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第317話 【BLACK EDGE 其の317 捕まえた】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第317話
【BLACK EDGE 其の317 捕まえた】
レトバの槍を二本の剣で挟んだギアム。ギアムはそのまま槍を挟んで引っ張る。
ギアムの力はレトバよりも強く。レトバはギアムに引っ張られてふらりと前によろける。
そんなレトバのことをギアムは蹴る。だが、その蹴りは攻撃するというよりもレトバを支えるようなものだった。
右足を前に突き出し、レトバの腹に当てた。それにより前にふらついたレトバは倒れることはなかった。
そしてギアムは剣で挟んだ槍を引っ張り、レトバから奪い取った。
だが、レトバの槍は作ったものだ。レトバの不思議な力で使ったもののため、また作られてしまう可能性がある。
武器を奪い取ったところで効果があるかは分からない。
だから、ギアムはレトバから槍を奪い取ったあと、すぐに攻撃に転じた。
レトバの槍を投げ捨てると、接近戦のために前へと踏み込んだ。
それはレトバの槍を作る瞬間を見ていたからこそできた。
槍を作り出せることがわかっていても、その形成速度がわからなければ、そんな方法は取れなかった。だが、見ていたからこそ、槍を作るのに一瞬の隙ができると判断したのだ。
レトバを支えていた足で少しレトバを押し、レトバの体制を元に戻す。
レトバを蹴りで攻撃しても良かった。だが、ギアムは蹴りではレトバにダメージは与えられない気がしていた。
だからこそ、この剣を使うことにした。
ギアムはレトバの懐に入る。そしてギアムの剣は炎を纏った。
この剣でなければ、レトバには効果がない。そう考えたのはサムソンとの戦闘時があったからだ。
ギアムは前からサムソンの噂を聞いていた。その強靭な肉体は通常の刃を弾いてしまう。そして実際に会ってそれが本当だと分かった。
それはこの剣と出会った時と同じ感覚だったからだ。そしてサムソンの肉体にダメージを与えられたのはこの剣だけだ。
ならば、同じように特別な力を持ったレトバにもこの剣でなければ、ダメージが与えられないと考えた。
レトバの懐に入り込んだギアムは、二本の短剣を揃えると、それを振りレトバを攻撃した。
「……っ!?」
しかし、ギアムの攻撃は手応えがなかった。
ギアムに切られたレトバの姿は半透明になると、霧のように溶けてその場から消えていった。
「な、何が起きて……」
ギアムは何が起きたのかわからずに周りを見渡す。すると、周りの様子の違和感にも気づいた。
「これは……」
ギアムの周囲を包む白い霧。ギアムは霧に囲まれていた。
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そしてギアムは剣で挟んだ槍を引っ張り、レトバから奪い取った。
だが、レトバの槍は作ったものだ。レトバの不思議な力で使ったもののため、また作られてしまう可能性がある。
武器を奪い取ったところで効果があるかは分からない。
だから、ギアムはレトバから槍を奪い取ったあと、すぐに攻撃に転じた。
レトバの槍を投げ捨てると、接近戦のために前へと踏み込んだ。
それはレトバの槍を作る瞬間を見ていたからこそできた。
槍を作り出せることがわかっていても、その形成速度がわからなければ、そんな方法は取れなかった。だが、見ていたからこそ、槍を作るのに一瞬の隙ができると判断したのだ。
レトバを支えていた足で少しレトバを押し、レトバの体制を元に戻す。
レトバを蹴りで攻撃しても良かった。だが、ギアムは蹴りではレトバにダメージは与えられない気がしていた。
だからこそ、この剣を使うことにした。
ギアムはレトバの懐に入る。そしてギアムの剣は炎を纏った。
この剣でなければ、レトバには効果がない。そう考えたのはサムソンとの戦闘時があったからだ。
ギアムは前からサムソンの噂を聞いていた。その強靭な肉体は通常の刃を弾いてしまう。そして実際に会ってそれが本当だと分かった。
それはこの剣と出会った時と同じ感覚だったからだ。そしてサムソンの肉体にダメージを与えられたのはこの剣だけだ。
ならば、同じように特別な力を持ったレトバにもこの剣でなければ、ダメージが与えられないと考えた。
レトバの懐に入り込んだギアムは、二本の短剣を揃えると、それを振りレトバを攻撃した。
「……っ!?」
しかし、ギアムの攻撃は手応えがなかった。
ギアムに切られたレトバの姿は半透明になると、霧のように溶けてその場から消えていった。
「な、何が起きて……」
ギアムは何が起きたのかわからずに周りを見渡す。すると、周りの様子の違和感にも気づいた。
「これは……」
ギアムの周囲を包む白い霧。ギアムは霧に囲まれていた。
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