172 / 354
第170話 【BLACK EDGE 其の170 行手を阻む】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第170話
【BLACK EDGE 其の170 行手を阻む】
トラックで地下施設からの脱出をしようと車を走らせていると、施設がまたしても大きく揺れた。
トラックはどうにか倒れずに持ち堪えたが、前に人が現れてトラックが停まった。前にいたのはプロテクターを全身に身に纏った男。
「…………父さん」
アルファはそのままトラックを停めてしまう。隣でシャドーが構うな進め! と言うがアルファはアクセルを踏めなかった。
そんな中、ブラッドがトラックから降りる。
「…………追ってきてると思ったら、待ち伏せしてやがったんだな」
「当然だ。君たちが子供達を連れて逃げようとするのは予想がついていたからね。……まぁ、そこにそいつがいるとは思ってなかったがな……」
赤崎はそう言ってトラックに乗っているアルファを見る。
「娘よ。なぜ、私に逆らう!! お前は私と同じ思考を持っているはずだ。グリモワールなどに縛られていても何も得られないことは分かってるだろ」
アルファはハンドルを握る手は震えていた。
「……分かってる。僕は…………あなただから…………でも……………」
アルファは赤崎の方を見る。
「僕は僕だ!! 僕の意志でここにいるんだ!!」
アルファはアクセルを踏むと赤崎に突進する。
しかし、赤崎は焦ることなく、冷静に剣先のない剣を取り出す。そしてボタンを押すとその剣は青い炎を放つ。
「そうか、トラックに乗っているのはお前らと子供達、そして白龍の適応者だな……」
赤崎は剣を振り上げる。
「黒龍が一人残っていれば、それで十分。トラックごとゴミ処理だ」
赤崎の剣が振り下ろされる。剣は凄まじい勢いで燃えて、トラックを切断可能な大きさになる。
炎がトラックに当たりそうになった時、トラックが地面に埋まった。そしてギリギリのところで地面の中に消えた。
「これは!?」
そして剣が振り下ろされた瞬間に、赤崎の背後にトラックが出現した。
現れたトラックは急ブレーキをして止まる。そしてトラックの中からシャドーが顔を出した。
「乗れ、ブラッド!! 今はこいつに構う必要はねぇ。さっさとガキどもを安全なところに連れて行くぞ!!」
ブラッドは急いでトラックへと向かう。
しかし、赤崎が剣で攻撃を仕掛けてきて、それを躱す。邪魔をされてトラックの場所に辿り着けない。
「…………君は行かせないよ」
赤崎が次々と攻撃を仕掛けてくる。攻撃を当てようではなく、行く手を阻む攻撃であるため、避けるのは容易いがトラックまでの道を塞がれる。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第170話
【BLACK EDGE 其の170 行手を阻む】
トラックで地下施設からの脱出をしようと車を走らせていると、施設がまたしても大きく揺れた。
トラックはどうにか倒れずに持ち堪えたが、前に人が現れてトラックが停まった。前にいたのはプロテクターを全身に身に纏った男。
「…………父さん」
アルファはそのままトラックを停めてしまう。隣でシャドーが構うな進め! と言うがアルファはアクセルを踏めなかった。
そんな中、ブラッドがトラックから降りる。
「…………追ってきてると思ったら、待ち伏せしてやがったんだな」
「当然だ。君たちが子供達を連れて逃げようとするのは予想がついていたからね。……まぁ、そこにそいつがいるとは思ってなかったがな……」
赤崎はそう言ってトラックに乗っているアルファを見る。
「娘よ。なぜ、私に逆らう!! お前は私と同じ思考を持っているはずだ。グリモワールなどに縛られていても何も得られないことは分かってるだろ」
アルファはハンドルを握る手は震えていた。
「……分かってる。僕は…………あなただから…………でも……………」
アルファは赤崎の方を見る。
「僕は僕だ!! 僕の意志でここにいるんだ!!」
アルファはアクセルを踏むと赤崎に突進する。
しかし、赤崎は焦ることなく、冷静に剣先のない剣を取り出す。そしてボタンを押すとその剣は青い炎を放つ。
「そうか、トラックに乗っているのはお前らと子供達、そして白龍の適応者だな……」
赤崎は剣を振り上げる。
「黒龍が一人残っていれば、それで十分。トラックごとゴミ処理だ」
赤崎の剣が振り下ろされる。剣は凄まじい勢いで燃えて、トラックを切断可能な大きさになる。
炎がトラックに当たりそうになった時、トラックが地面に埋まった。そしてギリギリのところで地面の中に消えた。
「これは!?」
そして剣が振り下ろされた瞬間に、赤崎の背後にトラックが出現した。
現れたトラックは急ブレーキをして止まる。そしてトラックの中からシャドーが顔を出した。
「乗れ、ブラッド!! 今はこいつに構う必要はねぇ。さっさとガキどもを安全なところに連れて行くぞ!!」
ブラッドは急いでトラックへと向かう。
しかし、赤崎が剣で攻撃を仕掛けてきて、それを躱す。邪魔をされてトラックの場所に辿り着けない。
「…………君は行かせないよ」
赤崎が次々と攻撃を仕掛けてくる。攻撃を当てようではなく、行く手を阻む攻撃であるため、避けるのは容易いがトラックまでの道を塞がれる。
0
あなたにおすすめの小説
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
完 弱虫のたたかい方 (番外編更新済み!!)
水鳥楓椛
恋愛
「お姉様、コレちょーだい」
無邪気な笑顔でオネガイする天使の皮を被った義妹のラテに、大好きなお人形も、ぬいぐるみも、おもちゃも、ドレスも、アクセサリーも、何もかもを譲って来た。
ラテの後ろでモカのことを蛇のような視線で睨みつける継母カプチーノの手前、譲らないなんていう選択肢なんて存在しなかった。
だからこそ、モカは今日も微笑んだ言う。
「———えぇ、いいわよ」
たとえ彼女が持っているものが愛しの婚約者であったとしても———、
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
『悪役令嬢』は始めません!
月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。
突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。
と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。
アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。
ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。
そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。
アデリシアはレンの提案に飛び付いた。
そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。
そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが――
※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる