森と花の国の王子

あーす。

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ゾーデドーロ(東の最果て)

シャロナス公国の王子とそして、熟れきったエルデリオン

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 公爵が側を離れた後、エルデリオンは意識が薄れ…殆ど気を失っていた。
けれど乳首がズキズキ痛み、話し声に意識が引き戻される。

「それは、確かな情報なのか?」
公爵の声。
エルデリオンが視線を向けると、寝台の横で公爵は立っていて、その目前に銀髪の美青年…!

銀髪の美青年は、頷く。
「…確かな筋からの情報だ。
私を探していると…」
「…なるほど。
紅蜥蜴ラ・ベッタの勢力に対抗し、君を担ぎ出す気なんだな?
ラステルに会いさえすれば、後はラステルが君を王座に持ち上げてくれるという訳か」
「…だがエルデリオンに顔を見られた。
君はここにずっとエルデリオンを、捕らえてるつもりなんだろう?
それは…可能なのか?」

公爵は銀髪の美青年を見つめる。
「可能か?
私は彼をここから出しはしない」

銀髪の美青年が、寝台に括り付けられているエルデリオンに視線を向ける。
エルデリオンは目を見開いた。
“つまり彼が…シャロナス公国シャロナス公の国の行方不明の王子…?!”

銀髪の美青年のサファイアのような瞳を、エルデリオンは見た。
射るような…深い青…。
銀髪巻き毛に覆われた、整いきった顔立ちの…とても綺麗な美青年…。

「本気でここを抜け…紅蜥蜴ラ・ベッタを敵に回すのか?」
公爵に尋ねられ、銀髪の美青年は頷く。
「…あいつらには、吐き気しか感じない…!」
「…ラステルに付けば…シャルレ・ドゼルもこの地の反逆者全てをも、敵に回す」
銀髪の美青年は顔を上げ、公爵を見る。

「君の握ってるのは切り札だ。
ラステルは紅蜥蜴ラ・ベッタに渡したくない…!
絶対にだ!」

公爵は俯く。
「…だがラステルに渡せば…エルデリオンはデルデロッテを夫に迎える」
「が、時間はある。
もう暫く。
レジィリアンスは消えた。
シャーレの体も。
…つまりラステル配下は直、ファントール大公の城に押し寄せる。
全て…逮捕される。
君は逃れることが出来る。
エルデリオンをラステルに、差し出せしさえすれば!」

「…つまりそれまでにエルデリオンを、完全に私の物にするしか…方法は無い?」

公爵の問いに、銀髪の美青年は頷いた。
「デルデロッテに渡したくなければ…そうするしか無い。
エルデリオンの口から…夫を貴方にすると言わせるしか」

公爵は頷く。
そして会話の内容に驚き、目を見開いているエルデリオンを見つめた。

エルデリオンは公爵を見つめ返す。
こんな辺境に追いやられても…公爵はかつて宮廷一の貴公子の名に、未だ恥じない優雅な風情を魅せていた。

乳首にピアスを断りも無く入れる…憎い男の筈なのに…。
かつて宮廷で、彼を乞わない夫人はいない。
と言われただけの色男のせいか…。
その美貌も姿もが美しく男らしく…そして甘美に瞳に映り、エルデリオンは目を閉じる。

「君に垂らし込まれれば…エルデリオンは私が彼をシャルレ・ドゼルに渡したことも…許容される。
多分」

銀髪の美青年の言葉に、公爵は顔を下げる。
紅蜥蜴ラ・ベッタの対抗馬として、ラステルは君が必要だから…。
そうでなくとも許容せざるを得ないさ…」

銀髪の美青年は公爵を見上げる。
そして首に腕を回し、抱きついてキスし、囁く。
「万が一…君が投獄されても…私が必ず救い出す!
この地で唯一君だけが…優しかった…。
どの変態どもがどれほど私を陵辱しても…君だけは…!
…ちゃんと私を、私として扱ってくれた…」

公爵は銀髪の美青年を、両腕で抱きしめて囁く。
「…奴らのように…対象を単なるおもちゃとして扱うやり方は、私も反吐へどが出る…。
訪れる腐りきった変態共は、どれも身分が高いだけの小物。
他人から認められない憂さを晴らすため、優越感を感じたくて少年らを奴隷扱いし、飼い慣らす非道なやり方には、心からうんざりする…」

公爵は抱きついてる銀髪の美青年を自分から離し、顔を見つめ、告げる。
「…ラステルが来たら、投降しろ。
くれぐれも…紅蜥蜴ラ・ベッタの奴らに気づかれぬように。
もし奴らに気づかれれば…」

銀髪の美青年は頷き…そして公爵に再び、口づけた。
別れを告げるような、甘い口づけに見えた。

けれどエルデリオンはだんだん感覚が戻り始め、乳首に刺さった金属の細く小さな棒が肉を貫き痛み、同時に尿道に挿入された紐に刺激され続け、腰がうねり始めて射精感に襲われ、たまらなくなった。

銀髪の美青年は囁く。
「…あっちは、出来上がっている…。
君が欲しくてたまらない様子だ」

公爵は頷く。

銀髪の美青年は公爵の胸に当てた腕を伸ばし、自身の身を公爵から離して背を向け、微笑を残して扉に歩み寄り、ノブを掴んで振り向かぬまま、後ろ手で扉を閉めた。

パタン…。

公爵はため息と共に振り向く。

グレーがかった明るい栗色巻き毛が揺れ、整いきった美麗な顔と長身。
優雅な所作なのに、肩幅もあり逞しく感じる肉体…。
ブルー・グレーのキラリと光る、宝石のような瞳。

エルデリオンは公爵が寝台に膝を付き、手を肩の上の布団に付いて顔を見下ろしてくるのを見つめ返す。

「…たまりませんか?
すっかり勃って、汁を滴らせてる…」

エルデリオンは潤みきったヘイゼルの瞳を公爵に向ける。
けれど体が火照りきってたまらなくなり、喉をさらす。
が、掠れた声で呟いた。

「…彼…を…好き…なんだろ…う?」

尋ねると、公爵は艶然と微笑んだ。
「ええ。
好きです。
けれど貴方には執着してる」

エルデリオンは一物に触れられ、腰を捩った。
が、公爵の長い指はその下…蕾へと、滑って行く。

「…ここも…すっかり私の物にしなければ…」

エルデリオンは瞳を潤ませた。

「…乳首…もっと赤くなりましたね?
見ました?」
と、天井に首を振る。

けれど公爵は、遠い目をするエルデリオンを見、囁く。

「…手鏡で、ご覧になりますか?」
公爵の手はサイドテーブルに伸び、優美な飾りの掘られた、手鏡をかざす。
エルデリオンは自分の乳首に、緑の宝石の付いた金のリングがはめ込まれているのを目にし、泣き出しそうに眉を寄せる。

「…痛い…」
「で、しょうね。
もう暫くすれば、痛みは消えますが…」
そう言った後、サイドテーブルからグラスを持ち上げ、口に含んで…唇を唇に押しつける。

薬草が、口移しで注ぎ込まれ、エルデリオンは喉を鳴らして飲み込んだ。
間もなく、すうっ…と痛みが消える。

それはエルデリオンも…よく怪我をした時飲んだ、薬草だった。

けれど途端、乳首にはまったリングの為、触れられて無くてもやけに感じ、一物の先端へと刺激がひっきり無しに駆け抜ける。

それで無くとも尿道を通る紐で常に刺激され続けてるのに、エルデリオンは辛くって身をくねらせた。

公爵は微笑むと、エルデリオンの腰のベルトを外し、その後手首の革のベルトをも、外し始める。
手首を掴むと、今度は寝台の天井から下がるロープに手首を巻き付け、吊す。
エルデリオンは手が下ろせず、悔しげに手首を下げてロープを引っぱった。
もう片手も吊り上げられた後、エルデリオンは足を開かされたままで上半身は起こしたまま。
勃ち上がり、先端に紐を通された自身の一物を目にし、首を振る。
「抜いて…!
せめて…紐を…!」

公爵はエルデリオンの頬に手を添え、微笑む。
「おや?
今度は紐ですか?
リングでは無くて?」

エルデリオンは公爵から顔を背けると、腰を揺すり始めた。
もう…たまらなくって、必死に腰を揺すり、イこうとする。
公爵の腕で腰を掴み止められ、エルデリオンは切なげに公爵を見上げた。

「まだです。
それをするのは、私が挿入してから…」

公爵に言われ、片手が掴まれた腰から外れ…ボタンを外してる様子で、間もなく公爵の一物の先端が、蕾に触れた。
「自身で挿入して。
腰を下げればいいだけです」

エルデリオンは潤みきったヘイゼルの瞳を、公爵に向けた後。
腰を下げて自身で公爵の一物を、蕾に埋め込んだ。

下から貫かれる感覚に、エルデリオンは仰け反る。
けれど激しく動くと、尿道の奥の紐に刺激され、更に乳首のリングが動き、触れられなくても刺激が体中を駆け抜け、のたうつように仰け反る。

「ぁあああああっ!!!」

エルデリオンは激しく叫んだ後、ぐったりと顔を下げ、荒い息を吐く。

けれど公爵は微笑んで囁く。
「もうイってしまいました?
けれど復活するのも、直ぐ…」

公爵が胸に顔を倒すので、エルデリオンは身を捩った。
「ぃ…嫌!!!
止めて舐めないで…!」

背を抱き込まれ、リングをはめ込まれてじんじんする乳首に唇が…そして舌が触れる。
「嫌…嫌もう…無理…!
お願い止めて…!」

けれど下から腰を突き上げられ、途端舐められていないもう反対の乳首も、揺れる衝撃で激しく感じ、エルデリオンは首を振ってのたうちまわる。

「やっ…!
ぃやぁぁぁぁっ!!!」

けれど公爵の言うとおり、再び股間は勃ち上がり、エルデリオンは公爵を蕾に飲み込んだまま、必死に腰を揺すった。
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