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第30話 【BLACK EDGE 其の30 腹ペコ盗賊】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第30話
【BLACK EDGE 其の30 腹ペコ盗賊】
「……何者だ! 隠れてないで出て来い!!」
ブラッドはフェアを近くに呼ぶと、気配のする方にそう叫んだ。
フェアは怯えてブラッドの服の裾を掴んでいる。
ブラッドの呼びかけに答えてか。草むらから布に顔を包んだ者達が次々と出てくる。
その数は十人程度。男の中には女も混ざっている。
顔を隠していて、それぞれが武器を持っていた。見た目からして盗賊だろう。
盗賊は武器を手に持つと、それを地面に置く。そして、
「ご飯を恵んでください!!」
そう言って額を地面につけて、土下座した。
ブラッド達は訳が分からず、その場で固まってしまう。
そんな中、先頭に立って土下座をした盗賊が顔を隠している布を外した。
それは紫髪の短髪の女性。
「た、頼む!! もう三日も飯を食ってないんだ!!」
そう言って頭を地面に擦る。それを見ていたブラッドとフェアはなんだか可哀想に思えてきて、残っていたご飯を分け与えることにした。
2人分の食料だったため、十人いると一人分で考えると少ない。しかし、そんな量であっても盗賊達は嬉しそうに食べた。
ご飯を食べた盗賊達は、満足気にしている。そんな盗賊を見たブラッドが疑問を持ち聞く。
「お前ら盗賊だろ。なんで襲わなかったんだ?」
盗賊なら武器を持っているし、襲撃することだってできた。まぁ、ブラッドなら余裕で勝てるのなら他の人間なら食料程度盗めたはずだ。
それにさっきの紫髪の少女が答えた。
この少女はこの盗賊のリーダーらしく、仲間達にはお頭と呼ばれている。
「腹が減っては戦はできぬ、だろ」
紫髪の盗賊はそう自慢気に言った。そして、
「腹が満たされた今なら、お前達を襲ってやっても良いぞ」
紫髪の女はそう言って近くにあった短刀を手に取った。しかし、少し警戒したブラッドに笑って返す。
「ないない。お前達は命の恩人だ。襲ったりはしないよ」
そう言った後、
「私の名前はロザリー。お前らは?」
「俺はブラッド。こいつはフェアだ」
ブラッドは自己紹介ついでにフェアの頭を撫でる。フェアは嬉しそうに撫でられる。
ロザリーは立ち上がると、仲間を集める。腹は満たされたのでどこかに行くようだ。拠点に戻るのか、それともどこかに行くのか。
ロザリーは背を向けた後、ブラッドに伝えた。
「この辺りは私の縄張りだ。何かあれば私を頼ってくれても構わない」
こうしてロザリー達は離れていった。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第30話
【BLACK EDGE 其の30 腹ペコ盗賊】
「……何者だ! 隠れてないで出て来い!!」
ブラッドはフェアを近くに呼ぶと、気配のする方にそう叫んだ。
フェアは怯えてブラッドの服の裾を掴んでいる。
ブラッドの呼びかけに答えてか。草むらから布に顔を包んだ者達が次々と出てくる。
その数は十人程度。男の中には女も混ざっている。
顔を隠していて、それぞれが武器を持っていた。見た目からして盗賊だろう。
盗賊は武器を手に持つと、それを地面に置く。そして、
「ご飯を恵んでください!!」
そう言って額を地面につけて、土下座した。
ブラッド達は訳が分からず、その場で固まってしまう。
そんな中、先頭に立って土下座をした盗賊が顔を隠している布を外した。
それは紫髪の短髪の女性。
「た、頼む!! もう三日も飯を食ってないんだ!!」
そう言って頭を地面に擦る。それを見ていたブラッドとフェアはなんだか可哀想に思えてきて、残っていたご飯を分け与えることにした。
2人分の食料だったため、十人いると一人分で考えると少ない。しかし、そんな量であっても盗賊達は嬉しそうに食べた。
ご飯を食べた盗賊達は、満足気にしている。そんな盗賊を見たブラッドが疑問を持ち聞く。
「お前ら盗賊だろ。なんで襲わなかったんだ?」
盗賊なら武器を持っているし、襲撃することだってできた。まぁ、ブラッドなら余裕で勝てるのなら他の人間なら食料程度盗めたはずだ。
それにさっきの紫髪の少女が答えた。
この少女はこの盗賊のリーダーらしく、仲間達にはお頭と呼ばれている。
「腹が減っては戦はできぬ、だろ」
紫髪の盗賊はそう自慢気に言った。そして、
「腹が満たされた今なら、お前達を襲ってやっても良いぞ」
紫髪の女はそう言って近くにあった短刀を手に取った。しかし、少し警戒したブラッドに笑って返す。
「ないない。お前達は命の恩人だ。襲ったりはしないよ」
そう言った後、
「私の名前はロザリー。お前らは?」
「俺はブラッド。こいつはフェアだ」
ブラッドは自己紹介ついでにフェアの頭を撫でる。フェアは嬉しそうに撫でられる。
ロザリーは立ち上がると、仲間を集める。腹は満たされたのでどこかに行くようだ。拠点に戻るのか、それともどこかに行くのか。
ロザリーは背を向けた後、ブラッドに伝えた。
「この辺りは私の縄張りだ。何かあれば私を頼ってくれても構わない」
こうしてロザリー達は離れていった。
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