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二人きりの時間
31 色香増すアグナータ(皆を繋ぐ者)
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ファオンがテスに腕を引かれ、湯へと歩き行く姿を、セルティスが見つめる。
白っぽい金の髪は乱れ、色白の肌の中、真っ赤な紅を差したような唇はとても目立つ。
青い大きな瞳は潤み、足元は蹌踉めき、なよやかな体がとても色っぽく目に映った。
セルティスは眉を寄せると、《勇敢なる者》らの浸かる湯へと進み行く、ファルコンを呼び止める。
「…強烈な崔淫剤使ったろう?」
「…痛がってたからな。
お前の手渡した薬程度じゃ駄目だ」
「…乱暴に扱ったのか?」
「…つい。オンナに見えなくて」
セルティスは岩の向こうに消えて行くファオンの姿を見送り、囁いた。
「今日、あんたは…」
「下の見回りだ。
一匹でも多く殺す。
が、群れに出くわす可能性もある」
「今夜は俺の番だが、抱かず休ませようと思ってた」
セルティスの言葉にファルコンは肩を竦めた。
「それまでに薬の影響が消えればいいな」
セルティスがそっと尋ねる。
「…消えなければ?」
「抱け」
ファルコンに素っ気無く言われ、セルティスは俯いて溜息を吐いた。
朝食の場で、皆はファオンをじっと見つめる。
ファオンの頬は赤く、唇も赤く、匂い立つような色香に包まれとても扇情的で、レオは眉間を寄せてファルコンを見つめる。
ファルコンは気にする様子無く、食事をしていた。
ファオンは湯に浸かったせいか…ファルコンとして…気持ち良かったせいなのか…。
ぼーっとしていた。
気持ちがふわふわして、目の焦点も合ってない。
それに…ファルコンが挿入(はい)った場所が疼きまくり、どうにかなりそうな気がした。
“した…ばかりなのに…”
けれど体のあちこちが疼き、いつもなら…皆の見つめる視線が恥ずかしいのに、今朝は違う…。
もぞ…と身を捩り、今にも喘ぎ声が出そうで…必死で我慢した。
レオはファルコンを皆から離れた場に呼ぶ。
「どれだけ塗った?」
ファルコンは悪びれずに言う。
「俺が入れて痛まないくらい」
レオは大きな溜息を吐く。
「…見回りの間に戻って、抱いてあいつを慰められるか?」
「それは《化け物》に言ってくれ。
奴らが群れで来なければ、夕食前に出来る」
「…それまで、ファオンは悶々とするだろうな。
第一、あんな色香ある風情でいるだけで…男達は煽られきってる」
ファルコンは視線を、石の椅子に座る皆に向ける。
シーリーンは自分を抑えるように俯いていたし、アリオンも同じ。
リチャードもアランも、新入りのデュランまでもが、今にも自慰を始めそうな気配。
セルティスだけが、溜息交じりに顔を背けていた。
「可哀想だと思うのなら、特例出して手隙な男に抱かせろ」
ファルコンの言葉に、レオが念押しする。
「いいのか?」
「いいも何も、俺は下で化け物を殺しに行くから、選択権は無い。
休んで抱け。と言われても俺は下に行く」
レオは頷いた。
「俺も、休んで抱け。と言わない」
ファルコンは背を向け、自分のテントに戻って行く。
仕度を整え剣を携え、テントから出て来る。
見つめるその目を受けて、セルティスとアランがテントへ仕度に戻って行く。
直ぐ出て来ると、二人は先を歩くファルコンの背を追った。
レオは溜息交じりに、慌てて食事を終えて、テントに仕度の為戻って行く他の男達を眺め、まだ媚薬の効いている、赤い頬をして艶っぽい、ファオンを眺めては…また吐息を吐き出した。
白っぽい金の髪は乱れ、色白の肌の中、真っ赤な紅を差したような唇はとても目立つ。
青い大きな瞳は潤み、足元は蹌踉めき、なよやかな体がとても色っぽく目に映った。
セルティスは眉を寄せると、《勇敢なる者》らの浸かる湯へと進み行く、ファルコンを呼び止める。
「…強烈な崔淫剤使ったろう?」
「…痛がってたからな。
お前の手渡した薬程度じゃ駄目だ」
「…乱暴に扱ったのか?」
「…つい。オンナに見えなくて」
セルティスは岩の向こうに消えて行くファオンの姿を見送り、囁いた。
「今日、あんたは…」
「下の見回りだ。
一匹でも多く殺す。
が、群れに出くわす可能性もある」
「今夜は俺の番だが、抱かず休ませようと思ってた」
セルティスの言葉にファルコンは肩を竦めた。
「それまでに薬の影響が消えればいいな」
セルティスがそっと尋ねる。
「…消えなければ?」
「抱け」
ファルコンに素っ気無く言われ、セルティスは俯いて溜息を吐いた。
朝食の場で、皆はファオンをじっと見つめる。
ファオンの頬は赤く、唇も赤く、匂い立つような色香に包まれとても扇情的で、レオは眉間を寄せてファルコンを見つめる。
ファルコンは気にする様子無く、食事をしていた。
ファオンは湯に浸かったせいか…ファルコンとして…気持ち良かったせいなのか…。
ぼーっとしていた。
気持ちがふわふわして、目の焦点も合ってない。
それに…ファルコンが挿入(はい)った場所が疼きまくり、どうにかなりそうな気がした。
“した…ばかりなのに…”
けれど体のあちこちが疼き、いつもなら…皆の見つめる視線が恥ずかしいのに、今朝は違う…。
もぞ…と身を捩り、今にも喘ぎ声が出そうで…必死で我慢した。
レオはファルコンを皆から離れた場に呼ぶ。
「どれだけ塗った?」
ファルコンは悪びれずに言う。
「俺が入れて痛まないくらい」
レオは大きな溜息を吐く。
「…見回りの間に戻って、抱いてあいつを慰められるか?」
「それは《化け物》に言ってくれ。
奴らが群れで来なければ、夕食前に出来る」
「…それまで、ファオンは悶々とするだろうな。
第一、あんな色香ある風情でいるだけで…男達は煽られきってる」
ファルコンは視線を、石の椅子に座る皆に向ける。
シーリーンは自分を抑えるように俯いていたし、アリオンも同じ。
リチャードもアランも、新入りのデュランまでもが、今にも自慰を始めそうな気配。
セルティスだけが、溜息交じりに顔を背けていた。
「可哀想だと思うのなら、特例出して手隙な男に抱かせろ」
ファルコンの言葉に、レオが念押しする。
「いいのか?」
「いいも何も、俺は下で化け物を殺しに行くから、選択権は無い。
休んで抱け。と言われても俺は下に行く」
レオは頷いた。
「俺も、休んで抱け。と言わない」
ファルコンは背を向け、自分のテントに戻って行く。
仕度を整え剣を携え、テントから出て来る。
見つめるその目を受けて、セルティスとアランがテントへ仕度に戻って行く。
直ぐ出て来ると、二人は先を歩くファルコンの背を追った。
レオは溜息交じりに、慌てて食事を終えて、テントに仕度の為戻って行く他の男達を眺め、まだ媚薬の効いている、赤い頬をして艶っぽい、ファオンを眺めては…また吐息を吐き出した。
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