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記憶を無くしたレジィリアンス
姿を現すコルテラフォール侯爵
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湖を取り巻くように、豪奢で美しいコテージが建ち並んでいる。
それぞれのコテージの入り口に面する道は広く、その道をひた走って五軒を過ぎ六軒目で、建物へと入っていく道へと、案内役のラステル配下は馬の向きを変えた。
他の配下が既に、柵の無い石門の横に立ち、頷く。
馬上の配下は、速度を落とさずどんどん近づく彼に、声かける。
「ラステル様から…」
「許可が下りた。
直ぐ、突入して逮捕しろと!」
先頭のラステル配下は頷くと、門の中へと馬をかっ飛ばし、エウロペも止まらず馬を駆って駆け込む。
テリュスもエリューンも速度を落とさず、玄関前で手綱を引くラステル配下らとエウロペに習い、手綱を思い切り引き、馬の歩を止め様馬の背から滑り降りた。
玄関扉を叩きまくるラステル配下の横に滑り込む。
エウロペは無言で叩きまくるラステル配下を見ていたが。
突然、叫ぶ。
「さっさと開けないと、蹴破るぞ!!!」
ラステル配下二人は、同時に叩くのを止め、そう怒鳴るエウロペに振り向いた。
返事無く、エウロペは突然、扉に体当たりする。
…ドンッ!!!
ラステル配下二人は、突進するエウロペから、左右に避けていたけど。
一度では無理だと思ったのに、扉は一撃で、鍵のある真ん中を残し、上下が割れた。
エウロペは引くと、足で思いっきり、残る鍵部分を蹴りつける。
バンッ!!!
扉は音立て、割れて開き、突っ込んで行くエウロペの後に続くラステル配下は、壊れて割れた扉を見つめながら、中へと突入した。
慌てて飛び出して来た召使いは、突進して来るエウロペに突然胸ぐら掴まれ、焦りまくって言い訳る。
「ご、ご、ご、ご主人様は不在で…」
「嘘つけ!!!」
横のラステル配下に怒鳴られ、召使いは泣きそうになって告げる。
「ほ、ほ、ほ、ほ、本当…です!!!
た、確かにおいでにはなってますが…。
多分近所の…知人のコテージへ………」
「…どこだ!!!」
エウロペに凄まれた召使いは、涙目で首を横に、振りまくる。
「ぞ、ぞ、ぞ、存じません…」
石門の前に居たラステル配下が、飛び込んで来て叫ぶ。
「ではこの辺りのコテージを全て、探索させる!
今、手配してるから!
直ぐもっと人数を集められる!」
エウロペの横に居たラステル配下は、振り向きもせず怒鳴り返す。
「頼む!」
エウロペはもう召使いの胸ぐら外し、邸内へと突入して行った。
侯爵は地下道を通り、上がったコテージの庭を伝い、自分のコテージの隣のコテージに入ると、慌てる召使いを無視し、二階に上がって自宅を見下ろす。
自分のコテージの窓に、探索してるラステル配下やエウロペの姿を見つけ、階下へ降りると、召使いが慌てふためいて
「あの…」
と声かけてくるのを無視し、庭に出、庭伝いに低い柵を乗り越え、自身のコテージの、庭へと入る。
気づいて窓から飛び出して来るエウロペの背後から。
ラステル配下は叫ぶ。
「コルテラフォール侯爵です!」
侯爵は、突進して来るエウロペに、両手を挙げて告げた。
「ちゃんとここに居るか…ら…」
そこでもう。
エウロペに胸ぐら掴まれ、後から来るラステル配下に叫ぶ。
「ちょっとこの凶暴な彼!
繋いどいてくれない?!」
「ふざけるな!
レジィはどこだ?!」
エウロペにドスの効いた声で怒鳴られ、侯爵は焦りまくった。
「待て!!!
待ってくれ!
私を誰だと思ってる?!
確かにこの国で、私はたかだか、侯爵!
が、母が嫁いだのは、西の大国エルドシュヴァンの王室だぞ?!
私への無礼はそのまま、エルドシュヴァン王国、王室への無礼!
喧嘩売ってるも同然!!!」
そう叫んだ時。
コルテラフォール侯爵はこれで、胸ぐら掴んでる男も後から来た男達も。
一斉に大人しくなると思った。
…が。
「…だから、何だ!!!
お前が捕らえてるのは、小国ながらシュテフザインの、次期国王となる王子!!!
私は後の宰相となる!
外交くらい、心得てる!」
「こ…心得てる…な…ら、放したらどうだ?!
く…首まで、絞まって…来てる…ぞ?!」
侯爵は予想を裏切られ、慌てふためいて首を絞め始める、小国の次期宰相を見る。
鋭い緑の瞳。
身長は自分と同じ位。
男らしい顔付き、筋肉もしっかりついた逞しい野生系の男。
エウロペは声を落とし、顔を近づけて囁く。
「捕らえられないと思ったら、大間違いだ。
お前はこの後、事故に遭う。
その事故で命を落とし、遺体は見つからない。
…例えお前が、生きていようとな!
そういう工作の出来るラステルは!
我が王子、誘拐の責任で。
それっくらいの手間は、引き受けてくれる筈だ!
…残念ながら、お前は生きていても日の目をみない!
この先一生な!!!」
後からやって来た、エリューンとテリュスは。
エウロペの見事な弁舌に、感心しきって顔を見合わせる。
侯爵は一瞬黙ると、エウロペの背後に立つ地味なラステル配下、二人に呟く。
「彼の言ったこと…ありそう?」
二人は無言で、頷く。
侯爵は降参したように、エウロペに告げる。
「…ちゃんと、返すから…」
「居所を言え!!!
今直ぐ!!!」
エウロペはもっと胸ぐらの衣服掴む腕を持ち上げ、首を絞めながら脅す。
「ちょ…ちょっと!!!
話すって言ってるのに!!!
君らも見てないで、こいつなんとかして!!!」
侯爵に要請された背後のラステル配下、二人は。
顔を見合わせ、一人がぼそり…と告げる。
「私は…近寄りたくない。
彼は限度を超えて、怒ってる」
「…私なら…さっさと吐きますね。
迂闊に止めようものなら。
…こっちまで殺されかねない」
そう言って、二人揃って両手広げ、肩をすくめる。
侯爵が、泣きそうな顔になってエウロペを見つめる。
「私…は、体格は君と同じ位だけど。
この肉体は、戦闘用じゃ無くて。
もっぱら、情事専用だか…ら…」
「…まだ居所を言わず、喋り続けるか?!」
エウロペに凄まれ、侯爵はとうとう、観念した。
それぞれのコテージの入り口に面する道は広く、その道をひた走って五軒を過ぎ六軒目で、建物へと入っていく道へと、案内役のラステル配下は馬の向きを変えた。
他の配下が既に、柵の無い石門の横に立ち、頷く。
馬上の配下は、速度を落とさずどんどん近づく彼に、声かける。
「ラステル様から…」
「許可が下りた。
直ぐ、突入して逮捕しろと!」
先頭のラステル配下は頷くと、門の中へと馬をかっ飛ばし、エウロペも止まらず馬を駆って駆け込む。
テリュスもエリューンも速度を落とさず、玄関前で手綱を引くラステル配下らとエウロペに習い、手綱を思い切り引き、馬の歩を止め様馬の背から滑り降りた。
玄関扉を叩きまくるラステル配下の横に滑り込む。
エウロペは無言で叩きまくるラステル配下を見ていたが。
突然、叫ぶ。
「さっさと開けないと、蹴破るぞ!!!」
ラステル配下二人は、同時に叩くのを止め、そう怒鳴るエウロペに振り向いた。
返事無く、エウロペは突然、扉に体当たりする。
…ドンッ!!!
ラステル配下二人は、突進するエウロペから、左右に避けていたけど。
一度では無理だと思ったのに、扉は一撃で、鍵のある真ん中を残し、上下が割れた。
エウロペは引くと、足で思いっきり、残る鍵部分を蹴りつける。
バンッ!!!
扉は音立て、割れて開き、突っ込んで行くエウロペの後に続くラステル配下は、壊れて割れた扉を見つめながら、中へと突入した。
慌てて飛び出して来た召使いは、突進して来るエウロペに突然胸ぐら掴まれ、焦りまくって言い訳る。
「ご、ご、ご、ご主人様は不在で…」
「嘘つけ!!!」
横のラステル配下に怒鳴られ、召使いは泣きそうになって告げる。
「ほ、ほ、ほ、ほ、本当…です!!!
た、確かにおいでにはなってますが…。
多分近所の…知人のコテージへ………」
「…どこだ!!!」
エウロペに凄まれた召使いは、涙目で首を横に、振りまくる。
「ぞ、ぞ、ぞ、存じません…」
石門の前に居たラステル配下が、飛び込んで来て叫ぶ。
「ではこの辺りのコテージを全て、探索させる!
今、手配してるから!
直ぐもっと人数を集められる!」
エウロペの横に居たラステル配下は、振り向きもせず怒鳴り返す。
「頼む!」
エウロペはもう召使いの胸ぐら外し、邸内へと突入して行った。
侯爵は地下道を通り、上がったコテージの庭を伝い、自分のコテージの隣のコテージに入ると、慌てる召使いを無視し、二階に上がって自宅を見下ろす。
自分のコテージの窓に、探索してるラステル配下やエウロペの姿を見つけ、階下へ降りると、召使いが慌てふためいて
「あの…」
と声かけてくるのを無視し、庭に出、庭伝いに低い柵を乗り越え、自身のコテージの、庭へと入る。
気づいて窓から飛び出して来るエウロペの背後から。
ラステル配下は叫ぶ。
「コルテラフォール侯爵です!」
侯爵は、突進して来るエウロペに、両手を挙げて告げた。
「ちゃんとここに居るか…ら…」
そこでもう。
エウロペに胸ぐら掴まれ、後から来るラステル配下に叫ぶ。
「ちょっとこの凶暴な彼!
繋いどいてくれない?!」
「ふざけるな!
レジィはどこだ?!」
エウロペにドスの効いた声で怒鳴られ、侯爵は焦りまくった。
「待て!!!
待ってくれ!
私を誰だと思ってる?!
確かにこの国で、私はたかだか、侯爵!
が、母が嫁いだのは、西の大国エルドシュヴァンの王室だぞ?!
私への無礼はそのまま、エルドシュヴァン王国、王室への無礼!
喧嘩売ってるも同然!!!」
そう叫んだ時。
コルテラフォール侯爵はこれで、胸ぐら掴んでる男も後から来た男達も。
一斉に大人しくなると思った。
…が。
「…だから、何だ!!!
お前が捕らえてるのは、小国ながらシュテフザインの、次期国王となる王子!!!
私は後の宰相となる!
外交くらい、心得てる!」
「こ…心得てる…な…ら、放したらどうだ?!
く…首まで、絞まって…来てる…ぞ?!」
侯爵は予想を裏切られ、慌てふためいて首を絞め始める、小国の次期宰相を見る。
鋭い緑の瞳。
身長は自分と同じ位。
男らしい顔付き、筋肉もしっかりついた逞しい野生系の男。
エウロペは声を落とし、顔を近づけて囁く。
「捕らえられないと思ったら、大間違いだ。
お前はこの後、事故に遭う。
その事故で命を落とし、遺体は見つからない。
…例えお前が、生きていようとな!
そういう工作の出来るラステルは!
我が王子、誘拐の責任で。
それっくらいの手間は、引き受けてくれる筈だ!
…残念ながら、お前は生きていても日の目をみない!
この先一生な!!!」
後からやって来た、エリューンとテリュスは。
エウロペの見事な弁舌に、感心しきって顔を見合わせる。
侯爵は一瞬黙ると、エウロペの背後に立つ地味なラステル配下、二人に呟く。
「彼の言ったこと…ありそう?」
二人は無言で、頷く。
侯爵は降参したように、エウロペに告げる。
「…ちゃんと、返すから…」
「居所を言え!!!
今直ぐ!!!」
エウロペはもっと胸ぐらの衣服掴む腕を持ち上げ、首を絞めながら脅す。
「ちょ…ちょっと!!!
話すって言ってるのに!!!
君らも見てないで、こいつなんとかして!!!」
侯爵に要請された背後のラステル配下、二人は。
顔を見合わせ、一人がぼそり…と告げる。
「私は…近寄りたくない。
彼は限度を超えて、怒ってる」
「…私なら…さっさと吐きますね。
迂闊に止めようものなら。
…こっちまで殺されかねない」
そう言って、二人揃って両手広げ、肩をすくめる。
侯爵が、泣きそうな顔になってエウロペを見つめる。
「私…は、体格は君と同じ位だけど。
この肉体は、戦闘用じゃ無くて。
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