森と花の国の王子

あーす。

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記憶を無くしたレジィリアンス

レジィリアンスのお相手

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 エウロペはテリュスに振り向く。
「レジィが一人だ。
君がデルデロッテと行って、頃合いを見て場を外してくれるか?」

テリュスは頷くものの、エリューンと顔を見合わせる。
「…さっきまで家族みたいに、みんなで寝こけてた寝台で?
レジィ、抵抗ないかな?」

ラステルが口開こうとした時。
デルデロッテが先に告げる。
「とりあえず、処理すればいいなら。
別にソファでも何とかなる。
…ずっとここで過ごすのか?」

ラステルはデルデロッテに見つめられ、言葉を返した。
「いや。
シュテフザイン森と花の王国の家屋敷風コテージが、王城内オレシニォン西の客用離宮よりもっと、西の地にある。
そちらにエウロペ殿一行とデルデロッテ、君とで暫く過ごし、レジィ殿の経過観察して欲しい。
顔を合わせる度、拒絶されたら…エルデリオンの心臓が保たないから」

デルデロッテは顔を下げて告げる。
「…だな」

ラステルはエウロペに向き直ると、予定を告げた。
「今夜はここで、ゆっくり休んで下さい。
ただ、媚薬が抜けるのにもう一日かかる。
それに伴って記憶も戻れば良いが…。
本人が“忘れてしまいたい”
と思ってる事柄に、向き合うだけの気力、体力が戻らないと、キツい。
今夜は様子を見、もしマズい状態なら。
別室に、デルデロッテと泊まって貰ってもいい」

デルデロッテはため息交じりに囁いた。
「…また。
私の意思は無視か」

ラステルが呆けて尋ねる。
「断る気だった?」

デルデロッテは、エウロペ、テリュス、エリューンに一斉に見つめられ、顔を下げる。
「…そこまで薄情じゃ無い」

テリュスとエリューンは笑顔になり、エウロペは大きく頷いた。

侯爵だけが。
こそっと口挟む。
「押しつけ合ってるなら。
私が幾らでも…」

咄嗟、エウロペが拳握って侯爵に詰め寄ろうとするので。
ラステルも瞬間、エウロペの前に、立ち塞がる。
「薬のせいで、自制が効かず喋ってるだけだから」

エウロペはラステルを殴りかけ、拳止めてラステルを見つめた。

空色の瞳は明るく陽気に輝いて見え、エウロペはぼやく。
「本当に、殴る気無くさせるな、君は」
ラステルは笑った。
「特技なので」


テリュスが部屋の扉を開ける。
レジィは屈み込んだ姿勢で顔を上げ、今にも泣きそう。
直ぐテリュスはレジィの横に腰掛け、囁く。
「…大丈夫だ」
そして戸口に姿を見せる、デルデロッテに視線を振った。

デルデロッテは短いため息を漏らす。

ラステルも室内に入って来るが、横に付いたエウロペに、素早く尋ねられた。
「…この部屋はレジィが使い、近くに私とテリュス、エリューンが泊まれる部屋はあるか?」

ラステルは横のエウロペを見つめ、目を見開く。
「…そうなさいます?」

エウロペが頷くので、直ぐ部屋を出て廊下の直ぐ横の扉を開く。
暖炉のある居間の向こうに、扉が二つ。
横にも二つ。

「正面の扉は寝室に続いています。
どちらも、中庭に面してる。
横の二つの寝室も同様。
居間の暖炉の横に。
さっきの部屋に続く、隠し扉がある。
警護者用の控え室なので」

背後からエリューンが入って来、暫く後テリュスも姿を見せる。
入れ替わりにラステルが戸口へと歩くと、振り向いて言った。
「食べ物と着替えをここに届けさせます。
角に近い扉が、浴室に続いてるので。
寛いで下さい」

エウロペはテリュスとエリューンを見ると
「君らは先に風呂を使え」
と告げて居間のソファに腰掛ける。

テリュスはエリューンを見ると、髪にまだ、クリームのカスが散らばってるのを見て
「お先にどうぞ」
と勧めた。

エリューンもため息吐く。
「…5歳児に戻ってはしゃいだと思ったら…突然、アレですもんね」
テリュスも頷く。
「…年頃だし」

エリューンは浴室に消え、テリュスはエウロペの、向かいに腰掛けた。


ひとしきりレジィを宥めた後、テリュスは部屋を出て行き、デルデロッテはまだ、戸口から恥ずかしげに真っ赤に頬を染め、屈むレジィを見た。

短いため息を吐くと、戸口から離れて、レジィの横に腰掛ける。
レジィは待ちかねていたように顔を上げ、両腕をデルデロッテの首に巻き付けてせがむように見つめる。

大きな青い、宝石のように綺麗な、潤んだ瞳。
真っ赤に染まる唇。
豪奢な長い、金の髪。

美しいだけでなく、愛らしさをまとい…好き者なら一発でエロい気分になった事だろう…。
デルデロッテはレジィの背に腕を回し、抱きしめながら耳元で囁く。
「…欲しい?」

肩に埋めた顔が、こくん。と頷くのを感じ、デルデロッテはそのままレジィリアンスの両腿の下に腕を入れ込むと、一気に抱き上げて立ち上がる。

「部外者は退出したから、横になれる場所で」

レジィリアンスはもう、情欲で濡れた瞳でデルデロッテを見つめ続ける。
寝台に下ろすが、首に巻き付けた腕はそのまま。
まるでキスをねだるように、顔を寄せて来るから…。
デルデロッテはそのまま口づけた。

唇が重なると、レジィの身が震える。
そっと舌を差し込むと、レジィリアンスの身はくねる。

それでデルデは、挿入されながら口づけされたいのだと。
直ぐ察した。

レジィがまとっていたのはガウンだけだったので、裾をめくり股間に手を触れながら、ゆっくり…膝をレジィの腿の下に入れ込んで行く。

レジィはその秘やかでドキドキし、少し強引だけどしなだれかかりたいほど男らしい胸元に
「?」
と感じた。

「あなた…は、侯爵…?」
「君が知ってる侯爵とは、違う?」

レジィリアンスは、頷く。
「…確…か…。
キスは軽いけど、どっか…べったりしていて……。
え…と、こんな…に…ドキドキしなかった」

デルデはくすっ。と笑う?
「…どっちが好き?」
言いながら、レジィリアンスの首筋に唇を這わせ、更に膝を進めて、股間を密着させ始める。

レジィは挿入を予感し、どきっ!と心臓が跳ね上がり、首筋に熱い唇が触れて、身を震わせながら囁く。
「い…ま…。
今の…貴方の方…が…ドキドキす…る」

デルデは顔を上げると、レジィの顔を見つめ、笑った。
「…良かった」
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