管理者の経験を異世界のパーティでも発揮します!

You助

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そんなこんなで説明を受ける

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「色々と聞きたいことはあるのだけれど、とりあえず俺が何でこの『ジャポルト』の世界に連れてこられたか教えてもらえるか?」

正直、異世界転生ものの小説やアニメはめちゃくちゃ観ていたのでこの状況にワクワクしている自分がいる。それと同時に恐怖や不安の気持ちも持ち合わせてるのは当然のことだろう。
まずは何故俺は転生しているのかをミクルちゃんに聞くことにした。


「うーん、そうだな。じゃあ順を追って説明していくね!ユウイチさん、早速なんだけど私とパーティを組んでくれないかな?」


順を追えているのか、、、?と疑問に思うがあまり気にしないでおこう。彼女が話しやすい順番で話してもらった方がスムーズに事が進む。
元の世界で店長をやっていた時も上司からの業務指示や部下からの意見なんかも大体その方が早く物事が進むのだ。


「パーティメンバーになるのは問題ない、というかむしろお願いしたいくらいだよ。だけどパーティを組むってことは冒険に出る必要があるのか??」


この世界のことを何も知らないのに放り出されるのも困る。だからミクルちゃんとパーティを組むのは問題ない。だが、俺が知ってる異世界(フィクションの世界だが)は冒険者がパーティを組んでいる。例えば商人なんかだと、パーティを組む必要は特にないような気がするのだが。


そんな疑問をもって質問したつもりだが、ミクルちゃんは身を乗り出して興奮している。

「ユウイチさん!今パーティ組むって言ったよね!言ったんだよね!!私今までお荷物扱いしかされたことないけど大丈夫!?いや、大丈夫ってことだよね!言ったもんね!」


・・・あれ、この子もしかして、問題児じゃね?と思いはするが考えていても仕方がない。


「パーティは組むから落ち着いてくれ。俺の質問にも答えてくれるか?」


「ご、ごめんごめん。ユウイチさんがパーティになってくれるっていうからつい。えっと、冒険についてだよね。ユウイチさんが想像してるような大冒険みたいなのはないよ。」


「そうなのか。ならばパーティを組むのもいいけど、俺はどちらかといえば商人とかそっちの方が向いていると思うのだが、、、今までの経験的にも。」


「無理だよ。」


「え?」


「この世界の住民になった時から職業は決められてるの。ユウイチさんも私も冒険者。許可を取れば商売もできないことはないけど、めっっちゃくちゃ面倒だし、許可を取らなかったら処罰にあってしまうんだよね~。」


「なるほどな。分かった。冒険者になるのは構わないがおれはどういう属性なんだ?今まで戦闘系の技術は磨いた事がないんだけど。。。」


「それは後でギルドに行って見てもらうよ!んー、というか何をするにしてもギルドに行かなきゃ始まらないから移動しながら説明しよっか!」


「OK。ちなみにミクルちゃんはその格好から、、、魔法使いか?」


「よく分かったね~!ってそっちの世界の魔法使いのイメージとほぼ一緒だよね。」


ミクルちゃんは俺からするとThe 魔法使い!の格好をしている。

とりあえず支度をしてギルドへと向かうことにした。


「それで、なんで俺はこの世界に?」


「えぇっとねぇ、非常に言いづらいんですけど、、、私が魔法で呼び出しまして、、、」


「魔法で呼び出す!?そんな事ができるのか!?」


「えっとね、誰にでもできるわけじゃないの。私ね、最上級魔法とか上級魔法を得意とする魔法使いだから呼び出しの魔法もできたんだよ。パーティメンバーになってくれる人があまりにもいないものだから、つい。。。」


呼び出されたことは置いておいて、俺は違和感を覚える。嫌な予感と共に。
上級魔法が使えるのにパーティメンバーが集まらない?絶対に何か裏がある。


「えっと、ミクルちゃん?上級魔法使いなのにパーティメンバーが集まらないっていうのがよくわからないのだけど?」



「・・・隠しても仕方ないよね~。私さ、上級魔法は使えるんだけど下級と中級魔法が使えないんだよ。」


なるほど。だがそれくらいなら周りの力で補えそうな気がするが。


「あ、ユウイチさんが思ってる上級魔法とかと少し違くてね、違うというか、詠唱にすごく時間がかかるんだよ。上級で30分、最上級なら最低でも1時間。だから、効率が悪くて必要性がないって判断されるの。」



・・・なるほどな。確かに火力があっても詠唱中にやられてしまっては意味がない。


「俺を呼び出したのも上級魔法で呼び出したのか?」


「ううん、ユウイチさんを呼び出したのは流石に最上級魔法だよ。詠唱から呼び出す者の選定で2時間はかかったかな~」


「そんなにかかるのか、、、。それで、何で俺を?他の世界にはもっと有秀な奴もいるんじゃないのか?」


「文明レベル的に呼べるのが『日本』の人だけだったんだよね。そこでみてて、ユウイチさん顔もタイプだったし、仕事してるとこかっこよかったし、優しいのが分かったからこの人なら言いくるめ、、話を理解してくれると思って!」


言いくるめるって言いかけなかったか?
後少し恥ずかしいな。


「それはどうも。で、2時間かけてその後約1年も日本で俺のことを監視してたってことか?」

嫌味を言うつもりはないが少し意地悪なことを言ってやろうと思った。
が、ミクルちゃんはキョトンとした顔をしている。


「・・・あー!そっか!ユウイチさん、魔法で記憶いじったんだった!実際に私がユウイチさんとコンタクトを取ったのは魔法のジュースを渡した時だけだよ!あとは全部記憶を捏造して貼り付けたの。」


「おいおい、ミクルちゃん。そんなわけ。」

そんなわけない。と伝えようとしたが思い返してみる。
ミクルちゃんは1年前に引っ越してきて。あれ、でもミクルちゃんと話したのは確かにあの時が初めてで。
いや、でも俺は確かにミクルちゃんのことを知っていた。パートさんから聞いていた?いや、お客さんの話をスタッフ間ですることはなかった。
いや、というか女子高生が夜遅くに1人で買い物に恒常的に来ていたら俺はもっと心配しているはずだ。

「ユウイチさーん。ユウイチさーーーん。ごめんごめん、余計なこと言って混乱させたね。」


ミクルちゃんの声でハッと我に帰る。


「いや、こちらこそごめん。そうか、記憶を操作もできるのか。」


思い出そうとしても混乱するだけだ。深追いするのはやめておこう。


「基本的には記憶の操作とかはやらないんだけどね、今回は異世界転生っていう特別な事情だったからさ。」


「まあ、事情は分かったしミクルちゃんの魔法の腕も確かなことは理解したよ。身をもって。だが、そこまでできるならあと何人か仲間を呼ばないか?その方が安全なように感じるんだけど」


「詳しくいうとちょっと違うんだけど、簡単にいうとね、最上級魔法は1度使うと1年は同じ魔法は使う事ができないんだよね。だから、ここからは私とユウイチさんで自力でメンバーを集めていくしかないかな」


なるほど、力が強い分、反動も大きいってわけだな。


「あ、あとユウイチさんの属性が分かったらチート能力も付与する予定だからその時は協力してね!」


チート能力!憧れる響きだ。



「そんなことできるのか!どんなチートでもつけられるのか!」


「こっちに来て1番テンション上がってんじゃん。ま、とりあえずギルドで属性測ってからだよ。さ!お待ちかねのジャポルトのギルドへ到着!」


話しながら進むうちにギルドへついていたようだ。道を全然覚えていない。1人で来ることになったら困る。そもそも先ほどの建物はミクルちゃんの家なのだろうか?


「さあ、ユウイチさん!私たちの旅の第一歩だよ!」


そういうとミクルちゃんと俺はギルドの中へ足を運ぶのだった。
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