メテオラはそう言うと腰にかけた剣を抜き、少年に向けた。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第27話
【BLACK EDGE 其の27 弟子にならないか?】
唐突な提案であった。マルクは仮面の集団について聞き出そうとしていると思っていたので予想外のことだった。
「弟子……? …………ですか?」
マルクが聞き直すと、メテオラは目を逸らして、
「そ、そうだ。弟子だ。弟子!」
なぜかメテオラは顔を赤くして恥ずかしがっている。何が恥ずかしいのかはわからないが、動揺しているようだ。
マルクは何がしたいのかわからず首を傾げる。そんなマルクにメテオラは、
「君は本当にあれが仮面の集団による襲撃だと思っているのか?」
そう聞いてきた。さっきまでの動揺している感じとは違い、凛々しい真面目な雰囲気だ。
「違うんですか?」
「ああ、違う。己の胸に手を当てて思い出してみろ」
マルクは言われるがまま、あの時のことを思い出す。
村が騒ぎになっていて、村に行くと村は崩壊していて、そこで仮面の集団が現れる。
どうにか逃げて家に帰ったら、家も…………。
いや、
俺は騒ぎになる前の村にいた。そしてみんな俺から逃げていくんだ。
俺は小さな家を潰して、逃げゆく村人を…………。
何かがマルクの奥から湧き上がってくる。思い出そうとした途端、底から這い上がってこようとする。
突然、マルクは倒れて両手を地面につける。
それを見ていたメテオラは立ち上がる。
「俺は…………俺は!!」
塔の外では騎士達がクロエの指揮のもと剣の稽古をしていた。
剣を振り、素振りをするものや、組み手をするものといろんなもの達がいる。
そんな中、突然塔の中間くらいにある部屋の窓が割れ、ガラスと共に少年が降ってきた。
高さ的には三回くらいの高さだろう。そんな高さから少年が降ってきて下にいたもの達はびっくりする。
だが、それだけの高さから落ちたというのに、少年はほぼ無傷だった。
そして少年はうつ伏せになると、地面を見つめたまま、
「おれは……俺は……!!」
周りの騎士達が訳が分からず見守る中、塔の中からメテオラが出てきた。
メテオラは手を叩いて埃を払う。
「逃げるな! 現実を受け止めろ! それがお前だ、お前が全てやったんだ」
そしてメテオラはうつ伏せになっている少年を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた少年は地面を転がり、少し先で止まった。
「立て、少年!! お前が何者か、自分で示して見せろ!! 人間か、それとも黒龍か!!」
メテオラはそう言うと腰にかけた剣を抜き、少年に向けた。
0
あなたにおすすめの小説
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~
スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」
悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!?
「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」
やかましぃやぁ。
※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる