BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第28話  【BLACK EDGE 其の28 黒龍】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第28話
 【BLACK EDGE 其の28 黒龍】




「立て! お前は何者だ!! 人か、それとも龍か!!」



 メテオラはそう言うとマルクに向かって剣を向けた。
 周りの騎士達は何もできずに立ち尽くしている。



 そんな中、マルクは立ち上がる。



「俺は人間だ」



 マルクは地面に唾を吐くと、口についた血を腕で拭う。



「じゃあ、その記憶はなんだ!!」



 メテオラは詰問を続ける。マルクは少し困った後、



「あれも……俺だ」



 と、答えた。それを聞いたメテオラは剣をしまった。



「理解しているのならよろしい」



 メテオラはそう言うと頷いた。そしてマルクの方へ歩き出す。



「お前は人間だ。そして化け物だ。あの事件はグリモワールがお前を利用して起こったもの。だが、奴らもこうなるとは想定していなかっただろう」



 メテオラはマルクの目の前に立つと、向かい合った。マルクの身長はメテオラは半分くらいまでだ。
 メテオラは見下ろし、マルクは見上げる体制になる。



 メテオラはマルクの肩を掴む。両手でがっしりと、マルクは何をするのかわからず、ただ見上げることしかできなかった。



「っ!!」



 肩を掴んだメテオラが突然マルクの腹を肘で蹴った。その衝撃でマルクは口から液体を吐く。
 それでもメテオラはマルクを掴んだままだ。



「奴らが想定外だったのはお前を回収する前に、私達が現れたことだ。そして私はお前を育てることができる」



 メテオラはそう言うと、近くにいた騎士にマルクを投げ渡した。



「明日からビシビシ鍛えてやる。覚悟しておけ」



 マルクはもう自分で立つこともできない。それほどのダメージを受けた。
 それなのにメテオラは気にすることなく、塔へと戻っていく。



 そんなメテオラにクロエが駆け寄った。



「やりすぎじゃない?」



「今のは私の部屋の窓を割った分だ。部屋の家具もボロボロだ。今日はお前の部屋に泊めてくれ」




「はいはい、それで、あの子とあなた、どっちの方が龍の力が強いの?」




 それを言われたメテオラは足を止めた。



「今は私だ。だが鍛えれば、私など足元にも及ばなくなる。……奴らの天敵になれるだろう。私はそう確信した」



 そしてメテオラは唐の中へと戻っていった。クロエはメテオラを見送った後、マルクを投げられた騎士に命令する。



「その子を救護班に渡して、まぁ、今日の怪我なんて大したことないって思えるほど、明日は辛いものになるでしょうけど」



 命令を受けた騎士はマルクを背中に乗せると、運んで行った。







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