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ロリ料亭開宴(🔪 ᐛ )🔪

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少女は僕の前を歩いて椅子を引く。
座れって事だと感じて僕は椅子に座った。目の前に投げ捨てられた心臓が此方を見て来て僕の目線は瑞々しく滑りのある肉の塊に今にも吸い込まれそうだ。

不意に体の周りの空間が僕を中心にぐらついて、平衡感覚が分からなくなったように感じる。頭がとても重く、振り子のように左右へ揺れる。意識はハッキリしているのに僕は一体どうなってしまうのだろうか、誰か助けて欲しい。願った瞬間、僕の肩をポンっと少女が叩く。

「大丈夫?目眩?」

少女は僕の顔を覗き込む。肉塊より吸い込まれてしまいそうだ。真っ黒な瞳の奥には僕の顔があるのだろうけれど、長い睫毛と高い鼻と潤んだ唇。ヒロイン補正が入っているにしろ僕は恐ろしいくらいに冷静で、さっきまで起こっていたバグも無くなって少女にキスをした。

だって吸い込まれた先に何があるか走っていったら偶ヶに必然的に当たり前のように僕の唇の前に少女の唇があったんだ、是非も無いだろう。

「んっ」と少女がにんまりと笑って僕から一歩離れた。

「お兄ちゃんは家族が死体になって転がったり、殺されそうになったりして普通なら気が動転したり警察に直ぐ電話する場面でこーんなに可愛らしくて小さくて、あどけなさ溢れる女児にキスしてしまうんだね。」
「そんな所も大好きだよ、メモって置くねココに!」

自分の頭を人差し指でつついて可愛らしく笑った。
天使だと思った。

こんなに人が、家族が僕の知り合いとかでも赤の他人でも無い僕の血の繋がった僕を創った両親や祖父母、僕の兄弟が惨めに殺されたこの状況下で僕は僕だけの天使に出逢った。
少女は食器棚から母のコレクションであった北欧食器を取り出してはそれを母の死体に投げつけて割ってを繰り返す。棚の中身が無くなった後、

「私北欧系嫌いなんだよね」

と普通の皿を食洗機から取り出して僕の前に置いた。そして心臓を持ち上げて匂いを嗅ぐと「もうダメかな」と言い僕の隣で握り潰した。汚らしく血液がびちゃびちゃと床に打ち付けられる。赤黒い血溜まりが僕の足元を侵食する。

「食べさせようと思っていたの?」

僕が少女に向いて聞くと「美味しいよ?割と」キョトンとして少女は話す。もう全部が可愛い。僕も生まれ変わったなら少女になりたい。世の僕以外のロリコン野郎共が消滅した世界なら尚良しだ。

「じゃあ私のでいいかな、私のじゃ不満?」

少女が何らかの提案を僕にする。
僕は勿論「君が欲しい」と言った。頭の中は少女の下のことでいっぱいだった。

『ごはんにする?いいえ処女を頂きます』

こんな感じだ。銭警部が怪盗に言った貴方の心をなんて物より価値がある。
ユニコーンでは無いが椅子にさえ座っていなければ泣いて喜び、少女の足元で床に散らばった知らないおっさんの汚れた血液に顔面を擦り付けて土下座しているだろう。
それくらいしてあげないと気が済まないよ。

だが、今渡されるのは大切な膜では無くて血液だった。少女が僕の前に置いてある皿の上に自分の腕を置いて強盗が持っていたであろうナイフで手首を縦に切る。
血がぽたぽたと皿に乗って血溜まりが出来た。コーンスープにも見えなくはない。

「みどりお兄ちゃん夜ご飯食べてないでしょ、スープを先に飲んでね。」
「ご飯は何がいい?この死体だらけの部屋でセックスするのも趣があるけど、親の前では興が醒めるかもね」

と僕に血液を勧める。
僕は聖水プレイをする趣味は無いし、バレンタインデーで貰ったチョコに下り物が混入していた時も食べなかった僕だが血液か…尿、でも無く血液。
血液ならOKですとはならないだろう、寧ろ飲尿するより危険性を感じる。人間の血液って他人のを体内に入れたら危ないって理科の先生が言ってた気もする。でも飲むしか無いよね。だってロリだよ?こんな機会ないよ?聖水では無いにしろ僕はこのロリっ子と血が繋がってしまうんだよ?繋がらないのかもしれないけど神聖な幼女と生涯、本当の意味で共になる。滅多に無いだろう。だからそう、僕は満を持して皿に口を付けた。
舌先から口の中全体に血の味が広がる。美味しい、ことはなくて普通に血。飲んでいい物か分からない気持ちに揺れるが「これは体内に入れるべき物」と思って飲み込む。全て飲み終えた後に僕は自分が正気では無いのかも知れないと思った。
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