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今日はいつもより遠い場所。
学校の北側に貴族街、その先が王城。南側には平民街が広がるけど、学校から離れるほど治安が悪くなる。今日はいつも行くところより、少し先。
「オヤジ、今日は何がおすすめだ?」
「3種類しかないんだ。全部おすすめに決まってんだろ!」
「はははははっ!」
ハンスは気安い会話をしながら串焼きを買い、渡してくれた。かぶりつくなんて、ラナにできるかなぁ?
「「おいしい!!」」
「そうかそうか、ぼうず達、たくさん食って大きくなれよ!」
「「うん!」」
肉だけの「ぶっさし」、肉を野菜と交互に刺した「肉野菜」、棒に生地を巻きつけて焼いた「巻きパン」。ここのメニューはこの3つ。
巻きパンは全粒粉で、ぎゅっと詰まった食感だった。ラナの口の周りに肉汁がついたので、拭いたら自分にやらせろって注意された。
八百屋さんはなくて、家で採れた野菜を荷車に積んで売りに来るらしい。何軒か並んで売ってるけど、子供が売っている店(?)が1つだけあった。大丈夫かな? 買い叩かれたりしないのかな?
「おっちゃん、今日もたのむ!」
「頑張ってるな。兄ちゃんの具合はどうだ?」
「うーん、医者にかかる金はないし、分かんないよ」
そんな会話を聞いていたら、ハンスが事情を説明してくれた。
以前は兄と2人で売りに来てたけど、兄が病気になってここまで歩いてくるのが辛くなり、弟が1人で来るようになったこと。この辺りは自警団のおかげでまだ治安が良く、安心して商売ができること。両親と兄、小さな弟と妹の6人暮らしであること。
「兄ちゃん、急に髪の毛白くなっちゃってさ。前にそうなった近所の人と同じように、寝たきりになっちゃうのかなぁ……」
髪が白くなると言えば魔力不足だけど、突然そうなって回復しないのはおかしい。そんな病気があるのだろうか?
医務室の先生に聞こうと記憶に留めた。
「次はここだ」
「「鍛冶屋さん!!」」
「おうよ! やっぱ男は武器だろう? まぁ、危ないから見るだけな」
「なんじゃ、また観光か。どうせなら客を連れてこい」
「こいつらだって成長したら客になるだろ」
「ワシが現役のうちにゃあ、無理じゃろう」
腕はいいけど金がなくて、良い武器が作れない親父さん、って紹介された。
「どうして腕がいいのに、お金がないの?」
「飲み過ぎだ」
「ふん! 必要な分しか飲んでおらんわ!」
「飲んだくれの必要分てのは際限がないからな。お前ら、信用するなよ」
このノリのいい掛け合いを見せたかったのかな?
「あのう、小さなナイフはありま……、ある?」
「メシ用か? 護身用か? メモ板用のナイフか?」
「メシ用で」
「ならこの辺だな」
ざらざらと出てきたそれは、茎が剥き出しの作りかけだった。
「これじゃ切れないよ」
「買うなら研ぐし、手に合わせて柄も付ける。鈍も混じってるから、しっかり選べよ」
ハズレがあるの!?
ラナと2人で真剣に選び、それぞれ1本ずつお願いした。
「ボウズ、なんでそれにした?」
「ボクは軽くてびっくりしたから、欲しくなったの」
「ぼくは気になったやつの中で、持ったら見た目より重い気がしたから、かっこいいな、って」
実は土属性魔法を使うと金属の質が分かる。魔力をぶつけた時の音が、密度が高いほど澄んだ音として聞こえるのだ。もちろん、物理的な音ではないので、自分のとラナのしか聞こえない。
ラナにはぼくの魔力が混じっているから聞こえるんだと思う。
その音で質を見極めて、あとは好みの重さのを選んだだけ。
棒につけた粘土のような物を握り、手の型取りをしてお金を払った。
今日、初めての買い物!!
どちらもお手頃な銀貨1枚だった。
「次はここ!」
「「干し果実!!」」
テーブルの上にドライフルーツとナッツの並ぶ露店。日持ちのする物は生でも置いてあるけど、高い。ナッツは殻付きで、食べる部分は少なそうなのに、果物より高い。
「ナッツは腹持ちがいいし、栄養がたっぷり入ってるんだよ。それに、殻付きなら1年保つんだ。少しずつ大事に食べるために殻付きで売ってるのさ」
ナッツと干し果実の入った素朴な……、パンなのかクッキーなのか微妙な固さの焼き菓子を買って食べた。ここはガイド料に入ってた。
「んぐ、ぁぐ、むぐ……」
「ほら、水をお飲み」
「んんっ! ありがとう。この水、果物の香りがするね」
「古くなった干し果実は硬すぎて歯が立たないから、水に入れてふやかすんだ。そっちは料理に入れて、残った水がこれさ。美味いだろ?」
「「うん!!」」
つまり、果実水なんだけど、干してあるからか、甘味が強い。
「さて、ちょっと足を伸ばしてさっきの野菜売りの家に行くぞ。お前らは田舎育ちらしいから、農地は見たことあるな」
「もちろん」
「うちの領地は土地が痩せてて、大粒麦が育たないから、黍豆を主に育ててるよ」
「黍豆も故郷の味で好きだけど、もっと収穫量が増えると良いんだよね」
2人で故郷の説明をする。
「黍豆か。素朴な味だな。野菜は?」
「美味しい野草をいろいろ育ててるかな。あと芋類と……、ツルハミって知ってる?」
「……あれを食べるのか?」
「花が咲く寸前に刈り取って茹でて皮を剥いて干すと、ツルが食べられるの」
「冬の蓄えだよ」
「知らなかった……」
元間諜としては知らない情報があると悔しいのかな? たとえばーちゃんの知恵袋でも。
山や森に生える蔓植物で、畑では栽培できないけど、刈り残しをすればまた翌年生える。刈り取りは1年おき。
「あそこだ」
作物の話をしていたら目的地に着いた。
「だーれー?」
「おきゃくさん?」
「あ、ハンスおじさん」
「おじさんは止めろ」
両親は大粒麦の畑に行っているそうで、子供達がきゃっきゃしながら野菜畑を案内してくれた。芋類と豆類、葉物野菜。小さな用水路が引いてあって、そこから水を汲んで撒くらしい。
「ぼく、おてつだい してるよ」
「ミアも! ミアも!!」
男の子は葉っぱについた虫をぽいぽい投げている。女の子は……、不思議な踊りで野菜を応援してる?
「この辺、採っていいよ」
「いいの?」
「ハンスから料金もらってるから」
フルーツ狩りならぬ豆狩りか。
「ねぇ、ここ、ずいぶんぎゅうぎゅうに種を撒くんだね」
「それ、少し大きくなったら育ちの良いやつだけこっちに植え替えるんだよ」
「これ、地面を這うのが普通? こう、棒を立てて巻きつかせたら採るの楽にならない?」
「あっ……、そうかも!」
豆のツルが地面を這ってて、収穫が大変だったので、支柱を提案したら食いついてきた。農作業についてはつい語ってしまうなぁ。
ひとカゴ収穫させてもらって持って帰る。豆のスープにしよう。
お兄さんの様子も気になったけど、赤の他人だから病人に会わせて欲しいなんて言えなかった。帰り道でハンスが教えてくれた症状をしっかり覚えた。
「ほれ、ナイフだ」
「オヤジさん、ありがと!!」
「すごい! かっこいい!!」
ピカピカに磨かれた刃、彫刻を施された握りやすい柄、革の鞘はぴったりですっぽ抜けたりしない。すごいなぁ。
案内には夕飯までセットで、早速ナイフの出番があった。焼いた塊肉をこのナイフで切って食べるの。平民はフォークを使わないんだよね。ナイフに刺して食べるか、手掴みか。スープやシチューはさすがにスプーンです。
「おいひぃねぇ」
「しょーらねー、おいしーねー」
「お前らマジか。こんなもんで酔うヤツなんているのかよ」
果実酒は発酵具合によってアルコール濃度が変わる。だから出来立てなら平気でもしばらくすると強くなっちゃう。
もしかしたら領地では薄めてたのかも知れないなぁ。
「はんしゅー、おなかいぱーい」
「かえりゅー! ねりゅー!」
「あー、ハイハイ」
馬車に乗ったところまでは覚えているけど、気がつけばいつもの、バルドゥイーン様の客間だった。喉が乾いている。
「ラナ、おはよう」
「うぅぅ……、きもちわるい……」
これは辛そうだ。
水差しからグラスに水を注ぎ、飲ませるとお代わりもして飲んだ。ぼくも飲もう。
トイレに行ってから魔力を注ぎ、シャワーを浴びてカツラをかぶる。よしっ!!
学校の北側に貴族街、その先が王城。南側には平民街が広がるけど、学校から離れるほど治安が悪くなる。今日はいつも行くところより、少し先。
「オヤジ、今日は何がおすすめだ?」
「3種類しかないんだ。全部おすすめに決まってんだろ!」
「はははははっ!」
ハンスは気安い会話をしながら串焼きを買い、渡してくれた。かぶりつくなんて、ラナにできるかなぁ?
「「おいしい!!」」
「そうかそうか、ぼうず達、たくさん食って大きくなれよ!」
「「うん!」」
肉だけの「ぶっさし」、肉を野菜と交互に刺した「肉野菜」、棒に生地を巻きつけて焼いた「巻きパン」。ここのメニューはこの3つ。
巻きパンは全粒粉で、ぎゅっと詰まった食感だった。ラナの口の周りに肉汁がついたので、拭いたら自分にやらせろって注意された。
八百屋さんはなくて、家で採れた野菜を荷車に積んで売りに来るらしい。何軒か並んで売ってるけど、子供が売っている店(?)が1つだけあった。大丈夫かな? 買い叩かれたりしないのかな?
「おっちゃん、今日もたのむ!」
「頑張ってるな。兄ちゃんの具合はどうだ?」
「うーん、医者にかかる金はないし、分かんないよ」
そんな会話を聞いていたら、ハンスが事情を説明してくれた。
以前は兄と2人で売りに来てたけど、兄が病気になってここまで歩いてくるのが辛くなり、弟が1人で来るようになったこと。この辺りは自警団のおかげでまだ治安が良く、安心して商売ができること。両親と兄、小さな弟と妹の6人暮らしであること。
「兄ちゃん、急に髪の毛白くなっちゃってさ。前にそうなった近所の人と同じように、寝たきりになっちゃうのかなぁ……」
髪が白くなると言えば魔力不足だけど、突然そうなって回復しないのはおかしい。そんな病気があるのだろうか?
医務室の先生に聞こうと記憶に留めた。
「次はここだ」
「「鍛冶屋さん!!」」
「おうよ! やっぱ男は武器だろう? まぁ、危ないから見るだけな」
「なんじゃ、また観光か。どうせなら客を連れてこい」
「こいつらだって成長したら客になるだろ」
「ワシが現役のうちにゃあ、無理じゃろう」
腕はいいけど金がなくて、良い武器が作れない親父さん、って紹介された。
「どうして腕がいいのに、お金がないの?」
「飲み過ぎだ」
「ふん! 必要な分しか飲んでおらんわ!」
「飲んだくれの必要分てのは際限がないからな。お前ら、信用するなよ」
このノリのいい掛け合いを見せたかったのかな?
「あのう、小さなナイフはありま……、ある?」
「メシ用か? 護身用か? メモ板用のナイフか?」
「メシ用で」
「ならこの辺だな」
ざらざらと出てきたそれは、茎が剥き出しの作りかけだった。
「これじゃ切れないよ」
「買うなら研ぐし、手に合わせて柄も付ける。鈍も混じってるから、しっかり選べよ」
ハズレがあるの!?
ラナと2人で真剣に選び、それぞれ1本ずつお願いした。
「ボウズ、なんでそれにした?」
「ボクは軽くてびっくりしたから、欲しくなったの」
「ぼくは気になったやつの中で、持ったら見た目より重い気がしたから、かっこいいな、って」
実は土属性魔法を使うと金属の質が分かる。魔力をぶつけた時の音が、密度が高いほど澄んだ音として聞こえるのだ。もちろん、物理的な音ではないので、自分のとラナのしか聞こえない。
ラナにはぼくの魔力が混じっているから聞こえるんだと思う。
その音で質を見極めて、あとは好みの重さのを選んだだけ。
棒につけた粘土のような物を握り、手の型取りをしてお金を払った。
今日、初めての買い物!!
どちらもお手頃な銀貨1枚だった。
「次はここ!」
「「干し果実!!」」
テーブルの上にドライフルーツとナッツの並ぶ露店。日持ちのする物は生でも置いてあるけど、高い。ナッツは殻付きで、食べる部分は少なそうなのに、果物より高い。
「ナッツは腹持ちがいいし、栄養がたっぷり入ってるんだよ。それに、殻付きなら1年保つんだ。少しずつ大事に食べるために殻付きで売ってるのさ」
ナッツと干し果実の入った素朴な……、パンなのかクッキーなのか微妙な固さの焼き菓子を買って食べた。ここはガイド料に入ってた。
「んぐ、ぁぐ、むぐ……」
「ほら、水をお飲み」
「んんっ! ありがとう。この水、果物の香りがするね」
「古くなった干し果実は硬すぎて歯が立たないから、水に入れてふやかすんだ。そっちは料理に入れて、残った水がこれさ。美味いだろ?」
「「うん!!」」
つまり、果実水なんだけど、干してあるからか、甘味が強い。
「さて、ちょっと足を伸ばしてさっきの野菜売りの家に行くぞ。お前らは田舎育ちらしいから、農地は見たことあるな」
「もちろん」
「うちの領地は土地が痩せてて、大粒麦が育たないから、黍豆を主に育ててるよ」
「黍豆も故郷の味で好きだけど、もっと収穫量が増えると良いんだよね」
2人で故郷の説明をする。
「黍豆か。素朴な味だな。野菜は?」
「美味しい野草をいろいろ育ててるかな。あと芋類と……、ツルハミって知ってる?」
「……あれを食べるのか?」
「花が咲く寸前に刈り取って茹でて皮を剥いて干すと、ツルが食べられるの」
「冬の蓄えだよ」
「知らなかった……」
元間諜としては知らない情報があると悔しいのかな? たとえばーちゃんの知恵袋でも。
山や森に生える蔓植物で、畑では栽培できないけど、刈り残しをすればまた翌年生える。刈り取りは1年おき。
「あそこだ」
作物の話をしていたら目的地に着いた。
「だーれー?」
「おきゃくさん?」
「あ、ハンスおじさん」
「おじさんは止めろ」
両親は大粒麦の畑に行っているそうで、子供達がきゃっきゃしながら野菜畑を案内してくれた。芋類と豆類、葉物野菜。小さな用水路が引いてあって、そこから水を汲んで撒くらしい。
「ぼく、おてつだい してるよ」
「ミアも! ミアも!!」
男の子は葉っぱについた虫をぽいぽい投げている。女の子は……、不思議な踊りで野菜を応援してる?
「この辺、採っていいよ」
「いいの?」
「ハンスから料金もらってるから」
フルーツ狩りならぬ豆狩りか。
「ねぇ、ここ、ずいぶんぎゅうぎゅうに種を撒くんだね」
「それ、少し大きくなったら育ちの良いやつだけこっちに植え替えるんだよ」
「これ、地面を這うのが普通? こう、棒を立てて巻きつかせたら採るの楽にならない?」
「あっ……、そうかも!」
豆のツルが地面を這ってて、収穫が大変だったので、支柱を提案したら食いついてきた。農作業についてはつい語ってしまうなぁ。
ひとカゴ収穫させてもらって持って帰る。豆のスープにしよう。
お兄さんの様子も気になったけど、赤の他人だから病人に会わせて欲しいなんて言えなかった。帰り道でハンスが教えてくれた症状をしっかり覚えた。
「ほれ、ナイフだ」
「オヤジさん、ありがと!!」
「すごい! かっこいい!!」
ピカピカに磨かれた刃、彫刻を施された握りやすい柄、革の鞘はぴったりですっぽ抜けたりしない。すごいなぁ。
案内には夕飯までセットで、早速ナイフの出番があった。焼いた塊肉をこのナイフで切って食べるの。平民はフォークを使わないんだよね。ナイフに刺して食べるか、手掴みか。スープやシチューはさすがにスプーンです。
「おいひぃねぇ」
「しょーらねー、おいしーねー」
「お前らマジか。こんなもんで酔うヤツなんているのかよ」
果実酒は発酵具合によってアルコール濃度が変わる。だから出来立てなら平気でもしばらくすると強くなっちゃう。
もしかしたら領地では薄めてたのかも知れないなぁ。
「はんしゅー、おなかいぱーい」
「かえりゅー! ねりゅー!」
「あー、ハイハイ」
馬車に乗ったところまでは覚えているけど、気がつけばいつもの、バルドゥイーン様の客間だった。喉が乾いている。
「ラナ、おはよう」
「うぅぅ……、きもちわるい……」
これは辛そうだ。
水差しからグラスに水を注ぎ、飲ませるとお代わりもして飲んだ。ぼくも飲もう。
トイレに行ってから魔力を注ぎ、シャワーを浴びてカツラをかぶる。よしっ!!
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騎士×妖精
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