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リセット 4 ディングレー
リセット 4 ディングレー 9
しおりを挟むディングレー様、その後やっと縄解いてくれて。
ディングレー様が部屋を出て行くと、召使いさんが来て。
ぬるま湯と布を…凄くお洒落な陶器の洗面器に入れて、銀のお盆に乗せて持ってきてくれた。
俺、それで汚れてた部分、簡単に拭いて。
ディングレー様とカッツェさんのいる、隣の応接間の扉を開く。
豪勢なソファの前のテーブルに、料理とデザートの皿が、ずらり…!
カッツェさんが、微笑む。
「機嫌、治ったようですね」
ディングレー様は背を向けてたから…振り向いて言う。
「好きなだけ、食べろ」
俺、つい嬉しくて♡
ソファにかけてフォークを取り上げ、横のディングレー様ににこっ!
って笑う。
そして…食べ始めたら美味しすぎて♡
その後、二人の存在を暫く忘れて食べ続けた。
半分平らげて、ちょっと…周囲を見回す余裕が戻って来た時。
大勢の召使いが入って来る。
両手で、宝石が乗った小さい深紅のクッションを持って。
俺に良く宝石が見えるように、横にずらりと並び、ディングレー様が言ってくれる。
「…好きなのを選べ。
俺が落札しなかったら…お前はノルンディルに拉致られなかった。
とばっちり受けさせた、お詫び…と言うか…」
そして、俺を見る。
「…別の詫びは、戻ってからまたゆっくりするが…。
とりあえず、好きなの選べ」
びっくりしながら…宝石を見る。
宝石の前に、金属の台に文字が彫り込まれたプレートが、乗せられてる…。
プレート文字は
〔リセットポイント、リセット用ジュエリー。
リセットポイントに引っかかった時、リセットを無効にしてくれる〕
その横の宝石には。
〔剣術数値、×2ジュエリー。
剣術数値を二倍にするジュエリー〕
とあり、あと二つに
〔剣術数値 ×3ジュエリー〕
〔剣術数値 ×4ジュエリー〕
って、ある。
俺、迷わず
〔剣術数値 ×4ジュエリー〕
を選んだ。
ディングレー様、頷いて、持ってた召使いに言う。
「…それを。
落札した品と共に、届けてくれ」
言ってから、カッツェさんを見る。
カッツェさんが、ディングレー様に頷いてる。
「…彼(カッツェ)が。
品物を運ぶ責任者だ。
途中、盗まれない為に、護衛の騎士が到着次第、運んで貰う」
カッツェさん、頷いてディングレー様に振り向く。
「ではこの宝石は、貴方の城へ届けさせますので」
そう言うと、カッツェさん立ち上がって、俺を見る。
「…では私はこれで。
巻き添えで、酷い目に合わせて、悪かった。
改めて…謝罪…」
カッツェさんが言いかけて、言葉を止める。
ディングレー様が、見たから。
「…そっちから、謝罪はいい。
俺がするから」
カッツェさん、ディングレー様に一礼する。
「では」
そして背を向けて、宝石持った召使いと共に、扉へ。
扉を開けて振り向き、俺を見て…ウィンクして言った。
「…せいぜい、ディングレー様に我が儘、言うんだな」
ディングレー様、ちょっと困惑して俺の事見るから。
俺、ディングレー様ににっこり笑って、カッツェさんに言った。
「うん!
いっぱいせがんじゃう!」
けどカッツェさん、扉閉めつつ、囁く。
「…ディングレー様は精力満々だから。
あんまり煽ると、結果困るのは君だ」
そう言って、扉はパタン…と閉まった。
俺、つい横のディングレー様に振り向く。
ディングレー様、俯いてぼそり。と言った。
「…まんざら、嘘じゃ無い。
身分のせいで、誰でも口説けなくてかなり、禁欲してる。
だから…幾らでも出来る相手だと…そのかなり…発散してしまうから」
俺、ついディングレー様に、にっこり笑った。
「じゃいっぱい、してくれるんだ?」
ディングレー様、ちょっと照れて俯いて。
けど頷いてくれた。
帰りの馬車の中、宝石がディングレー様の城に、先に着いたのか。
ピロリロリ~ン!
って鳴って。
“〔剣術数値 ×4ジュエリー〕
ジュエリーをゲットしました!”
って声がした。
剣術数値の宝石箱が開き、剣術数値が40になる。
“パール変換、しますか?”
って出るから。
“して”
って返事すると。
四つの真珠が宝石箱に収まり、並んで輝いてた。
「(…ラッキー♡
オーガスタスのとこでの-3が、埋まるどころか、増えた♡)」
ノルンディルは最低にキライだったけど。
でも、ディングレー様のお詫びが嬉しくて、つい馬車の中でディングレー様の腕に両手回して抱き付き、頬ですりすり、してしまった♡
応援ありがとうございます!
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