92 / 307
ドラーケンに引っかけられるアシュアーク
しおりを挟む
スフォルツァが教練に上がる頃、ラフォーレンと一緒に、教練に進むからと。
屋敷の当主が、剣の教師を付けてくれた。
アシュアークはその辺りの顛末を思い返す。
剣の講師は、最高に腕が良くて…。
それに剣を振るのが最高に楽しくって、性に合ってて…。
夢中で剣を振る内に少し、落ちついた。
肌の温もりが無くっても、剣を振り回し続けたから夜は疲れ切って、ぐっすり眠れた。
けどたまに、どうしようも無くスフォルツァを思い出して、彼が欲しくって。
スフォルツァが戻って来る日が待ちきれなくて、我慢できなくって。
ラフォーレンに強請るけど…。
ラフォーレンは
「ダメに決まってるだろう?
『教練』にいるんだ!
彼が帰ってくるまで、待て!」
って、つれなくて…。
けどとても綺麗な女の人が、僕を訪ねて来て。
僕とスフォルツァの話を尋ね、僕は
「凄く会いたいけど、ラフォーレンがダメだって」
とぼやいたら、言われた。
「どうして、ラフォーレンに内緒で会いに行かないの?
私だったら、絶対押しかけて行くのに」
…それが、今日の昼。
三点鐘(時)ごろ、彼女は帰ったけど…。
いてもたっても、いられなかった。
だから…剣の練習の後、ヘバるラフォーレンを盗み見て、こっそり屋敷を抜け出し、『教練』へと馬を走らせた。
同じ…都だったし、馬で二点鐘(時間)も駆ければ着いた。
日は暮れかかっていたけれど…でも、我慢出来なかった。
押しかけさえすればきっと後の事は、スフォルツァが考えてくれる。
多分…。
「人を探してるのか?」
声を掛けられて、アシュアークは振り向く。
見ると背の高い少年が、こちらを見つめていた。
跳ねた栗毛。
鷹のような横長に細い、グレーの瞳。
ちょっと間延びした、馬面。
スフォルツァのような品の良さは全然無く、なんか荒っぽい感じ。
けど強そうな感じがして、アシュアークは変に
「(さすが騎士の養成校…。
『教練』って、自分の強さに自信がある男の人ばっかりなんだ)」
と感心した。
「…スフォルツァを探してるんなら、案内するぜ?」
鼻の上にそばかすを散らし…けど自信に溢れたその少年の態度に、アシュアークはにっこり微笑んで、頷いた。
馬を厩に繋いでくれて、顎で促されて横を、付いて歩く。
彼は
「こんな時間に出歩いて、家の人は何も言わないのか?」
だとか、スフォルツァとはどういった関係なのかを尋ねて来た。
だからアシュアークは
「スフォルツァは大切な人だし、家族(ラフォーレン)も多分、分ってくれる」
と言葉を返す。
彼は「ドラーケンだ」と名乗った。
連れて行かれた場所は宿舎の一室なのか、剣の練習場らしき広い場所の二階にあって…。
質素な作りで、アシュアークは首を捻った。
だってスフォルツァは、召使いを続き部屋に住まわせられるから、身の回りの事は自分でしなくていい、って言ってたし
「大貴族用の特別宿舎で部屋も綺麗で広い。
田舎の宿屋より、うんとマシだ」
と言ってたのに、田舎の宿屋とここは、変わらなかった。
まだスフォルツァが『教練』に上がる前。
貴族の少年達は集まって…たまに遠出もしたから、アシュアークはまだ小さかったけど、強引にスフォルツァに付いて行った。
スフォルツァにねだったら、出先の宿屋に部屋を借りてくれて、そこでした。
みんな、宿屋のある村の周囲で遊び回っていて、人目が有りすぎて、他に場所が無かったから。
スフォルツァは質素なその部屋を珍しがる僕に、言った。
「田舎の宿屋にしては、綺麗だ」
…どのみち寝台があれば、どこだって同じだったけど。
アシュアークはスフォルツァの熱い腕に抱きしめられ、狂おしい時間を過ごした事を思い出し、思わず…股間が反応し、もぞ…と身をよじった。
ドラーケンは気づいたように、突然強引に腕を引く。
アシュアークは背の高いドラーケンを見上げ、尋ねた。
「スフォルツァは、どこ?」
けど鷹のような目は、獲物を狙うように鋭くて。
捕まれた腕が、痛い程きつく握られて。
逃すまい。とするようで、アシュアークは顔を傾けた。
途端、ドラーケンの顔が被さって来る。
「…う…んっ………」
突然口づけられて、アシュアークは驚いたけど…。
彼が自分と、したいんだと、直ぐ分った。
スフォルツァとしたかったけど…。
でもずっと飢えていたから、口づけされるともう、体に灯が灯った。
アシュアークは抱きしめられて、思わずドラーケンにしがみつく。
ドラーケンは興奮を高め…口づけたまま寝台の上に、どさっ!と音を立ててアシュアークの背を押し倒す。
アシュアークは上にドラーケンにのし掛かられ、体の重みを感じると、もうじれて体を捻った。
「…っんっ…」
ドラーケンは内心、びっくりした。
だってまだ、ほんの幼い少年なのに。
なのに…しっとりと身を寄せられて、股間すら、寄せて来る。
一気に高まり、挿入したい気、満々になったが、組み敷く少年はそれを、待ち望んでるように感じられた。
「(本当に…?!
挿入れて…いいのか?!)」
ドラーケンは狂喜乱舞し、こんな…エロくてどスケベな幼い少年を、これだけ簡単に抱けるほど仕込む、スフォルツァは侮れない。
とその時頭の隅で、思った。
小さくて、まだやわらかい金髪の美少年。
少し顔を離すと、真っ赤な熟れた赤い唇を半開き、青い大きな瞳は潤みきり…。
あんまり、愛らしくて綺麗で。
そんな美少年を貫ける悦びに、ドラーケンは舞い上がって、自分の股間を、取り出すために探った。
…時、隣室の扉が、突然開いた。
「…何してんだ?」
ドラーケンはその声の主に、目を見開く。
それは同じグーデン配下の、二年生達で…。
二人は自分が身の下に組み敷く、金髪の育ちの良さそうな、愛らしく色っぽく幼い美少年を見つけ、にやっ。と笑う。
そして、上に跨がってる自分に、鋭い視線を向けた。
ドラーケンは、一気に体の熱が冷えていくのを感じ、心からがっかりした。
…つまり二年達は。
俺達遊ぶから、お前はさっさとどいて。
組み敷いてる、獲物を寄越せ。
とその鋭い目で命じてる。
仕方なしに押し倒したアシュアークから身を起こす。
アシュアークの小さな手が…身を起こす胸の衣服を、引き止めるように掴み…。
ドラーケンの胸は、ちくん…。と小さく痛んだ。
が、一つ大きなため息を吐いてその手をやんわり解くと、身を起こし、立ち上がる。
代わりにアシュアークに屈み込む、二人の猛者に、その場を譲った。
屋敷の当主が、剣の教師を付けてくれた。
アシュアークはその辺りの顛末を思い返す。
剣の講師は、最高に腕が良くて…。
それに剣を振るのが最高に楽しくって、性に合ってて…。
夢中で剣を振る内に少し、落ちついた。
肌の温もりが無くっても、剣を振り回し続けたから夜は疲れ切って、ぐっすり眠れた。
けどたまに、どうしようも無くスフォルツァを思い出して、彼が欲しくって。
スフォルツァが戻って来る日が待ちきれなくて、我慢できなくって。
ラフォーレンに強請るけど…。
ラフォーレンは
「ダメに決まってるだろう?
『教練』にいるんだ!
彼が帰ってくるまで、待て!」
って、つれなくて…。
けどとても綺麗な女の人が、僕を訪ねて来て。
僕とスフォルツァの話を尋ね、僕は
「凄く会いたいけど、ラフォーレンがダメだって」
とぼやいたら、言われた。
「どうして、ラフォーレンに内緒で会いに行かないの?
私だったら、絶対押しかけて行くのに」
…それが、今日の昼。
三点鐘(時)ごろ、彼女は帰ったけど…。
いてもたっても、いられなかった。
だから…剣の練習の後、ヘバるラフォーレンを盗み見て、こっそり屋敷を抜け出し、『教練』へと馬を走らせた。
同じ…都だったし、馬で二点鐘(時間)も駆ければ着いた。
日は暮れかかっていたけれど…でも、我慢出来なかった。
押しかけさえすればきっと後の事は、スフォルツァが考えてくれる。
多分…。
「人を探してるのか?」
声を掛けられて、アシュアークは振り向く。
見ると背の高い少年が、こちらを見つめていた。
跳ねた栗毛。
鷹のような横長に細い、グレーの瞳。
ちょっと間延びした、馬面。
スフォルツァのような品の良さは全然無く、なんか荒っぽい感じ。
けど強そうな感じがして、アシュアークは変に
「(さすが騎士の養成校…。
『教練』って、自分の強さに自信がある男の人ばっかりなんだ)」
と感心した。
「…スフォルツァを探してるんなら、案内するぜ?」
鼻の上にそばかすを散らし…けど自信に溢れたその少年の態度に、アシュアークはにっこり微笑んで、頷いた。
馬を厩に繋いでくれて、顎で促されて横を、付いて歩く。
彼は
「こんな時間に出歩いて、家の人は何も言わないのか?」
だとか、スフォルツァとはどういった関係なのかを尋ねて来た。
だからアシュアークは
「スフォルツァは大切な人だし、家族(ラフォーレン)も多分、分ってくれる」
と言葉を返す。
彼は「ドラーケンだ」と名乗った。
連れて行かれた場所は宿舎の一室なのか、剣の練習場らしき広い場所の二階にあって…。
質素な作りで、アシュアークは首を捻った。
だってスフォルツァは、召使いを続き部屋に住まわせられるから、身の回りの事は自分でしなくていい、って言ってたし
「大貴族用の特別宿舎で部屋も綺麗で広い。
田舎の宿屋より、うんとマシだ」
と言ってたのに、田舎の宿屋とここは、変わらなかった。
まだスフォルツァが『教練』に上がる前。
貴族の少年達は集まって…たまに遠出もしたから、アシュアークはまだ小さかったけど、強引にスフォルツァに付いて行った。
スフォルツァにねだったら、出先の宿屋に部屋を借りてくれて、そこでした。
みんな、宿屋のある村の周囲で遊び回っていて、人目が有りすぎて、他に場所が無かったから。
スフォルツァは質素なその部屋を珍しがる僕に、言った。
「田舎の宿屋にしては、綺麗だ」
…どのみち寝台があれば、どこだって同じだったけど。
アシュアークはスフォルツァの熱い腕に抱きしめられ、狂おしい時間を過ごした事を思い出し、思わず…股間が反応し、もぞ…と身をよじった。
ドラーケンは気づいたように、突然強引に腕を引く。
アシュアークは背の高いドラーケンを見上げ、尋ねた。
「スフォルツァは、どこ?」
けど鷹のような目は、獲物を狙うように鋭くて。
捕まれた腕が、痛い程きつく握られて。
逃すまい。とするようで、アシュアークは顔を傾けた。
途端、ドラーケンの顔が被さって来る。
「…う…んっ………」
突然口づけられて、アシュアークは驚いたけど…。
彼が自分と、したいんだと、直ぐ分った。
スフォルツァとしたかったけど…。
でもずっと飢えていたから、口づけされるともう、体に灯が灯った。
アシュアークは抱きしめられて、思わずドラーケンにしがみつく。
ドラーケンは興奮を高め…口づけたまま寝台の上に、どさっ!と音を立ててアシュアークの背を押し倒す。
アシュアークは上にドラーケンにのし掛かられ、体の重みを感じると、もうじれて体を捻った。
「…っんっ…」
ドラーケンは内心、びっくりした。
だってまだ、ほんの幼い少年なのに。
なのに…しっとりと身を寄せられて、股間すら、寄せて来る。
一気に高まり、挿入したい気、満々になったが、組み敷く少年はそれを、待ち望んでるように感じられた。
「(本当に…?!
挿入れて…いいのか?!)」
ドラーケンは狂喜乱舞し、こんな…エロくてどスケベな幼い少年を、これだけ簡単に抱けるほど仕込む、スフォルツァは侮れない。
とその時頭の隅で、思った。
小さくて、まだやわらかい金髪の美少年。
少し顔を離すと、真っ赤な熟れた赤い唇を半開き、青い大きな瞳は潤みきり…。
あんまり、愛らしくて綺麗で。
そんな美少年を貫ける悦びに、ドラーケンは舞い上がって、自分の股間を、取り出すために探った。
…時、隣室の扉が、突然開いた。
「…何してんだ?」
ドラーケンはその声の主に、目を見開く。
それは同じグーデン配下の、二年生達で…。
二人は自分が身の下に組み敷く、金髪の育ちの良さそうな、愛らしく色っぽく幼い美少年を見つけ、にやっ。と笑う。
そして、上に跨がってる自分に、鋭い視線を向けた。
ドラーケンは、一気に体の熱が冷えていくのを感じ、心からがっかりした。
…つまり二年達は。
俺達遊ぶから、お前はさっさとどいて。
組み敷いてる、獲物を寄越せ。
とその鋭い目で命じてる。
仕方なしに押し倒したアシュアークから身を起こす。
アシュアークの小さな手が…身を起こす胸の衣服を、引き止めるように掴み…。
ドラーケンの胸は、ちくん…。と小さく痛んだ。
が、一つ大きなため息を吐いてその手をやんわり解くと、身を起こし、立ち上がる。
代わりにアシュアークに屈み込む、二人の猛者に、その場を譲った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる