可愛がって下さい。

香月ミツほ

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10 大好きな言葉です。

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翌日はタチバナさんの家。
ここでも衣装でいちゃいちゃした。タチバナさんにはちょっと脚を撫でられて服の中まで手を入れられたけど、そこは触らせていません!と断った。

衣装でそれを許しちゃうとお店で断り辛くなっちゃう気がして…普段通り、下着だけになった時はもっと触っても良いよ?

次の日はヤマネさん、その次の日はメルさん。このローテーションで泊まっていたんだけど、メルさんの元気がない。どうしたんだろう?

聞いてもなにも言わずそっと抱きしめてるだけ。切なくなっちゃうよ。

「何があったんですか?お仕事の話?」

ふるふると首を横に振る。教えてくれないの?

しばらく迷って漸く伝えてくれた悩みは、自分にはケモ耳も筋肉もないからぼくを喜ばせられない、と言う事だった。そんなにぼくの事が好きなの!?
イケメンで引き締まっていてそれなりに筋肉はあるし、なにより優しくて気配り上手。モテ競争するほどだったのにすっかり自信がなくなってしまったらしい。

「こんなに誰かを好きになったのも、こんなに自分に取り柄がないと感じたのも生まれて初めてで、気持を持て余してるんだ。」

伏せたケモ耳が見えるようだ。可愛すぎる!!

きゅんきゅんして思わずキスをしてしまった。びっくりしているメルさんに言う。

「ぼくの初めてのキスです。今までキスしたいと思った事がなくて何となくして来なかった、ってだけだからありがたみは無いかも知れないけど、メルさんにはしたくなっちゃいました。」

ふふっと笑ってそう言ったらメルさんの目にみるみる涙が堪って溢れた。

今度はメルさんからキスしてくれて、触れるだけのキスからだんだん深くなってディープキスになった。擦られる粘膜が気持良くてぞくぞくする。気持良くてお互いの熱を擦り付けて欲望を解放した。こっちの世界に来て初めてだ。

身体を清めて眠り、いつも通りの朝。少し違ったのは送り出すときのいってらっしゃいのキス。

1人になって考える。メルさん達4人とはたまたま縁があって居心地が良くて泊めてもらっているけど、まだセックスするかどうか想像はできない。でもキスはこの4人とだけは考えられる。キスができるかどうかが恋人とそうでない人との判断の分かれ目だと言うなら、この4人の中の誰かが恋人になる可能性があると言う事。

……うん、保留しよう。



今日は『さわれる夢』に行く。
やっぱり色々なもふもふと触れ合うのは至福。筋肉も大好き。また来てくれたクマさんを撫で回す。この前は耳と胸を触っただけだったけど、今日はしっぽも触らせてもらう!大きな身体のクマさんのしっぽを触ると他の所が触れなくなる。小さな短いしっぽ、と言ってもぼくの拳ほどもあるしっぽはニギニギすると充実感が半端ない!うっはぁ~……

クマさんが唇に指を触れさせて来るのでしっぽをニギニギしながらいつものようにしゃぶってしまった。昨夜、メルさんとあんなことしちゃったせいか顔のだらしなさに拍車がかかっているような気がする。

「うぅっ…」ってクマさんが小さく呻いたから多分今日もイかせてしまった。
今日はぼくを膝に乗せて抱きしめて、「ありがとう」って言うから「こちらこそ」って返してゆっくり抱き合っていたら次の指名が入った。

席を離れる前に欲しい物を聞かれてダメ元でお風呂!と答えたら分かった、だって。え?どう言う事?
よく分からないけどまたね、ってハグをしてその場を後にした。



次の指名には驚いた。
ご隠居さんがキアヌさんとタチバナさんを連れて来ていたから。どうしても心配だったらしい。ハニーさんも来てお酒とツマミを注文してお喋りして楽しんだ。
ハニーさん、ぼくの事をゴッドハンドとか言うの止めて下さい。
でも先輩として色々説明してくれたのは感謝です。





ここはもふもふ天国だから幸せ過ぎて自分の中のいろんなものが緩んでるけど、たったひとつの言葉が嬉しい。
ぼくからみんなに言いたい言葉、みんなからぼくに言って欲しい言葉。

みんながぼくに言ってくれる。



「 可 愛 が っ て 下 さ い 」




++++++++++++++++++++


後日、町にお風呂やさんができた。
貸し切り風呂もあるそこは温泉を引いているんだって!!
皆で行こうと4人と話をしていたらプレオープンの招待状が来た。
オーナーはクマさんだった。
鉱山主でお金持ちのクマさんは鉱山から出た温泉を町まで引いて施設を作った。
そう、ぼくのために!

…絆されそうなぼくはダメなやつかも知れない。
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