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7 告白
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「……待たせたな」
「お顔を見せていただけて嬉しいです。おかげんはいかがでしょうか?」
「……良くはない」
沈黙。
シファーァ王子に促されて座る。
ソファなら側仕えは主人の後ろに立つんだけど、ここだと絨毯に座るし、学生同士としてみんな一緒に座るよう、言ってくれた。ふかふか絨毯、気持ちいい!
胡座をかくの、みんなは慣れてないから落ち着かなそう。
「この度は我が国の者が大変な失敗をしたこと、誠に申し訳なく、どうか謝罪をさせてください」
「悪意があった訳ではないのは理解している。謝罪は不要だ」
「ですが、あの者は謝罪を受けていただけないため、自ら命を断とうとしております」
「っ!! そ、それはならぬ!! 謝罪を受け入れる! ……私が変わらねばならぬのだな」
王子様、いい人だな。
「あのう、王子様は黒髪を隠したかったのでしょうか? この国で黒髪は誇るべき力の証です。その誇るべき美しい黒髪は、お嫌いですか?」
「黒髪は誇るべきもの……?」
エッケンハルト様がこの国での黒髪に対する思い入れや物語を語ると、シファーァ王子の表情が明るくなった。
「黒髪は有能の証、か。不思議なものだな」
「この国について、聞いておりませんか?」
国で学んできたことはこの国は髪の色、つまり個人の保有する魔力の量に対して寛容である、ということ。そして黒髪でも不自由しないらしい、と聞いてきた。それなのに来てみれば黒髪は1人もいなくて、どう扱われるのか不安になったのだそうだ。
「不安にさせてしまったのですね。実は……」
先程、皆と話し合ってエッケンハルト様にも黒髪である事を知らせてある。エッケンハルト様は魔力供給について、興味はあるものの手に余るので、関わらないようにすると言ってくれた。
だからここで絹布とカツラを外す。
「これは……」
「このように、ぼくは双黒と呼ばれる黒髪黒目です。両親も領主様もすごいすごい、と言ってくれますが、他の人達にどんな扱いをされるか不明なので隠しています。逆に、ラナリウス様はプラチナブロンドです」
「そして私も薄紅色なのです」
今日はこちらに来る前に魔力を消費して、バルドゥイーン様も本来の色に戻した上で絹布を巻いてきた。ラナも今日は薄い金髪程度にしている。
黒髪のぼくだけが魔力を供給できること、そのおかげでラナの具合が良くなったことを告げると、シファーァ様はおずおずと、試してみたいと言い出した。
両手を繋ぎ、片方から魔力を流してもう片方から受け入れる。そう説明すると、ぼくの時と同じようにバルドゥイーン様の身体が光った。
「ボクにも試していただけますか?」
ラナがお願いしてやってもらうと、やっぱり同じように光り、髪色が濃くなった。
「素晴らしい! これは黒髪を持つ者、特有の能力なのだな」
「そのようですね。ラナリウス様のように、魔力が少ないために身体が弱い方を助ける事ができるのではありませんか?」
「そうか! そうだな」
毎日しなきゃならないから、何か上手い方法を考えなくちゃならないけど。それでも人の役に立てる事、自分が必要とされる事、それが希望の光になる。
「我が国では、まだまだ時間がかかるだろう。だが、光明が見出せた以上、励むことができる。あぁ、私はあなた方にどうやって報いればよいのだ。私にできうる限りの便宜を図ろう」
大袈裟だなぁ。
でも、喜んでもらえてよかった。
それからシファーァ王子は元気になって、粗相をした子に面会を申し込み、思い悩ませてしまったことを謝罪した。
それからみんな仲良くなって、みんなで街へ遊びに行ったり、バッシャール国の民族衣装をもらって着て、バッシャール風のお茶会を楽しんだりした。
バッシャールは砂漠の国で、石英を多く含んだ砂なので、それを利用した色ガラスが特産品。
きれいにカットされた最高級のグラスやステンドグラスのランプシェード。カラフルなタイルの釉薬にもなるので、モザイクタイルも色々ある。
うちの国ではこの素材と金属を合わせた七宝焼きが割とポピュラー。
というか、七宝焼きは魔法陣の固定に必須なので、コンピューターの基盤みたいなものだ。金属で作った魔法陣の隙間をガラスで埋めると、歪みにくくて長持ちする。だからバッシャールと取引したい国はたくさんある。砂漠の端っこからこそこそ盗まれたりしないのかな?
「砂から石英をふるい分けるのに技術が必要なんだ。だから職人は優遇される。そして技術の流出を防ぐために他国との交流は制限される」
だから今回の留学は異例の事で、黒髪の王子を産んだため、影で不貞を疑われている王妃様が黒髪は恥ではない事実を学んでくるよう取り計らってくれて実現したのだそうだ。
「素晴らしい方なのですね」
ぼくの素直な感想に、王子様は嬉しそうに微笑んだ。
*******
1年の留学を終え、シファーァ王子は帰って行った。エッケンハルト様はモザイクタイルに興味があるようで、視察の許可をお願いしていた。石英の精製工場は見せられないが、民芸品の職人ギルドなら、と許可が下りたらしく、卒業したら行くという。
バルドゥイーン様は魔力の効率的な運用について研究したい、とその道の研究をしている教授を招き、個人教授を受け始めたそうだ。
みんな、将来を見据えて動き出している。ぼくはラナと共に経済学を選択した。領地の将来のために2人で共通の知識を持ってないと、揉めそうだからね!!
経済学は伯爵以上は家庭教師から教わるけど、子爵以下は大体みんな学校で教わる。
だけど、先生はあまりやる気を感じない人で、少し不安になった。
天候による不作、豊作、戦争。技術革新による繁栄と衰退。心理的な要因による物資の需要と供給。これらを見極めるための情報は主に商人や吟遊詩人が運んでくるという。
吟遊詩人なんていたんだ。
*******
ぼく達はどうにも世間知らずで、安全な所までしか行けない。腕が立って情報通で、最下層にも潜り込めて、信頼できるひとがいないだろうか?
……高いだろうなぁ。
「いるぞ。紹介しよう」
「本当ですか!? あ、でも雇うのは高いのでしょうね」
「1年専属で白金貨1枚だ」
お高いのかお手頃なのか分からない……。
「元は◇◇国の間諜だったのだが、嫁ができて仕事をやめ、我が国に亡命したのだ。護衛も忍びの手配も安心して任せられる。現在はよろず屋だが、歌声が聞くに耐えないので、吟遊詩人の変装だけは全力で止めた方が良い」
それ、逆に聞いてみたい。
年間契約は白金貨1枚だけど、1日下町ガイドなら金貨1枚で食事代変装用具一式込みらしいので、試しに1日ガイドを頼んでみた。
*******
約束の場所に現れた人は中肉中背で、茶髪の地味な人。すごい! ぼくだって人の顔と名前は1発で覚えるよう訓練してるのに、印象に残らない!
だからって、「案内人」て大きな札を下げるのはいかがなものか。
「バルドゥイーン様のご紹介で依頼させていただきました。今日1日、よろしくお願いします」
「よろしくお願いいたします」
「こりゃご丁寧にどうも。あぁ、お代はヴィターハウゼンのぼんぼんから貰ってるから、あんたらは気にすんなよ」
「「え!?」」
「ずいぶん世話になってるって言ってたぞ。それはいいとして……、今日は下町に行くんだろ? その言葉づかいはどうにかしてくれ」
「はい!」
「……ラナ、返事は『はい』じゃなくて、『うん!』だよ」
「あ、そっか。じゃぁ名前も愛称呼びする?」
「そうしよう!」
ぼく達が普段の言葉遣いにすると、案内人のハンスさんは、それでいい、と頷いてくれた。
「お顔を見せていただけて嬉しいです。おかげんはいかがでしょうか?」
「……良くはない」
沈黙。
シファーァ王子に促されて座る。
ソファなら側仕えは主人の後ろに立つんだけど、ここだと絨毯に座るし、学生同士としてみんな一緒に座るよう、言ってくれた。ふかふか絨毯、気持ちいい!
胡座をかくの、みんなは慣れてないから落ち着かなそう。
「この度は我が国の者が大変な失敗をしたこと、誠に申し訳なく、どうか謝罪をさせてください」
「悪意があった訳ではないのは理解している。謝罪は不要だ」
「ですが、あの者は謝罪を受けていただけないため、自ら命を断とうとしております」
「っ!! そ、それはならぬ!! 謝罪を受け入れる! ……私が変わらねばならぬのだな」
王子様、いい人だな。
「あのう、王子様は黒髪を隠したかったのでしょうか? この国で黒髪は誇るべき力の証です。その誇るべき美しい黒髪は、お嫌いですか?」
「黒髪は誇るべきもの……?」
エッケンハルト様がこの国での黒髪に対する思い入れや物語を語ると、シファーァ王子の表情が明るくなった。
「黒髪は有能の証、か。不思議なものだな」
「この国について、聞いておりませんか?」
国で学んできたことはこの国は髪の色、つまり個人の保有する魔力の量に対して寛容である、ということ。そして黒髪でも不自由しないらしい、と聞いてきた。それなのに来てみれば黒髪は1人もいなくて、どう扱われるのか不安になったのだそうだ。
「不安にさせてしまったのですね。実は……」
先程、皆と話し合ってエッケンハルト様にも黒髪である事を知らせてある。エッケンハルト様は魔力供給について、興味はあるものの手に余るので、関わらないようにすると言ってくれた。
だからここで絹布とカツラを外す。
「これは……」
「このように、ぼくは双黒と呼ばれる黒髪黒目です。両親も領主様もすごいすごい、と言ってくれますが、他の人達にどんな扱いをされるか不明なので隠しています。逆に、ラナリウス様はプラチナブロンドです」
「そして私も薄紅色なのです」
今日はこちらに来る前に魔力を消費して、バルドゥイーン様も本来の色に戻した上で絹布を巻いてきた。ラナも今日は薄い金髪程度にしている。
黒髪のぼくだけが魔力を供給できること、そのおかげでラナの具合が良くなったことを告げると、シファーァ様はおずおずと、試してみたいと言い出した。
両手を繋ぎ、片方から魔力を流してもう片方から受け入れる。そう説明すると、ぼくの時と同じようにバルドゥイーン様の身体が光った。
「ボクにも試していただけますか?」
ラナがお願いしてやってもらうと、やっぱり同じように光り、髪色が濃くなった。
「素晴らしい! これは黒髪を持つ者、特有の能力なのだな」
「そのようですね。ラナリウス様のように、魔力が少ないために身体が弱い方を助ける事ができるのではありませんか?」
「そうか! そうだな」
毎日しなきゃならないから、何か上手い方法を考えなくちゃならないけど。それでも人の役に立てる事、自分が必要とされる事、それが希望の光になる。
「我が国では、まだまだ時間がかかるだろう。だが、光明が見出せた以上、励むことができる。あぁ、私はあなた方にどうやって報いればよいのだ。私にできうる限りの便宜を図ろう」
大袈裟だなぁ。
でも、喜んでもらえてよかった。
それからシファーァ王子は元気になって、粗相をした子に面会を申し込み、思い悩ませてしまったことを謝罪した。
それからみんな仲良くなって、みんなで街へ遊びに行ったり、バッシャール国の民族衣装をもらって着て、バッシャール風のお茶会を楽しんだりした。
バッシャールは砂漠の国で、石英を多く含んだ砂なので、それを利用した色ガラスが特産品。
きれいにカットされた最高級のグラスやステンドグラスのランプシェード。カラフルなタイルの釉薬にもなるので、モザイクタイルも色々ある。
うちの国ではこの素材と金属を合わせた七宝焼きが割とポピュラー。
というか、七宝焼きは魔法陣の固定に必須なので、コンピューターの基盤みたいなものだ。金属で作った魔法陣の隙間をガラスで埋めると、歪みにくくて長持ちする。だからバッシャールと取引したい国はたくさんある。砂漠の端っこからこそこそ盗まれたりしないのかな?
「砂から石英をふるい分けるのに技術が必要なんだ。だから職人は優遇される。そして技術の流出を防ぐために他国との交流は制限される」
だから今回の留学は異例の事で、黒髪の王子を産んだため、影で不貞を疑われている王妃様が黒髪は恥ではない事実を学んでくるよう取り計らってくれて実現したのだそうだ。
「素晴らしい方なのですね」
ぼくの素直な感想に、王子様は嬉しそうに微笑んだ。
*******
1年の留学を終え、シファーァ王子は帰って行った。エッケンハルト様はモザイクタイルに興味があるようで、視察の許可をお願いしていた。石英の精製工場は見せられないが、民芸品の職人ギルドなら、と許可が下りたらしく、卒業したら行くという。
バルドゥイーン様は魔力の効率的な運用について研究したい、とその道の研究をしている教授を招き、個人教授を受け始めたそうだ。
みんな、将来を見据えて動き出している。ぼくはラナと共に経済学を選択した。領地の将来のために2人で共通の知識を持ってないと、揉めそうだからね!!
経済学は伯爵以上は家庭教師から教わるけど、子爵以下は大体みんな学校で教わる。
だけど、先生はあまりやる気を感じない人で、少し不安になった。
天候による不作、豊作、戦争。技術革新による繁栄と衰退。心理的な要因による物資の需要と供給。これらを見極めるための情報は主に商人や吟遊詩人が運んでくるという。
吟遊詩人なんていたんだ。
*******
ぼく達はどうにも世間知らずで、安全な所までしか行けない。腕が立って情報通で、最下層にも潜り込めて、信頼できるひとがいないだろうか?
……高いだろうなぁ。
「いるぞ。紹介しよう」
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お高いのかお手頃なのか分からない……。
「元は◇◇国の間諜だったのだが、嫁ができて仕事をやめ、我が国に亡命したのだ。護衛も忍びの手配も安心して任せられる。現在はよろず屋だが、歌声が聞くに耐えないので、吟遊詩人の変装だけは全力で止めた方が良い」
それ、逆に聞いてみたい。
年間契約は白金貨1枚だけど、1日下町ガイドなら金貨1枚で食事代変装用具一式込みらしいので、試しに1日ガイドを頼んでみた。
*******
約束の場所に現れた人は中肉中背で、茶髪の地味な人。すごい! ぼくだって人の顔と名前は1発で覚えるよう訓練してるのに、印象に残らない!
だからって、「案内人」て大きな札を下げるのはいかがなものか。
「バルドゥイーン様のご紹介で依頼させていただきました。今日1日、よろしくお願いします」
「よろしくお願いいたします」
「こりゃご丁寧にどうも。あぁ、お代はヴィターハウゼンのぼんぼんから貰ってるから、あんたらは気にすんなよ」
「「え!?」」
「ずいぶん世話になってるって言ってたぞ。それはいいとして……、今日は下町に行くんだろ? その言葉づかいはどうにかしてくれ」
「はい!」
「……ラナ、返事は『はい』じゃなくて、『うん!』だよ」
「あ、そっか。じゃぁ名前も愛称呼びする?」
「そうしよう!」
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