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神と魔王と元人間
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若い緑の葉が茂る木の枝に淡い桃色の花がいくつも開いている。
少し離れた場所に小さな滝があって、水が流れ落ちる先、絶えず波紋が広がる滝壺で悠々と泳ぐのは朱色と白のまだら模様の鯉だ。
空は薄い水色で、すじ雲がゆっくりと流れている。まどろみを誘う穏やかな陽射しが降り注ぐ、夢のような優しい場所。
耳心地の良い鳥のさえずりがどこかで聞こえる。
広がる景色はどこまでも美しい。
だがそれらは全て造り物だ。
造り出したのは、この世界の魔王で、今ソロの前で大きな石に腰かけている老爺だ。前合わせの錦の織物の衣を身に纏い、幾重にも重そうな首飾りを下げている。鼻の下と顎には長い白い髭が伸びていて、白目の部分が大きくぎょろりとしている。
彼は名をシャンディエンといった。
「事情はわかった」
促されて地面に腰を下ろし、差し出された盃を受け取る。
シャンディエンは腰に携えた丸い球が二つ連なったような入れ物を手に取ると、ソロの持つ盃に中身を注いだ。
舌先で舐めると。ぴりっと辛い味がした。芳醇な香りを放つそれは、どうもこの世界の酒のようだ。
「雷霆《らいてい》という名でな。知り合いがひとりおるが、これがとんだ堅物で、どこまで話を聞き入れてくれるものか」
「なるほどな。あー、くそ」
ソロが唸って、首筋に手を当てる。
「オレの知り合いでさ、そういう交渉事に長けた奴が一人いるんだけど、残念ながら今行方が知れなくてな」
「ほう? この世界であれば意識の幅を広げることで探すことは可能だが、どれ吾輩が見つけてやろうか?」
「いや、それが転移魔法を使って別世界に向かう途中、なんかの事故に巻き込まれたとかでさ。だから多分あんたの力じゃ……」
「ああ、それは吾輩の力の範疇外であるな」
「だよなあ。まあいないのはどうしようもねえし、いいよ。案内してくれ」
ソロは酒をすべて口に含んで、盃を返す。
シャンディエンが緩慢な動作で立ち上がり、手を閃かせた。すると美しい庭園のような景色が消え、雅やかな建物が目の前に現れた。
漆喰の壁に、花弁や草の形を模した格子の飾り窓、それに深緑の瓦屋根の大きな屋敷だ。
叩くまでもなく、両開きの扉が開かれると、内側に女性がひとり控えていた。髪をきつく結い上げたその女性は両拳を胸の前で合わせ、頭を垂れた姿勢でシャンディエンに言う。
「ようこそいらっしゃいました。シャンディエン様、どうぞこちらへ」
女性について、廊下を抜け、中庭に出る。
その中庭にある池の手前にシャンディエンと似た格好の老爺がいた。
池には黒色の鯉がいて、老爺は何かの餌を指で崩し落としている。老爺は振り向かずに言った。
「何の用だ、シャンディエン」
「急な来訪ですまぬな。実は折り入ってお主に頼みごとがあるのだ、雷霆」
餌をすべてやり終えて、老爺が体ごと振り返った。
ソロをちらりと見やり、ふむと呟く。
「いいだろう、話くらいは聞いてやる」
そう言って、歩き出す。
地面に置かれた敷石の上を進んでいくと、また別の池が見えてきた。
「先日、下界に巣食う妖によって一人の人間が呪いを受けた。滅びの呪いだ」
「ほう」
「呪いは、魔力が上乗せされたことで非常に強力なものとなり、人間達の手には負えん状態らしい」
「それで我々の力を借りたいと、そういうことか……」
雷霆は懐から紙包みを取り出し、先程と同じ丸い固形物を手で崩しながら落としていく。
金色の鯉が水面に浮かび上がってきて、口をぱくぱくさせる。
「その妖はどちらだ?」
僅かに間があって、シャンディエンは口を開く。
「……邪念により生み出されし者だ」
「悪いが、聞けん頼みだな。下界のことは管轄外だ。我ら天界に属する者が手出しをすることは法に反する」
「なんだよ。妖ってどっちかっていうと、そっち側の問題なんじゃねぇの?」
にべもなく断られ、ソロが眉をひそめた。
シャンディエンが言う。
「それがあやつらに関しては曖昧な立ち位置でな、生あるものが死に、魂だけの存在となってそれが変化したことで妖となった場合には、天界側の問題として処理される。しかし生ある者の感情や念から生み出された妖たちに関しては下界側の問題になるというのが昔からの決まりなのだ」
「なんだそれ、ややこしいな。どうにかできるやつが、どうにかすりゃいいだけの話じゃないかよ。つうかその話でいくと、もし魂が変化した妖なら下界で悪さした場合どうなんの? 天界が処理してくれるわけ? それとも自分たちでどうにかしろってこと?」
「神が地上に遣いを寄越して処理させる」
「なら別に、神が地上のことに関与すること自体を禁止されてるってわけでもないのか」
「天界側にも影響がある事態が発生した場合に限り、関与することは稀にあるな」
シャンディエンの言葉にへえと相槌を打ち、ソロは雷霆の背を睨みつけた。
「神様ってやつは随分勝手なんだな」
「これ」
短く嗜めるシャンディエンを無視して、ソロは怒りを含んだ声で続ける。
「だってそうだろ。自分たちは神託とかって、あれしろこれしろと上からモノ言っておきながら、その人間が困ってる時は自分たちでどうにかしろだと? 聞いて呆れるわ。あんたらみたいな連中を信じて、敬虔な気持ちで毎日祈ってる人間達は本気で哀れだな」
「神託は、神と人間、双方の為に行うことであるから、別段こちら側の都合を人間に押し付けているわけではない」
「ああそう、だったらその神託を受けた人間が呪いで死んじまったら、あんた達だって困るんじゃないの?」
雷霆がぴくりと肩を揺らす。
手にある固形物が潰される前に池に落ちた。水面に浮いて揺れる。
「何? そなた今なんと言った?」
「だから、あんた達に言われて伝説の剣探してる人間が呪い受けたんだって。それはお互いが困ることになるんじゃないかって」
雷霆が振り返り、シャンディエンは頷く。
「それを先に言わんか馬鹿者」
急に険しい顔つきになった老爺に、マジで身勝手だなこいつらと、ソロは思ったが口には出さなかった。
少し離れた場所に小さな滝があって、水が流れ落ちる先、絶えず波紋が広がる滝壺で悠々と泳ぐのは朱色と白のまだら模様の鯉だ。
空は薄い水色で、すじ雲がゆっくりと流れている。まどろみを誘う穏やかな陽射しが降り注ぐ、夢のような優しい場所。
耳心地の良い鳥のさえずりがどこかで聞こえる。
広がる景色はどこまでも美しい。
だがそれらは全て造り物だ。
造り出したのは、この世界の魔王で、今ソロの前で大きな石に腰かけている老爺だ。前合わせの錦の織物の衣を身に纏い、幾重にも重そうな首飾りを下げている。鼻の下と顎には長い白い髭が伸びていて、白目の部分が大きくぎょろりとしている。
彼は名をシャンディエンといった。
「事情はわかった」
促されて地面に腰を下ろし、差し出された盃を受け取る。
シャンディエンは腰に携えた丸い球が二つ連なったような入れ物を手に取ると、ソロの持つ盃に中身を注いだ。
舌先で舐めると。ぴりっと辛い味がした。芳醇な香りを放つそれは、どうもこの世界の酒のようだ。
「雷霆《らいてい》という名でな。知り合いがひとりおるが、これがとんだ堅物で、どこまで話を聞き入れてくれるものか」
「なるほどな。あー、くそ」
ソロが唸って、首筋に手を当てる。
「オレの知り合いでさ、そういう交渉事に長けた奴が一人いるんだけど、残念ながら今行方が知れなくてな」
「ほう? この世界であれば意識の幅を広げることで探すことは可能だが、どれ吾輩が見つけてやろうか?」
「いや、それが転移魔法を使って別世界に向かう途中、なんかの事故に巻き込まれたとかでさ。だから多分あんたの力じゃ……」
「ああ、それは吾輩の力の範疇外であるな」
「だよなあ。まあいないのはどうしようもねえし、いいよ。案内してくれ」
ソロは酒をすべて口に含んで、盃を返す。
シャンディエンが緩慢な動作で立ち上がり、手を閃かせた。すると美しい庭園のような景色が消え、雅やかな建物が目の前に現れた。
漆喰の壁に、花弁や草の形を模した格子の飾り窓、それに深緑の瓦屋根の大きな屋敷だ。
叩くまでもなく、両開きの扉が開かれると、内側に女性がひとり控えていた。髪をきつく結い上げたその女性は両拳を胸の前で合わせ、頭を垂れた姿勢でシャンディエンに言う。
「ようこそいらっしゃいました。シャンディエン様、どうぞこちらへ」
女性について、廊下を抜け、中庭に出る。
その中庭にある池の手前にシャンディエンと似た格好の老爺がいた。
池には黒色の鯉がいて、老爺は何かの餌を指で崩し落としている。老爺は振り向かずに言った。
「何の用だ、シャンディエン」
「急な来訪ですまぬな。実は折り入ってお主に頼みごとがあるのだ、雷霆」
餌をすべてやり終えて、老爺が体ごと振り返った。
ソロをちらりと見やり、ふむと呟く。
「いいだろう、話くらいは聞いてやる」
そう言って、歩き出す。
地面に置かれた敷石の上を進んでいくと、また別の池が見えてきた。
「先日、下界に巣食う妖によって一人の人間が呪いを受けた。滅びの呪いだ」
「ほう」
「呪いは、魔力が上乗せされたことで非常に強力なものとなり、人間達の手には負えん状態らしい」
「それで我々の力を借りたいと、そういうことか……」
雷霆は懐から紙包みを取り出し、先程と同じ丸い固形物を手で崩しながら落としていく。
金色の鯉が水面に浮かび上がってきて、口をぱくぱくさせる。
「その妖はどちらだ?」
僅かに間があって、シャンディエンは口を開く。
「……邪念により生み出されし者だ」
「悪いが、聞けん頼みだな。下界のことは管轄外だ。我ら天界に属する者が手出しをすることは法に反する」
「なんだよ。妖ってどっちかっていうと、そっち側の問題なんじゃねぇの?」
にべもなく断られ、ソロが眉をひそめた。
シャンディエンが言う。
「それがあやつらに関しては曖昧な立ち位置でな、生あるものが死に、魂だけの存在となってそれが変化したことで妖となった場合には、天界側の問題として処理される。しかし生ある者の感情や念から生み出された妖たちに関しては下界側の問題になるというのが昔からの決まりなのだ」
「なんだそれ、ややこしいな。どうにかできるやつが、どうにかすりゃいいだけの話じゃないかよ。つうかその話でいくと、もし魂が変化した妖なら下界で悪さした場合どうなんの? 天界が処理してくれるわけ? それとも自分たちでどうにかしろってこと?」
「神が地上に遣いを寄越して処理させる」
「なら別に、神が地上のことに関与すること自体を禁止されてるってわけでもないのか」
「天界側にも影響がある事態が発生した場合に限り、関与することは稀にあるな」
シャンディエンの言葉にへえと相槌を打ち、ソロは雷霆の背を睨みつけた。
「神様ってやつは随分勝手なんだな」
「これ」
短く嗜めるシャンディエンを無視して、ソロは怒りを含んだ声で続ける。
「だってそうだろ。自分たちは神託とかって、あれしろこれしろと上からモノ言っておきながら、その人間が困ってる時は自分たちでどうにかしろだと? 聞いて呆れるわ。あんたらみたいな連中を信じて、敬虔な気持ちで毎日祈ってる人間達は本気で哀れだな」
「神託は、神と人間、双方の為に行うことであるから、別段こちら側の都合を人間に押し付けているわけではない」
「ああそう、だったらその神託を受けた人間が呪いで死んじまったら、あんた達だって困るんじゃないの?」
雷霆がぴくりと肩を揺らす。
手にある固形物が潰される前に池に落ちた。水面に浮いて揺れる。
「何? そなた今なんと言った?」
「だから、あんた達に言われて伝説の剣探してる人間が呪い受けたんだって。それはお互いが困ることになるんじゃないかって」
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