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庭園
庭園 1
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ギュンターとディングレーは、やって来るディアヴォロスを見つめ、オーガスタスのセリフを聞き、肩を竦める。
ローフィスは横を通り過ぎるディアヴォロスを先に行かせ、後に付いて呟いた。
「…アーガンソ夫人と…あいつ、デキてたのか?」
ディアヴォロスは歩を止めず、ローフィスに背を向けたまま、告げる。
「深入りする前だ」
ギュンターが、すかさず口挟む。
「だが、一回は寝てるんだろう?」
ディングレーは相変わらずそっち方面は目ざとい、横に並び歩くギュンターを見て、目を見開く。
「…言い切ったな。確かか?」
ギュンターは横の、黒髪の男前、ディングレーに振り向く。
「…あんただって、はずみで一度くらい寝て。
相手がそれを忘れられず、遊びでも良いから今後暇な時、相手してくれ。
ぐらいの相手は、大勢居るんだろう?」
が、ディングレーは顔下げた。
代わって前歩くローフィスが、振り向いて説明する。
「…身分隠してる相手とは…少しだが、あるな。
が、王族だとバレてる相手は、極力避けてるから。
コイツ」
ギュンターは横の、顔下げてるディングレーを見、同情混じりに呟いた。
「…王族…ってバレると、そんなに大変なのか」
ディングレーは顔を上げないまま、深く深く、頷いた。
先頭のディアヴォロスに
「いい加減、避妊を覚えるんだな」
と言われ、ギュンターがディングレーを見ると。
がっくり首落とし、ディングレーにとってそれが無理で、出来ないんだ。
と、ギュンターに知らしめた。
ギュンターが、落ち込むディングレーに、ぼそり…と告げる。
「俺は、避妊は出来るが、喧嘩は我慢出来ない」
「俺はどっちもできない」
ディングレーの即答に、ローフィスも頷いたが、ディアヴォロスも背を向けたまま、頷いた。
翌朝、ギュンターは自室の扉を、ハデに叩く騒音で、目を覚ます。
「…鍵は掛けてない!」
そう怒鳴ると。
一瞬戸惑った後(のち)、扉が開く音。
「…一人か?女は来てないのか?!」
居間にあたる隣部屋から、聞き慣れたオーガスタスの声。
ギュンターは、のそり…と寝台から身を起こし、呻く。
「そう毎度、女が居ると思うな」
その声が、聞こえたのか。
今度は寝室の扉が開き、案の定、紺の隊服を来たオーガスタスが、その長身の姿を現す。
「今日はお前が付き添いなんだろう?!昨夜のアレは何だ!」
ギュンターは手を寝台に付いて身を起こし、足を床に付けて寝台に腰掛け、呻く。
「昨夜の事が聞きたいんだろう?」
オーガスタスは、戸惑っているように見えた。
それでギュンターはやっと、戸口で気まずそうに顔を背けてる、オーガスタスに視線を送る。
「俺にだって分かるか。
光竜その身に降ろす、千里眼のディアヴォロスのやる事だ。
俺は後を付いてっただけ」
オーガスタスはその説明に、無言で頷いた。
並んで騎乗し、マディアン邸へと進みながら、ギュンターはオーガスタスに叫ぶ。
「女の問題で、困ってるのか?!珍しく?!」
オーガスタスはばっくれたい様子だった。が、言った。
「…相手が、大公夫人なので多分、慎重に成れとの警告だろう」
ギュンターは、顔を下げた。
「そりゃ…。
アーガンソ夫人だろう?
取り巻きは多いが、一旦愛人作ると、そいつに入れ込む。
美人で品も色香もあるから、愛人は夫人にメロメロ。
結果、横暴な大公のダンナの、夫人の扱いがそりゃ最悪と。
愛人は夫人に同情し、ダンナと対決する羽目になり。
愛人は大公家の執拗な嫌がらせに遭い、没落させられる。
…と、あっちゃな。
大公家は、鬼門だぞ?
王族ですら、敵に回すまいと、気を使うそうだ」
「情報通だな」
素っ気無いオーガスタスの言い方で、ギュンターは彼が、不機嫌だと分かった。
なので、そっと尋ねてみる。
「…それでも、寝たかったのか?
単に溜まってるだけなら、娼館に付き合うが?」
オーガスタスは、がっくり首下げると、ぼそり。と言った。
「いいから、マディアンの屋敷に着いたら。
それ系の話題は、一切厳禁。
下品な言い草は、極力控えろ」
ギュンターは肩を竦め、ため息を吐いた。
「俺に、猫被れって?」
オーガスタスは、斜に見つめて即答した。
「10猫ぐらいな」
マディアンの屋敷に着き、オーガスタスがノッカーを叩き、扉が開けられた途端。
かしましい叫び声が響き渡り、満面の笑顔を浮かべた多数の女性に、はしゃいで出迎えられ。
ギュンターはオーガスタスの言ったことを、心から思い知った。
荒っぽい男ばかりの近衛宿舎とは、かけ離れ。
女性ばかりの、華やかで家庭的で、慎ましげな雰囲気。
「(…別世界だ…)」
ギュンターは内心固まって、横のオーガスタスを、チラ…と見上げた。
オーガスタスは馬上の不機嫌さなんて、微塵も感じさせない陽気な笑顔を浮かべ、迎え入れる母の挨拶を、聞いていた。
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
マディアンは階下の妹達の嬌声(きょうせい)に、何が起こったのか。
と、壁を伝いながら部屋を出る。
あまり派手に動くと痛むけれど、そっとならもう、歩けるようになって、階段の手すりに掴まり、下を見下ろす。
ゆっくり三段程降りると、階下のオーガスタスがはっ!と顔を上げ、直ぐ手助けする為に階段を駆け上がって来る。
腕を支えられ、腰に腕を回されるとマディアンは、なぜかその大きな手の平の感触に、真っ赤に成った。
オーガスタスはそれを見て狼狽(うろた)え
「大丈夫ですか?」
と屈んで顔を、覗き込む。
夕べ…室内で暗かったけど、その間近で見る顔の、その唇に…。
“確か、私の方から口づけたんだわ”
そう意識した途端、マディアンはもっと真っ赤になって、オーガスタスは仕方なさげに少し顔を離し、そっと寄り添って階下に促す。
マディアンは横のオーガスタスを見上げる。
が、彼は差し障りの無いようにマディアンの腰に手を添え、倒れないように支えながら、横を一緒に、一段ずつ降りて行く。
「(まあ…!
ちゃんと紳士的に、振る舞えるお方なんだわ)」
階下を見ると、ラロッタがオーガスタスの紳士ぶりにうっとり見惚れ、そして…金髪の背の高い男性が見え、その周囲を妹達が取り巻いていた。
「…今日はギュンター様が、ご一緒なの?」
そう振り向いて尋ねると、オーガスタスは少し困ったような表情で、小声で答える。
「ローフィスはあれで隊長をしていて…今日は隊務があるので、どうしてもその予定が外せなかったんです」
近づきつつある階下を見つめると、妹達はギュンターの、男らしい、けれど優美な美貌に見惚れ、彼の周囲で呆けている。
ギュンターは顔を上げ、階段を、マディアンを支え降りて来るオーガスタスに、視線を送る。
横のマディアンに気づくと、ギュンターは少しすまなさげに、顔を下げる。
「俺でも荷物持ち程度は務(つと)まるが…ローフィスのように、巧(うま)い口は聞けない。
今日は俺で、悪かったな」
その素っ気無い謝罪に、マディアンはつい、オーガスタスを見る。
オーガスタスは気づいたように、マディアンに振り向く。
「顔はあの通り、そこら辺でお目にかかれない美男だ。
が、中身は普通の男だ」
マディアンはギュンターを見た。
けれど…とても素直そうなお方だわ。
そう思って。
階段を降りきると、マディアンはギュンターが、オーガスタスよりは低いけれど、普通からしたらとても長身なのに気づく。
ローフィスですら、二人きりで立って並ぶと、かなり背が高く感じるのに。
ギュンターはオーガスタスを見ると
「俺が馬鹿な事言ったら、叱ってくれて結構だ」
と告げる。
オーガスタスはあまりにも殊勝な、ギュンターの言い草に。
思わず彼に屈むと、小声で囁く。
「左将軍に、うんと釘刺されたのか?」
ギュンターは項垂(うなだ)れ、頷く。
「女性だらけだから、直接話法は控え、極力、行儀良く接しろ。と」
マディアンが見ていると、長身のギュンターが項垂れる様を、オーガスタスは弟がしょげてるのを見るように、くすくす微笑って見つめていた。
オーガスタスはその様子を呆然。と見ている妹達に
「こんなデカい男がしょげてるのは、珍しいか?」
と笑顔で尋ねる。
が、アンローラは両手胸の前で組んで
「いいえ!」
と叫び、次女エレイスも
「とても新鮮ですわ!」
とやっぱり、叫んだ。
ローフィスは横を通り過ぎるディアヴォロスを先に行かせ、後に付いて呟いた。
「…アーガンソ夫人と…あいつ、デキてたのか?」
ディアヴォロスは歩を止めず、ローフィスに背を向けたまま、告げる。
「深入りする前だ」
ギュンターが、すかさず口挟む。
「だが、一回は寝てるんだろう?」
ディングレーは相変わらずそっち方面は目ざとい、横に並び歩くギュンターを見て、目を見開く。
「…言い切ったな。確かか?」
ギュンターは横の、黒髪の男前、ディングレーに振り向く。
「…あんただって、はずみで一度くらい寝て。
相手がそれを忘れられず、遊びでも良いから今後暇な時、相手してくれ。
ぐらいの相手は、大勢居るんだろう?」
が、ディングレーは顔下げた。
代わって前歩くローフィスが、振り向いて説明する。
「…身分隠してる相手とは…少しだが、あるな。
が、王族だとバレてる相手は、極力避けてるから。
コイツ」
ギュンターは横の、顔下げてるディングレーを見、同情混じりに呟いた。
「…王族…ってバレると、そんなに大変なのか」
ディングレーは顔を上げないまま、深く深く、頷いた。
先頭のディアヴォロスに
「いい加減、避妊を覚えるんだな」
と言われ、ギュンターがディングレーを見ると。
がっくり首落とし、ディングレーにとってそれが無理で、出来ないんだ。
と、ギュンターに知らしめた。
ギュンターが、落ち込むディングレーに、ぼそり…と告げる。
「俺は、避妊は出来るが、喧嘩は我慢出来ない」
「俺はどっちもできない」
ディングレーの即答に、ローフィスも頷いたが、ディアヴォロスも背を向けたまま、頷いた。
翌朝、ギュンターは自室の扉を、ハデに叩く騒音で、目を覚ます。
「…鍵は掛けてない!」
そう怒鳴ると。
一瞬戸惑った後(のち)、扉が開く音。
「…一人か?女は来てないのか?!」
居間にあたる隣部屋から、聞き慣れたオーガスタスの声。
ギュンターは、のそり…と寝台から身を起こし、呻く。
「そう毎度、女が居ると思うな」
その声が、聞こえたのか。
今度は寝室の扉が開き、案の定、紺の隊服を来たオーガスタスが、その長身の姿を現す。
「今日はお前が付き添いなんだろう?!昨夜のアレは何だ!」
ギュンターは手を寝台に付いて身を起こし、足を床に付けて寝台に腰掛け、呻く。
「昨夜の事が聞きたいんだろう?」
オーガスタスは、戸惑っているように見えた。
それでギュンターはやっと、戸口で気まずそうに顔を背けてる、オーガスタスに視線を送る。
「俺にだって分かるか。
光竜その身に降ろす、千里眼のディアヴォロスのやる事だ。
俺は後を付いてっただけ」
オーガスタスはその説明に、無言で頷いた。
並んで騎乗し、マディアン邸へと進みながら、ギュンターはオーガスタスに叫ぶ。
「女の問題で、困ってるのか?!珍しく?!」
オーガスタスはばっくれたい様子だった。が、言った。
「…相手が、大公夫人なので多分、慎重に成れとの警告だろう」
ギュンターは、顔を下げた。
「そりゃ…。
アーガンソ夫人だろう?
取り巻きは多いが、一旦愛人作ると、そいつに入れ込む。
美人で品も色香もあるから、愛人は夫人にメロメロ。
結果、横暴な大公のダンナの、夫人の扱いがそりゃ最悪と。
愛人は夫人に同情し、ダンナと対決する羽目になり。
愛人は大公家の執拗な嫌がらせに遭い、没落させられる。
…と、あっちゃな。
大公家は、鬼門だぞ?
王族ですら、敵に回すまいと、気を使うそうだ」
「情報通だな」
素っ気無いオーガスタスの言い方で、ギュンターは彼が、不機嫌だと分かった。
なので、そっと尋ねてみる。
「…それでも、寝たかったのか?
単に溜まってるだけなら、娼館に付き合うが?」
オーガスタスは、がっくり首下げると、ぼそり。と言った。
「いいから、マディアンの屋敷に着いたら。
それ系の話題は、一切厳禁。
下品な言い草は、極力控えろ」
ギュンターは肩を竦め、ため息を吐いた。
「俺に、猫被れって?」
オーガスタスは、斜に見つめて即答した。
「10猫ぐらいな」
マディアンの屋敷に着き、オーガスタスがノッカーを叩き、扉が開けられた途端。
かしましい叫び声が響き渡り、満面の笑顔を浮かべた多数の女性に、はしゃいで出迎えられ。
ギュンターはオーガスタスの言ったことを、心から思い知った。
荒っぽい男ばかりの近衛宿舎とは、かけ離れ。
女性ばかりの、華やかで家庭的で、慎ましげな雰囲気。
「(…別世界だ…)」
ギュンターは内心固まって、横のオーガスタスを、チラ…と見上げた。
オーガスタスは馬上の不機嫌さなんて、微塵も感じさせない陽気な笑顔を浮かべ、迎え入れる母の挨拶を、聞いていた。
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
マディアンは階下の妹達の嬌声(きょうせい)に、何が起こったのか。
と、壁を伝いながら部屋を出る。
あまり派手に動くと痛むけれど、そっとならもう、歩けるようになって、階段の手すりに掴まり、下を見下ろす。
ゆっくり三段程降りると、階下のオーガスタスがはっ!と顔を上げ、直ぐ手助けする為に階段を駆け上がって来る。
腕を支えられ、腰に腕を回されるとマディアンは、なぜかその大きな手の平の感触に、真っ赤に成った。
オーガスタスはそれを見て狼狽(うろた)え
「大丈夫ですか?」
と屈んで顔を、覗き込む。
夕べ…室内で暗かったけど、その間近で見る顔の、その唇に…。
“確か、私の方から口づけたんだわ”
そう意識した途端、マディアンはもっと真っ赤になって、オーガスタスは仕方なさげに少し顔を離し、そっと寄り添って階下に促す。
マディアンは横のオーガスタスを見上げる。
が、彼は差し障りの無いようにマディアンの腰に手を添え、倒れないように支えながら、横を一緒に、一段ずつ降りて行く。
「(まあ…!
ちゃんと紳士的に、振る舞えるお方なんだわ)」
階下を見ると、ラロッタがオーガスタスの紳士ぶりにうっとり見惚れ、そして…金髪の背の高い男性が見え、その周囲を妹達が取り巻いていた。
「…今日はギュンター様が、ご一緒なの?」
そう振り向いて尋ねると、オーガスタスは少し困ったような表情で、小声で答える。
「ローフィスはあれで隊長をしていて…今日は隊務があるので、どうしてもその予定が外せなかったんです」
近づきつつある階下を見つめると、妹達はギュンターの、男らしい、けれど優美な美貌に見惚れ、彼の周囲で呆けている。
ギュンターは顔を上げ、階段を、マディアンを支え降りて来るオーガスタスに、視線を送る。
横のマディアンに気づくと、ギュンターは少しすまなさげに、顔を下げる。
「俺でも荷物持ち程度は務(つと)まるが…ローフィスのように、巧(うま)い口は聞けない。
今日は俺で、悪かったな」
その素っ気無い謝罪に、マディアンはつい、オーガスタスを見る。
オーガスタスは気づいたように、マディアンに振り向く。
「顔はあの通り、そこら辺でお目にかかれない美男だ。
が、中身は普通の男だ」
マディアンはギュンターを見た。
けれど…とても素直そうなお方だわ。
そう思って。
階段を降りきると、マディアンはギュンターが、オーガスタスよりは低いけれど、普通からしたらとても長身なのに気づく。
ローフィスですら、二人きりで立って並ぶと、かなり背が高く感じるのに。
ギュンターはオーガスタスを見ると
「俺が馬鹿な事言ったら、叱ってくれて結構だ」
と告げる。
オーガスタスはあまりにも殊勝な、ギュンターの言い草に。
思わず彼に屈むと、小声で囁く。
「左将軍に、うんと釘刺されたのか?」
ギュンターは項垂(うなだ)れ、頷く。
「女性だらけだから、直接話法は控え、極力、行儀良く接しろ。と」
マディアンが見ていると、長身のギュンターが項垂れる様を、オーガスタスは弟がしょげてるのを見るように、くすくす微笑って見つめていた。
オーガスタスはその様子を呆然。と見ている妹達に
「こんなデカい男がしょげてるのは、珍しいか?」
と笑顔で尋ねる。
が、アンローラは両手胸の前で組んで
「いいえ!」
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