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2 妖女ゼフィスとの出会い
タニア狙いの近衛の敵ノルンディル一味に襲われるギュンター達
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タニアが王家の双子と去った、暫く後。
いきなりギュンターは、両側からローフィスとディングレーに、がしっ!と腕を掴まれ、連行されるように大広間の出口に向かう。
人々の群れる広間の向こう。
柱の影にオーガスタスの姿。
ローフィスはオーガスタスに一つ頷くと、歩調を速める。
ギュンターがつい、ぐいぐい腕を引っ張るディングレーに振り向き、ぼやく。
「…説明ぐらい…」
「後だ!」
ディングレーにきっぱり言われ、ギュンターは結局、舞踏会広間から連れ出された。
玄関出口へと向かう、長い廊下を更に早足で。
ディングレーとローフィスは、歩き抜ける。
が。
すっ…と行く手に、柱の影から現れた、銀髪の男が立ち塞がる。
「(…ララッツ?!)」
近衛連隊、隊長の一人。
真っ直ぐな銀髪で長身。
剣も使えるが、頭も良い。
「逃がすな!」
その怒鳴り声を耳にし、ギュンターは咄嗟、背後に振り向く。
遙か後方。
広間の出口扉の前で、フォルデモルドが怒鳴ってた。
が。
ローフィスは歩を緩めず、目前に立ち塞がる銀髪のスカした男、ララッツに突進する勢い。
ディングレーに素早く
「殴れ!」と叫び、突っ込んで行く。
ディングレーがギュンターの腕を掴んでる、反対側の腕を、拳を握り込んで振り上げる。
しゅっ!
ララッツが、体を傾けて避け…。
が次に、体を傾けた方向に、吹っ飛んだ。
どっっっ!!!
ディングレーが目を見開き、横のギュンターを見る。
ギュンターがララッツを、蹴って目前から吹っ飛ばしていた。
もう、ローフィスはギュンターの掴む腕を放して怒鳴る。
「走れ!」
ディングレーがギュンターを伺うと、直ぐギュンターは駆け出す。
ディングレーはまだ、ギュンターの腕を掴んでいたので引っ張られて転びかけ、ギュンターに付いて、走るしか無かった。
ギュンターは、元から足は速い。
が、歩幅の広いギュンターに、ディングレーも遅れは取らず。
ローフィスは身軽に、横に駆け並ぶ。
庭に出て厩へと駆け込む途中、斜め向こうから御大ノルンディルが、凄まじい形相で駆け込んで来る。
三人はノルンディルに背を向け、もっとスピードを上げた。
「…………流石にあれは、殴れとは言わないな」
ディングレーがぼやくと、ローフィスが言い返す。
「…准将(ノルンディル)相手じゃ、さすが王族のお前でも、問題視される!
飛べ!」
ディングレーは言い返す。
「…無茶だ!」
が、日頃逃げ慣れてるギュンターは、速度を上げる。
ディングレーとローフィスは歯を食い縛って、本気で駆けるギュンターの両脇に、併走した。
ギュンターが真っ先に厩に駆け込み、愛馬ロレンツォに素早く飛び乗り。
ローフィスも続いて、愛馬オーデに身軽に飛び乗って、手綱を引く。
が。
ディングレーは首を振る。
王族の厩は一つ先にあって、この厩に愛馬の姿は無い。
馬上のローフィスが顎を引いてディングレーに“乗れ!”と合図を送る。
ディングレーは直ぐローフィスの後ろに飛び乗って、叫ぶ。
「エリス!
エリス!!!」
ノンディルの手が、ディングレーのブーツを掴もうとした時。
ローフィスが拍車をかけ、寸でで、すり抜ける。
ギュンターの横には赤毛のデカブツ、フォルデモルドが掴みかかって引きずり下ろそうとし。
が、ギュンターのブーツの裏を胸に喰らい、背後に思い切り吹っ飛んだ。
背を地面に打ち付けたフォルデモルドの背後を、ディングレーに呼ばれた黒馬エリスが、王家の厩より抜け出して駆け抜け、ローフィスの馬、オーデの後に続く。
ギュンターは背後、捕まえ損ねて転がってるフォルデモルドを叱りつけてる、ノルンディルに振り向き叫ぶ。
「タニアは自分で口説くんだな!!!
その、技量があればだが!!!」
「煽ってないで、とっとと来い!!!」
ディングレーに怒鳴られ、ギュンターは一気に拍車をかけ、オーデとエリスの後に続いて広い王宮舞踏会の庭園を、出口門へと駆け抜けていった。
ギュンターがローフィスの横に併走すると、ローフィスとディングレーは何か言い合ってる。
「…ギュンターがララッツ蹴ったとこ、フォルデモルドは見てないよな?」
ローフィスの問いに、ディングレーが背後から歯を剥く。
「あっち勢力では、あんた並に目端が利いて利口なララッツだぞ?!
ギュンターが蹴ったって!
言うに決まってる!」
「蹴ったのは、俺だ」
事実を曲げるローフィスの言葉に、ギュンターが呻く。
「…それで通すつもりか?」
ディングレーも頷いて、言い返す。
「いっくら新兵、ギュンターよりマシでも!
身分低い隊長のあんたじゃ!
矢面に立って、奴らに睨まれるじゃ無いか!!!」
「オーガスタスとディアヴォロス(左将軍)が、なんとかしてくれる」
ディングレーは不満げに、前で馬を操るローフィスから顔を背け。
ギュンターは、併走するローフィスの横顔をじっ…と見て。
そして呟いた。
「俺だって、オーガスタスは庇って…」
「問題外だ」
ローフィスに却下され、ギュンターは俯く。
「俺の身分は低い上、新兵で何の役職も無いから?」
ローフィスは真っ直ぐ前を向いたまま頷き、ディングレーもわざわざギュンターに振り向いて、頷く。
「これに懲りたら、王宮舞踏会では、もっと大人しくしてるんだな!」
ローフィスに言われ、ギュンターは咄嗟、怒鳴る。
「タニアは怪力フォルデモルドに細腕を思い切り掴まれ、凄く痛そうだったんだぞ?!」
ディングレーが唸る。
「一言、俺に耳打ちしてたら…」
ギュンターは今度、ディングレーに怒鳴った。
「あんた!
タニアと結婚したくないから、助けなかったろう?!」
ディングレーは頷くと、言った。
「「右の王家」の双子に、助けるよう耳元で囁いた」
「………………………………」
ローフィスとギュンターがそれを聞いて黙り込むので、ディングレーは凄く、居心地悪かったが。
何とか、バックレ通した。
が。
近衛宿舎に向かう途中の、二股に分かれた道を、ギュンターは左へと馬を進める。
ローフィスは右に入って、ギュンターに叫ぶ。
「帰らないのか?!」
「今夜相手になってくれる、色目送ってくれた感じの良い貴婦人三人を!!!
振り切って出て来たんだ!」
ローフィスが振り向き、ディングレーと目を合わせる。
咄嗟、ディングレーが叫んだ。
「…だから?!」
ギュンターは左の道へと入り、振り向いて怒鳴る。
「ローランデに、会いに行く!」
ディングレーが怒鳴り返す。
「こんな、時間に?!」
が、ギュンターはさっさと左道へと、消えた。
ローフィスが思わず、怒鳴る。
「こんな遅くに行ったら!!!
絶対、ローランデに振られるぞ!!!」
「…うんと可愛がって、蕩かすから!
俺は振られない!!!」
左の道からそう叫ぶ声だけが聞こえ、馬の速度を落としたローフィスとディングレーは、互いの顔を見合った。
「…ホントか?」
ディングレーに問われ、ローフィスは首を竦める。
「…あれだけ寝技に自信がある。
ってのも、イヤミだな」
ディングレーのぼやきに、ローフィスが呆れて言った。
「お前と寝た相手もみんな、お前にメロメロじゃないか」
ディングレーは、歯を剥いて怒鳴った。
「俺はあいつ(ギュンター)みたいに、誰彼なしに寝まくってない!!!」
いきなりギュンターは、両側からローフィスとディングレーに、がしっ!と腕を掴まれ、連行されるように大広間の出口に向かう。
人々の群れる広間の向こう。
柱の影にオーガスタスの姿。
ローフィスはオーガスタスに一つ頷くと、歩調を速める。
ギュンターがつい、ぐいぐい腕を引っ張るディングレーに振り向き、ぼやく。
「…説明ぐらい…」
「後だ!」
ディングレーにきっぱり言われ、ギュンターは結局、舞踏会広間から連れ出された。
玄関出口へと向かう、長い廊下を更に早足で。
ディングレーとローフィスは、歩き抜ける。
が。
すっ…と行く手に、柱の影から現れた、銀髪の男が立ち塞がる。
「(…ララッツ?!)」
近衛連隊、隊長の一人。
真っ直ぐな銀髪で長身。
剣も使えるが、頭も良い。
「逃がすな!」
その怒鳴り声を耳にし、ギュンターは咄嗟、背後に振り向く。
遙か後方。
広間の出口扉の前で、フォルデモルドが怒鳴ってた。
が。
ローフィスは歩を緩めず、目前に立ち塞がる銀髪のスカした男、ララッツに突進する勢い。
ディングレーに素早く
「殴れ!」と叫び、突っ込んで行く。
ディングレーがギュンターの腕を掴んでる、反対側の腕を、拳を握り込んで振り上げる。
しゅっ!
ララッツが、体を傾けて避け…。
が次に、体を傾けた方向に、吹っ飛んだ。
どっっっ!!!
ディングレーが目を見開き、横のギュンターを見る。
ギュンターがララッツを、蹴って目前から吹っ飛ばしていた。
もう、ローフィスはギュンターの掴む腕を放して怒鳴る。
「走れ!」
ディングレーがギュンターを伺うと、直ぐギュンターは駆け出す。
ディングレーはまだ、ギュンターの腕を掴んでいたので引っ張られて転びかけ、ギュンターに付いて、走るしか無かった。
ギュンターは、元から足は速い。
が、歩幅の広いギュンターに、ディングレーも遅れは取らず。
ローフィスは身軽に、横に駆け並ぶ。
庭に出て厩へと駆け込む途中、斜め向こうから御大ノルンディルが、凄まじい形相で駆け込んで来る。
三人はノルンディルに背を向け、もっとスピードを上げた。
「…………流石にあれは、殴れとは言わないな」
ディングレーがぼやくと、ローフィスが言い返す。
「…准将(ノルンディル)相手じゃ、さすが王族のお前でも、問題視される!
飛べ!」
ディングレーは言い返す。
「…無茶だ!」
が、日頃逃げ慣れてるギュンターは、速度を上げる。
ディングレーとローフィスは歯を食い縛って、本気で駆けるギュンターの両脇に、併走した。
ギュンターが真っ先に厩に駆け込み、愛馬ロレンツォに素早く飛び乗り。
ローフィスも続いて、愛馬オーデに身軽に飛び乗って、手綱を引く。
が。
ディングレーは首を振る。
王族の厩は一つ先にあって、この厩に愛馬の姿は無い。
馬上のローフィスが顎を引いてディングレーに“乗れ!”と合図を送る。
ディングレーは直ぐローフィスの後ろに飛び乗って、叫ぶ。
「エリス!
エリス!!!」
ノンディルの手が、ディングレーのブーツを掴もうとした時。
ローフィスが拍車をかけ、寸でで、すり抜ける。
ギュンターの横には赤毛のデカブツ、フォルデモルドが掴みかかって引きずり下ろそうとし。
が、ギュンターのブーツの裏を胸に喰らい、背後に思い切り吹っ飛んだ。
背を地面に打ち付けたフォルデモルドの背後を、ディングレーに呼ばれた黒馬エリスが、王家の厩より抜け出して駆け抜け、ローフィスの馬、オーデの後に続く。
ギュンターは背後、捕まえ損ねて転がってるフォルデモルドを叱りつけてる、ノルンディルに振り向き叫ぶ。
「タニアは自分で口説くんだな!!!
その、技量があればだが!!!」
「煽ってないで、とっとと来い!!!」
ディングレーに怒鳴られ、ギュンターは一気に拍車をかけ、オーデとエリスの後に続いて広い王宮舞踏会の庭園を、出口門へと駆け抜けていった。
ギュンターがローフィスの横に併走すると、ローフィスとディングレーは何か言い合ってる。
「…ギュンターがララッツ蹴ったとこ、フォルデモルドは見てないよな?」
ローフィスの問いに、ディングレーが背後から歯を剥く。
「あっち勢力では、あんた並に目端が利いて利口なララッツだぞ?!
ギュンターが蹴ったって!
言うに決まってる!」
「蹴ったのは、俺だ」
事実を曲げるローフィスの言葉に、ギュンターが呻く。
「…それで通すつもりか?」
ディングレーも頷いて、言い返す。
「いっくら新兵、ギュンターよりマシでも!
身分低い隊長のあんたじゃ!
矢面に立って、奴らに睨まれるじゃ無いか!!!」
「オーガスタスとディアヴォロス(左将軍)が、なんとかしてくれる」
ディングレーは不満げに、前で馬を操るローフィスから顔を背け。
ギュンターは、併走するローフィスの横顔をじっ…と見て。
そして呟いた。
「俺だって、オーガスタスは庇って…」
「問題外だ」
ローフィスに却下され、ギュンターは俯く。
「俺の身分は低い上、新兵で何の役職も無いから?」
ローフィスは真っ直ぐ前を向いたまま頷き、ディングレーもわざわざギュンターに振り向いて、頷く。
「これに懲りたら、王宮舞踏会では、もっと大人しくしてるんだな!」
ローフィスに言われ、ギュンターは咄嗟、怒鳴る。
「タニアは怪力フォルデモルドに細腕を思い切り掴まれ、凄く痛そうだったんだぞ?!」
ディングレーが唸る。
「一言、俺に耳打ちしてたら…」
ギュンターは今度、ディングレーに怒鳴った。
「あんた!
タニアと結婚したくないから、助けなかったろう?!」
ディングレーは頷くと、言った。
「「右の王家」の双子に、助けるよう耳元で囁いた」
「………………………………」
ローフィスとギュンターがそれを聞いて黙り込むので、ディングレーは凄く、居心地悪かったが。
何とか、バックレ通した。
が。
近衛宿舎に向かう途中の、二股に分かれた道を、ギュンターは左へと馬を進める。
ローフィスは右に入って、ギュンターに叫ぶ。
「帰らないのか?!」
「今夜相手になってくれる、色目送ってくれた感じの良い貴婦人三人を!!!
振り切って出て来たんだ!」
ローフィスが振り向き、ディングレーと目を合わせる。
咄嗟、ディングレーが叫んだ。
「…だから?!」
ギュンターは左の道へと入り、振り向いて怒鳴る。
「ローランデに、会いに行く!」
ディングレーが怒鳴り返す。
「こんな、時間に?!」
が、ギュンターはさっさと左道へと、消えた。
ローフィスが思わず、怒鳴る。
「こんな遅くに行ったら!!!
絶対、ローランデに振られるぞ!!!」
「…うんと可愛がって、蕩かすから!
俺は振られない!!!」
左の道からそう叫ぶ声だけが聞こえ、馬の速度を落としたローフィスとディングレーは、互いの顔を見合った。
「…ホントか?」
ディングレーに問われ、ローフィスは首を竦める。
「…あれだけ寝技に自信がある。
ってのも、イヤミだな」
ディングレーのぼやきに、ローフィスが呆れて言った。
「お前と寝た相手もみんな、お前にメロメロじゃないか」
ディングレーは、歯を剥いて怒鳴った。
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