ご褒美嫁として召喚されたのにガッカリされました。怒っていいよね?

香月ミツほ

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⑬ケンカ、のちブサイク※

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エルピディオを気持ちよくしたい、と言ったら間に合ってます、と断られたオレです。

しょんぼりしてたらちんちんがガビガビになってきた……。お風呂に入ろう。



「あれ?」
「サ、ササ!?」
「何だよ、オレには1人でどこか行くなって言っておいてお前は1人で風呂かよ」

さては風呂場でヌいてたな。

「ごめんなさい……」
「別に」

ふーんだ!
間に合ってるって言われて不満タラタラですよーだ!!

オレはエルピディオを無視して浄化し、温泉に浸かる。ふーーーーんだ!!!!

「あの、ササ……」

無視だ、無視。
オレはエルピディオを睨みつけ、無言で出ていく。ベッドで寝るのもなんか嫌なのでローブに包まりソファに寝転んだ。予備の毛布がどこにあるのか分からないのでローブだ。寒い季節じゃないからこんなんでも眠れるだろう。

初めびっくりしてその後落ち込んで、1人でさっさと風呂に入ってるの見て腹が立った。

むきーーーーーーっ!!





*******





すやすや……。

チュンチュン

むにゃ………………。

「んー?」

あれー? 身体が痛い……。
あ、ソファで寝たんだった。

「………………? ぅわぁっ!」
「ぇぐっ、ぐす、ごべ、ごべんだざいぃぃ~……」

目が覚めたら涙と鼻水でぐしょぐしょの、泣き腫らしたブサイクが目の前にいた。お前ってやつは美形のくせにきれいに泣けないのか。

「いっじょ、ねで、ぐだぁ……」

オレを起こしもせず、ここで一晩中泣いてたのか? なんか気が抜けた……。

「酷い顔になってるぞ。顔洗ってこい」
「うぅ、で、でもっ……」
「あれくらいで怒って悪かった。だから……」
「ササは悪くだいっ! 悪いのはわだじでぇぇぇ~」
「まぁ、まず話し合おう。顔洗って落ち着いてからな。ほら、オレも顔洗いたいし」
「ゔ、うぅ……」

なんとか宥めて洗面所へ向かう。
顔を洗って……、ポーション飲ませよう。



ポーションを飲ませたものの、この世界のポーションは自然治癒よりは速く治る、という程度なので濡れタオルでも冷やす。

そのまま大人しくしておくように言って朝食の用意をした。

「……落ち着いたか?」
「う、うん……」

さっきまではひどくしゃくり上げていたが、どうにか落ち着いて無言でもそもそと朝食を食べた。今は食後のお茶を飲んだところだ。

「ずっと起きてたのか?」
「う、うん……。朝1番に謝ろうと思って……」
「……間に合ってる、ってのはオレが不要ってことじゃないんだよな?」
「違うよ! あれは言葉のあやで……! す、好きな人に触られたら一瞬で、その……、出ちゃう、って思って……」

なるほど。
早漏は恥ずかしいと思ったのか。そういうことなら分からなくもない。けどそれって……。

「オレはエルピディオが早かったら嬉しい」
「ふえっ!?」
「オレの方は乳首だけでイったり、お触りをねだったり、恥ずかしいところを見られてるのに、エルピディオのそういうところをまだ見てないのは不公平だと思う!」
「ふこうへい……」

お付き合いするなら対等な立場で!!

「だから、見せろ」
「え……? ぴゃっ!」

向かい合わせの席から立ち上がり、ダッシュで回り込んでイチモツを鷲掴みする。もちろん、力は入れずにやわやわと揉むだけだ。

……でかくね?

マナーとして風呂場で裸を見ないようにしていた。だからサイズは知らなかったが平常時でこれ……? ちょっと不安になってきたぞ。

もみもみもみもみ

「あああ、あの、ササ、う、嬉しいんだけどでも、恥ずかしくて心臓が破裂しそうだから!」
「……でかくね?」
「ササぁっ!」

ふっくらしてきたソレを鷲掴みをやめて形をなぞるようにパジャマの上から撫でさする。ヘソに届きそうなんだが?

口では嫌がりながらもオレの手を払い除けることはしないので、ズボンと下着をズリ下げて直接触ることにした。

デカいというより長い。

完勃ちになったソコはオレの両手の幅より長かった。コレを尻に入れるなんて無理!!

でも扱きやすいな。

先走りに唾液も足してグチュグチュと卑猥な音をさせながら擦ると、さすがにオレの手を押さえにきた。

「あっ、も、もう、出ちゃうから、ホントやめ……、あっ、あぁぁぁぁっ!」
「お、出たか。でもそんなに早くないじゃん」

オレと同じくらいじゃね?

「うぅぅ……」

それにしても、他人のちん◯触るってのに、まさか全く抵抗がないとは思わなかった。いっそ舐めたいとまで思ってしまったのは何故なのか。

好奇心かな。

「よし、じゃあコレで許してやる」
「えぇ!? 私が気持ちよかっただけじゃない? どうしてコレで許してもらえるの?」
「気持ちよかっただけ? 恥ずかしくなかった?」
「めっ、めちゃくちゃ恥ずかしいです、はい……」
「ならよし」

元々、オレもエルピディオを気持ちよくしたいって申し出だった訳で、目的は達成したのだ。怒りは朝のブサイクで吹っ飛んだし。

もうこの話は一旦お終いにする。
定期的に抜きっこすれば夢精もしないだろうし、心の距離も近づくような気がする。

知らんけど。





*******





時間が経って悩み始めた。
エルピディオのデカちん……、長いちんちんだから『ちょうちん』? いやふざけている場合じゃなくて、ソレを尻に入れるか否か。

……入れなくてもいいか。

オレは嫁として生を受けた。嫁なら結婚しないと! 結婚したら初夜!! 初夜といえば挿入!!!

と、思い込んでいたけど無理にすることでもないよなぁ、きっと。

……だが待てよ?
そう言えば聞いたことがあるだけだが、尻は途轍もなく気持ちいいらしい。マジ?

それはちょっと……、いやかなり興味がある。
けど、やっぱり入る気がしない。他人はどうやってるんだ?

……ちょっとアナニーにチャレンジしてみようかな。





こっちのトイレはなんと!
ある程度、体内まで浄化できるらしい。だいたい手首から中指の先までの長さくらいまで綺麗になっているという。

なんで知ってるかって?

初めて使った時、紙がなくて慌ててたら教えてくれたんだ。まぁ、詳しいことはいいや。

それでは早速……!

「うひょっ!?」

うわうわうわ! 何だコレ!!
え? これ、気持ちいいの?
気持ち悪くない?
指でつついただけでうひょってなるぞ。

うーん、どうしょう……。

うーん、うーん、うーん……。

気が向いたらでいいや。

と、速攻で挫折するオレでした。





*******





「スパイスソルト作り、飽きたー」
「たくさん作ったもんね。無理しなくて良いんじゃないかな」
「そうだよな。休むわ」

ミキサーを魔道具で作ってもらったから量産するのも苦にならないんだけど、休日は必要だと思います。あと運動不足でオレのお腹がね、ぽよっとしてきたんだ。ほんの少しベルトに乗っかる程度だよ。ホントだよ!!

胸を寄せたら綿棒くらい挟めそうになってしまった。

「瓢箪米見てくる~」
「うん、気をつけてね」
「いや、裏庭じゃん」
「それでも!!」
「はいはい」

温泉の効能か、生育が早い。
まだたった1ヶ月なのに青い実がなっている。

この青々とした葉と蔓が萎びて実が乾燥したら収穫だ。

千成り瓢箪?

2坪ほどの棚に60~70個の瓢箪がぶら下がっている。買ってきた物より小ぶりだけど数が多い。中身はどんな感じかな?

ワクワク!!





さらに1ヶ月が過ぎていよいよ収穫となった。

「ひょうたん、ひょうたん、うひょひょひょひょ~♪」
「ぷぷっ、ササそれ何の歌?」
「今オレが作った瓢箪の歌だ! さぁさぁ、収穫だぞ~」

うっきうきのオレは剪定鋏を持って1番日当たりのいいところにある実を手に取った。ずっしりとしている。

「いざ!!」

短く切った軸をペンチで挟み、キュルッと回して取り外す。天然でこんな蓋みたいな作りって面白いよな。そして中身をボウルにぶちまける。

ぶちまけ……。

あれぇ?

さらら……、と出てきた米はほんの少し。
大さじ2杯くらいか?

まさかっ!!

オレとエルピディオは2人ががりで収穫して米を集めた。全部で……。

全部で売り物の瓢箪2個分くらいしかなかった。なぜだ!! これは専門家に聞くしかない、とお菓子とスパイスソルトと常備薬の詰め合わせを手土産に町に出かけた。

ちなみに重かった理由は分厚い皮でした。






__________________

読者様が2人のポンコツ具合に呆れてしまわないか心配になってきました。

でもまだ当分、ポンコツのままです。

気長にお付き合いいただけたら幸いです。

香月ミツほ
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