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③おさんぽ
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通いの使用人ジャコッペに挨拶ができた。
エルピディオが心配していたようなことにはならなかった。
だってあいつ男だもん。
「ササ、その、ジャコッペのこと……」
「あいつ男じゃん。俺は女の子の嫁が欲しいの」
「おっ、女の子!? じゃ、じゃあ男は……」
「男は対象外。なのになんで俺召喚されたんだ?」
エルピディオの嫁なら女の人かゲイ、もしくはフタナリを召喚しないとダメじゃない? その辺の指定はどうなってるんだろう。完全なランダム? 国家機密らしくてエルピディオも知らないみたい。
せっかく功績を上げたのに俺なんかが来ちゃうなんて、不憫なやつ……。
せめて友だちとして幸せにしてやるからな!
「ていうかエルピディオは嫁が男でいいの?」
「私を嫌わなければ男でも女でも。できればか、身体が……、ふわふわしていると、うう、嬉しいけど!」
「俺はエルピディオを嫌ってないけど嫁は他を当たってくれよな?」
「う、うん……」
そんな傷ついた顔されても無理なもんは無理だ。勃たん。
あれ? 嫁なら勃たなくていいのか?
いやいやいや、掘られるのはマジかんべんしてくれ。
「あ」
軟膏を容器に移し替える作業がまだ終わってなかったわ。あと少しだからささっとやって片付けて夕飯だ。
軟膏は容器に2つ分だけ残っていた。
「ありがとう。片付けは後で私がやるから、食事にしようか」
「片付けは魔法使わないんだろ? 教えてくれ」
「そう? じゃあ一緒にやろうか」
なぜか『一緒に』を嬉しそうに強調されたがスルーだ。友だちと一緒に何かをするのが嬉しいのだろう。きっと。
片付けをして夕飯を食べ、温泉タイム!
「ふひぃ~~」
「なんだい、その声」
「いやぁ、いい湯に浸かるとでちゃうんだよなぁ。ぬるめで柔らかな泉質。良きかな~……」
まったりのんびり幸せ気分。
「ここの温泉、効能とかあるの?」
「あぁ、微量の回復かな。だからポーションを作るのにいいんだよ」
「えっ!? 風呂にしたら汚しちゃわない?」
「ポーションに使うのは源泉で汲んだ湯だよ。ここのお湯はそこから流れてきたお湯で、ここから出た排水はスライムで浄化して川に流すんだ」
びっくりした~。
でも王道のスライム浄化槽か。
異世界! 異世界!! ビバビバ異世界!
エルピディオはスライムに喜ぶ俺を不思議そうに見つめた後、調薬スライムを見るかと提案してきた。
「浄化スライムは汚れを分解してくれているけど、汚物を取り込んでいると思うと見るのには抵抗あるだろう? だから調薬に利用しているスライムを見たらどうかな? って」
「調薬?」
「うん。スライムはなんでも分解するからゴミは元より薬草や毒草、鉱石、魔獣の素材とか、必要に応じてそれぞれを分解させるんだよ」
へー!!
汚物を分解したスライムに薬草を分解させたりしたら気分的にもアレだから衛生管理として使い分けているのか。ふむふむ。
さっそく見せてもらうと水槽みたいな容器に1つずつ、水饅頭そっくりなスライムが入っていた。大きさは両手くらいかな。
「何か分解しているところ見たい!」
「いいよ。じゃあこの子。薬石を分解してもらうね」
「薬石? 石が薬になるの?」
「なるよ。これは湿布にして患部を温めるんだ」
白い小石を3つ水槽の中のスライムの上に入れるとスライムが変形して石を包み込んだ。
「おおお! ……お? ……うん?」
「この量なら2時間くらいかな」
「にじかん……」
まだ宵の口だから起きてるのは問題ないけど、見てて変化が分かるのか疑問だ。むぅ……。
「明日、文字の勉強しながら見る?」
「そうする」
書取りの息抜きに見た方が良さそうだ。
*******
翌日、見やすい場所に水槽を移動させて小石を入れる。書取りを始める時に小石を入れて5文字書いたら見る。変化なし。次の10文字を書いて見る。変化なし。残りの11文字を書いて見る。
お?
小石の周りが霞んでる?
溶けてきてるのかな。
次は26文字を一通り書き終わったら見る。
小石が小さくなってきたような気がする。小石の周りの霞んだような部分が増えたのかも知れない。
書いては見て、書いては見る。
うーん……。地味だ。
「エルピディオー、これ、あんまり面白くない」
「そ、そうだよね。うぅん、見て楽しくて安全なもの……。思いつかない……!」
「そっかぁ。散歩は?」
「外に、行きたい……?」
「多少は。俺、人がいない静かな森とか小川のそばとか歩いてみたい」
「人がいない場所? うん! それならいいね!」
他の人に合わせたくないとか言ってたからこう提案してみたら釣れた。まぁ、嘘じゃない。人がいてもいなくてもいいけど、早朝とか深夜の誰もいない公園て好きなんだよな。
それにスライムがいるような異世界だ。
普通の動物も普通じゃないだろう。
わくわくする!!
ホーンラビットとかジャイアントラットとかいるかな? ゴブリンやオークはノーサンキューだ。ボア系やウルフ系も怖いから要らない。ほのぼの系のみ、いらっしゃ~い!!
さて。
昼食を食べたらお出かけ準備だ!
エルピディオが用意していた俺のための服はどれも期待のこもった3L。ガリガリの俺がそれを着るとシャツはダボダボ、ズボンはガバガバでサスペンダーで吊るしかない。室内は暖かいのでこれで充分だったが外へ行くには寒いだろう。
靴もサイズが合わず、サンダルみたいなのを借りて履く。そのうちサイズの合う靴を買ってもらおう。
上着はローブなのでサイズフリー。
いや、山や川の散策に丈の長いローブってなんだよ。汚れそうだよ。まぁ、エルピディオがいいならいいけどさ。
……あれ? お揃いのローブ……?
いやいやいや、コートとかダウンとかほぼみんなお揃いだよな、と考えて聞いてみたら普段から体型を誤魔化すためにゆったりとしたローブを着てるんだとか。
涙ぐましい努力だった。
「まぁいいか。行こ!」
「うん!」
幻のしっぽをブンブン振ってご機嫌に歩き始めるエルピディオ。絆されたりしないんだからね!
外は少し肌寒い程度の初冬。
この辺りは寒さが厳しくないらしい。夏も比較的涼しい、ってどこと比較して?
まぁ夏は夏になったら考えよう。
家を出て遠くに見える森に向かって歩く。しばらく冬でも見つかる植物の名前や薬効を説明してもらいながら歩いていると身体が温まってきた。
「あとどれくらい?」
「あの森の手前を右に行けば小川があるよ。魚や花はもっと暖かくならないと見られないけど、きれいな石があるよ」
「おお、宝石拾い!」
「……いや、宝石はどうかな……?」
本物の宝石じゃなくていいんだよ!
俺が期待しすぎてがっかりするのを恐れるエルピディオだけど、家からちょっと歩いただけで一攫千金狙えるなんて思わないから気にすんな。
そうしてたどり着いた小川は川幅が10mないだろう小さな清流だった。透き通った流れはゴロゴロとした石の敷き詰められた河原の真ん中を通り、キラキラと冬の陽射しを受けて輝いている。河原の端の方には枯れた草が残り、枯れた蔓植物も見てとれる。
「おぉ~! 弱々しい冬の陽光に煌めくせせらぎ、控えめに漂う水の匂い……」
「ササは詩的だねぇ」
「そうか? 普通だろ?」
「ううん。とても素敵だよ」
「そうかよ……」
素敵とかあまり使わない言葉だから照れるだろうが。でも友達からはそんな宿題あったっけ? とか言われたなぁ。言葉で風景を描写する宿題なんてなかったよ! ……たぶん。
「あ! なんかきれいな石あるかな?」
「探してみよう!」
「おう!!」
競争だと言ってそれぞれ石を探す。
銀色に輝く雲母みたいな石や半分が白くて半透明な石。赤い石に青い石、緑の石は砕いて磨いてモザイクアートにしようかな。
腰が痛くなってきたところで今日の競争は終了だ。
「あ……」
エルピディオが最後に何か見つけたようなので集めた石を持って近づくと、その手に持っていた石はガラスっぽい黒い石だった。
エルピディオが心配していたようなことにはならなかった。
だってあいつ男だもん。
「ササ、その、ジャコッペのこと……」
「あいつ男じゃん。俺は女の子の嫁が欲しいの」
「おっ、女の子!? じゃ、じゃあ男は……」
「男は対象外。なのになんで俺召喚されたんだ?」
エルピディオの嫁なら女の人かゲイ、もしくはフタナリを召喚しないとダメじゃない? その辺の指定はどうなってるんだろう。完全なランダム? 国家機密らしくてエルピディオも知らないみたい。
せっかく功績を上げたのに俺なんかが来ちゃうなんて、不憫なやつ……。
せめて友だちとして幸せにしてやるからな!
「ていうかエルピディオは嫁が男でいいの?」
「私を嫌わなければ男でも女でも。できればか、身体が……、ふわふわしていると、うう、嬉しいけど!」
「俺はエルピディオを嫌ってないけど嫁は他を当たってくれよな?」
「う、うん……」
そんな傷ついた顔されても無理なもんは無理だ。勃たん。
あれ? 嫁なら勃たなくていいのか?
いやいやいや、掘られるのはマジかんべんしてくれ。
「あ」
軟膏を容器に移し替える作業がまだ終わってなかったわ。あと少しだからささっとやって片付けて夕飯だ。
軟膏は容器に2つ分だけ残っていた。
「ありがとう。片付けは後で私がやるから、食事にしようか」
「片付けは魔法使わないんだろ? 教えてくれ」
「そう? じゃあ一緒にやろうか」
なぜか『一緒に』を嬉しそうに強調されたがスルーだ。友だちと一緒に何かをするのが嬉しいのだろう。きっと。
片付けをして夕飯を食べ、温泉タイム!
「ふひぃ~~」
「なんだい、その声」
「いやぁ、いい湯に浸かるとでちゃうんだよなぁ。ぬるめで柔らかな泉質。良きかな~……」
まったりのんびり幸せ気分。
「ここの温泉、効能とかあるの?」
「あぁ、微量の回復かな。だからポーションを作るのにいいんだよ」
「えっ!? 風呂にしたら汚しちゃわない?」
「ポーションに使うのは源泉で汲んだ湯だよ。ここのお湯はそこから流れてきたお湯で、ここから出た排水はスライムで浄化して川に流すんだ」
びっくりした~。
でも王道のスライム浄化槽か。
異世界! 異世界!! ビバビバ異世界!
エルピディオはスライムに喜ぶ俺を不思議そうに見つめた後、調薬スライムを見るかと提案してきた。
「浄化スライムは汚れを分解してくれているけど、汚物を取り込んでいると思うと見るのには抵抗あるだろう? だから調薬に利用しているスライムを見たらどうかな? って」
「調薬?」
「うん。スライムはなんでも分解するからゴミは元より薬草や毒草、鉱石、魔獣の素材とか、必要に応じてそれぞれを分解させるんだよ」
へー!!
汚物を分解したスライムに薬草を分解させたりしたら気分的にもアレだから衛生管理として使い分けているのか。ふむふむ。
さっそく見せてもらうと水槽みたいな容器に1つずつ、水饅頭そっくりなスライムが入っていた。大きさは両手くらいかな。
「何か分解しているところ見たい!」
「いいよ。じゃあこの子。薬石を分解してもらうね」
「薬石? 石が薬になるの?」
「なるよ。これは湿布にして患部を温めるんだ」
白い小石を3つ水槽の中のスライムの上に入れるとスライムが変形して石を包み込んだ。
「おおお! ……お? ……うん?」
「この量なら2時間くらいかな」
「にじかん……」
まだ宵の口だから起きてるのは問題ないけど、見てて変化が分かるのか疑問だ。むぅ……。
「明日、文字の勉強しながら見る?」
「そうする」
書取りの息抜きに見た方が良さそうだ。
*******
翌日、見やすい場所に水槽を移動させて小石を入れる。書取りを始める時に小石を入れて5文字書いたら見る。変化なし。次の10文字を書いて見る。変化なし。残りの11文字を書いて見る。
お?
小石の周りが霞んでる?
溶けてきてるのかな。
次は26文字を一通り書き終わったら見る。
小石が小さくなってきたような気がする。小石の周りの霞んだような部分が増えたのかも知れない。
書いては見て、書いては見る。
うーん……。地味だ。
「エルピディオー、これ、あんまり面白くない」
「そ、そうだよね。うぅん、見て楽しくて安全なもの……。思いつかない……!」
「そっかぁ。散歩は?」
「外に、行きたい……?」
「多少は。俺、人がいない静かな森とか小川のそばとか歩いてみたい」
「人がいない場所? うん! それならいいね!」
他の人に合わせたくないとか言ってたからこう提案してみたら釣れた。まぁ、嘘じゃない。人がいてもいなくてもいいけど、早朝とか深夜の誰もいない公園て好きなんだよな。
それにスライムがいるような異世界だ。
普通の動物も普通じゃないだろう。
わくわくする!!
ホーンラビットとかジャイアントラットとかいるかな? ゴブリンやオークはノーサンキューだ。ボア系やウルフ系も怖いから要らない。ほのぼの系のみ、いらっしゃ~い!!
さて。
昼食を食べたらお出かけ準備だ!
エルピディオが用意していた俺のための服はどれも期待のこもった3L。ガリガリの俺がそれを着るとシャツはダボダボ、ズボンはガバガバでサスペンダーで吊るしかない。室内は暖かいのでこれで充分だったが外へ行くには寒いだろう。
靴もサイズが合わず、サンダルみたいなのを借りて履く。そのうちサイズの合う靴を買ってもらおう。
上着はローブなのでサイズフリー。
いや、山や川の散策に丈の長いローブってなんだよ。汚れそうだよ。まぁ、エルピディオがいいならいいけどさ。
……あれ? お揃いのローブ……?
いやいやいや、コートとかダウンとかほぼみんなお揃いだよな、と考えて聞いてみたら普段から体型を誤魔化すためにゆったりとしたローブを着てるんだとか。
涙ぐましい努力だった。
「まぁいいか。行こ!」
「うん!」
幻のしっぽをブンブン振ってご機嫌に歩き始めるエルピディオ。絆されたりしないんだからね!
外は少し肌寒い程度の初冬。
この辺りは寒さが厳しくないらしい。夏も比較的涼しい、ってどこと比較して?
まぁ夏は夏になったら考えよう。
家を出て遠くに見える森に向かって歩く。しばらく冬でも見つかる植物の名前や薬効を説明してもらいながら歩いていると身体が温まってきた。
「あとどれくらい?」
「あの森の手前を右に行けば小川があるよ。魚や花はもっと暖かくならないと見られないけど、きれいな石があるよ」
「おお、宝石拾い!」
「……いや、宝石はどうかな……?」
本物の宝石じゃなくていいんだよ!
俺が期待しすぎてがっかりするのを恐れるエルピディオだけど、家からちょっと歩いただけで一攫千金狙えるなんて思わないから気にすんな。
そうしてたどり着いた小川は川幅が10mないだろう小さな清流だった。透き通った流れはゴロゴロとした石の敷き詰められた河原の真ん中を通り、キラキラと冬の陽射しを受けて輝いている。河原の端の方には枯れた草が残り、枯れた蔓植物も見てとれる。
「おぉ~! 弱々しい冬の陽光に煌めくせせらぎ、控えめに漂う水の匂い……」
「ササは詩的だねぇ」
「そうか? 普通だろ?」
「ううん。とても素敵だよ」
「そうかよ……」
素敵とかあまり使わない言葉だから照れるだろうが。でも友達からはそんな宿題あったっけ? とか言われたなぁ。言葉で風景を描写する宿題なんてなかったよ! ……たぶん。
「あ! なんかきれいな石あるかな?」
「探してみよう!」
「おう!!」
競争だと言ってそれぞれ石を探す。
銀色に輝く雲母みたいな石や半分が白くて半透明な石。赤い石に青い石、緑の石は砕いて磨いてモザイクアートにしようかな。
腰が痛くなってきたところで今日の競争は終了だ。
「あ……」
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