アースルーリンドの騎士達 妖女ゼフィスの陰謀

あーす。

文字の大きさ
77 / 101
9 復活を果たすエルベス大公家とギュンター

ディンダーデンと入れ替わるため影の一族の本拠地に入り、呆れるギュンター

しおりを挟む


  ギュンターは自分の地元も辺境だが、ここまで熾烈じゃ無いぞ。
と思いつつ、派手に揺れまくる吊り橋を何本も渡り…辿り着いた先で、ディンダーデンにべったりの…自分の暗殺を部下に命令した、銀髪の若き頭領を見つめた。



「(…まるっきり…ディンダーデンの、小鳥じゃ無いか………)」
恋人同士のように見つめ合い。
ディンダーデンにハートマークの瞳を向け続けてる。



ディンダーデンは、ギュンターに向くと告げる。
「ハンナを覚えてるか?」
「ナロー宿場の?」
ディンダーデンは、頷く。
「あの女の好みの体位が、こいつの一番感じる体位だ」

ギュンターは、了承した。と頷く。

ディンダーデンは残念なため息を一つ吐き、椅子から立ち上がる。
横にかけてたサスベスは、そんなディンダーデンを切なげに見つめた。

ディンダーデンは、向かいの椅子に座ってる、ギュンターに首を振る。
「あいつが来る迄、近衛一番の美男は俺だった。
あいつのお陰で…一二を争う美男。
に変更された」

ディンダーデンにそう言われ、今まで視界の外にいたギュンターに、視線を向けた途端…。
あまりの麗しさに、サスベスの目線が吸い付いた。

ギュンターは思わず、その反応に目を見開く。

「(…ここの城下町歩いた時から、思ったが…。
他の土地の連中にも増して、ここの住民全ての視線が、俺に喰い込む。
そんなに美男って…。
ここの連中、見慣れてないのかな?)」

そう思ったギュンターは、横を通り過ぎるディンダーデンに、つい聞いた。
「ここでの美男って…」
「アースルーリンド内では珍しく、この土地の男達はぶ男揃いだから。
俺達なんて、珍獣扱いだ。
だがとても重宝されるし、待遇も良い」

ギュンターはその説明に、頷いた。
がその後、首ひねる。
「…ぶ男揃い…?
俺的には、味があって男らしい顔に見えたが…」

ディンダーデンはその見解に、ため息を吐く。
「まあずっと、その美貌を“柔なツラ”と男どもに見下され、嫉妬の対象にされて来たお前にとって。
ここの奴らの、ゴツい風貌は憧れのマトかもな」

ギュンターは思わず、同意の頷きをディンダーデンに返した。
ディンダーデンが出て行き、応接間らしい室内に、サスベスと二人で取り残され、ギュンターは暫く、沈黙した。

臣下がノックした後、訪れた際。
ついギュンターは
「(こいつ、俺を襲撃した一人かな?)」
と疑心暗鬼に見つめてしまう。

が、臣下は表情を変えず
「食事の支度が出来ました」
と告げる。

ギュンターは立ち上がると
「寝室に、運んでくれ」
と言い、サスベスに手を、差し伸べる。

サスベスは大人しく…ギュンターの美貌に見惚れながら、手を握り返して立ち上がった。

広々とした寝室に入る。
ギュンターは
“流石、一国の王に匹敵する、頭領の寝室…”

と、豪華で天蓋付き寝台の他に、ソファも設えられている、豪奢な絨毯の敷かれた部屋を見回した。

寝台では、整えてる若い女中が入って来る二人に顔を上げ、慌てて金刺繍の織り込まれたシーツを被せ、汚れたシーツを抱え、下がろうと慌てふためいて扉に向かう。

ギュンターはつい、可哀想になってぼそり…と告げる。
「慌てなくていい。
まだ始めないから」

が。
女中はそれを聞いて、二人の情事を思い浮かべたのか。
熟れたリンゴより赤く、頬を染めた。

ギュンターはつい、じっ…と女中を見てしまい、サスベスはそんな、ギュンターを見上げる。

ギュンターは見つめるサスベスに振り向くと、聞いた。
「…マズかったか?」

サスベスは見つめられて。
改めて、ディンダーデンとは違う、美麗な顔立ちに珍しい紫の瞳。
そして金髪の…近寄り難い美貌の男に見惚れつつも、どう返答して良いのか、困った。

アイリスもディンダーデンも。
向こうからどんどん来てくれて、サスベスはロクに口を挟む間も無かった事を改めて思い出すと。
ギュンターにどう接して良いのか分からず、思わず顔を下げた。

「………………………」

ギュンターはその、よそよそしい態度に、顔を傾けて言い諭す。
「確かに俺は、アイリスやディンダーデンより愛想が無い。
だが遠慮は要らない」

サスベスは、びっくりして顔を、上げた。

ギュンターは微笑んで無かった。
すましきった美貌。

けれど…雰囲気は…なんだか優しい感じがして、サスベスは改めてギュンターを、じっ…と見つめた。

アイリスはとても綺麗な顔立ちをしていたけど、常に親しげな雰囲気があって…。
ついこちらから、しなだれかかっても抱き止めてくれる優しさを醸し出していた。

ディンダーデンは、もしいきなり…抱かれなかったら、きっと長身や体格の良さも伴って、怖かったかもしれない。

立ち姿が凄く堂々としていて、格好いい感じなんだけど…振り向くと凄い美男で、目が吸い付いた。

ギュンターは…あまりにも美麗で、近寄り難い美貌だけど…。
横に立ってくれると、親しげな雰囲気を出してくれている。

ギュンターは顔を延々見つめられて、内心汗だった。

「…そんなに…見慣れない顔か?」
ついそう、穴が空くほど見つめるサスベスに聞く。

サスベスは途端、ぼっ!と頬を赤らめて俯くから…。

「(…そうか…。
部下らは皆ゴツイ顔だから。
普段俺が出会う奴らよりももっと、見慣れないのかも)」
と、顔を下げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと…… 帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。 生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。 そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。 そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。 もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。 「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

僕がサポーターになった理由

弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する 生きている人全員に何らかの力がある 「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから) でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった だけど、僕には支えがあった そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す 僕は弱い 弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい だから、頑張ろうと思う…… って、えっ?何でこんな事になる訳???? ちょっと、どういう事っ! 嘘だろうっ! 幕開けは高校生入学か幼き頃か それとも前世か 僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

徒花伐採 ~巻き戻りΩ、二度目の人生は復讐から始めます~

めがねあざらし
BL
【🕊更新予定/毎日更新(夜21〜22時)】 ※投稿時間は多少前後する場合があります 火刑台の上で、すべてを失った。 愛も、家も、生まれてくるはずだった命さえも。 王太子の婚約者として生きたセラは、裏切りと冤罪の果てに炎へと沈んだΩ。 だが――目を覚ましたとき、時間は巻き戻っていた。 この世界はもう信じない。 この命は、復讐のために使う。 かつて愛した男を自らの手で裁き、滅んだ家を取り戻す。 裏切りの王太子、歪んだ愛、運命を覆す巻き戻りΩ。 “今度こそ、誰も信じない。  ただ、すべてを終わらせるために。”

後宮に咲く美しき寵后

不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。 フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。 そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。 縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。 ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。 情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。 狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。 縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。

処理中です...