77 / 354
第76話 【BLACK EDGE 其の76 馬車を買いたい】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第76話
【BLACK EDGE 其の76 馬車を買いたい】
「これで足りるか?」
赤毛の少女が短パンの裾を上げると、そこから十個ほどの財布がポロポロと出てきた。
その財布は色も素材も違い、統一感のない財布だ。この全部の財布がこの少女の財布だとは考えにくい。
「この財布はなんだ?」
ブラッドが聞くと少女はニヤリと笑う。
「落ちてたのを拾った。…………それでこれで足りるのか?」
ブラッドは少女を睨む。
「足りる足りないの問題じゃない。……拾っただと? これだけの財布をか?」
ブラッドが怒ると少女はやれやれという顔をした。
「そんな怖い顔をするんじゃねぇよ。俺はそいつが欲しいだけ。あんたらには金は払う。それで良いだろ」
「その金は正当なものじゃねぇだろ」
この少女は拾ったと言っている。しかし、どう考えても盗んだものだ。
ブラッドは賞金稼ぎをやっていたことはある。荒っぽい仕事ではあるが、犯罪者を捕まえていた立場だ。
こんな汚い金を受け取るわけにはいかない。
少女はしゃがむと財布を拾う。
「はいはい、そうかいそうかい。受けたらねぇか……」
そして財布を拾うとズボンの中にしまった。
そしてその後、
「なら、こいつは貰ってくぜ」
気がつくとブラッドが手に持っていた船のチケットがない。
「っ!?」
そしてその二人分のチケットをその少女が持っていた。
「いつの間に……」
ブラッドは取り返そうと少女を捕まえようとするが、少女は素早くてなかなか捕まらない。
「ほらほら、こっちだよ~、こっちこっち~」
少女はブラッドから逃げながら煽り出す。
「おしりぺんぺん、捕まえられるなら捕まえてごらん!!」
そして少女は自分のお尻を叩くとそのままチケットを持って村の路地へと消えていく。
「あのやろ~!!」
チケットくらいなら買うことはできる。無理して取り返しに行く必要はない。だが、ここまで馬鹿にされて、我慢することはできない。
「フェア、お前はそこで待っててくれ」
馬車の中で休んでいたフェアに、その場で待っていることを任せると、ブラッドはさっきの赤毛の少女を追うために走り出した。
さっき少女が消えた路地に入ると、少女はブラッドのことを待っていた。
「ほらほら~、こっちだよ~っだ!!」
少女はベロを出してそう言った後、また走って逃げていく。
「待て!!」
ブラッドもその少女のことを追いかける。だが、全力で逃げている感じじゃない。なんだか誘導されている感じだ?
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第76話
【BLACK EDGE 其の76 馬車を買いたい】
「これで足りるか?」
赤毛の少女が短パンの裾を上げると、そこから十個ほどの財布がポロポロと出てきた。
その財布は色も素材も違い、統一感のない財布だ。この全部の財布がこの少女の財布だとは考えにくい。
「この財布はなんだ?」
ブラッドが聞くと少女はニヤリと笑う。
「落ちてたのを拾った。…………それでこれで足りるのか?」
ブラッドは少女を睨む。
「足りる足りないの問題じゃない。……拾っただと? これだけの財布をか?」
ブラッドが怒ると少女はやれやれという顔をした。
「そんな怖い顔をするんじゃねぇよ。俺はそいつが欲しいだけ。あんたらには金は払う。それで良いだろ」
「その金は正当なものじゃねぇだろ」
この少女は拾ったと言っている。しかし、どう考えても盗んだものだ。
ブラッドは賞金稼ぎをやっていたことはある。荒っぽい仕事ではあるが、犯罪者を捕まえていた立場だ。
こんな汚い金を受け取るわけにはいかない。
少女はしゃがむと財布を拾う。
「はいはい、そうかいそうかい。受けたらねぇか……」
そして財布を拾うとズボンの中にしまった。
そしてその後、
「なら、こいつは貰ってくぜ」
気がつくとブラッドが手に持っていた船のチケットがない。
「っ!?」
そしてその二人分のチケットをその少女が持っていた。
「いつの間に……」
ブラッドは取り返そうと少女を捕まえようとするが、少女は素早くてなかなか捕まらない。
「ほらほら、こっちだよ~、こっちこっち~」
少女はブラッドから逃げながら煽り出す。
「おしりぺんぺん、捕まえられるなら捕まえてごらん!!」
そして少女は自分のお尻を叩くとそのままチケットを持って村の路地へと消えていく。
「あのやろ~!!」
チケットくらいなら買うことはできる。無理して取り返しに行く必要はない。だが、ここまで馬鹿にされて、我慢することはできない。
「フェア、お前はそこで待っててくれ」
馬車の中で休んでいたフェアに、その場で待っていることを任せると、ブラッドはさっきの赤毛の少女を追うために走り出した。
さっき少女が消えた路地に入ると、少女はブラッドのことを待っていた。
「ほらほら~、こっちだよ~っだ!!」
少女はベロを出してそう言った後、また走って逃げていく。
「待て!!」
ブラッドもその少女のことを追いかける。だが、全力で逃げている感じじゃない。なんだか誘導されている感じだ?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる