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第31話 【BLACK EDGE 其の31 村に到着】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第31話
【BLACK EDGE 其の31 村に到着】
森を抜けたブラッドとフェアはついに目的地であるフリジア村に着いた。
この村は小さな村であるが、活気あふれている。人々は一生懸命働いており、村人達は支え合って過ごしている。
村に着いたブラッドは近くを歩いている村人に話を聞くことにした。
「あ、すみません。この村に魔女がいるって噂を聞いてきたんですけど」
ブラッドがそう聞くと、村人はあー、あいつか~。と言い、村にある大きな屋敷を指差した。
「アリエルならあそこにいるよ。だが、どんな噂を聞いてきたんだか知らないが、あいつには関わらない方がいい」
村人はブラッドに忠告する。
「なんでだ?」
「あの子がなぜ魔女と呼ばれているか、知っているか?」
二人は首を振る。それもそのはずだ。ブラッドとフェアはメテオラに魔女の噂を伝えられてやってきたのだ。
メテオラも噂程度で聞いただけであり、詳しいことは知らなかった。だが、今はそんな噂でも頼るしかない。
それに噂では不思議な力を使うと言われている。魔法の存在しないこの世界で、そんな力を持つからこそ魔女と呼ばれていると思っていた。
村人は説明してくれる。
「彼女は目的のためならなんでもする魔女なんだよ。彼女と関わって行方不明になった者はもう十二人もいる」
何があったのかは分からないが、魔女のアリエルはこの村では好かれていない様子だ。
「行くなら止めないが、彼女には期待しない方がいいよ」
そう言って村人は近くのお店に入っていった。買い物中だったらしくそれを呼び止めていた。
だが、魔女に関わり、行方不明が十二人。
なんだか恐ろしくもあるが、面白そうでもある。
それにそれが魔女の仕業なら本当になんらかの力があるのかもしれない。
ブラッドはフェアに聞く。
「お前は来るか?」
「当たり前よ。これは私の問題なんだから」
この話を聞いてフェアが怯えていないか心配だったが、問題なさそうだ。
本心では怯えているのかもしれないが、子供達の方が優先なのだろう。
ブラッド達は魔女の家に向かった。家に着くと扉を叩く。
すると中から声が聞こえた。
「鍵空いてるんで、ご自由にどうぞ~」
言われた通り、扉を開いてみると鍵は空いており中に入れた。
中は広いが掃除をしていないのか蜘蛛の巣が張っている。埃だらけで物も乱雑に置かれていた。
ブラッド達が声の主を探そうと、あたりを見渡すが誰もいない。
上から物音が聞こえた。それも大量に何かが落ちる音だ。
何かあったのかと、ブラッド達は急いで上の階へと上がる。2階は階段で登れたが3階は屋根裏らしく梯子で登った。
登った先では、本に埋もれた人間がいた。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第31話
【BLACK EDGE 其の31 村に到着】
森を抜けたブラッドとフェアはついに目的地であるフリジア村に着いた。
この村は小さな村であるが、活気あふれている。人々は一生懸命働いており、村人達は支え合って過ごしている。
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「あ、すみません。この村に魔女がいるって噂を聞いてきたんですけど」
ブラッドがそう聞くと、村人はあー、あいつか~。と言い、村にある大きな屋敷を指差した。
「アリエルならあそこにいるよ。だが、どんな噂を聞いてきたんだか知らないが、あいつには関わらない方がいい」
村人はブラッドに忠告する。
「なんでだ?」
「あの子がなぜ魔女と呼ばれているか、知っているか?」
二人は首を振る。それもそのはずだ。ブラッドとフェアはメテオラに魔女の噂を伝えられてやってきたのだ。
メテオラも噂程度で聞いただけであり、詳しいことは知らなかった。だが、今はそんな噂でも頼るしかない。
それに噂では不思議な力を使うと言われている。魔法の存在しないこの世界で、そんな力を持つからこそ魔女と呼ばれていると思っていた。
村人は説明してくれる。
「彼女は目的のためならなんでもする魔女なんだよ。彼女と関わって行方不明になった者はもう十二人もいる」
何があったのかは分からないが、魔女のアリエルはこの村では好かれていない様子だ。
「行くなら止めないが、彼女には期待しない方がいいよ」
そう言って村人は近くのお店に入っていった。買い物中だったらしくそれを呼び止めていた。
だが、魔女に関わり、行方不明が十二人。
なんだか恐ろしくもあるが、面白そうでもある。
それにそれが魔女の仕業なら本当になんらかの力があるのかもしれない。
ブラッドはフェアに聞く。
「お前は来るか?」
「当たり前よ。これは私の問題なんだから」
この話を聞いてフェアが怯えていないか心配だったが、問題なさそうだ。
本心では怯えているのかもしれないが、子供達の方が優先なのだろう。
ブラッド達は魔女の家に向かった。家に着くと扉を叩く。
すると中から声が聞こえた。
「鍵空いてるんで、ご自由にどうぞ~」
言われた通り、扉を開いてみると鍵は空いており中に入れた。
中は広いが掃除をしていないのか蜘蛛の巣が張っている。埃だらけで物も乱雑に置かれていた。
ブラッド達が声の主を探そうと、あたりを見渡すが誰もいない。
上から物音が聞こえた。それも大量に何かが落ちる音だ。
何かあったのかと、ブラッド達は急いで上の階へと上がる。2階は階段で登れたが3階は屋根裏らしく梯子で登った。
登った先では、本に埋もれた人間がいた。
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