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夢の中の調教
265 ドタバタに邪魔されるキース
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ファーレーンはキースに抱きしめられて、少し身もがく。
「…まだ…したいのか?」
「…俺はどんだけでもしたいけど…」
「…私を《皆を繋ぐ者》に仕上げるんだよな?」
言われて、キースはファーレーンを見つめる。
「ダメだ…俺のものだ…。
俺、だけの…………」
ファーレーンはキースを睨む。
「…意味無いだろう。
私が《皆を繋ぐ者》にならないと、ファオンが解放されない!」
「…俺がファオンを逃がしたら…俺…だけのものになってくれるか?」
「どっちみち、お前にバージンを奪われたんだ!
とっくにお前だけのものだろう?!
…今現在」
キースは内心狂喜乱舞して、一層きつくファーレーンを抱きしめる。
夢見てるレオもセルティスもアリオンもシーリーンもが、顔を背ける。
キースだけが
「ファーレーンが、『バージン奪われた』…だって…。
なんて可愛い♡
…凄く、感動的だ…」
と瞳を潤ませていた。
アリオンが小声で囁く。
「どうして最後の『今現在』って言葉、無視出来るかな」
シーリーンが横で、深く頷く。
「…だよな」
セルティスも俯いて言う。
「…絶対会話が、噛み合ってないと思う」
レオも俯き加減で頷く。
「…なのにキースは全然気づいてない」
四人はこっそり。感激で瞳を潤ませるキースをこそっ。
と盗み見た。
シェナンは階段を上がりかけ…凄い勢いと形相で、セルティスとアリオンが駆け下りて来て、ぎょっ!とした。
つい、くるりと背を向け、階段を駆け下りる。
シェナンを先頭に、凄まじい勢いで階段を降りる三人。
階段を降りて直ぐ、シェナンは左右を見回し、元いた部屋ではロレンツとキリアンが真っ最中だった。
と思い出し、横の扉を開ける。
ばん!
シェナンは扉を開けたものの、やらしい格好で拘束されているファーレーンに抱き付くキースを見、呆けて立ち止まる。
が。
どんっ!
凄い勢いで背を押され、中へと吹っ飛ぶ。
アリオンとセルティスが決死でシェナンの背を押し退けて駆け込むなり、扉を閉め、二人して扉を渾身の力で押す。
どんっ!どんっ!
「開けろ!!」
アントランが扉に体当たる。
どんっ!
が、セルティスは背で、アリオンは両手で、歯を食い縛って扉を抑え込む。
「くそっ!」
アントランは叫ぶと、助走距離を取り、走り込んで扉に跳び蹴りかます。
どんっ!
リチャードが、跳び蹴りから着地するアントランの横に来て、問う。
「…シーリーンは?」
「知るか!
どっかに閉じこもってるんだろうよ!」
「なんで」
「…貞操の、危機とやらで?」
「……なんで危機?」
「俺が襲うから!
どけ!」
アントランに手で思い切り払い退けられ、リチャードは壁に背を激しく打ち付け、呻く。
「…折角…気づいたのに…」
そして再び目を回し、気絶する。
「ええい!
往生際が悪いぞ!
諦めて差し出せ!
ぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっったい!
俺が口と手と尻で、気持ち良くさせてやるぜっ!」
そしてまた助走から走り込み、扉に跳び蹴りかます。
ばんっ!
アリオンとセルティスが歯を食い縛り、扉を押し止めて叫ぶ。
「謹んで!」
アリオンが言うと、セルティスも。
「お断りする!」
「くぅぅぅぅぅっ・そぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅ!」
アントランは悔しさに呻く。
シェナンだけが、ファーレーンに抱きつくキースに振り向かれ
「ごめん。お邪魔して。
でも、不可抗力だから」
と愛想振る舞っていた。
夢見てる皆は全員が、顔下げる。
キースだけが呻く。
「…どうして邪魔できるかな?
こんな感動の場面を」
アリオンとシーリーンは無言。
セルティスも
『ちゃんと見ろ!
好きで邪魔してない!』
と怒鳴りたいのを、我慢した。
「…まだ…したいのか?」
「…俺はどんだけでもしたいけど…」
「…私を《皆を繋ぐ者》に仕上げるんだよな?」
言われて、キースはファーレーンを見つめる。
「ダメだ…俺のものだ…。
俺、だけの…………」
ファーレーンはキースを睨む。
「…意味無いだろう。
私が《皆を繋ぐ者》にならないと、ファオンが解放されない!」
「…俺がファオンを逃がしたら…俺…だけのものになってくれるか?」
「どっちみち、お前にバージンを奪われたんだ!
とっくにお前だけのものだろう?!
…今現在」
キースは内心狂喜乱舞して、一層きつくファーレーンを抱きしめる。
夢見てるレオもセルティスもアリオンもシーリーンもが、顔を背ける。
キースだけが
「ファーレーンが、『バージン奪われた』…だって…。
なんて可愛い♡
…凄く、感動的だ…」
と瞳を潤ませていた。
アリオンが小声で囁く。
「どうして最後の『今現在』って言葉、無視出来るかな」
シーリーンが横で、深く頷く。
「…だよな」
セルティスも俯いて言う。
「…絶対会話が、噛み合ってないと思う」
レオも俯き加減で頷く。
「…なのにキースは全然気づいてない」
四人はこっそり。感激で瞳を潤ませるキースをこそっ。
と盗み見た。
シェナンは階段を上がりかけ…凄い勢いと形相で、セルティスとアリオンが駆け下りて来て、ぎょっ!とした。
つい、くるりと背を向け、階段を駆け下りる。
シェナンを先頭に、凄まじい勢いで階段を降りる三人。
階段を降りて直ぐ、シェナンは左右を見回し、元いた部屋ではロレンツとキリアンが真っ最中だった。
と思い出し、横の扉を開ける。
ばん!
シェナンは扉を開けたものの、やらしい格好で拘束されているファーレーンに抱き付くキースを見、呆けて立ち止まる。
が。
どんっ!
凄い勢いで背を押され、中へと吹っ飛ぶ。
アリオンとセルティスが決死でシェナンの背を押し退けて駆け込むなり、扉を閉め、二人して扉を渾身の力で押す。
どんっ!どんっ!
「開けろ!!」
アントランが扉に体当たる。
どんっ!
が、セルティスは背で、アリオンは両手で、歯を食い縛って扉を抑え込む。
「くそっ!」
アントランは叫ぶと、助走距離を取り、走り込んで扉に跳び蹴りかます。
どんっ!
リチャードが、跳び蹴りから着地するアントランの横に来て、問う。
「…シーリーンは?」
「知るか!
どっかに閉じこもってるんだろうよ!」
「なんで」
「…貞操の、危機とやらで?」
「……なんで危機?」
「俺が襲うから!
どけ!」
アントランに手で思い切り払い退けられ、リチャードは壁に背を激しく打ち付け、呻く。
「…折角…気づいたのに…」
そして再び目を回し、気絶する。
「ええい!
往生際が悪いぞ!
諦めて差し出せ!
ぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっったい!
俺が口と手と尻で、気持ち良くさせてやるぜっ!」
そしてまた助走から走り込み、扉に跳び蹴りかます。
ばんっ!
アリオンとセルティスが歯を食い縛り、扉を押し止めて叫ぶ。
「謹んで!」
アリオンが言うと、セルティスも。
「お断りする!」
「くぅぅぅぅぅっ・そぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅ!」
アントランは悔しさに呻く。
シェナンだけが、ファーレーンに抱きつくキースに振り向かれ
「ごめん。お邪魔して。
でも、不可抗力だから」
と愛想振る舞っていた。
夢見てる皆は全員が、顔下げる。
キースだけが呻く。
「…どうして邪魔できるかな?
こんな感動の場面を」
アリオンとシーリーンは無言。
セルティスも
『ちゃんと見ろ!
好きで邪魔してない!』
と怒鳴りたいのを、我慢した。
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