美醜逆転?おれぶちゃくないけど?

香月ミツほ

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25 〜イーシップハー〜

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「仲良いね。」
「そ…「普通よ。」

意見が食い違っているようだけど、つっこむべきか否か…。うん、止めておこう。

「口紅に使えそうなものはありますか?」
「…あるにはあるんだが。」
「あるんだが?」
「不味いんだ。」

そう言って出してきた物は一見、赤くて濃い色水。植物の実の汁らしい。毒ではないようなのでパッチテストをしてみる。…問題ない。気合いを入れて唇に塗ってみると…苦酸っぱい!!

「ぎゃー!!まずっ!まずっ!水~~~~~~!!」

「あー、アチェクの実ね?」
「そうだ。完熟した実はこの色になる。」
「子供の頃、ジェンに食べさせて泣かせた事があるわ。」
「なにそれヒドイ!」
「その頃は知らなかったのよ。見た目は美味しそうなんだもの。」

実物を見せてもらったら赤黒い色の姫林檎って感じだった。そして切ると中まで赤いくて毒々しい。

「美味しそう…?」

「これで布を染めると良い色に染まるんだそうだ。」
「何かを混ぜたり、煮たりするのかな?」
「どうかな?レンキに聞かないと分からん。」

聞いてないのか。
それも聞きたいし、レンキさんちに移動しよう!



「レンキさーん!真咲ー!」

どだだだだだっ!
ぺっちーん!

「デカイ声でマサキの名を呼ぶな!誰かに聞かれたらどうする!?」
「まだ閉じ込めてるの?」

おれは叩かれた頭をさすりながら聞いた。

「…本人がそれで良いと言ってるんだ。」
「ふーん。」

付き合いのいい真咲なら言いかねないな。
家の中に入れてもらってダイニングで昼食を頂きながらアチェクの実について教えてもらった。

1、完熟するとあの色になる。
2、未熟なうちは無味無臭。
3、樹皮からも色は取れるけど薄い。
4、干して粉にしても染まるし不味い。

「未熟なうちにあの色が出てくれれば良いのにね。」
「布を染めるのに味なんて関係ないからな。」
「この実はたくさんあるの?」

高級品とか希少な品だと実験できないって心配したけど、誰も食べないし、大きな木に鈴生りでたくさん採れるんだって。唯一、モルコと言う虫だけがこれを好んで食べると言う。蓼喰ふ虫ってやつか。

他の素材もアリだけど、色が気に入ったのでこれを使って実験したい。

…研究、したいなぁ。

「じゃ、俺は帰る。エルヴァン?」

「…今日は気分じゃないわ。」
「なぜ?」
「なんとなくよ。」

イザーニさんとエルが揉めてる?何かあったのかな?スルーするつもりだったけど、ここで揉められるのはなぁ。

「エル、よく分からないけどちゃんと話し合った方が良いんじゃない?」
「…そうね。カドリさんの工房に夕方馬車が迎えに来るから、そこで待ち合わせをしましょう。」
「分かった。また後でね。」

エルを見送り、レンキさんが仕事に戻って、真咲とお茶を飲みながら話をする。

「おれ、大変な事を聞いたんだ。」
「何、勿体ぶってるの?」
「いや、それがさぁ…。」

おれは徐ろに立ち上がり、真咲の後ろに立った。そして真咲のシャツをペロンとめくり、背の花を確認した。

「やっぱり…。」
「何?」
「お前、子供を産める身体になってるみたいだぞ。」
「はぁっ!?まだそれ言ってるの?はぁんっ!」

真咲の異世界仕様になった身体は、背の花を撫でると簡単に反応した。

「な、な、な、何するんだよ!」
「ここ、前からそんなに感じたか?」
「知らないよ!」
「…背中くらい触って良いよな?」
「えっ?…いっ!良いよ!!」

本人の許可を得て背の花を撫で回すと、そこは鮮やかに色づいて絶対的な存在感を主張した。

「はっ…ぅ…くっ…」
「何ともない?」
「何ともない!」
「じゃ、これは?」
「ひゃぁぁぁん!」

べろっと舐めると女の子みたいな声が出た。やばい、変な気持ちになる。

ごんっ!

「いったー!!レンキさん、痛いって!!」
「お前は何をしてるんだ!?」
「だって真咲が…」

サキになんかなってないって言い張るから、現状を把握させようと思ったんだと説明した。

「真咲、受け入れ辛いだろうけど身体が変わったって、分かっただろ?お尻がぬるっとしないか?」

真咲はただ黙って俯いている。

「この国の王様がさ、乳首フェチなんだって。個性的な乳首のサキを欲しがるって話だから、真咲の陥没乳首なんて絶対狙われるぞ?」
「かん…?」

「レンキさん、見てないの?真咲の胸、絶対狙われるよ?」

顔も身体もこちらではあり得ない個性だから、見つかったらきっと狙われる。万が一の時はおれが身体を張ってでも助けるつもりだけど、自覚が無いと危険度が増すだろう。

「ほら、これ。」

勝手に服をはだけてレンキさんに胸を見せた。

「満…何してるの?」
「真咲の胸を見せている。」
「それに何の意味があるの!?」

まだ分かってないようなのでレンキさんの様子を見るよう促した。
口をパクパクさせながら顔を真っ赤にしている。ついでにもう一押し!

「んぅっ!や…やめ…っ!」
「ほら、こうやってマッサージして普通の乳首にしないと、攫われる可能性があるんだってば!」

乳首を乳輪ごと摘んでくりくりしたり、指の腹で撫でたりしているうちに、ぷくっと膨らんで小さな粒が顔を出した。

「ほら、自分でもレンキさんでも良いから、毎日こうやってマッサージして…」
「あぅっ…はっ…あぅぅん!」

真咲が股間を押さえて身を震わせた。

えーっと…
やり過ぎた?

「満のばかぁっ!!」

ばっちーーーん!

ドタバタと奥の部屋に駆け込む真咲を呆然と見送った。レンキさんは、と言うと股間に大きなテントを張って仁王立ち。

「…マサキがあの容姿のせいで狙われるかも知れない、とは考えていたが…まさかあんな所まで…」
「レンキさん、真咲の事、好きでしょう?守ってやって下さいね。おれ、やり過ぎたから嫌われるかも知れないけど、真咲は誰よりも大切な友達なんだ。」

幸せになって欲しいから。

「だが、あんな事をして襲わずにいる自信がない。無理だ。」
「そこは話し合ってみて?自分でやるんでも良いんだし。」

でも好きな子が乳首くりくりしてるなんて考えるだけで抜けるか。

…早まったかな?

レンキさんにも謝り、また来ると言って工房へ向かった。



「こんにちはー。」
「ミチル…様か。」

職人頭のトリンさんが無愛想に出迎えた。

「あのぅ…無理に様付けとかしないで呼び捨てにして下さい。」
「分かった。で、ミチルはここで迎えの馬車を待つのか。」
「はい。エルヴァンも来る予定です。」
「そうか。まぁ、邪魔すんなよ。」
「はい。」

もちろん、邪魔するつもりはない。
でも一抱えもある大きな岩の塊が運び込まれてノミを当てて割るとアメジストの晶洞だったら興奮するのは仕方ない。

ついつい近づいてしまった。

「邪魔すんなって言ったろうが!」
「ごっ、ごめんなさい!!」
「ったく、怪我でもしたらどうすんだ。」

ぶちぶち言ってるけど頑固オヤジのお約束、口は悪いけど優しい人だ。

大きな晶洞を細かく、上手に砕いて宝石として研磨するに足る色合いや大きさの結晶を選ぶ。それ以外はどうするんだろう?

「見習いの練習に使うか捨てる。もっと高い石なら限界まで使うけどな。」

やっぱりアメジストはそれほど高くないもんね。化粧品に使うには色が薄いし…タンブルとかさざれ石にできたら良いのにな。作り方、勉強してれば良かった。硬い小石と一緒にしてかき混ぜて…、サファイヤの粉も入れるんだっけ?水も入れたような???

電気式の道具もナシでは無理かなぁ?
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