可愛がって下さい。

香月ミツほ

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3 甘やかされてます。

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ふわふわしながら歩いていたら知らない人に声をかけられた。まぁ、知ってる人が少ししかいない訳だけども。

この町は初めてで昼過ぎまで時間を潰したいと言ったら親切に観光案内をしてくれた。商業施設、困った時の保安官事務所、図書館、森の中のきれいな滝。

森に入る辺りからお酒が回ってふらついてきたぼくを抱っこしてくれる優しさ。

ありがとうございます、って言って頬ずりした所までは覚えている。気がつけばお店の前にいた。さっきの人はいない。

出勤して来たマスターに早いな、と言われて試飲した事と親切に観光案内してもらった事、あと昨日はぐっすり眠れた事を話した。

マスターは少し考えていたけど、すぐに店の準備を始めた。

今日も1番のりのお客さんはご隠居さん。昨日と同じ服を着ていたぼくに着替えがないのなら孫の古着をくれると言ってくれた。

今日もお客さん達から料理を分けてもらって幸せ。あーんてしてもらったから、あーんてして食べさせてあげたらお客さんには喜ばれたけどマスターにそう言う店じゃない、って言われた。

ご隠居さんが帰ってしばらくしたら若いタヌキの獣人さんが古着を持って来てくれた。とりあえず3着。また後で持って来てくれるらしい。しかも一人暮らしの部屋に泊めてくれると言う。おじいちゃんに頼まれたんだって。

「ありがとうございます!」

ご隠居さんめちゃくちゃ優しい!!
お孫さんはお店が終わるまで待っててくれて、一緒にお家に行く。名前はキアヌさんだって。タヌキらしくふんわり優しい癒し系。

家に着いたらこれも必要だろ、って下着をくれたけどふんどし。締めたことがない。首を傾げていたら履き方をボクサーパンツの上に締めて教えてくれた。

お湯で身体を拭いた後、ふんどしにチャレンジしたけど上手くできなくて締めてもらった。丸出しの股間の前に人の顔があるのってめちゃくちゃ恥ずかしいね。

キアヌさんも気を使って顔を背けてくれてたけど髪の毛や体温にドキドキしちゃった。ぼく、BLに抵抗なかったみたい。

…勃たなくて良かった。

キアヌさんはパジャマを着てた。こっちの世界ではパンツ一丁で寝るものじゃないの?

「ぼくはパジャマないから下着だけで良い?」

そう聞くと良いんじゃないか?と言われたのでふんどし姿でキアヌさんのベッドに入る。

「か、簡易ベッドがあるから!」

と赤い顔で言われたけど知らない場所で1人で寝るのは寂しいからだだをこねた。ぎゅうぎゅう抱きついて足も絡めて涙目で上目遣い。キアヌさんは諦めて同じベッドで寝る事を許してくれた。

今日もぐっすり眠れた。




朝は少し戸惑ったような顔をしてたけど、今日は仕事がお休みだからとキアヌさんがお店に行くまでの時間、付き合ってくれる事になった。実家に古着を取りに行ったり、下着の替えもいくつか買う事になった。お金も貸してくれるって。後でマスターに昨日と一昨日の分だけ日払いでもらって返そう。

家の人に挨拶をして古着をもらい、買い物に行くとキアヌさんの友達に会った。
イタチの獣人のタチバナさん。日本人みたいな名前だけど偶然だよね?ヤマネさんも日本人名にしか聞こえないけど。

3人で一緒にあちこち見て回るのはとても楽しい。いつも幸せでいられる祝福ももらってたっけ?
時間になったのでお店まで送ってもらって別れた。



今日も来てくれたご隠居さんに色々な気遣いやキアヌさんへのお礼を言った。うんうん、と頷いてまた頭を撫でてくれた。

隠居さんが帰った後でキアヌさんとタチバナさんが来て、今夜はタチバナさんが泊めてくれると言う。よろしくお願いします!

いつものように料理を分けてもらっていたらタチバナさんもくれた。ピザだ!熱々の蕩けるチーズが美味し~い!

お返しにタチバナさんにもあーんしたらイタズラに指を舐められたので、もう一切れ食べさせてもらった時にやり返した。イタズラなのでちょっとエッチっぽく舐めてたら

「こらっ!!」

ってマスターに襟首掴まれて止められた。

「ごめんなさーい!」

テヘペロ。
今日は甘~いお酒も飲ませてもらって幸せ2倍。

もらった古着の余分はお店に置かせてもらって着替え1式を持ってタチバナさんのお家へ。タチバナさんも優しくて甘えても受け入れてくれる。

お湯で身体を拭くときなんか全部やってくれた。すごくさっぱりした!!

下着姿でじゃれながらベッドに入るのは恋人みたいでほんわかする。背中をつーっとしたり腰の上を噛んだりしてたら

「も、もう寝ないと!」

って止められた。調子に乗り過ぎちゃったかな?ごめんなさい。
ぐっすり眠って目が覚めて、挨拶をしたらギュッと抱きしめられた。恋人ってこんな感じなのかな?

「ふにゃ~…しあわせ…」

お仕事に向かうタチバナさんと別れる時、もう一度抱きしめられて、頭をナデナデされた。

「タチバナさんの恋人は幸せですね。」

ぼくがそう言うとタチバナさんがそうかな?って照れ笑いしてキュンとした。
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